この小説では、「転生したらスライムだった件」の二次創作小説を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
前書きはこれくらいにして………それでは、どうぞご覧ください。
第1話 転生と邂逅
side:???
(―――!)
(―――?)
誰かの話し声………それが耳に入ってきて、僕の意識が段々と覚醒していく。
(だ―――のか―――)
(―――待ってみ――――まいよ)
「っ……」
そして……
(!お、起きたのか?)
(やっと目覚めたか………おい、我らの声が聞こえるか?)
「う……ん……?」
僕は完全に目を覚まし、ゆっくりと上半身を起こす。
「……ここは……?」
辺りを見回してみると、そこは岩や鉱石に囲まれた洞窟の中のような場所………そして……
(我らの前で急に生まれたかと思えば………ようやく目を覚ました様だな)
(急に現れた時は何事かと思ったけど……君、大丈夫か?)
「え……?」
僕の目の前には………光の壁のようなものの中にいる黒い鱗に覆われた巨大なドラゴンと、僕へと近づいてくるスライムが―――って……
「何で……生きてる……?僕、死んだはずじゃ……」
(!も、もしかして……?)
(ふむ……お前の想像通りかもしれんが、どうやら混乱しておるようだな………)
確か……僕はあの時に―――
(おーい!)
「っ!」
そんな声に意識を引き戻され、僕は一旦その思考を止める。
(だ、大丈夫か……?一応、体に布はかけさせてもらったけど……)
「布……?」
僕の体には、その言葉通りに1枚の布がかけられていた。
「!あ、ありが……とう……?」
(まぁ、そういう反応になるよな……)
スライムの方は、僕に向かってそう話し掛けてきており………
(やっとこちらに気付いたか………では、自己紹介といこうか!)
「え……?」
(我こそが、この世界に4体しか存在しない竜種が1体!暴風竜ヴェルドラである!)
ドラゴンの方は、僕に向かって自己紹介をしてきて―――
「………っ!?」
何故か、目の前にスライムとドラゴンがいるこの状況を受け入れていた僕だったが、すぐさまこの場を離れるように後ろへと飛び退く………が、
「えっ?」
あれ?何かいつもより高―――
「うわっ!?」
着地をするときにバランスを崩し、そのまま転んでしまう……。
「っ……」
(な、何が……)
そのことを不思議に思っていると……
(だ、大丈夫か?)
スライムが僕のことを見ながら、心配そうに話し掛けてくる……。
「!えっと………」
僕のことを襲って来ないところを見るに、あまり警戒する必要は無さそう……けど……
「……」
本当に信用してもいいのだろうか……?
(あ、あまり信用されてない……?まぁ、無理もないか……)
(お、おい、どうするのだ……?)
(うーん………あっ!)
僕が黙り込んでいると、スライムは僕の前へと来て……
(怖がらないで!俺は悪いスライムじゃないよ?)
と、言ってきたのだ……。
「……」
(あ、あれ?つ、通じてない……?)
(ど、どうするのだ?このままでは―――)
(いや、そう言われても―――)
この言葉って……
「それって、ゲームの……」
(……!)
(?げーむ……?)
僕がそう呟いたのが聞こえたのか、スライムは嬉しそうな表情(?)をしており、おそらく「ゲーム」という言葉を知らないドラゴンは首を傾げるのだった……。
(では早速一つ訊くが………お前も転生者なのだろう?)
とりあえず地面へと座った僕は、ドラゴン………ヴェルドラさんにそう訊かれる。あの後、一先ず警戒を解いた僕は、スライム………いや、スライムさんとヴェルドラさんの話を聞いてみることにした。
「そう……だと思います」
(やっぱり……!)
(ほう……やはりお前もそうか)
(そう言うってことは……)
僕は確信を持って、スライムさんへと目線を向ける。
(俺も自己紹介しないとな………前世の名前は三上悟。日本でサラリーマンをやってたんだ)
「!日本人……」
頭の中にそう呼び掛けてきたのだ。
(!もしかして、君も日本人なのか……?)
「!はい、そうですけど……」
(やっぱり……!最初は違うと思ったけど、あの反応で確信したよ)
(……最初は、少し驚いちゃって………)
(あー……そりゃドラゴンだもんな。誰だってああなるよ)
その後、悟さんはスライムへと転生した経緯を僕に話してくれた………どうやら悟さんは、通り魔から後輩の人を庇ったことで、そのまま刺されて死んでしまい、次に目を覚ました時には、スライムに生まれ変わっていたのだそう………すると……
(あー……そろそろ我もその者と話をしたいのだが……)
(!悪い悪い……つい)
(それとお前、我らと話す時には声は不要だ。念話で事足りるからな?)
(念話……?)
(心の中で思ったことを念じるだけだ)
(わ、分かりました……)
そう言った後で、僕はヴェルドラさんの話に耳を傾ける。そもそもヴェルドラさんがここにいるのは、300年前に勇者との戦いに敗れ、この光の壁………無限牢獄に閉じ込められてしまったからだそうだ。それに加え、あと100年も経てば消滅してしまうという……。
(それにしても……こんな暗い場所に一人で……)
僕がそう呟くと……
(ん?もしかして……魔力感知を持っていないのか?)
(魔力……感知……?)
