文学少女と不良少年の恋模様   作:スピリタス3世

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第四話 一緒に合宿は如何ですか?

  side 大道寺

 

 今日は普段通り麻雀を打つ予定………のはずだった。

 

「今日はぶちのめしたるで〜‼︎」

「喧嘩上等、10万稼がせていただく!」

「いいじゃねぇかぁ。全力でぶちのめしてやるぞぉ‼︎」

 

 いつものように数研の部室でワイワイしていたその刹那…………

 

「あのっ、ここで麻雀が打てるって聞いたんですけど!」

 

 なんと部室に破壊神Aこと朝雲千早が出現しちまったのだ。

 

「えっとな………今日はこれから用事なんやわ‼︎ごめんな‼︎」

「予定前に少し集まって喋ってただけでな………」

「紛らわしい思いさせてごめんなぁ。」

「そうなんですか!」

 

 コイツと麻雀打つなんて、横綱に相撲で挑むようなもの。ほぼ自殺行為だぁ。普段は自信満々な龍司や剛典も奴が来た途端、サバンナでライオンに見つからないよう息を殺している小動物みてぇになっちまう。それほどまでに、朝雲千早は化け物だ。早いとこ帰らせねえと、こっちの心臓がもたねぇな。

 

「ちなみに麻雀、やってるんですよね!賭博系の部活動だとお伺いしたのですが……っ!」

「すまねぇ、ここはシャバの麻雀だぁ。お前が期待してるようなもんはねぇ。」

「まるで私がアウトレイジな麻雀をご所望だと思われてるようですね。私はちょっと悪い子なだけで、そんなに悪い子ではないですよ?」

「嘘つけぇ‼︎」

「まあ麻雀が打てないのなら仕方ないでしょう。私は帰りますね!」

「おぅ。」

 

 だから俺は破壊神Aを帰宅させたぁ。更に龍司と剛典はこれを見てデートへ。そして俺だけが残ったっちゅーわけ。だからぁ、またまた暇になっちまったぁ。そして、隣からは音がしてない。それなら、やる事は一つ………っ‼︎

 

「小鞠ぃ、暇かぁ〜⁉︎」

 

 小鞠にちょっかいをかける‼︎そう思い、思い切って隣の部室へと向かうと………

 

 

 

 

 

 

 

「文芸部………籠城………してる………」

 

 すごい具合の悪そうな人が同じく入ろうと困っていた。

 

「あの………誰ですかぁ?」

「生徒会………2年………志喜屋夢子………」

「そぉですかぁ。俺は数学研究部1年の大道寺海斗っすわ。よろしくっす。」

 

 白くて長い髪に、儚い青白い肌。そして正気を失っているような目。更にはだらしなく開けられた胸元。それにゆらゆらとゾンビのように動く様は、見ていて心配になる。生徒会が文芸部に何の用事か分からねぇが、ひとまず部室を開けてあげよう。

 

「とりあえず、中の奴呼びますわ………おぃ、小鞠ぃ‼︎遊びに来たぜぇ〜‼︎」

「だ、大道寺……っ!何しに来………ひっ、まだいる⁉︎」

 

 そうして、騙すように小鞠を呼ぶと、彼女は中から恐る恐る開ける扉を開けてくれた。その姿はなんだか怯える子猫みたいで可愛いかった。だが、そんな事を思っている場合ではなかった。俺は志喜屋先輩にビビって扉を閉めるのを抑え、無理矢理扉を開けることにした。

 

「おいぃぃ小鞠ぃ‼︎閉めんなぁ‼︎」

 

 扉が閉まらないよう、強引に、でも小鞠は吹っ飛ばさないようにこじ開ける。

 

「だっ、だって………生徒会志喜屋‼︎」

「お前コイツに何されたんだぁ⁉︎」

「い、いや………何も………」

「それじゃあただの失礼じゃねえか‼︎開けるぞぉ‼︎」

「ぎゃっ‼︎」

 

 まあコイツは力が弱いから、すぐに開けてくれた。俺の力に押されて倒れなくて良かったと思いつつ、志喜屋先輩とちゃんと話させないとなぁ。

 

「先輩すいません。」

「いや………大丈夫………」

「そして小鞠ぃ、お前なぁ………っ‼︎」

「せっ、生徒会はっ、予算減らそうと………してくる………から………」

「今それは関係ねぇだろぉ。用事があるんだから謝って素直に聞けぇ。」

「ご、ごめん……なさい………」

 

 素直に謝れるところは好きだぁ。

 

 

 

 

 それはさておき、用事を聞かねえと。生徒会は文芸部に何をしに来たんだぁ?

