魔国の守護獣   作:アキ1113

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 どうも、アキ1113です。PCの不調で修理に出していたため、投稿が遅くなり申し訳ございません。やっと投稿を再開できることになりましたので、これからもよろしくお願いします 

 今回は、前回の続きからになります。

 それでは、どうぞご覧ください。


第13話 和解

 

 side:リエン

 

 「っ!これは……!」

 

 「何という妖気……!」

 

 リムルが仮面を外すと、今まで隠していた妖気が解放された。そして……

 

 「はぁ!」 

 

 手のひらを上に向け、黒い炎の竜巻を起こす………これって……

 

 《解。エクストラスキル『黒炎』です。既に解析・鑑定を行っています。》

 

 黒炎………リムルもそんなスキルを……。

 

 「あ、あれは、周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!あの黒い炎を形作っているのは、純粋にあの者の力のみ……炎の大きさが、そのままあの者の力そのもの……!」

 

 リムルの出した黒い炎に、オーガたちが驚いていると……

 

 「見ろ!これが俺の真の力だ!」

 

 「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 リムルは近くにあった岩に、黒い雷を落としたのだ。その岩は見事に粉々になる。それを見て……

 

 「若、姫を連れてお逃げください。ここは―――」

 

 「黙れ爺……凄まじいな。悲しいが、我らでは貴様に敵わないだろう。だが、俺には次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞たちの無念を晴らさずして、何が頭領か!」

 

 やっぱり………このオーガたちは……。

 

 「叶わぬまでも、一矢報いてくれようぞ!」 

 

 「それでは若、わしもお供いたしましょうぞ……!」

 

 そして赤髪と白髪は、死ぬ覚悟でリムルに攻撃を仕掛けようとした……その時、

 

 「お待ちくださいお兄様!この方達は、敵ではないかもしれません!」

 

 桃髪が赤髪の前に立ちふさがり、攻撃をやめさせたのだ。それから桃髪は赤髪を説得し、リムルがオーガたちの探している魔人ではないことを言ってくれた。

 

 「これ、もういらないよな?」

 

 そう言ってリムルは、威嚇のために出していたであろう黒炎を消した。 

 

 「……何者なんだ、お前は?」

 

 「俺か?俺はスライムだよ」 

 

 「す、スライムだと……?」

 

 「スライムのリムルだ。ほれ」

 

 そう言うと、リムルはスライムの姿になり、ランガの上へと飛び乗った。

 

 「ほ、本当に……!?」 

 

 「この仮面はある人の形見なんだ。何なら、里を襲った魔人のものと同じか確認するか?」

 

 「あ、あぁ……」

 

 赤髪がリムルの持つ仮面を確認している間に……

 

 《告。エクストラスキル『黒炎』並びに『黒雷』の解析が完了。解析・鑑定により、エクストラスキル『黒炎』、『黒雷』及び『黒風』を獲得しました。》

 

 さっきの解析が完了し、リムルと同じ黒炎と黒雷、さらには黒風というスキルも獲得したようだ。その報告を聞いている間に、オーガたちからの誤解が解けたようで……

 

 「申し訳ない。どうやら追い詰められて、勘違いをしてしまったようだ……どうか、謝罪を受け入れてほしい」

 

 「うむ、くるしゅうない」

 

 赤髪は膝をつき、リムルに向かって謝罪したのだ。リムルはそれを受け入れた後……

 

 「よし、色々と訊きたいけど……立ち話もなんだし、街に戻るか。お前たちも来いよ」

 

 『!』

 

 「良いのか……?」

 

 「あぁ!それに、ウチは今日宴会なんだ!人数は多い方がいいし、訊きたいこともあるからな?」

 

 6人のオーガたちを街に招待しようとしたのだ。その言葉に、オーガたちは顔を見合わせ……

 

 「……では、その言葉に甘えてさせてもらうとしよう」

 

 「決まりだな」

 

 リムルの誘いを受けることにしたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「少しいいか?」  

 

 「?」

 

 街に向かって歩いていると、赤髪と白髪が僕に近づいて来て……

 

 「あなたにも、申し訳ないことをした」

 

 「すまなかった」

 

 僕に謝罪をしてきたのだ。

 

 「いや、僕に謝罪はいいです。それに怪我もしてませんし」

 

 「!しかし「その代わり、もうリムルたちとは敵対しないでくださいよ?」!あぁ、もちろんだ」

 

