次回から雄英受験編に入ろうと思います。
無個性と診断されてから早7年…俺は小学6年生の12歳になった。小さかった体は大きく成長して身長が184cmも伸びて肉体には筋肉がガッチリと搭載され、とてもじゃないが小学生には見えない見た目になった。
ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!
そして現在俺は二分の一成人式が終わってから父さんの会社で出た廃材を利用して、頑丈に作ってもらって庭に設置したサンドバッグを素手で殴っている。めちゃくちゃ頑丈に作ってあるから殴るとクソ痛い。ガープさんが考えた軍艦バッグっていう修行法に倣って、軍艦バックならぬ強化廃材バッグをしている。
「拳斗〜!今大丈夫?」
「ん?どした母さん?」
「夕飯に煮付けを作ろうと思ってたんだけど醤油と砂糖が少ししか無いの忘れてて、今から買いに行ってもらえない?」
「何かアニメとかで出てきそうなベタなやつだな」
「夕飯抜きが御所望なのかしら?」
「任せろ!直ぐに買ってくる!」
廃材バックを一旦終わらせてスーパーへ直行した。
目的のブツを買い物カゴに入れて早々にレジへ並ぼうとした俺の足はとある商品の前で止まった。
広告品!!歌舞伎揚98円!!
「───これは買うしかないな…」
昔っから歌舞伎揚には目が無かった。
ザクザク食感に口に広がる醤油の味はいくら食べても飽きがこない。歌舞伎揚を買い物カゴの中に5袋入れてスキップしながらレジに向かった。レジで会計を済ませて、持参したマイバッグに商品を詰めて店を出た。
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学校の帰り道、私は誰も居ない公園のベンチで1人座っていた。
『何でも出来る個性だからってウチらを内心では見下してんでしょ?』
『そうやって近づいて、俺らの反応見て楽しんでるんだろ!性格悪いんだよ!』
ただ皆の事が知りたい…仲良くしたいだけなのに周りの人がどんどん居なくなっていく。個性の話をしても、私の話は全部自慢話だと言われて誰も何も聞いてくれない。学校では孤立して友達なんて一人もいない…グループ学習とかで同じ班になっても無視される。
「どうしたらいいんだろ…」
誰に尋ねる訳でも無く、溜息のように言葉が漏れた。
最近元気が無いってお父さんやお母さんから心配されるけど、大好きな二人には迷惑かけたくない…。どうしたらいいのか誰にも相談出来ない、誰か助けて欲しいと張り裂けそうな胸を抑えながら願っていた時だった。
「歌舞伎揚食う?」
私より身長が遥かに高い男の子が私の前に現れて、袋から歌舞伎揚を取り出して差し出してきた。
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買い物をしてすぐ帰るつもりだったのだが、帰り道にある公園で中学の制服を着ている水色の髪の女の子が何か思いつめた様な顔をしてベンチに座っているのが目に入った。
素通りしようかと思ったけど、女の子の表情を見てすぐに考えを改めて声をかけることにした。
「歌舞伎揚食う?」
我ながら変なファーストコンタクトだと思う。
女の子に近づきながらなんて声を掛けようかと悩んでいたらその子と目が合って、咄嗟に歌舞伎揚をひと袋取り出して女の子に差し出した。
「えっと…なんでくれるの?」
「元気なさそうだったから」
「ありがとう」
歌舞伎揚は無事に受け取ってもらえ、女の子から少し離れた位置にあるベンチに腰を下ろした。
「その…思い詰めた顔してて…心配になったので声を掛けました」
そう言った瞬間に女の子の顔が暗くなる。
無理に聞くつもりは無いが、普段は明るい性格の持ち主であろう女の子がこんな状態になるなんて一体どういう風にこうなったのかが気になった。
「私の話聞いてくれるの?」
「え?う、うん」
見ず知らずの人に話すわけないよな〜って思っていたら、その子がそんな顔になるまでの出来事を話してくれた。
友達になりたくて相手の事を知ろうとしたら拒絶され、強個性を持っているが故に嫉妬されて孤立させられている様だ。話してくれている内に隣でポロポロと涙を零していた。
「お父さんとお母さんには心配掛けたくなくて…。でも、誰にも話せなくて苦しかったの」
「そっか…だったら両親にはちゃんと話さないといけないね」
「なんで?」
「俺の父さんが言ってた事なんだけどさ、親って何時でも子供に頼って欲しい生き物らしい…だから、君が両親に心配掛けたくないほど大事だと思ってる以上に親も君の事が大事なんだよ」
泣いている女の子はハンカチを取り出して涙を拭って、生気のなかった目に生気が少し戻っていた。もう心配しなくても大丈夫そうだなって思った俺はベンチから立ち上がった。調味料の到着を待つ母さんが居る家に帰還しようと足を動かした。
「ね、ねぇ!名前教えてよ!」
「
「私は波動ねじれ!話を聞いてくれてありがとう!お父さんとお母さんに勇気をだして話してみるね!」
女の子…波動ねじれさんもベンチから立ち上がって、俺とは反対の方向へと走り出した。彼女の後ろ姿が見えなくなってから、俺も家に帰った。
「おかえりなさい拳斗」
「ただいまっと!」
家に帰ってきた俺に母さんがプラスチックのバットを思いっきり振り下ろしてきた。振り下ろされたバットを難なく避けて、買ってきたものを母さんに手渡した。
「もう当たらなくなったわね」
「7年の修行のお陰だね。授業でドッヂボールしてる時なんて目を閉じてでも出来る様になったからね」
「なんか拳斗がびっくり人間に進化してる気がする…。夕飯が出来るまで強化廃材バッグ?っていうのまたやるんでしょ?」
「おう!それじゃあ夕飯よろしくね!」
年月は掛かったけど気配を感じて自分に向かってくるものを全て避けられる様になった。あとは武装色が使えるようになるだけだ。俺は再び強化廃材バッグに拳を打ち込んだ。
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家に帰ってからお父さんとお母さんに今までの事を話した。私の話を真剣に聞いてくれたあと、お母さんが優しく抱きしめてくれて頑張ったねって褒めてくれた。今の学校とは別の学校に転入しようってお父さんが提案してくれて別の所へ転入する事になった。
「また会えるかな?西嶋拳斗くん」
貰った歌舞伎揚を眺めながら私にとってのヒーローの名前を呟いた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
オリ主ファミリー
主人公:
個性:無個性
5年かけて見聞色を習得し、現在は強化廃材バックを殴りながら武装色の習得中。
身長:184cm
体重:74kg
父親:
個性:剛力
1tの物を軽々と持ててしまう増強系個性。
身長:230cm
体重:125kg
母親:
身長:163cm
体重:秘密❤
個性:冷風
冷たい風を起こす夏場は冷房要らずの便利個性だ。