文学少女と不良少年の恋模様   作:スピリタス3世

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side XはXさんの視点って意味です。


第一話 カツアゲだと思った者は正直に手を挙げなさい

  side 温水

 

 僕の通うツワブキ高校。平和で煌びやかな青春が似合うこの学校で、明らかに危険で恐ろしい雰囲気を漂わせる男がいた。

 

「昨日はあのクソジジイにバカヅキされたからなぁ……。今夜必ず取り返してやる………っ‼︎」

 

 大道寺海斗(だいどうじかいと)。派手な金髪で耳と口にピアスをした、目つきの悪い不良男だ。180cm近い長身で細身の体型をしているため、とても目立っている。また、度々近所の薄暗い雀荘に出入りする姿が目撃されているほか、校内でもアングラな人たちを集めて賭け麻雀をやっている。そのため、平和な人が多いツワブキ生の中では異質な雰囲気を醸し出しており、かなり近寄りがたい。できれば僕も絡まれたくないと思いながら、日々生活している。

 

「あっ、あの‼︎わ、わ、私………」

「おっ!その声は小鞠*1じゃねえかぁ⁉︎なんだぁ?小鞠さんがお困りさんってかぁ?」

「うっ………」

 

 そして、そんな危険な男が赤い髪の小さくて大人しそうな女の子に絡んでいた。その光景はどう見てもカツアゲで、とても見れたものではない。さて、どうする?助けに行った方がいいか?でもそんな事したら、僕がカツアゲされそうだし………

 

「うっ、うるさい‼︎だっ、大道寺‼︎おっ、お前に用はない‼︎」

「なんだぁ、連れねえじゃんかぁ。幼馴染なんだしよぉ〜、仲良くしようぜぇ〜。」

「しっ、死ね‼︎」

 

 どうやら助けに行かなくて大丈夫だそうだ。意外にも仲良しみたいだし。

 

 

 

 

  side 大道寺

 

 ようやく放課後の時間がやってきた。俺の時間の到来だぁ。颯爽と教室を駆け抜け、俺はいつもの部屋へと向かっていた。

 

「おっ、ようやく来たようだ。」

「はよ打とうや‼︎」

 

 薄暗く、そして狭く不気味な部室。そこの真ん中に堂々と鎮座する麻雀卓。ここは数学研究部・通称数研の部室であり、俺たち部員はここで日々数学の勉強をしている。とりわけ麻雀を用いた確率論と経済学の勉強をしており、日々三人麻雀の1,000点100円*2のレートでしのぎを削っている。

 

「破壊神Aは本日塾のため学校を後にした。しかとこの目で確認した。」

 

 黒髪オールバックに四角い銀縁メガネのコイツの名は相楽剛典(さがらたけのり)。俺と同じ1年で、特進コースに所属する天才だぁ。指定暴力団『相楽組』の組長の孫で、時期若頭候補だぞぉ。見た目もちゃんとインテリヤクザだぁ。

 

「奴が居らんのは絶対条件やからな〜。」

 

 茶髪に少しアゴヒゲを生やしたこの男は橋松龍司(はしまつりゅうじ)。俺と同じ1年なんだがぁ、歳は今年29。高校生と合法的に付き合いたくなったとかで、入学してきた奴だぁ。重度のアル中で、部屋にはコイツの酒瓶が大量にある。

 

「じゃあ、始めるかぁ‼︎」

 

 そして俺は、いつもこの3人でしのぎを削っているぜぇ‼︎

 

 

 

 

 

 しばらく打っていると…………

 

「ここが文芸部のぶし………」ガラッ

 

 俺らの部室の扉を開ける音がした。声の主は文芸部の副部長、月乃木先輩。部室が隣だから間違えたんだろうなぁ。

 

「えっ⁉︎」

 

 そして、この光景を見て驚くクラスの男子、温水和彦。温厚で大人しく、俺とは住む世界が違う。平均的なツワブキ生といえば、この男がぴったりだなぁ。

 

「な゛っ⁉︎ま、間違えてる、先輩‼︎」

 