 赤髪は僕の言葉にそう返した後、あることを訊いてきた……。

 

 「あと……なぜ、俺たちを殺そうとしなかったんだ?」

 

 「……」

 

 なぜ、か……確かにこの6人のオーガがただのオーガだったら、僕は殺していただろう……でも―――

 

 「……同じ、だったから」 

 

 「「?」」

 

 「……リムルなら、あなたたちを殺さないだろうから、僕はそれに合わせただけです」

 

 「!そ、そうか……」 

 

 僕の言葉を聞いた赤髪が、それ以上何かを訊いてくることはなかったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:リムル 

 

 オーガたちとの戦いはあったものの、誰も怪我せず………いや、回復薬で完全に治ったとはいえ、リエンが腕に傷を負ったが………とにかく、オーガを含めた全員が無事だったのは何よりだ。誤解も解けたところで、俺はオーガたちを街に招待し、事情を訊くことにした。そうして街に向かって歩いていたのだが……

 

 「そう言えば………お前ら名前は?」

 

 「いや、俺たちに名持ち(ネームド)はいないよ。普通、魔物に名前はないからな」

 

 「そっか……」

 

 魔物は普通、名前を持たないんだったな………すると、

 

 「っ!」 

 

 突然、リエンが足を止め、急に後ろを振り向いた。

 

 「?どうした?」

 

 俺がそう訊くと……

 

 「後ろから魔獣が来てる」

 

 「えっ?」

 

 リエンは冷静に答えながら、背中から弓を取り出した………魔獣?今のところ何の反応も―――

 

 《告。数百メートル先に、数体の魔獣の反応を確認。》

 

 ……少しだけとはいえ、大賢者よりも早く察知するとは………そんなことを思っていると……

 

 「リムル、魔獣は僕が倒してもいいよね?」

 

 「え?あ、あぁ、それはいいけど……」

 

 その言葉を聞いて…… 

 

 「っ!」

 

 『!?』

 

 リエンは黒い風を纏わせた矢をつがえ、そのまま弓を引き始めた。それと同時に、リエンを中心として黒い風が吹き荒れ始める。こ、これは一体……?

 

 《告。個体名:リエン=テンペストのエクストラスキル『黒風』を同じくエクストラスキル『付呪』により、矢に付与している模様。》

 

 『黒風』に『付呪』………リエンもまた、新しいスキルを獲得したようだ。そして…… 

 

 「っ!」

 

 リエンは魔獣がいるという方向に矢を放った。少し上向きに放たれたその矢は、放物線を描きながら進んでいった……それから数秒後、矢は魔獣がいるところに飛んでいき、そこには数秒だけだが黒い竜巻が起こっているのが見えた。

 

 「……リエン殿、魔獣はどうなったんだ?」

 

 「うん、魔獣は全滅させたよ」

 

 オーガの頭領の言葉に対し、リエンは弓を背中に仕舞いながら答えた。

 

 《告。先ほど感知した反応は、個体名:リエン=テンペストによって消失させられた模様。》

 

 流石だな………というか『霊眼』と『付呪』、そしてリエン本人の弓の腕………これって、物凄くヤバい組み合わせなのでは?

 

 「ほ、本当に……」

 

 『……』

 

 オーガたちは、驚きを隠せない様子でリエンを見ていた……それもそうだよな。俺もリエンがあんなスキル持ってるなんて初めて知ったし………。

 

 「でも一応、早く戻った方が―――?どうかした?」

 

 「!い、いや、何でもないぞ?それよりも助かった。ありがとな!」

 

 「……?」

 

 そうして俺たちは、再び街へと向けて歩を進めるのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:リエン

 

 オーガたちと一緒に街へと帰ってから少しして、リムルが楽しみにしていた宴会の時間となった。

 

 「ど、どうぞ」

  

 今回はゴブイチというホブゴブリンが、料理を担当してくれた。リムルの前に運ばれてきたのは、僕たちの狩ってきた牛鹿の肉を串焼きにしたものだ。そのお味はというと………

 

 「う……」

 

 『う……?』

 

 「うんまああああい!」

 

 『おおおおおお!!』

 

 リムルの反応を見る限り、とても美味しいらしい。その後、この街のみんなやオーガたちも種族関係なく宴会を楽しんでいた。そんな中、僕はというと……

 

 「……」

 

