夢叶って画家になれた転生主は、ともかくブルアカ本編に関わりたくない 作:木暮鬼一
エースコンバット8……先行リリースに会社を休んで、その日のうちに遊んでクリアしましたけど…………感動のあまり、嗚咽して泣きました(笑
シリーズ最高傑作の名に連ねるべき、名作でした
それはそうと、エスミの配下四天王(作者が勝手に命名)のキャラ絵もAIにお願いして作成してもらいました。
ひとまず『オリキャラ紹介・用語説明』の方に全てのキャラを挿絵付きで載せておきましたが、一応こちらにも載せておきます。
【小樽チェリ】
【フィリウス分派所属・ナギサの専属付き人】
【挿絵表示】
【本目キオ】
【サンクトゥス分派所属・美術部副部長】
【挿絵表示】
【小豆リノ】
【美術部所属・副部長兼エスミ専属情報収集人】
【挿絵表示】
【金剛フラン】
【美術部所属・部長】
【挿絵表示】
『彼女が仕事を完遂できずに失敗するなんて珍しいこともあるんですね』
そんな誰にも伝えることのない言葉を文字通りひとり言として呟き、そして吐き捨てた私は、愛用しているハーモニカを静かに掃除しながら、向こうで壁に寄り寂しげな後ろ姿を晒す〝彼女〟を細目で眺めた。
『…………』
彼女は無言だった。
いや、無言でいるのがやっとだった、と言った方が正しいのかもしれない。
つい1時間ぐらい前に、ある任務失敗に腹を立てたマダムからのお叱りと〝罰〟を受けていた彼女の身体は見るからにボロボロだった。
ここアリウス自治区では貴重すぎる水を遠慮なく身体にかけられ、続けて電撃まで浴びて拷問のようなひどい扱いを受けていたのだから、彼女が疲労しているのはむしろ当然。
今でも彼女の毛先からは水滴が滴り落ちていた。
だが、彼女は普段のように感情が読めない澄まし顔のまま、いつも一緒にいるスクワッドの面々が向こうで集まって訓練している姿をこうして遠くから眺めると、まるで彼女たちの姉のような雰囲気をまといながら壁に寄りかかっている。
私は、そんな姿を晒している彼女にどういう訳か無性に腹がたっていた。
掃除を終えたハーモニカをしまって、武器の手入れも終えているのを確認した私は、わざとらしく足音を鳴らしながら彼女の背後に歩み寄る。
そして、こう言った。
『貴女が仕事を完遂できずに失敗するなんて珍しいこともあるんですね』
半分は好奇心。もう半分は皮肉を込めた発言だった。
彼女が……錠前サオリが僅かに顔を私に向ける。
『……お前か』
ええ、そうですよ。私ですよ?
何ですか、その驚くこともなく、やけに乾いた反応は?
しかし色々と文句を言いたいのをグッと我慢して、私は大げさに肩をすくめる
『身体。大丈夫ですか? 見るからにボロボロですけど』
『問題ない。服の替えならまだ残ってる。次の任務に着て行くのに支障はない』
『ボロボロって服の心配じゃなくて、貴女の体調を心配してるんですよ』
『ああ、そっちのことか。大丈夫だ。この程度の痛みなら昔から慣れてる』
『……そうですか』
知ってる。彼女は昔から、こういう性格だった。
分かっているようで、実際は全然分かっていない受け答えをすることは日常茶飯事だったし、こうして心配して声をかけても普通に突き放される。
だからこそ、私は無理に追及することもしないで彼女の隣に並び立つと、腕を組んで視線の向こうにいる彼女が率いるスクワッドの面々を見つめた。
『何故、彼女たちを連れて行かなかったんですか?』
『マダムから単独任務で行うよう言われたからだ』
『アリウス自治区から出て、案内役もなしに見知らぬ土地で単独任務ですか? いくら貴女でも荷が重すぎますね』
『命令には、どんな内容でも常に従うべきだ』
『その結果、任務を失敗してこんな惨めな姿になっている訳ですけど』
『…………』
何も返事を返してこなかった。
ただし、別に怒っているわけじゃない。ちゃんと現実を受け止めて何も言えないだけ。
その証拠にサオリは目を微かに細めると、重く息を吐いた。
『聞いても良いですか』
『なんだ』
『どんな任務だったんですか? 貴女ほどの実力者が失敗するんですから、それほどに大きめの仕事だったという事でしょうか』
サオリは強い。
恐らく、このアリウス自治区だと最強の位置に君臨していると言っても過言ではないぐらいに強い。
だからこそ、いくら単独任務だったからと言って彼女が失敗したことに少なからず興味があった。
でも、彼女は答えてくれなかった。
代わりに腰からやけに高価そうなナイフを取り出すと、それに対して何やら熱い視線を向け始める。
おかしい。
