チート転生アドリアン君   作:ブロンズ探検家

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小説情報を見ると、いつの間にか総合評価が1000ポイントを超えていますね……。
評価仕様はあまり確認してませんが、お気に入り登録・投票・感想記入、どれもありがとうございます。


34話 決死隊を支援しよう+α

【これまでの方針を維持し、バベリア大陸では間接的な支援を行う】 ←ピッ

【これまでより積極的に動き、バベリア大陸ではある程度直接的にも活動する】

 


俺はジーヴ村での一件が心に引っかかってしまったので、イレギュラー要素を多少なりとも抑えるためにバベリア大陸では間接的な活動にて関わっていくことに決めた。

……俺がバベリア大陸で動いている事自体が既にイレギュラーであるかもしれないのは無視する。

改めて、フレアにバベリア大陸での今後の動きを伝えよう。

 

『バベリア大陸では、教皇への抵抗勢力……決死隊への間接的な支援を主軸に据えて動くのだな。ならば、まずはどこに決死隊がいるのかを探さなくてはいけないな』

 

そこはミッションに記載されたマップを頼る。

「決死隊を支援しよう」のミッションでマップを確認すると、エリシオン平原内・バベリア町東のラオバ森近辺・バベリア大陸東側にあるララク森の南側がぼんやりと示されている。

多分これらのどこか・あるいは全てに決死隊に関連する何かがあるのだろう。

最低でも一つは決死隊の隠れ家を示しているはずだ。

調査を進めればミッション内のマップ精度も上がるから外れでも無駄にはならない。

総当たりで調査してみよう。

教皇派の勇士に捕捉されないよう再び透明になる衣を装備し、俺とフレアは決死隊の居場所探しに飛び立った。

 


まずは一番近いエリシオン平原を捜索した所、平原の中央部で相当数の人間が生活していた痕跡を発見した。

破壊された櫓や馬車などが散乱しているから、恐らく教皇の手の者に襲撃されて決死隊がこの場所を引き払ったのだろう。

決死隊のミッションマップがより精緻になったので概ね間違いないはずだ。

ただ、櫓などの損壊具合を見ると、どうも何か巨大な生物によって破壊されたように思える。

……セルビス氏は巨大な生き物を従えて敵対勢力を襲撃している可能性があるな。

いや、黒い魔力の石を使った生物兵器という線もあるか。

どちらにせよ注意しないと。

 

『では、次の場所を捜索するが、どちらに向かう?』

 

勘ではラオバ森に隠れ家があると思うが、マップをより精緻にして位置を確定させるのを優先し、先にララク森方面を捜索するようフレアに頼んだ。

 

『よし、それでは大陸の東側に行くとしようか』

 

了承したフレアはそのまま東に向けて移動を開始した。

 


フレアは透明な状態でも飛行に慣れたようで、もう普段とスピードは変わることなく、迅速にララク森に辿り着いた。

勇士の目を避けながら色々探し回った所、滝の下に洞窟があるのを確認できたので、ついに出番の来たワイヤーアクションを駆使し、滝下の洞窟まで移動して内部を探索した所、やはり複数の人が生活していた痕跡を発見した。

こちらも人の気配はしないので既に決死隊は引き払っているのだろう。

改めて決死隊のミッションマップを見ると、ラオバ森北西の一点を指しているのを確認できた。

この位置が決死隊の隠れ家とみなしてよいはずだ。

再びワイヤーアクションを使ってフレアの元に戻り、決死隊の隠れ家の位置を共有する。

 

『あと一歩だな。決死隊の隠れ家がある場所まで行ってみるとしよう』

 

そう言って再度俺を乗せた透明なフレアは飛翔を開始した。

 


俺達は妨害を受けることなくラオバ森北西部に到着した。

マップが示す場所を見ると、奥まった場所にある岩壁の空間が明らかに歪んでいる。

いや、歪みを認識できるのは俺が魔力持ちだからかもしれない。

ささっと解析すると中々の練度の隠蔽結界が張られていることが分かるので、ここが決死隊の隠れ家で確定だ。

魔力探知も回避するよう術式が組まれているから、決死隊に合流している神族は結界魔法が得意なのかもね。

 

『どうやら神族も決死隊に協力しているようだな。教皇を打ち倒そうとする勢力なのだから、ある種必然とも言えるか』

 