 少し離れた木の上から、その様子を眺めていた………こういう場にあまり慣れていないというのもあるが、さっきみたいに魔獣が襲ってきたときに、すぐに戦える存在は必要だ………今のところは何も反応はないからいいけど。すると……

 

 「オークがオーガに仕掛けてきただと!?」

 

 「?」

 

 端の方で飲みながら、オーガの頭領から話を訊いていたカイジンさんの驚いたような声が耳に入ってきた。僕は、その話に耳を傾けることにした。

 

 「ほ、本当なのか?」

 

 「あぁ、武装したオークどもが、突如我らの里に攻めてきたんだ」

 

 頭領の話によると、全身武装したオークがオーガの里に攻めてきて、その時に約300人いたオーガたちは今の6人以外は全員殺されてしまったようだ。そんな中、僕たちと出会って今に至るようだ……。

 

 「なるほど、それは悔しいわけだ」

 

 肉を食べながら話を聞いていたリムルが、オーガの頭領にそう声を掛ける。

 

 「!リムル殿……肉はもういいのか?」

 

 「ちょっと食休み。それにしても、凄いなお前の妹は。薬草にも詳しいし、もうゴブリナたちと仲良くなってる」

 

 リムルとオーガの頭領は、ゴブリナたちと話しているオーガの姫様へと目を向ける。

 

 「箱入りだったからな、頼られるのが嬉しいんだろう………それを言うなら、リエン殿もだ」

 

 「リエンが?」

 

 「あれほどの弓の使い手は、今までに見たことがない………それに、あの3人をスキルらしきものも使わず、素手だけで倒してしまったしな」

 

 「そ、そうだったのか………で、お前らこれからどうするんだ?」

 

 「……どう、とは?」

 

 リムルの言葉に、オーガの頭領は首を傾げる。

 

 「今後の方針だよ。再起を図るにせよ、他の地に移り住むにせよ、仲間たちの命運はお前の采配にかかっているんだろ?」

 

 「知れたこと。力を蓄え、再び挑むまで―――」 

 

 「当てはあるのか?」

 

 「……」

 

 どうするかを訊かれたオーガの頭領は、思わず言葉を詰まらせた………今のところノープラン、か。まぁ、計画なんて考えられる余裕なんてないよね。それに………

 

 「っ……」

 

 ……今すぐにでも、死んだ仲間の仇を討ちに行きたいだろうに。僕も、あの時は―――

 

 「……提案なんだけどさ―――」

 

 「提案……?」

 

 そして、リムルはオーガの頭領にある提案をした。それが……

 

 「お前たち全員、俺たちの配下になる気はないか?」

 

 オーガたちを配下にする、というものだった。

 

 「!配下に……?」

 

 「といっても、できるのは衣食住の保障だけだけどな?それに、お前たちも拠点があった方がいいだろ?」

 

 「しかし……それではこの街を俺たちの復讐に巻き込むことに―――」  

 

 「この森で起きていることなら、俺たちも無関係とは言えないし、ここも安全とはいえない……なにより、戦力が多い方が、こちらとしても都合がいい………あと、これだけは覚えておいてくれ」

 

 「?」

 

 「俺は、仲間を見捨てない」

 

 それから少しの間、沈黙が流れ……

 

 「……少し、考えさせてくれ」

 

 すぐには決められるものではないと思ったのか、オーガの頭領はそう答えたのだ。 

 

 「あぁ、構わないぞ。もちろん、強制はしない……さて、俺はもう少し肉をもらってくるかな……」

 

 リムルはそう言いながら、宴会場へと戻っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リムルの話を聞いてから少しして、オーガの頭領は街の近くの森の中にいた。そこに……

 

 「悪い話ではないだろう」

 

 さっきの話を聞いていたのか、青髪のオーガが木の陰から現れたのだ。

 

 「……」

 

 「どんな決断だとしても、俺たちはお前と姫様についていく」

 

 そう言い残し、青髪のオーガは街の方へと戻っていく。そして……  

 

 「っ……俺にもっと力があれば……!」

 

 「……」

 

 オーガの頭領は傍にある木を殴りつけ、そう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 これが、今回登場したリエンのスキルです。



 ・黒風:リムルの黒炎や黒雷の風版のスキル。この話では矢に付与して使っていたが、単体で使うことも可能。


 次回から本格的に、オーガたちとリエンを絡ませていきます。

 それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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