私の記憶が正しければ、彼女はあまり武器や道具の品質にこだわるような性格には見えないし、何よりこの物資に乏しいアリウス自治区でそんな高価なナイフが存在するはずもない。
それに軍用だとか、制圧に適した道具を好むならともかく、今のサオリが手にしているのは富裕層が手にしているようなサバイバル向けの高価ナイフ。
あまりにも使用の用途が違っていた。
『サオリ……貴女、そんな高級そうなナイフ。前から持ってましたか?』
『ああ、これか……これは……少しだけ〝借りて〟いるだけだ。別に使うつもりもない』
『借りてるって。誰からです?」
『…………』
『あのスクワッドにいる誰かから?』
『…………』
『それともマダム?』
『…………』
『…………』
『……はぁ。そうですか……別にいいですよ、教えなくて』
質問しても無言ばかり返されるのなら、あっさりと興味が無くなるのも当然。
相手があの錠前サオリときたら尚更。
だからこそ、この時の私は『どうせ単独任務用にマダムから特別に支給でもされたんでしょうね』と考え、そう深く考えることはしなかった。
≪1-2≫
やがて、あれから約1年が経過した。
単独任務の失敗。
そして恐らくマダム本人から個人的な感情で嫌われているのが理由なのか、サオリは3年生に進級することが出来なかった。
結果、同い年でありながら私が上級生にして先輩。
サオリは留年して後輩という、随分と複雑な立場になってしまった訳だけど、それでもサオリ本人は全く気にしていない様子で日々を過ごしていたし、私も彼女の普段通りすぎる態度に若干思うところはあったけど流石にこの空気にも慣れていった。
ただし、この1年で変わったのは何も彼女と私の立場だけじゃない。
マダムが統べるこのアリウス自治区では、今年に入って遂に大掛かりな計画が実行に移されていた。
それはトリニティに対する壮大な復讐。
今よりも遥か昔。
トリニティ自治区でパテル、サンクトゥス、フィリウス。そして当時のユスティナ聖徒会による弾圧で自治区を追い出され、こんな土地まで逃れた過去のアリウス派の残党たちは、やがて限られた資源を巡って内戦まで起こしていた。
結果的に『大人』であるマダムが争いを収めたものの、彼女が生み出した新たな教義の下に1つにまとまったアリウスは、やがてトリニティに対する憎悪を糧にして壮大な復讐を計画する。
それが始まったのだ。
生憎と私はこのアリウス自治区に留まり、まだまだ新米な後輩たちに軍事訓練を施す立場にあるため、その復讐計画の中枢に関わることは出来なかったけど(逆にサオリは実行部隊に抜擢された) 、後輩から聞く話だと思いのほか計画そのものは順調に進んでいるらしい。
何でも向こうのパテル分派のトップである生徒が、友好目的で自らアリウスにコンタクトを取ってきたらしく、マダムは良い餌が釣れたとばかりにそれを利用することを計画。
既に1人の生徒をそのパテル分派のトップの個人的なコネを利用して転入という形でトリニティの学園に潜り込ませたようで、噂によれば早速サンクトゥス分派のトップを見事始末してみせたとか。
他にも美術部とかいう部の部長もそのパテル分のトップと協力していて、こちらの思惑に気付かないまま良いように利用されているらしく、おかげで今のトリニティは三大分派の1人が消されたことで互いに疑心暗鬼を抱き、随分と空気が重いらしい。
果たして、それもこれも全てマダムが考えた計画通りに進んでいる結果なのかは分からないけど、例の計画が無事に完遂出来るなら、私たちが今までに流した涙や苦労が報われると思えば悪い気はしなかった。
と、今回の計画に深く関わっていない私は、そうやって他人事のように昨日まで思っていた。
そう思っていたのだ…………しかし、状況が変わった。
≪1-3≫
『私が……トリニティの生徒の護衛を?』
訝し気にそう口にしてみれば、相も変わらず感情がよく読めない表情をしたまま、サオリは小さく領いてみせた。
『マダムからの命令だ。あるトリニティ生徒の護衛を、お前に任せたいそうだ』
私は溜息を吐いて肩をすくめた。
『全く意味が分かりませんね。私たちは今、そのトリニティに対する復讐の計画を実行に移している最中ですよ? 聞けばサンクトゥス分派のトップは、既に潜り込ませたアリウスの生徒によって始末されたと聞いています。なのに、ここに来て今度はトリニティの生徒の命を守る護衛任務ですか?』
矛盾しているとサオリに向かって言い返したが、対して彼女は表情を変えることもなく冷たく言葉を返してきた。
『マダムからの命令だ。命令は絶対だ』
『貴女は何も不思議に思わないんですか』
『……ない』
ん? その妙な間はなんですか?