結界魔法で隠れ家を守っているからそう考えるのが自然だね。

同時に神族を匿っていることから、本気でセルビス氏を打ち倒そうとしている勢力であるということも保証されるので、支援が無駄になるという可能性も低いだろう。

 

『だがアドリアンは決死隊に直接参加はせず、間接的な支援をすると言っていたな。どのような手段を取るつもりなのだ?』

 

この手の反乱組織で一番困るのは物資の調達だから、俺はそれを補うつもりだ。

フレアかイメルに調達した物資を隠れ家まで運ぶのを手伝ってもらう必要はあるんだけどね。

ただ、シューベトで購入した品々を送ったら足が付きそうだから、物資調達は転生特典用のポイントでの購入がメインになるだろう。

……必要そうな物資を整理した方が良いな。

一旦ドラゴンバレーに戻り、秘密基地の中でちょっと案を練ってみよう。

 


俺とフレアは秘密基地に戻り、基地の倉庫内で決死隊への支援内容を検討している。

 

『まずは水と食料が必要だと思う。あの奥まった位置では、森での調達分を加味しても十分量を得るには苦労するだろう』

 

フレアが真っ先に案を出すが、完全に同意できる意見だね。

水は大きめの革袋に入れればよいな。

食品の方はそれに加えて、できる限り日持ちのするものが望ましいはずだ。

乾パン、干し肉、ビスケット等が定番で、干物とかツナもいけるか。

栄養バランスを考えれば乾燥野菜やドライフルーツなんかも良さそうだ。

そうそう、塩も忘れてはいけないな。

閉鎖空間だと気分転換に甘味も欲しくなるかもしれないから、腐りにくい蜂蜜も加えておこう。

 

どれも前世にあるものだから全部転生特典ポイントで購入できるか。

消耗品だからか格安でもある。

この世界の文明レベル・存在する食品に合致したものだけをフィルターして抽出すれば、購入するものを迷わずに済むからとても楽だ。

ポンポンと目をつけた食料と水(+革袋)、後は物資を詰めるための超巨大な麻袋を選んで、物資を大量に購入する……一定量以上をまとめて購入するとポイント使用量が割引されるのか。

ありがたいけど、業務用スーパーじゃないんだからさぁ……。

まあいいや。

フレアと協力して購入した物資を麻袋にどんどん詰めていくとする。

 

他には……そうだな。燃料に使う木材がいいかもしれない。

大量の薪を購入してこれも麻袋に詰めていく。

 

『アドリアン、武器と防具はどうだろう。一般の装備は消耗品だからあった方が良いのではないか?』

 

それは考えたんだけど、普通の武器防具はポイントで呼び出したものだとこの世界と意匠が異なることが多いから不信がられないかちょっと心配なんだよね。

特殊な力があるものは意匠も調整できるんだけど流石に消費ポイントが上がりすぎる。

消耗品として送るには不適切だろう。

 

武器や防具そのものを渡すのは難しい……ああ、決死隊側で調達してもらうために先立つものを渡せばいいのか。

倉庫に積んである金鉱石を取ってきて、魔力を操作して金鉱石に干渉し、金の原子構造をイメージして純金部分だけを抽出するべく魔力操作を行う。

 

……よし、余裕で抽出できるな。

ただ、今作ったばかりの純金の球体に自分や加護の魔力が残らないようにするのだけは気を付けないと。

こういった繊細な作業を楽々こなせるってことは、魔力制御能力は相当高まっているって見做せるんじゃないかな。

まだまだ鍛えるつもりだけどね。

 

『なるほど。人間にとって価値の高い金を送って、決死隊自身に武器と防具を調達させるのか』

 

納得したフレアが言葉を紡ぎながらも俺が100個・200個と作っていく手乗りサイズの純金の球体を麻袋にどんどん放り込んでいく。

 

水・食料・木材・金……よし、それぞれ袋に詰めたな。

後はフレア達が運びやすいようこれまたポイントで購入したロープでぎゅぎゅっと袋を纏めていけばOKだ。

1袋ごとは普通の人が持てる重さにしてるけど、合計すると相当な重量になってるな。

雷竜イメルも運べるかな……?

