高育が如く   作:レゾリューション

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あの人が登場


運命の再会?

学校二日目、初日の授業ということもあって授業の大半は軽く方針を説明して終わった。授業ともなれば少しはお堅くなると思ったがそんなこともなく、先生たちはフレンドリーなのに加え、寝ている生徒もいたが注意さえしようとしない。事に桐生は疑問を抱いた。

 

“国立の高校だからもっと厳しい感じだと思ったが流石におかしいな”

 

その寝ている生徒に目を向ける。それこそ桐生が昨日綾小路と一緒にカップ麺を食べた須藤である。彼は午前の殆どを催眠にあてていた。授業態度が悪いのは彼だけではない。何人かは私語、携帯いじり、爪を研いでいる者など様々。昼休みになり、何人かが学食に行く、綾小路と桐生が出遅れ席を立とうとすると.. 

 

「えーっと、これから食堂に行こうと思ってるんだけど、誰か一緒に行かない?」

 

クラスから半分が生徒が姿を消していた教室に平田がそんな提案を投げ掛けた。おもむろに綾小路の顔を見て、

 

「綾小路これは、チャンスなんじゃないか?」

 

「ああ、オレ達にとって大きなチャンスだ」

 

私たちが手を挙げようと決めた所で

 

「えーっと、綾小路君と桐りゅ───」

 

「私もいくー!」

 

「私も私も!」

 

「あっ、でも───」

 

「行こ!平田くん!」

 

女子たちが平田を囲み連れ去った。せっかくのチャンスを不意にしてしまい肩を落とした桐生達だった。

 

“イケメンにはこんな弊害があるのか。次からは呼ばれたすぐ来れるように反射神経を鍛えるか、”

 

このとき綾小路は次からはもっと強く念を入れようと考えていた。努力の方向性を間違えてる2人に堀北の視線が刺さる。

 

「誰かにご飯に誘ってもらいたかったようだけど悲惨ね。見てられないわ」    

 

綾小路がお前も一人だろと負けじと反論するが、

 

「そうね、私は1人が好きなの。友達が欲しくて仕方がないけど出来そうもないあなた達と一緒にしてほしくないわね」

 

心に深い傷を負った2人は大人しく学食に行く事にした。

 

 

食堂に辿り着く間に綾小路と連絡先を交換し食堂に着く。時間が経っていたせいなのかそれとも堀北からの心のダメージが大きくゆっくり歩いていたせいかもう既にかなりの人で溢れかえっていた。

 

「人が多いな、とりあえず券売機に向かうか。」

 

そうだな、と綾小路が反応し券売機のところに辿り着きメニューを確認する。

 

“本当にたくさんあるなそうだな、かけ蕎麦にしよう”

 

かけ蕎麦に決めてボタンを押して食堂の人に食券を渡す。 

 

「はい、かけ一丁!」

 

すると丁寧で素早くそばをゆで始めあっという間に完成する。料理を受け取り空いてる席に向かい合って座る、綾小路は唐揚げ定食だ。

 

『いただきます』

 

手を合わせた後、桐生は麺を綾小路は唐揚げを口にする

 

"これはなかなかいけるな”

 

昼ごはんを食べてる時に放送が入る。

 

『本日、午後5時より、第一体育館にて部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第一体育館の方に集合してください』

 

「綾小路は何か部活してたのか?」

 

「中学は帰宅部だったぞ。桐生は部活してたのか?」

 

「私も帰宅部だったかが運動(喧嘩)はよくやった方だ。」

 

嘘は付いていない、彼女の3年間はかつて所属してた東城会での内部争いで学校に行くのはともかく部活動はする時間がなかった。元々身体能力、戦闘センスなどは高かった桐生だがまだまだ粗削りで力任せに扱いその才能を十分に発揮出来なかった。しかし皮肉な事に4代目をめぐる争いのおかげで桐生はその身体能力、戦闘センスを開花させ更に桐生の力を見込んだ変な爺さん達や一人の姐さんに目をつけられてそこで修行し、自分独自のスタイルを完成させた。

 

“高校生の間は部活をしないでゆっくり過ごせたら望ましいな”

 

 

 

 

 

 

 