どうして返事をするのに少しだけ躊躇ったんです、サオリ?
しかし私はそう尋ねたいところをグッと我慢すると、この同級生 (今は後輩になったが)に説明を求めても無駄に終わると察し、ひとまず詳細な任務内容を聞いた。
『ではその護衛任務の詳細について教えてください。私は一体、どんな生徒を守るんですか?』
『護衛対象の名前は…………栢間エスミだ』
『……栢間……エスミ』
栢間エスミ。
聞いた事のある名前だった。
確かトリニティの生徒で3年生。
多くの絵を描き、個人主催で画廊まで開いている有名人。政治に関わらないスタンスを貫いているものの、三大分派がまとまっているティーパーティーを含め、シスターフッドや他自治区の企業と顔見知りであるなど、その人脈は広く、そしてパイプを持っているという超大物。
ただし、私たちが実行に移している例の計画においては、特に障壁にならない相手としてスルーされていたはずの生徒だった。
聞けば去年、1人で訪れたゲヘナ自治区で大怪我を負ってしまい長期入院。利き手であるはずの右手に障害
を持ち、画家としての活動を一時制限され、出席数未確保で留年までしてしまったらしい。
ゲヘナで負った怪我についても『記憶にない』の一点張りで詳細は不明。今ではトリニティ自治区の中で密かに、そして静かに過ごしているらしい。
そんな生徒を私が護衛する?
どうして?
『その生徒を護衛する理由を、マダムから聞いていますか?』
『…………』
その無言の間は、マダムから理由を聞いているんだろうと察した。
私は彼女の名を呼び、教えるよう頼む。
『サオリ』
『……はぁ……分かった』
そうして、沈黙を破ってサオリが教えてくれた内容はこうだった。
どうやらマダムが進めている例の計画の完遂に欠かせない〝何か〟を提供し、そして協力してくれる謎の〝誰か〟がマダム個人に掛け合って栢間エスミを一定期間だけ護衛するように頼み込んだらしい。
サオリが言うには、栢間エスミという生徒はその謎の〝誰か〟のお気に入りであるらしく、彼女が無事であるならどんな計画にも全面協力するという条件を突き付けて来たため、マダムは嫌々ながらもそれを受託したという。
『なるほど。そういう理由でしたか。例の計画が完遂されるには、その謎の人物の協力が必要不可欠であったと。確かに、たった1人の生徒を護衛するだけで済むのなら、マダムとしては断る理由がありませんね』
『そしてこの護衛任務をやり遂げるのに、お前が最適だとマダムは判断した。私は、過去に彼女の件で失敗しているからな。当然の判断だと思う』
『……は? 貴女、前にその栢間エスミとかいう生徒に関わったことがあるんですか?』
ここに来て意外過ぎる新情報に驚いていると、サオリは『何をそんなに驚いているんだ?』といった様子で軽く目を見開いていた。
『当たり前でしょう。私がこれから護衛する対象に貴女はもう既に関わってるんですよ? そんな護衛対象の貴重すぎる情報源が目の前にいて、驚かずにいられると?』
『いや、それはそうなんだが……しかし……』
『何ですか貴女らしくもない。例の計画が完遂出来るかどうかが関わっている重要な任務なんですよ。貴女は護衛が下手かもしれないし、別件で忙しいので今回の任務で外されたんでしょうけど、任務を任された私はこれをやり遂げる義務があるんです』
私はサオリに向かって指を突き出し、その顔を軽く睨んだ。
『同じアリウスの生徒として、協力しあうのは当然。だから教えてください。貴女はどんな任務で、その栢間エスミという生徒に関わったんですか? そして、彼女に関する情報を全て私に寄こしてください』
そう口にしながら腕を組み、彼女からの返事を待った。
『……その……実は……あぁ……』
やがて、サオリは苦虫を噛み潰したような表情をすると、私から目を逸らしつつ口を開いた。
『去年……私が失敗した例の任務だが……その栢間エスミを目撃した際、殺すのがマダムの命令だったんだ』
『……はい?』
『……ああいや、本当はゲヘナ自治区にあるアリウスに関わる証拠を全て消すのが主任務だったんだが、運悪く彼女を見つけてしまったんだ。だから……奇襲をしかけて、私と彼女はそのまま殺し合いをした』
『い、いやいや、待ってください。証拠? 消す? えっ、始末?』
『戦いはそんなに長引くことは無かったんだが、向こうは画家を職業にしている割には随分と手練れでな。結果的に私は、彼女から奪ったこのナイフを彼女の右手に突き刺すところまでいった……無我夢中な戦いだったのを覚えてる』
『ナ、ナイフ? 前から持ってたそれが栢間エスミの? いやそれを奪って、今も持ってると……はっ?』
『だが戦った場所が悪くて、危うく私は建物の崩落に巻き込まれそうになったんだ……それを、栢間エスミに助けられた』
『??????????』