 

『私は問題ないが、イメルが運べる量は確認した方がいいな。初回の物資輸送は私とイメルの両方で行った方がいいかもしれない』

 

そうだね。

そこでイメルの積載可能な重量を確認しよう。

そうだ、無言で物資だけを置いていくと不信がられるから手紙も添えるか。

筆跡から正体を辿られないよう自動で筆跡を変えてくれるペンをポイントで購入して、筆跡偽造ペンで便箋を埋めていく。……こんな物か。

熟年の大貴族という筆跡設定でやってみたけど、上手くできていると良いな。

後はこれを深夜にでもイメルと協力して決死隊の隠れ家まで運べばOKだ。

 

それとまだ時間もあるし、岩石竜に集めてもらった転写石を浄化剤の素材に使える感情を込めた粉にして、浄化剤を作っていこう。

思い立ったが吉日ということで、浄化剤作成用に前世の研究室を秘密基地に追加しておく。

基地内なら古代神レフガトの加護の魔力を使えば、これまで使った魔力水と同条件のものを自作できるから調達の手間も省ける。

各地の黒い魔力の浄化・汚染対策の備蓄・教皇城決戦用とこれから黒い魔力の浄化剤はとにかく量を作り続ける必要があるから、どんどん用意しないと。

 

……ポイントが唸るほどあるし、秘密基地内で浄化剤を作成する時は、基地内の時間の流れを緩やかにする機能をグレードアップしてからやろうか。

後、決戦時に使用する浄化剤を運用しやすくするため、異世界由来の特別な貯水タンクとタンクに連動した放水砲をポイントで購入して用意しておこう。

 


基地の研究室で作成した浄化剤をポイントで獲得した貯水タンクに詰め、適当な時間に自宅に戻った俺は、深夜帯の時間になった後に再びフレアと一緒にイメルの元を訪れ、決死隊への物資輸送の協力をお願いした。

イメルは雷の勇者といた時も被災した村への物資輸送等に力を貸した経験があるそうなので、協力するのは問題ないと言ってくれたので何よりだ。

 

ただ、イメルに自身が運べる重量を確認した所、今日用意した物資をイメルだけで運ぶ場合はやや重いということだった。

今回はフレアと一緒に運ぶから気にしなくてよいが、次回以降イメルだけに輸送を頼むときは運んでもらう量を半分から2/3ぐらいにしておこう。

 

後は俺達全員が透明になる衣を装備し、決死隊の隠れ家に出発である。

 

 

決死隊の隠れ家上空に到着後は周りに人の気配がないことを確認し、隠れ家入り口に物資を満載した麻袋を置いていく。

手紙も目立つ所に添え、後は物資に気づいてもらえるよう、最後の大量に純金を詰めた袋群をわざと結界内部に音が響くよう少し高い所から落として終了だ。

 

物資の空中投下を済ませた俺達は、装備した衣の力で音・気配・姿の全てを隠して速やかに撤収した。

 

上々の首尾だし、ポイント使用量も現状の所有量を思えば蚊に刺された程度の消費だ。

不定期にはなるだろうけど、これからも支援投下をするから決死隊には是非とも頑張ってもらいたいものである。

 

さて、明日から父上と母上の手伝いや素材採取とかも再開するか。

黒い魔力の浄化剤作りと他の人でも浄化剤が作ることができるかの調査とも進めないと。

特に浄化剤は魔女狩り終結までとにかく量があった方がいいから、これからは今日やったように秘密基地でも浄化剤の調合時間を取るようにしよう。

 

終わりのタイミングが見えてきたから気合も入るな。

頑張っていこう!

 

 


【+α:唐突な贈り物】

 

ズン、という音が深夜に洞窟の外から響く。

決死隊アジトの入り口で見張りに立っていた決死隊勇士の3人は互いに頷くと、一人は幹部勢に急ぎ足で報告へ、二人は慎重に結界の外を伺う。

 

「こ、これは……」

「大量の袋……?」

 

見張り達がアジトの入り口を確認すると、中身がパンパンに膨らんだ麻袋と一部革袋が山積みされていた。

 

報告に行った見張りは決死隊の幹部3人を全員連れ、すぐに戻ってきた。

まだ幹部全員が起きていたようだ。

 