そんな淡い気持ちを抱いる桐生は知らない。この学校には一癖も二癖もある生徒が多くいる事、この楽園のような学校の実態を、そして四代目という肩書きがどれだけ大きいのかを、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事を終え午後の授業が始まり食後の睡魔が桐生を襲うがそれを耐えて放課後になった。放課後、なんと綾小路が堀北を部活説明会に誘い出すことに成功し会場へと向かった。

 

「思ったより多いな」

 

「そうだな」

 

既に一年生と思われる生徒たちは体育館に集まっており、数はざっと100人はいる、

 

「どの部活動もレベルが高そうだな。全国クラスの選手も多いみたいだ。それに設備も豪勢と言うか、酸素カプセルなんてものもあるぞ」

 

堀北は入り口でもらった部活のパンフレットを見ながら、

 

「空手部はないのね…」

 

「空手部、入りたかったのか?」

 

「そういう訳ではないわ」

 

“堀北は誰かと会話するときは本当に必要最低限の事しか話さないんだな”

 

桐生が今の会話と過去のやり取りを振り替えって分析していると

 

「皆様お待たせいたしました、これより新入生を対象とした部活動説明会を開始します。」

 

各部活の説明が行われていき、遂に最後の一人になる。が、その先輩は一向に喋ろうとしない。

 

「がんばってくださ〜い」

 

「カンペ、持ってないんですか〜?」

 

「あははははは!」

 

“いや、これは緊張しているとかじゃない。アイツは全員が静かになるのを待っている”

 

一年生たちから言われているが状況は変わらない。緊張して言うことを忘れしてしまったのかと思われているとあの先輩がようやく口を開いく。

 

「私は、生徒会会長を務めている、堀北学と言います。生徒会もまた、上級生の卒業に伴い、一年生から立候補者を募ることとなっています。特別立候補に資格は必要ありませんが、もしも生徒会への立候補を考えている者が居るのなら、部活への所属は避けて頂くようお願いします。生徒会と部活の掛け持ちは、原則受け付けていません。

 

「それから……私たち生徒会は、甘い考えによる立候補を望まない。そのような人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。我が校の生徒会には、規律を変えるだけの権利と使命が、学校側に認められ、期待されている。そのことを理解できる者のみ、歓迎しよう」

 

演説を終えると、生徒会長は真っ直ぐに舞台を降りていく。

 

部活動説明が終わり1年生は体育館を後にする。桐生達もそれに続いて外に出ると

 

「おい!そこの!」

 

「え?」

 

桐生達が振り向くと知らない大柄な生徒がこちらにやってきた。おそらく上級生なのだろう。だが桐生達はコイツらと話した事もない。何故話しかけられたのか考えていると、

 

「俺のダチをよくもボコしてくれたなぁ!」

 

その言葉に堀北は首をかしげ、桐生と綾小路は思い出した。それは昨日ベンチを譲れとかほざいていた上級生の事だろう。桐生に喧嘩を売り完膚なきまでにボコされあれで懲りたと思っていだがどうもそう簡単にはいかないらしい。

 

“アイツらがコイツに頼んだのかそれともボコされた姿見て敵討ちする事に決めたのか…どちらにしても面倒なことだ”

 

そうここは外とはいえ部活動説明に参加した生徒も多い。現に桐生達の周りは喧嘩の騒ぎを聞きつけてギャラリーが沢山いる

 

「ダチの恨み晴らさせてもらうぞ!」

 

「後悔するなよ」

 

 

 

上級生

 

 

 

相手を見る限りパワータイプで動きは鈍そうと判断する。そして相手から大振りな一撃が飛んでくるがスウェイで避ける。二度三度攻撃が来るが全て躱す。躱すばかりで攻撃しない桐生に苛立ったのか、

 

「躱すしか能がねぇのか!」

 

「すぐ終わっても楽しくないだろう?」

 

相手を挑発しどう出るか見極めていると案の定向こうは怒りながら攻撃してくるがスピードがはやくなっている事に桐生は気づく。

 

“パワーだけだと思ったが少しスピードもあるな、戦い方を変えてみるか”

 