 そして、その隣にいる赤髪の小さな女の子、小鞠知花。大人しい女の子で、一応俺の幼馴染だぁ。隣の文芸部に所属していて、小説を読むのも書くのも好き。とりあえず、麻雀を止めて絡みにいくかぁ。

 

「間違えてねえぞぉ、小鞠ぃ‼︎数研の新入部員を連れてきてくれたんだよなぁ⁉︎」

「そ、そんなわけないだろ、大道寺‼︎ぶっ、文芸部の、幽霊部員‼︎」

「そうかいそうかい‼︎なら兼部希望かぁ⁉︎」

「ぬっ、温水‼︎こ、こんな奴、相手にしなくていい‼︎」

「あっ、うん………」

「おいおい、酷ぇじゃんかぁ‼︎」

「お前は、黙って麻雀してろ‼︎」

「はいよぉ〜。」

 

 呆気なくつっかえされてしまった。つれないぜぇ〜。

 

「小鞠ちゃん、ラブラブなところごめんだけど、そろそろ行くよ〜。」

「「ら、ラブラブじゃない‼︎///」」

「息ぴったり………」

「それじゃあ、失礼しました〜!」

 

 ということで、文芸部の3人はあっという間に去っていった。

 

「相変わらず小鞠知花と仲良いのだな。」

「はよ告れやええのに〜♪」

「そんなんじゃねえぞぉ‼︎アイツはただの幼馴染だぁ‼︎」

「そういう事にしといたるわ〜!」

「では海斗、お前のツモ番からだ。」

「そうだったなぁ………ツモっ‼︎リー即ツモ(あお)ドラ………おっと裏3‼︎トッパンフォー‼︎」

「なんやねん、ずるっ‼︎」

「次の局殺す………」

「ありがとうなぁ〜♪」

 

 ちなみに、コイツらからは何故か俺が小鞠を好きだと勘違いしてる。全然そんなことねぇのになぁ。アイツは文芸部の玉木先輩が好きで、俺は幼馴染として恋愛相談にのってるだけだっつーの。

 

 

 

 

 部活が終わった後、俺は小鞠と合流して帰路についていた。

 

「よぉ〜、小鞠ぃ〜!今日は5万勝ったぜぇ〜!何か奢ろうかぁ〜?」

「ひっ、人から巻き上げた金とか………いらん‼︎」

「真面目ちゃんかぁ〜?」

「しっ、死ね‼︎」

 

 今日の小鞠は、心なしかいつもより嬉しそうだ。口元も少し緩いし、何より表情が明るい。これは何かあったな。

 

「そういや、何かいい事あったのかぁ〜?」

「よっ、よくぞ聞いてくれた……っ‼︎」

「おっ、なんだぁ〜?気になるじゃねえかぁ〜!」

「じっ、実はな………っ!先輩にっ、頭撫でられた!デュフ、デュフフフフ♪」

「おお、良かったなぁ‼︎」

 

 やっぱりなぁ。コイツ本当に分かりやすいし。好きな人との距離も近づけたようだぁ。ただ、まだ告白とかはしてねえようだぁ。俺ももう少し、手伝ってやっかぁ〜。そんなことを思いながら、俺は小鞠を家まで送り届けた。

*1
幼馴染ですが、お互い苗字で呼び合ってます。

*2
1日で5〜7万円くらい動く、高めのレート。高校生が打てるようなレートじゃない。




オリキャラ達の紹介

・大道寺海斗(だいどうじかいと)
主人公
学年 高1(温水と同じクラス)
容姿 金髪にピアスのヤンキー
身長 182cm
体重 67kg
得意科目 数学 物理
苦手科目 国語 英語
幼馴染 小鞠知花


・相楽剛典(さがらたけのり)
学年 高1(特進、綾乃朝雲と同じクラス)
容姿 黒髪オールバックに銀縁メガネのインテリヤクザ
身長 170cm
体重 78kg
握力 100kg
所属 相楽組(指定暴力団)

・橋松龍司(はしまつりゅうじ)
学年 高1(小鞠と同じクラス)
年齢 29(甘夏&小抜と同い年)
出身 大阪
容姿 茶髪にアゴヒゲのチャラいお兄さん
身長 173cm
体重 67kg
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