『そうして命を助けられたのが理由だったのかは分からない……それでも、あの時の私は崩落に巻き込まれて瀕死になった彼女に〝トドメ〟を刺すことは出来なかった……まあ、あとは知っての通り、無事に生き延びたらしいが……右手が問題を抱えるようになったという話に関しては、恐らく私がナイフで直接刺したのが原因だろう。このナイフを手にするたびに、そう思う……』
『…………』
まるで罪を告白するように、もしくは今日まで溜めていた不安や恐怖、後悔といった負の気持ちを全て晒して打ち明けるかのように……あの冷徹な鬼教官の錠前サオリらしくない声色と表情を浮かべながら、目の前にいる同級生はそう説明を終えた。
そして去年も見た、やけに高価なナイフ……話を聞く限りだと、本来はその栢間エスミの持ち物だったらしい道具に手を伸ばしたサオリは、何とも心ここにあらずといった様子で私に目を合わせた。
『マダムが私に与えた任務は彼女の〝始末〟だった……だが、今回お前に与えられた任務は彼女の護衛……正直、どういうわけか胸が少し苦しい……私に挽回するチャンスが来なかったからなのか……私よりもお前が、彼女を守るのに適しているからなのか……その原因は分からない……分からないが……』
サオリはそこで小さく私に対して頷くのだった。
『お前なら……この任務、最後までやり切れるだろう…………頼んだ。スバル』
スバル。私の名前……梯スバル。
そして名を呼んだサオリは、もう用は無いと言った様子でその場を立ち去った。
ただ一人、その場に残った私は、サオリが去った後に視線を下げて地面を見つめ、そして続けて空を見上げた。
『……あのサオリが……あんな表情を……?』
不思議だった。
意外だった。
初めてだった。
あのサオリが、あの錠前サオリが, アリウス・スクワッド以外の人物に対して、人らしい感情を露わにしたのは。
本人は自覚していないのかもしれないけど、間近で見ていた私には分かる。
あの栢間エスミという生徒に対して、サオリは言葉に言い表せない何かを抱いているらしい。
『……貴女は……何者なんですか、栢間エスミ……』
この時、私はこれから護衛する対象である【栢間エスミ】という人物に対して、一種の好奇心が宿ったのを自覚した。
そして数日後、アリウスの生徒であることを隠し、私は護衛対象である彼女に出会ったのだ。
「お互い、仲良く出来ると良いですね」
梯スバル……長身×巨乳×クール×丁寧語キャラって……良いですよね
ブルアカに触れて今日に至るまで、アナタの推しとなった学園はありますか?(作者は断トツで、数多の芸術家の生徒が集うワイルドハント芸術学院です)他にも沢山、生徒が実装されて欲しい
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アビドス高等学校
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アリウス分校
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ヴァルキューレ警察学校
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オデュッセイア海洋高等学校
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クロノススクール
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ゲヘナ学園
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山海経高級中学校
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トリニティ総合学園
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ハイランダー鉄道学園
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百鬼夜行連合学院
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ミレニアムサイエンススクール
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レッドウィンター連邦学園
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ワイルドハント芸術学院
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SRT特殊学園
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連邦生徒会
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連邦捜査部S.C.H.A.L.E