「外で物音がしたと聞いたわ。状況は分かるかしら」

長い黒髪・蒼い瞳・色白の肌、鋼のように鋭い気配を漂わせ、雷の魔力剣を操る女性・決死隊副隊長のレイナが見張り達に問いかける。

 

「はっ!我らの拠点外に、荷物が満載された大量の袋が置いてありました!」

「……は?」

 

見張りの返答に、レイナは冷たい印象にそぐわない抜けた声を上げてしまっている。

 

「エイレネ、袋に何らかの仕掛けが施されているか魔法で確認できるか?」

「や、やってみるっす!」

 

薄いブラウンの髪と豊かな同色の口ひげ、重厚な鎧・青いマントに身を包み、大剣を携えた男性・決死隊隊長のヴェルシュタインは隣にいるまだ幼い神族であるエイレネに調査を依頼する。

 

緑色の瞳・左頬に三角形のような赤い文様を持ち、左右に髪を編んで頭頂部を水色のリボンで結んだ少女の神族・エイレネは手に携えた杖を掲げて魔法陣を展開し、袋群の調査を開始した。

程なくして調査も済み、エイレネは報告する。

 

「魔法によるトラップは全然ないっす!袋の中で動く物も入っていないと思うっす!」

「ありがとう、エイレネ。どうだ、荷物以外には何かないか?」

 

異常なしと報告するエイレネにヴェルシュタインは礼を言いつつ、見張りに質問した。

 

「こちらの手紙が袋の外に添えてありました!」

荷物の封はまだ開けず、袋群を確認していた見張りは手紙をヴェルシュタインに手渡した。

 

「ふむ……手紙……」

 

ヴェルシュタインは封筒の封を切って中の便箋を確認し始めた。

レイナとエイレネも気になるのか手紙の内容を一緒に見ている。

 


本来であれば堂々と援助したいのだが、かの者の勢力が強く、こうした形の支援となってしまい申し訳ない。

どうか臆病な私を許してほしい。

不定期にはなるが、また支援を送らせていただく。

貴方達がこの王国を正しい姿に戻してくれるのを信じている。


 

「これは……!」

「……袋の中身を確認して問題ないものは拠点の中へ。念のため慎重にな。だが、おそらく大丈夫だろう」

 

ヴェルシュタインの指示に従い、見張り達は順に袋を確認し、安全だと判断できたものをアジト内に運び込んでいく。

量が量なのでまだ起きていた決死隊メンバーも呼びつけ、全員で協力して荷物群の回収を完了させた。

 

「水に日持ちする食料、燃料の薪。それに、純金も……どれも凄い量ね」

「水と食料は少量ずつですが毒見を済ませました。今の所、問題はありません」

「わあ、蜂蜜があるっす!ドライフルーツも!」

 

レイナと決死隊メンバーが改めて荷物群を確認し、エイレネは甘いものも一緒に入っていたことに喜びの声を上げている。

 

「我らの拠点の位置を推測できたことに加え、これ程の支援量……送り主は、恐らくバベリア貴族。それも、かなりの地位か財を持つものの可能性が高い……」

 

ヴェルシュタインは物資を届けてくれた人物について考えを巡らせる。

 

「いや。何者であれ、決死隊の厳しい現状を鑑みれば受け取る他ないな。姿の見えぬ協力者よ、私は貴方を臆病者とは決して思わない。この厚情、無駄にはしないと誓おう」

 

久々の甘味にテンションが上がってはしゃいでいるエイレネや生真面目に荷物の目録作成を勇士達に命じるレイナを視界に入れつつ、ヴェルシュタインは静かに謎の支援者へ誓うのだった。




・【これまでの方針を維持し、バベリア大陸では間接的な支援を行う】
こちらは魔女の泉3 Re:Fine の話をベースにして今書いているものです。
所謂原作ルートですね。
魔女の泉3か魔女の泉3 Re:Fineをプレイした方には見慣れた流れかもしれません。

・【これまでより積極的に動き、バベリア大陸ではある程度直接的にも活動する】
こちらは上の流れに追加して、転生特典・異世界の技能やアイテムを駆使して魔女の泉Rのストーリーにもアドリアン君がちょいちょい出張って頑張っちゃうifルートです。

でもこっちだと、「それ魔女の泉シリーズでやることなの?」っていう流れに絶対なってしまうんですよね……。
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