桐生は小ジャンプしてファイティングポーズをとる。素早い打撃と回避を軸にして戦う《ラピッドスタイル》

背筋を伸ばしたボクサーの様な構えを取り相手を迎え入れる。相手に攻撃すると見せかけ一度フェイントを入れる。

相手も確実に攻撃が来ると思ったのかガードをしていたので、それを崩し高速で、ジャブ、ストレート、フック、最後にアッパーを決める。

 

 

 

 

《拳砕きの極み•肘》

 

 

 

「なめやがってぇ!」

 

相手も負けじとアッパーを繰り出そうとするが

 

「オリャァー!」

 

「ハァ!」

 

それを桐生は右肘でアッパーを受け止め相手の拳を砕く。砕けた右拳を抑えている隙に中腰になり上級生の顎に拳が当たるようにアッパーを放つ。

 

「せぇや!」

 

「うぐぉっ!?」

 

姿勢を低くした状態から繰り出された攻撃は相手を容易に宙に浮かせ背中から地面にドンッ!と音を立てこの喧嘩は桐生の勝利に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喧嘩が終わった後、人だかりから一人の男がやってきた。

 

「よ〜やく見つけたで〜桐生チャ〜ン」

 

鶴の一声と言うべきなのか、皆その言葉の発声主の方に顔を向ける。桐生もまさかと思い振り返ると、目を見開く。

 

“な、なんでここにあの人が⁉︎”

 

テクノカットと左目の眼帯がトレードマークで独特の訛りの関西弁を喋る人物、こんな人物は世界中探しても一人しかいない。そう、

 

「ま..」 

 

「ま?」

 

「真島の兄さん!」

 

「桐生チャ〜ン、久しぶりやなぁ〜会いたかったで〜」

 

 

 

元東城会直系 嶋野組内 真島組組長 真島吾郎

 

東城会の中で最も武闘派である真島組で組長をしていた生きる伝説である。その活躍ぶりと破天荒な性格から嶋野の狂犬という異名を持っており2年前に自分と戦い勝った桐生をライバルと認め彼女を大変気に入っている。

 

「兄さん、アンタがこの学校に入っていたとは知らなかったぜ。」

 

「それはこっちのセリフや、桐生チャンがまさか高育に入学するとはなぁ」

 

さっきまでの雰囲気はどこに行ったのか二人は普通に会話をしている。この状況を見て1年生は久しぶりの兄弟の再会と思っているかもしれない。しかし真島の事を知る2、3年生は違う、この桐生という女生徒はあの真島と仲良く話している、それは桐生という生徒はあの真島に認められるほどすごい生徒という事である。

 

「そんで桐生ちゃんはコイツに何されたんや?」

 

真島が桐生に喧嘩をうった相手を見る

 

「さっき絡まれただけだ」 

 

「甘いな、桐生チャン甘々やで」

 

そのまま上級生の方に行き相手を殴り続ける

 

「なに勝手に桐生チャンと戦っとるんかい!桐生チャンは俺の獲物やで!」

 

“まずい!兄さんは見せしめの喧嘩をする時は必要以上に痛めつける事がある、このままだとアイツの顔が次の日には別人になってしまう!”

 

桐生が兄さんを止めようとしたそのとき

 

「そこまでにしておけ真島」

 

力強く凛とした声のした方を見つけると先程生徒会の説明をしていた堀北学であった

 

「堀北やないか、俺を止めに来たんか?」

 

「生徒が馬乗りにされながら殴られていると苦情が来れば嫌でも生徒会は動く。それにここはギリギリ学校内だ。学校内での喧嘩は認めていない。これで納得したか?」

 

その言葉に嫌そうにしながらも馬乗りを止めて

 

「しゃぁないの、今回は見逃したるわ。またなぁ〜桐生チャ〜ン」

 

そうして真島の兄さんが帰り更に面倒などになるのは免れた。

 

「少し騒がせたな他の生徒は帰って良いぞ」

 

生徒会長の言葉により生徒達は帰宅し始め桐生達もそれに続いた。

家に帰ると何故か真島の兄さんが家に入っておりどうやって入ったか聞いてみるとポイントを払うと合鍵が作れるとのこと。何のようか聞いてみると桐生と連絡先が交換したかったそうだ。それに桐生は反対する事なく連絡先を交換しウキウキで真島の兄さんは帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日いつも通り学校に行き教室に着き扉を開け席に座ろうとすると、

