魔国の守護獣   作:アキ1113

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 今回は、いよいよこの作品の主人公に名前が付けられます……。

 それでは、どうぞご覧ください。


第2話 名付けと旅立ち

 

 side:???

 

 「こ、これって……!」

 

 さっきから薄々、何か感覚がおかしいとは思っていたけど……まさかこんなことになっているなんて……

 

 (お前、見た目は獣人のようだが、精霊の血も混ざっておる………我も初めて見る種族だ)

 

 (せ、精霊……?)

 

 (ほんとだ……俺から見ても、精霊とのハーフって出てるぞ)

 

 (……?)

 

 何やら僕は、少しばかり特殊なものに生まれ変わったらしい………。

 

 (まぁ、敢えて言うならば………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『狐霊族』と言ったところだな)

 

 (狐霊族……)

 

 そんな話をしていると……

 

 (で、どうするんだ?)

 

 (ん?どうする、とは?)

 

 悟さんの言ったその言葉に、ヴェルドラさんは首を傾げる。

 

 (勇者の封印だよ。300年も封印されてるなんて……友達がこのままってのも可哀想だからな。できることなら、助けてあげたい)

 

 (確かに、封印されっぱなしというのも……)

 

 (お、お前たち……!)

 

 悟さんや僕の呟いた言葉に、ヴェルドラさんは目を潤ませていた…………悟さんとヴェルドラさんは友達同士らしいけど、友達にそう思われるのは、嬉しいことなのかな……?

 

 (この子のような美少女からならともかく………ドラゴンにその目をされても……)

 

 (いや……僕、男なんですけど……?)

 

 (あぁ、ごめんごめん………それでヴェルドラ、何か脱出方法とか解除方法とかは分からないのか?)

 

 (うむ……あるならありがたいが、生憎心当たりはない。それにさっきも言ったが、後100年で我の魔力は底を尽いてしまう。その証拠に、今も魔素が漏れ出ていてな……)

 

 ……そういえば、さっきから会話に出てきている『魔素』って、何?

 

 《解。魔素とは、全ての魔物の生命の源となるものです。》

 

 なるほど……てことは、魔素が0になったら………。

 

 《是。推測している通りのことになります。》

 

 (……)

 

 (!だめか……どうにかならないのか?)

 

 悟さんは無限牢獄に触れて何かをしようとしたが、どうやら上手くいかなかったらしい。すると……

 

 (!ふむふむ……なるほど、それなら……)

 

 ((……?))

 

 悟さんは、何やら独り言を言い始める………もしかして、悟さんにも僕と同じようなスキルが―――いや、訊くのは止めておこう。こういうのは、他人に言いたくはないだろうしね。

 

 (ヴェルドラ、無限牢獄の外側と内側から解析すれば、破れるかもしれないってさ)

 

 (しかし、我のスキルは我と共に封印されていて使えぬぞ?)

 

 (ヴェルドラは俺に情報をくれるだけでいい。解析はこっちでやるからさ) 

 

 (だが、それではずっとここにいることになるぞ?早くここから出て、こ奴以外の同郷の者も探しに行きたいであろう?) 

 

 そっか、悟さんは同郷の人を探しに行くつもりで………僕は、どうしようか……。

 

 (あぁ、そこで提案なんだが………)

 

 そして、ヴェルドラさんの方を向いた悟さんは……

 

 (ヴェルドラ……俺の胃袋に入る気はないか?)

 

 (……)

 

 その提案に、ヴェルドラさんは黙り込んでしまう……。

 

 (俺のスキル『大賢者』と『捕食者』で、無限牢獄の解析を行い、内部からはヴェルドラが破壊を試みる。俺の胃袋の中なら隔離されるので、魔素が漏れ出て消滅する心配もない………どうだ?)

 

 そんな悟さんの提案に……

 

 (ククク………クアハハハハハ!面白い、是非やってみてくれ!お前に、我の全てを委ねる!)

 

 ヴェルドラさんは笑いながらそう言い、その作戦に乗る決断をした。

 

 (ほ、本当に信じていいのか……?いや、自分で言っておいてなんだけど……)

 

 (無論だ!ここでお前たちが帰ってくるのを待つよりも、共に無限牢獄を破る方が面白そうだ!)

 

 (よし!決まりだな……じゃあ早速―――)

 

 (っと、その前に)

 

 ((?))

 

 (お前達に我から名をやろう。その代わり、お前達は共通の名を考えるのだ。我らが同格ということを魂に刻むのだ)

 

 (共通の名………名字ってことだな)

 

 そんなやり取りを僕は、口を挟むことなく黙って見ていた………が、

 

 (もちろん、お前にもだぞ?)

 

 (えっ……?)

 

 僕にも……名前を………?

 

 (?何を不思議そうな顔をしておる?)

 

 (!いや……悟さんならまだしも、僕は友達でもなんでもないし……) 

 

 僕はそう言って、遠慮しようとするが……

 

 (何を言う?お前だけ仲間はずれにするわけがなかろう!) 

 

 (そもそも俺は、君も一緒に連れていくつもりでいるんだぞ?)

 

 (……!?)

 

 その発言に、僕は驚きを隠せずにいた……。

 

 (な、何で……?)

 

 僕がそう呟いたのが聞こえたのか………

 

 ((?だって、それが当たり前だろう?))