 

「で、志喜屋先輩は何の用ですかぁ?」

「文芸部………合宿許可………下りたの………伝えに………来た………」

「あ、あ、ありがとう………ございます………」

 

 合宿かぁ。そりゃいいなぁ。小鞠も先輩や同級生と泊まりがけで遊べるんだろぉ?中々コイツはこういった行事に参加してこなかったから、楽しんで欲しいなぁ。

 

「良かったじゃねえかぁ、小鞠ぃ!」

「う、うん………っ‼︎」

「それじゃあ………また………」

「お疲れ様っす。」

「………です。」

 

 そして、志喜屋先輩はふらふらと去っていった。よしっ、小鞠と2人で喋れるぜぇ‼︎

 

「おおっ、合宿かぁ小鞠‼︎いいなぁ‼︎」

「だ、だろwww」

「玉木先輩と楽しんでこいよぉ‼︎」

「い、言われなくても……そうするつもり………デュフフw」

 

 あっ、コイツ今妄想したなぁ。先輩と2人きりの思い出を。何を想像したかまでは分からねえが、相当楽しみにしていることだけは確かだぁ。ほっぺたもちょっと落ちてるし、顔も緩んでる。かわいい。

 

「ち、ち、ちなみに………」

 

 そんな事を思っていると、小鞠が何か言いかけた。一体何を話すんだろぉなぁ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「がが、合宿で……玉木先輩………にっ!告白………するっ!」

 

 なるほどぉ………そう来たかぁ‼︎

 

「おおっ、ついに仕掛けるのかぁ‼︎」

「う、うん………」

「夜の………ビーチ‼︎ムード、さ、最高‼︎」

「だなぁ、だなぁ‼︎応援するぜぇ‼︎」

 

 合宿という非日常、それは人をワクワクさせる。また夜の砂浜は非常にロマンティックで、人に特別な感情を抱かせる。小説家の小鞠らしい告白場所だぁ。

 

 そんな事を思っていると、

 

「そ、そ、それで………相談……っ‼︎」

「ん?なんだぁ?」

 

 小鞠から相談を持ちかけられた。一体なんだ?

 

「と、と、当日………協力………してほしい……」

「当日?」

 

 当日の協力なぁ。確かに俺は協力する気マンマンなんだがぁ………

 

「俺みてぇな部外者は合宿行けねえぞぉ?」

「だっ、大丈夫!」

 

 流石に文芸部の部員じゃない以上、合宿に参加することは出来ねぇ。しかも申請した場所をちょっと調べてみたが、小さな貸別荘のようで、偶然を装って同じ宿に泊まるという荒業も出来ない。更には近くに雀荘が無く、俺が通りがかった口実も無理がある。となると、遠隔でアドバイスかぁ?

 

「おっ、お前が………文芸部、入ればいい‼︎」

 

 そう思っていた俺に、小鞠から斜め上の答えが返ってきた。

 

「俺が………文芸部ぅ?」

「そ、そう!」

「俺、本読むの嫌いだぞぉ?そんな奴居ていいんかぁ?」

 

 俺はそもそも文芸部に一番ふさわしくない。本を読んで書く部活なのに、読むのが嫌いで書くのも苦手。おまけに国語も英語も赤点。確かに文芸部も数研と同様に居心地がいいし、小鞠といれる時間が増えるのは嬉しいが………それでも、こんな奴を入れてはいけないだろぉ。

 

「だ、大道寺………っ!私の本、読んでくれる!」

「小鞠の書いたやつだけは読めるだけだぁ。」

「書く時、麻雀本でも、いい‼︎」

「でもなぁ………俺がいてもなぁ………」

「こ、この空間………嫌いか?」

「いや、むしろ居心地はいいんだがぁ………流石に俺がいたら、おかしいだろぉがぁ………」

「は、入りたい……なら、入る‼︎他………気にしない‼︎」

 

 気にしないって言っても………いや、小鞠がここまで言ってくれるなら、入ってもいいのかぁ?

 

「けっ、決定‼︎これ、入部届‼︎書く‼︎合宿、行く‼︎」

「あ、あぁ………ありがとなぁ………」

 

 なんか気を遣わせちまったなぁ。でもまぁ、小鞠と同じ部活もできるのかぁ。嬉しくて、心が高鳴るのが自分でも分かった。それと同時に、可愛いだけじゃなくカッコいい彼女にも惹かれている自分がいるのが、よく分かったぁ。

 

「がっ、合宿‼︎よろしく‼︎」

「お、おぅ‼︎」

 

 そんな彼女だからこそ、幸せになってほしい。だから俺は、彼女の恋を全力でサポートすることを決めた。来る合宿の日、必ずや玉木先輩を彼女と付き合わせてみせる‼︎

 

 

 

 

  side 小鞠*1

 

 大道寺はいつもそう。見た目だけは大胆で横柄そうなのに、実のところは繊細で自分に対して自信がない。繊細だからこそ優しくて、気遣いが出来る。そしてそれに幾度となく助けられた。だから私からも恩返しをしていきたい。

*1
小鞠の内面って普通の文章ですよね?




小鞠のカッコよくて芯が強いところも魅力的なのですが、描写をするのが難しくて、そんな自分にもどかしいです。
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