チート転生アドリアン君   作:ブロンズ探検家

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1話 転生しました

意識が浮上する。

 

状況から察するに、俺はどうやら赤子になっているらしい。

仕事がまだ残ってる、次回作が気になるゲームなどがあったのに、等のとりとめのない考えが頭の中をいくつも過ぎるが、現状どうしようもないかな、と乱れた思考の川を一旦堰き止める。

今できること、即ち現在の状況把握を進めていこう。

 

まず、こうなった状況を思い出す。

確か……そう、不思議な場所で転生することが決まり、転生の特典を記載したことは思い出せる。

確か才能向上・成長限界撤廃・ネット検索機能・転生先以外の世界での能力やアイテム取得・運の向上だったはずだ。

4つ目は確か制限があったはずなので一旦置いておくが、どうも俺自身に影響を与えるものばかり選ばれている。

どんな心持ちで俺が特典を選んだのかを何故か上手く思い出せないが、おそらく異世界での生存をメインに据えつつ、現代で最も使用されるインフラとの両立を目指したのかな?

転生先を自分の指定した世界にするのを特典に選んでも良かったのでは、とも思うが、もしかしたら選択肢になかったのかもしれない。

 

どんどん思考を進めていくが、なんというか頭の中が以前と比べてずっと澄み渡っていて、容易に考えを整理できる感覚がある。

きっと才能の特典効果なんだろうな。

これだけでも2度目の生は過ごしやすくなるだろうことは間違いないことは確信できる。

 

続けて首をゆっくり動かして周りを見てみると……明らかに格調高い調度品の数々が目に入るなぁ……。

使用人みたいな方も複数いるし……。

うん、これ確実に裕福な家庭だな。

金銭面で困らないのは凄く助かるけど……。

もしかしたら、特典の幸運がうまいこと仕事をしてくれたのかもしれないね。

あと調度品が西洋風だから、断定はできないけどファンタジー系列の異世界っぽい気がするなぁ。

 

おっと、使用人と思しき人達が雑談してる。ちょっと耳を傾けてみよう……。

 

 

どうやら俺はシューベト領領主の長男として生まれたみたいだ。

名前は『アドリアン』とのこと。

……エイドリアンじゃないんだな。

いやアドリアンという人名はあったはずだから別におかしくはないんだけどね。

 

それと、俺の今生の父はシューベト領主の『リーガル』で、母は前シューベト領主で『エステル』という名前らしい。

会話からとりあえず父が入り婿ということは分かるな。

雑談から受けた印象では父が厳しめで母が優しいという普通にありそうな家庭だったが、もう一つ気がかりなことを耳にした。

 

どうも母はお産の後も体調が回復せず現在も伏せっているらしい。

 

医療が整ってない時代では出産は命懸けだからなぁ。

何ができる訳でもない今は回復を願うしかないか……。

 

ファンタジータイプの異世界なら、領主の妻でもある母が魔法や薬とかで回復という方向に話が進めばいいのに、という所まで思考すると、徐々に意識が沈み込んでいく。

 

ああ、まだ赤ん坊だからなぁ……と思考の泡が最後に浮かび、俺は抗えない眠気に身を委ねた。




幸運「生まれた家については手を出してないんだ。」
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