個性検査を受けた日からあっという間に時が流れて、雄英高校入学日を迎えた。父さんのツテで雄英高校から3駅離れた場所にあるマンションを借りてくれて、入学日の1週間前から一人暮らしを始めている。
現在の時刻は6時30分…良い時間帯に起きられ、雄英高校に行く身支度を始めた。新しい制服に袖を通し、鏡で制服姿の自分を見て雄英高校に入学出来たんだなって改めて実感した。
朝飯を済ませて荷物の最終確認をしてこれから3年間世話になる雄英へ登校した。学校へは交通機関の一切を使わずに己の足だけで登校する事にしている。距離的にも丁度良いし、両親に家賃や光熱費に加えて仕送りもしてくれるので少しでも無駄遣いをしない為でもある。
「やっぱデケェな…」
雄英の校門はいつ見てもデカかった。
大きな校門をくぐって、俺が今年世話になる教室『1-A』と書かれている教室に向かった。自分の教室に向かっている道中、色んな教室の前を通るが全ての教室のドアがデカかった。多分肉体に影響する個性持ち等に配慮して作られているんだろうなって思っている間に『1-A』とプレートがある教室にたどり着いた。
「俺が一番乗りか?」
教室に入ったが誰一人も来ていなかった。
現在の時刻は7時20分…早く来すぎた。取り敢えず自分の席に座って誰かが来るまで何をして時間を潰そうかと考えていたら、眼鏡をかけた委員長タイプの男が入ってきた。
「む、俺が一番乗りだと思っていたんだが」
「あ、受験生キラー」
「いきなり不名誉な呼び方はなんだ!!」
思わずポロっと零した言葉にキレのいい突っ込みが入った。
「いや、実技試験の説明会の時に受験生を大勢の前で糾弾してたから」
「あの時の受験生には申し訳ない事をしたと思っている…。大勢の前でさらし者のようにするべきでは無かった」
自分が絶対正しいマンだと勝手に思っていたけど、あの時の自分を振り返って非を認めている素直な奴だ。
「そうか、さっきは変な呼び名で悪かった。俺は西嶋拳斗、よろしくな」
「ぼ、俺は飯田天哉!同じくヒーローを目指すクラスメイトとしてよろしく頼む」
俺達は固い握手を交わした。
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僕は高鳴る胸を抑えながら雄英の廊下を歩いている。
あの受験戦争で出会えた麗日さんや西嶋君と同じクラスになれたら良いなって思いながら『1-A』とプレートに書かれている教室のドアを開いた。
「机に足をかけるのをやめたまえ!先輩方への失礼だとは思わないのか!?」
「思わねーよ!モブが!!」
開けて直ぐに閉めたくなった…。
幼馴染であるかっちゃんと受験会場に居た人が口論している場面を見て白目を剥きそうになった。
「む!君は!」
軽い現実逃避をしていると、かっちゃんと口論していた人が僕の方に向かってきた。
「実技試験の説明会の時…すまない事をした。あの場で大きな声で君を注意するべきでは無かった」
「あの時はいつもの癖が出ちゃってたから僕もすみませんでした」
あの時はちょっと怖いなって思ってたけど、話してみるとすごく真面目な人なんだなって思った。彼…飯田君と自己紹介をして、飯田君は再びかっちゃんに一戦を交えに戻った。
「あ!緑谷君!同じクラスなんだね!」
「う、麗日さん!!」
突然後ろから声を掛けてきた人物…麗日さんに驚いて素っ頓狂な声を出してしまった。
「相変わらずだな出久」
「西嶋くん!」
会いたいと思っていた二人と同じ教室で再会できた。
特に西嶋君には実技試験の事とか色々聞こうと思っていたら、西嶋君が僕の後ろを見て笑っていた。僕と麗日さんは西嶋君が笑っている理由を知ろうと後ろを振り返ったら…寝袋に入った男の人が横たわっていた。
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「お友達ごっこがしたいなら他所に行け。ここは……雄英だぞ」
相澤先生が寝袋で現れるという独特な登場に場の空気が静まり返った。クラス全体が静かになって相澤先生は寝袋から出て、秒で吸飲するゼリー飲料を飲み干して教室に入ってきた。
「担任の相澤消太だ、よろしくね…。早速だが
相澤先生は寝袋から俺を除いたクラスメイト達の体操着を教卓の上に置いて教室を出ていった。
「西嶋、ちょっとこい」
あの寝袋の収納スペースは一体どうなっているんだろう…なんて考えていたら相澤先生がひょっこり顔を出して俺を呼んだ。
「どうしたんですか相澤先生?」
「分かっていると思うが、これから体力テストをあいつらにもやってもらう。お前はこのまま体育館に向かって入学式に出て来い」
「俺だけ贔屓だって言われませんか?」
「一度受けたテストを再びするのは非合理的だ。お前のことは既に受けていると言っておく…次いでにお前の記録も見せるんだがいいか?」
「別に見られて困るもんじゃないんで良いですよ。それじゃあ入学式に出てきますね」
クラスメイト達がどんな個性を持っているのか気になるが、教室には戻らずそのまま体育館へ向かった。
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