第一話
ヤンチャな中学生活を送っていた俺も遂に受験という名の戦争をする時がやってきた。俺の受験する高校は静岡県にある雄英高校というヒーロー科がある高校で、俺が受験するヒーロー科の倍率は300倍に加えて偏差値79という難関校だ。
「デケェ…流石は名門校の校門だ!校門からして学校の風格が違う!」
でかい戦争の始まりに興奮を抑えながら第一試験の筆記テストが行われる会場へと向かう事にした。周りを歩く受験生達の顔が全員険しい顔をしていて、黙々と歩いていた。
「まあ、ニコニコしながら歩いてるやつなんか居るわけないか」
受験だし当たり前かと思いながら歩いていていると、俺の少し前を歩いてる緑髪の受験生がマナーモードみたいにブルブル震えていた。
「大丈夫かあいつ?あんな歩き方してたら転ぶぞ」
転ばないかと心配していたら、俺の心配通りに足をもつれさせて転びそうになっていた。前のめりに転びそうになっている受験生のリュックを掴んで、そのまま持ち上げた。
「軽!?体重何処に置いてきたんだ!?」
「それ、ウチの個性で軽くしたんだ!」
緑髪に全く体重が感じられないと思ったら、茶髪の女の子が俺より先に個性で転ばないようにしてくれたらしい。面白い個性だなって感心してたらボソボソとか細い声が聞こえてくる。
「あ、あの…お、おろしてくれませんか」
「悪い悪い!軽すぎて持ってるのを忘れてた!許せ!」
緑髪を地面に下ろして立たせた。
茶髪の女の子も個性を解除したようで、緑髪に体重が戻ったようで軽く足踏みしていた。緑髪から転びそうな所を助けてくれてありがとうと感謝された。
「あ、あ、あの!そちらのひ、人も助けくれて、あ、ありがとう!ご、ございます!」
俺相手には普通だった緑髪だったが、女の子相手にめっちゃ挙動不審だった…。
さてはシャイボーイだな少年よ。
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雄英高校ヒーロー科への受験に緊張して転びそうになった僕をオールマイト並の身長とガタイの良い人に助けてもらった。その人だけで無く、近くに居た女の子が個性を使って助けてくれていたみたいで、僕は恥ずかしさと初めて女の子とのまともな会話で顔から火が出そうだった。
「これもなんかの縁だし、軽く自己紹介でもするか?」
「いいね!私は麗日お茶子!三重から受験しに来ました!」
「俺は西嶋拳斗、秋田から受験しに来た。緑髪は?」
「あ、えっと。み、緑谷出久です!こ、此処が地元です!」
西嶋君の一言で自己紹介が始まった。
緊張していたけど、少しずつ慣れてきて西嶋君の提案で途中まで筆記試験の会場まで一緒に行く事になった。1人で歩いていた時は下を向いて少しビクビク震えながら歩いていたけど、今はビクビクする事も震える事も無く、しっかりと前を向いて歩けている。
「さて、筆記会場はそれぞれ違うみたいだし此処でお別れだな」
「そ、そうだね」
「お互いに頑張ろう!」
それぞれの筆記試験会場に向かう為に別れる流れになった時だった。西嶋君が僕達に向かって大きな拳を伸ばした。
西嶋君が拳を伸ばしてきた意図を理解した僕達は、西嶋君の大きな拳に自分達も拳を合わせた。
「自分の全部を出し切って合格を狙おうぜ」
「そうやね!西嶋君も緑谷君も次に会う時は此処でまた会おうね!」
「ぼ、僕も二人にまた会えるように全力を尽くします!」
僕達は再び此処で会う事を拳に誓ながら、それぞれの筆記試験会場に向かった。ああいう事を初めてした僕は今でもドキドキしてるけど、最初の頃にしていた緊張が無くなっていた。
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「試験官を務める13号です。今から問題用紙と解答用紙を配ります、手元に来たら受験番号の記入と名前の記入をしてください。僕の合図があるまでは勝手に問題用紙を見たり始めないでください」
流石は天下の雄英高校だ...試験官がプロヒーローとはなんて贅沢だ。雄英高校に感心していると俺の手元に問題用紙と解答用紙が届いた。13号の指示通りにしっかり受験番号と名前を書き、13号の指示に従って開始の合図があるまではじっと待機している。
「それでは始めてください!」
13号の開始の合図と共に筆記試験が始まった。
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