(やはりか……お前は生まれて間もないのだから、そのスキルを持っていなくて当然か……)
(す、スキル……?)
聞いたことのない言葉に、僕は首を傾げた………スキルって、何だかゲームみたいだな……。
(そうか、それもまだ知らなかったか……世界を渡る者は、召喚者であれ転生者であれ、何かしらの力を得ると言う。お前にも、それがあるはずだ)
すると……
《告。エクストラスキル『霊眼』を使用可能です。》
「っ!?」
突然、頭の中に無機質な声が聞こえてくる。
(?どうかしたのか?)
「いや……急に声が……」
(声……?)
どうやらその声は、悟さんとヴェルドラさんには聞こえていない様だ………いや、それよりも『霊眼』って……?
《使用しますか? Yes/No》
この声は僕一人だけに聞こえるみたいなので……
(えっと………Yes……?)
念話をするときの様に、試しに念じてみた。その直後……
《了。霊眼を発動します。》
「っ!」
その声と共に、段々と視界が明るくなっていき……
「み、見えやすくなってる……」
そこに広がっていたのは、さっきよりも視界がはっきりとしていて、ヴェルドラさんや悟さん、それに周りの鉱石も鮮明に見えるようになっている光景だった。
「これって……?」
《解。エクストラスキル『霊眼』により、大幅に視力など目に関する能力が上昇しています。加えて、魔素などが可視化されるようになっています。》
(可視化……?)
その言葉通り、何やら空中に明るい紫色をした川の流れのようなものが見えた……へぇ、これが―――って、そうじゃなくて……
(さっきから僕のことを助けてくれてるけど………君は、誰なの?)
僕に話し掛けてくる声の主に、そう訊いてみると……
《解。ユニークスキル『
(明察者……?)
無機質な声でそう返ってきたのだ。もしかして……これが、僕のスキル……?
(おい、先ほどから黙り込んでいるが……どうかしたのか?)
(!はい、それが僕のスキル(?)のおかげで周りが明るく……)
(スキル……それって、魔力感知が使えたってことか?)
(?いえ……『霊眼』っていうスキルで……)
(れ、霊眼……?なんだそりゃ?)
(ほう、魔力感知のようなスキルか………だが、魔力感知も覚えておいた方がよいだろう。それはあくまで、視覚に特化されたもののようだからな)
ヴェルドラさんにそう言われ、僕は魔力感知というスキルを覚えることになった。
(とは言っても、周囲の魔素の流れを感じ取るだけだがな?すぐにできよう)
(流れを……感じ取る……)
僕は目を閉じ、ヴェルドラさんの言う通りに、魔素の流れを感じ取ることに集中する。流れ……霊眼で見えていたものを、今度は感覚で―――
《告。エクストラスキル『魔力感知』を獲得しました。》
(あっ、できた)
(はやっ!?)
《加えて、『明察者』とのリンクを開始します………『明察者』とのリンクを完了。続けて、エクストラスキル『魔力感知』を使用しますか? Yes/No》
(……うん、お願い)
すると……
(……!)
視界はさっきと同じくらいの明るさで変化はなかったが、音が鮮明に聞こえるようになっており、感覚も鋭くなっていたのだ。
(どうだ?無事にできたか?)
(!はい、ありがとうございます)
(何、そう大したことはしておらんよ)
僕は、魔力感知のコツを教えてくれたヴェルドラさんに、一応お礼を言った………それにしても……
(今更かもしれませんけど………僕って、変わらず人間なんですね?)
スライムに生まれ変わった悟さんとは違い、僕は何か別のものになるといったことはなかったらしい………まぁ、背の高さは違うものの、人間の頃とほとんど同じ感覚で動けるのは、ありがたいのかもしれない……。
((……))
(ん?どうかしましたか……?)
さっきから何故か黙り込んでいるヴェルドラさんと悟さんを見て、僕は首を傾げる。
(お前……気付いていないのか?)
(?何がですか?)
その後、悟さんから僕にあることが告げられた……
(えっと……人間じゃないよ、君)
(……)
((……))
少しの間の沈黙が流れた後………
「……え!?」
悟さんの言葉の意味をようやく理解した僕は、思わず声を出して驚いた。
(いや、正確に言えば大体は人間なんだけど、一部がそうじゃないっていうか……)
人間じゃないって、どういう………
(あー……そこに湖がある。一度、自身の姿を見てみたらどうだ?)
(あ、はい……)
そう返事をしてから、僕は湖の方へと歩いて行く………そして、湖へと辿り着き、恐る恐る水面を覗いた僕の目に飛び込んできたのは……
「!?な、何……これ……?」
そこには、背中まで伸びた綺麗な灰色に近い銀の髪に、顔は前世と同じような美少女顔、日本人離れした翠玉色の瞳、縮んで小さくなった身長、そして………
「み、耳……?それに……尻尾……!?」
獣の耳………狐の耳に加え、後ろには尻尾までもが生えていたのだ……。
(あの様子だと、今気付いたのか……)
(そのようだな……)
「……」
僕は、前世とはかけ離れた自分の姿を目にしたことで、戸惑いを隠せずにその場で固まってしまうのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
今回はここまでで、主人公の前世についての情報は、少しずつではありますが明かしていくつもりです。種族やスキルなどについても、次回の後書きから書いていきます。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。