 

「おはよう山内!」

 

「おはよう池!」

 

教室に池と山内のいつもよりも元気な声が響く。2人はいつも遅刻寸前に登校していたのに今日に限って早く教室にいるのが疑問に思った桐生だがそれはすぐに解決した。

 

“アイツら今日水泳の授業があるからこんなに早くいたのか。これぐらい早く着く事が出来るなら普段からやって欲しいんだが、”

 

「いやぁー、今日の授業楽しみだよなー!」

 

「な!まさかこの時期に水泳があるなんてさ!水泳って言ったら女の子!女の子と言えばスク水だよな!!」

 

水泳の授業は男女混合。つまり女子のスク水姿を拝める機会なのである。思春期男子高校生なら嬉しくなるものだが態度があからさま過ぎて一部の女子にドン引きされているのだ。

 

「おーい博士ー。ちょっと来てくれよー」

 

「フフッ、呼んだでござるか?」

 

博士と呼ばれた太めな生徒が池たちの方へ近づいていく。

 

「博士、例のヤツは?」

 

「任せろ完璧に準備したでござる」

 

綾小路をみると聞き耳を立てていたのが分かった。それに少し羨ましいという顔をしている。 

 

“綾小路まさかお前はあの会話に参加したいのか?やめた方が身のためなんだか…”

 

「何するつもりなんだ?お前ら」

 

「博士にクラスの女子のおっぱいランキングを作ってもらうんだよ」

 

「おいおい......」

 

言葉を発した須藤でさえ少し引いている。桐生は後ろの綾小路に警告する。

 

「綾小路、あの会話がうらやましい、或いはあんな馬鹿話をしてみたいと思うのなら先に言っておく。友達を作りたいなら止めておけ女友達の場合に特に」

 

「そ..そうか分かった止めておく」

 

少し残念そうな顔をした綾小路だった。すると

 

「話しかけにいかないの?綾小路くん」

 

先程教室についた堀北が声をかけた。彼を試そうとしているのかいつもの棘のある口調ではない。

 

「ああ、さっき桐生が警告してくれたからな」

 

「という事は警告されなかったら行こうとしたのね」

 

思わず痛い所を突かれ顔が沈む彼に桐生は、

 

“綾小路が落ち込んでいるがどうするか…”

 

  •慰める←

  •ストレートに批難する

  •慰めると見せかけて毒を吐く

 

“堀北に攻撃されているし慰めておくか”

 

桐生は綾小路の耳に小声で

 

「そう落ち込むな綾小路。アイツらみたいに騒ぎを起こさなければ普通に水着をみる事が出来る」

 

「そ、そうだな」

 

少し考えてみると我ながら変な慰め方だなと思う桐生だった。

 

“しかしアイツらもう少し声を抑える事は出来ないのか?”

 

桐生はこう言う話にはある程度寛容である。しかし桐生もれっきとした女の子であり、いくら寛容でも限度がある。

 

  •静かにしてもらう←

  •ほっとく

 

“もう少し声を小さくさせてもらうか”

 

そう思うと、桐生は池達の方に向かい

 

「おい」

 

声をかけられ池達が振り返りると桐生の威圧感で少しビビってしまう。

 

『ど、どうしました?桐生さん?』

 

思わず敬語になった山内と池の口調に気づく事なく会話を続ける。池達は自己紹介などで彼女募集中だといいクラスの女子なら連絡先を聞き回っていたが桐生には聞いてない。それは何故か?初めて桐生を見た時あの人と関わったらマジでやばいと本能で感じていたからだ。そんな本能でヤバいと感じさせた桐生に話しかけられビクビクしている二人に桐生は、

 

「水着で盛り上がるのは勝手だがもう少し声を抑えてやってくれ」

 

『は.はい..』

 

水着の話をしてた連中は何の文句を言う事なく席に座った。桐生は伝える事を伝え席に着く。茶柱先生がやってきてホームルームが始まった。

 




という事で真島の兄さん本人に登場してもらいました。やっぱ本人じゃないとつとまりませんからね!キリが悪いですが次回から水泳回に入ります。
それからこの作品では基本男子が喧嘩を仕掛けてきますが女子も喧嘩を仕掛けることがありますのでご了承を
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