 

 (……!)

 

 悟さんとヴェルドラさんは、そうすることが当然のように答えたのだ……。

 

 (と、いうわけだ。お前もスライムと共に、よい名を考えてくれよ?)

 

 (!は、はい……)

 

 そうして僕は戸惑いながらも、悟さんと一緒に共通の名前を考えることになった。

 

 (何かいい案はないかな?)

 

 (えっと……『ストーム』は?)

 

 一番安直だが、僕はそう提案する……が、

 

 (ストームか……うーん……)

 

 確かに『ストーム』は風って意味だけど、響きが何だか違うような気がし、それは却下することにした………それから少しの間、他の案を考えていると……

 

 (あっ!『テンペスト』っていうのは?)

 

 (『テンペスト』……うん、いいかもしれませんね)

 

 悟さんが、『テンペスト』という案を出してくれたのだ。その案に、僕も賛成し……

 

 (『テンペスト』!テンペストなんていうのはどうだ?)

 

 (……!)

 

 悟さんが、ヴェルドラさんに向かってそう訊いた。すると……

 

 (す……)

 

 ((す……?))

 

 (素晴らしい響きだ!今日から我は、『ヴェルドラ=テンペスト』だ!!)

 

 僕たちで考えた名前をヴェルドラさんは、どうやら気に入ってくれたらしく、大喜びしていた。

 

 (そしてスライムよ。貴様には『リムル』の名を与える!今日より、『リムル=テンペスト』を名乗るが良い!)

 

 (!リムル……リムル=テンペスト……!)

 

 ヴェルドラさんは、悟さんに『リムル』と名付けた後……

 

 (そしてお前には………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『リエン』の名を与える!『リエン=テンペスト』を名乗るが良い!)

 

 僕の方を向き、リエンという名前を与えてくれたのだ。

 

 (リエン……リエン=テンペスト………ありがとう、ヴェルドラさん)

 

 (そうかそうか!クアハハハハハ!)

 

 そして……

 

 (あぁ、それとリエンよ)

 

 (?)

 

 (もう我らは同格なのだから……その……よそよそしい態度はなしで頼めるか?)

 

 ヴェルドラさんにそう言われたのだ……が、

 

 (……)

 

 (?急に黙り込んで、どうしたのだ?)

 

 (……リムルさんとヴェルドラさんは友達だからいいとして、僕はまだそう言うのじゃ………)

 

 ヴェルドラさんの言う事はもちろん分かるけど……まだ会ったばかりなのに、そんな馴れ馴れしく接するのは、僕自身抵抗がある……。

 

 (あぁ、そう言うことか……)

 

 (うーむ……そういうものなのか……?)

 

 ヴェルドラさんが腕を組み、何かを考え込んでいると……

 

 (!じゃあさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弟っていうのはどうかな?)

 

 リムルさんが、そう提案してきたのだ。

 

 (お、弟……?)

 

 (あぁ、リエンは俺とヴェルドラの弟に、俺たちはリエンの兄貴になるんだ)

 

 (おぉ!それはいいではないか!我には…………)

 

 (?ヴェルドラ?)

 

 (!あ、姉たちがいるのだが、下に弟や妹はいないからな!)

 

 (……?)

 

 弟……兄弟、か………。

 

 (それに我らの傍で生まれたのだからな!それが一番ぴったりではないか!)

 

 (というわけなんだけど………どうかな?)

 

 リムルさんの提案に対し、僕は……

 

 (……分かりました。それに僕は、前世じゃきょうだいもいなかったし………) 

 

 (!じゃあ……!)

 

 (これからよろしくね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リムル、ヴェルドラ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして僕が、リムルとヴェルドラの弟になった後……

 

 (それじゃあ取り込むけど、さっさと無限牢獄から脱出して来いよ?)

 

 (もちろんだとも!リムル、リエンよ!近いうちに、再び相まみえようぞ!)

 

 (分かった。ヴェルドラも元気でね?)

 

 (もちろんだとも!) 

 

 そんな会話を交わした後、リムルのユニークスキル『捕食者』によって、ヴェルドラは無限牢獄ごと取り込まれていった………そして……

 

 (……よし、じゃあ行くか)

 

 (うん……そうだね)

 

 僕たちはその場を後にし、洞窟の出口へと進んで行くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、世界に激震が走った。

 

 天災級モンスターである、暴風竜ヴェルドラの消滅が確認されたのだ。

 

 ヴェルドラの消滅を感じた各国が騒ぎになっていることを、兄であるリムル=テンペストと僕………リエン=テンペストは、知る由もないのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 この小説の主人公、リエンはリムルとヴェルドラの弟という立ち位置となります。

 そしてこちらが、現在公開できるリエンのステータスです。

 名前:リエン=テンペスト
 種族:狐霊族
 加護:暴風の紋章
 称号:???
 魔法:???
 ユニークスキル:『|明察者(サッスルモノ)』、『???』 
 エクストラスキル:『霊眼』、『魔力感知』、『???』
 コモンスキル:『念話』
 耐性:???

 他のユニークスキル、エクストラスキル、耐性、称号や魔法なども既にあるのですが、それは追々……。
 
 次回はリムル視点の話になります。 

 それでは、次回の話もよろしくお願いいたします。

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