ルビコンと竜 作:LAMMERGEIER/40F
やっとマトモなもんがでてきたぞ
今更だけど今作のモンスター達はみんな謎のコーラルパワーで耐久力、火力等の基本スペックに補正が入っているんDA☆
じゃないとみんな一撃で死んじゃうからね、そんな脆いモンスター見たくないだろう?(慣れーション)
AAS02:CATAPHRACT、通称『特務機体カタフラクト』
並のMTでは近付く事すら許されない圧倒的制圧力、仮に近付けたとして尋常の手段では傷付けることすら難しい耐久力、これらを兼ね備えた鈍重な機体にも関わらずマトモな装備では追い付けない速力。
惑星封鎖機構が誇る移動要塞だ。
『くっ…なんだ、この化け物は…!?』
それが今、ある一体の生物によって脅かされようとしている。
『コード27敵性生物の情報を送信、解析急いでくれ!』
彼の階級は特務上尉、特務機体に乗ることが許された数少ない一人だ。実力も、決して低くは無い。
そんな彼が相対するのは四脚の怪物だった。
いや、厳密には四脚ではない。実際の足は二脚だろう。
極端なまでに発達した翼爪が地を掴み、まるで三本、四本目の脚の様な働きをしている。
あのような生物を見るのは数多の戦場を駆けた彼であっても初めてであった。
(距離だ、とにかく距離を取れ)
とはいえ相手は野生生物、遠距離への対抗手段など持ち合わせていない。そう考えつつ何度目かの誘導ミサイルを放つ。
が、かすりもしない。全て当たる前に避けられ、或いは迎撃される。しかしこうするしかない。
奴の眼光は常に正面、制御用MTに向けられている。この戦闘中、この部分からは一切攻撃がない=弱点だとでも考えたのだろうか?
見た目に反し意外と理知的なのか、或いは獣の勘、本能か。
真偽はともかく明らかに弱点を理解した立ち回りと、装甲板越しだと言うのに感じる殺気に特務上尉は辟易せざるを得なかった。
(下手な距離感は一気に刈り取られる、くそ。あれさえ当てられれば……)
グレネード、或いはレーザーキャノンのフルチャージ。このどちらかが当たれば深手を与えられるだろう。
しかし前者は間違いなく見てから回避され、後者はチャージする間に詰められる。
(あんな原始的な生物に、惑星封鎖機構の最新鋭兵器が手も足も出ないとは……)
『むっ、これは』
ようやく解析が終わったのか、僅かな通知音と共に目の前の生物の仔細な情報が流れてくる。
それによってわかったことは……
『……なるほどな』
あれは極度の興奮状態に陥ると、運動能力と引き換えに一部の部位が防御力を失うということだった。
その部位とは頭部、そして前腕部。どちらも急所だ。
(頭部は今は無理だ。今は、だが)
狙いは1つ、機動力を削ぐのだ。
キャタピラを逆回転させ全力で引きながらガトリングガン、ミサイルを連射。
当たらなくていい、ダメージにならなくても最悪いい。
ただ、相手の注意だけを引き続ける。
(怒れ、そして短絡的な行動に出ろ)
チャンスは存外早く訪れた。
耳を劈くような爆音と共に全身がパンプアップ。どこをどう見ても弱体化したようには見えないが、今が好機。
武装を全て前腕部に集中。
びしり、と何かが砕けるような音ともに相手の右前腕突起がへし折れ、同時にバランスを崩したのか転倒。
『終わりだ、化け物め』
身動きの取れない対象にガトリンググレネードを全弾射出。
『……終わったか。コード45、敵性生物の排除執行を確認、これより……』
爆音が鳴り響いた。まさか。と振り返ったその瞬間、カタフラクトは転倒。
目の前には全身火傷跡塗れ、片目が潰れて右前腕は全損、血と臓物を曝け出しながらも闘争心は一切衰えない『怪物』の姿があった。
『ぐうっ!?』
残った左腕が制御用MTを叩く。ACごときのグレネードであれば容易に弾く装甲板がひしゃげ、一瞬でどこかに飛んで行く。剥き出しの懲罰席へ成り果てたコクピットから睨み合う。
『─惜しいな』
もしこれが生身ではなくMT或いはACで、中身も獣ではなく理性ある人間であったなら。命令違反による多少の降格、減給を抜きにしても封鎖機構の同志に迎え入れたというのに。
それほどの闘争心、それほどの戦闘力。
『だが、お別れだ。許せ』
潰れた右目では、それを捉えることは出来なかったのだろう。エネルギー出力最大、フルチャージのレーザーキャノンが放たれる。
『……最期まで斃れないか』
遠い星には直立不動のまま絶命した勇士の伝説が残るという。
それを思い出さずにはいられない最期だった。
《コード37。特務上尉、現場に迎え》
『了解』
感傷に浸る間もなくシステムからの指示が飛ぶ。
多少消耗したが、なんてことは無い。
『座標は……旧宇宙港の近くか』
特務機体撃破で戦ってた人大出世。この人がここまで強いなんて他にあるか。
にしても何故ストーリー中のカタフラクトは装甲板付けてないんでしょうね。マジで。