高育が如く   作:レゾリューション

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今回、桐生ちゃんの喧嘩はありません。


中間試験

堀北学との喧嘩が桐生一葉の勝利で終わり、桐生は荒くなった息を整える。数分経った後少しふらつきながらも学は立ち上がり眼鏡の位置を直そうとするも連続膝蹴りのせいで眼鏡が粉々に壊れた。学は桐生を見て、

 

「流石、四代目を努めた実力はあるな。」

 

と小さく呟く。しかし堀北妹はよく聞き取れなかったのかなんと言ったのか疑問に思っている。

 

「鈴音、頼もしい友人をもったな」

 

「彼女は...」

 

言葉を言い切れにない妹に兄は、

 

「相変わらず孤高と孤独を履き違えているな。鈴音、上のクラスに上がりたければ死に物狂いで足掻け、それしか道は無い。」

 

“アイツなりのアドバイスか?”

 

そう言って学は去っていった、

 

「怪我は無いか?」

 

桐生は壁に体を預け沈んだ顔をしている堀北に、声を掛ける。

 

「大丈夫よ...」

 

それより、と言葉を挟み

 

「桐生さん、あなた本当に喧嘩が強いのね...」

 

短い言葉だがいつもの刺々しい感じではなく弱々しく落ち込んでいた。堀北は心のどこかで兄が勝って欲しいと思っていた。桐生の喧嘩の強さは話題になっており総合ランキングで女子で上位にいると聞いたことがあるほど。それでも堀北鈴音は桐生と兄と戦ったら兄が勝つと思ってた。様々な武術を修めた自分が尊敬する兄が負ける訳がないと、しかし桐生一葉はそれを圧倒する程の強さで堀北学を退けた。

 

「兄さんは空手と柔道五段、合気道四段の熟練者よ、そんな兄さんを倒すなんて...」

 

「喧嘩で武術を使う奴はたくさんいた。」

 

「そうなの...」

 

そう言い、桐生は自動販売機で飲み物を買う為に場所を変える、堀北もそれについて来た。ボタンを押して水を買い勢いよく飲む。すると寮の玄関から綾小路が出て来た。彼も飲み物を買いに来たらしい。そして何かあったのかと問われたのでさっき起きた事を軽く説明した。そして綾小路は堀北に質問する。

 

「堀北はAクラスに上がりたいのか?」

 

「そうよ」

 

だからテストで赤点を取るような足でまといは退学した方が良いというが綾小路はこの先、筆記試験以外のテストがあるかもしれない。そのときは須藤達は活躍している筈と堀北を説得する。その説得に応じ3人はこの場を後にした。

 

次の日、あの言い争いで解散した堀北主催の勉強会だが、櫛田の働きでなんとか再結成を果たすことができた。今までとは違い昼食の後、20分間だけ勉強する約束になった。今は図書館で勉強の最中であり桐生が問題を出した。

 

「問題、帰納法を考えた人物の名前は?」

 

「えーと......さっきの授業で習ったやつだよな?」

 

池達が必死になって思い出そうとしている。

 

「そういやそうだ...すげぇ腹の減る名前だったよな...」

 

「フランシスコ・ザビエル!...っぽいヤツだろ?」

 

惜しい答えを山内が出しそのヒントをもとに池が答えた。

 

「思い出した!フランシス・ベーコンだ!」

 

「正解」

 

「やったぜ!これで満点確実だな!」

 

「だろー!」

 

“流石に習ったばかりの所を忘れる、なんてことは無いか”

 

みんな拍手を送られている池をみて頑張って覚えようとする他の人達、一週これだけ必死に詰め込めばなんとか全員赤点を免れるかもしれないと桐生が考えていると

 

「おい、ちょっとは静かにしろよ。さっきからギャーギャーうるせぇぞ」

 

隣で勉強していた生徒の一人が顔をあげた。

 

「悪い悪い。ちょっと騒ぎすぎた。問題が解けて嬉しくてな~。帰納法を考えた人物はフランシス・ベーコンだぜ?覚えておいて損はないからな~」

 

池は笑いながら言うが相手は人を馬鹿にするような反応をしていた。

 

「お前ら、ひょっとしてDクラスか?」

 

隣の男子たちが一斉にこちらを見て、桐生たちをニヤニヤと笑いながら見回す。

 

「なんだお前ら。俺たちがDクラスだからって何だよ。文句あんのか?」

 

「いやいや、別に文句はねえよ。俺はCクラスの山脇だ。よろしくな。しかしなんつうーか、この学校が実力でクラス分けしてくれてよかったぜ。お前らみたいな底辺と一緒に勉強させられたらたまんねーからなぁ」

 

「んだと!」

 

真っ先に怒り、立ち上がったのは須藤。だが堀北がそれを制す。

 

「今度のテスト、お前らから何人退学者出るか楽しみだぜ」

 

「残念だけど、Dクラスから退学者はでないわ。」 

 

「冗談はよせよ。大体、お前らフランシス・ベーコンとか言って喜んでるとか正気か?テスト範囲外のところを勉強して何になるだ?」

 

“どういう事だ?”

 

驚愕の事実を知り驚きを隠せない堀北

 

「もしかしてテスト範囲もろくに分かってないのか?これだから不良品は...」

 

「てめぇ!」

 

そう言いながら席を立ち上がり、山脇に殴りかかろうとする須藤。しかしその拳が彼に届く事は無かった。桐生が須藤の拳を掴んでいたからだ。体格に恵まれており力には自信のある須藤だかその拳を簡単に防いだ桐生の力にみんなが驚いていると

 

「両者そこまで!喧嘩はダメだよ!喧嘩は学校の外でやってね!」

 

「なんだお前、関係ないやつは引っ込んでろよ」

 

「私もこの図書館の利用者の1人だから無関係じゃないよ」

 

DクラスとCクラスのいざこざに入り込んで更に言葉を続けた。

 

「図書館はみんなが使う場所だよ、もしそれ以上騒ぐなら...」

 

言葉を言い切る前に生徒はバツの悪そうな顔をし、舌打ちをしてその場を離れた。

 

「ごめんねー、見逃せなくて割り込んじゃった。私はBクラスの一之瀬帆波、えっとあなたは、」

 

「桐生一葉だ、この場を収めてくれて助かった。」

 

「貴女が...桐生さん」

 

桐生の名を聞いた事で緊張する一之瀬。桐生の噂は人との関わりが少ない堀北でさえ耳にするほどで彼女ならもっと聞いている事だろう。

 

「どうかしたか?」

 

桐生について考えていた一之瀬はハッと顔をあげ話題を変える。

 

「テスト範囲が変更されているのはもう1週間前に伝えられたよ?私たちのクラスは、担任の先生からそう聞いたけど、Dクラスは聞いてないの?」

 

“茶柱からそんなこと聞かされていない...”

 

「変更範囲を教えてくれると助かる...」

 

一之瀬は了承し変更範囲を紙に書いてくれた。そしてその事実を確かめる為に堀北が確認しようとするが、

 

「私が行ってくる、みんなは変更範囲の勉強をしててくれ。私は後でメールで送ってもらえばいい」

 

これで全ての教科でテスト範囲が違っていたとしたら、この一週間無駄な時間を過ごしてきたことになってしまう。昼休みが終わるまであと10分。桐生は職員室へと足早に向かい扉を勢いよく開ける。当然ノックなどもしていない。そのまま茶柱のいる所に向かい、

 

「茶柱、確認したいことがある。向こうの部屋を借りるぞ」

 

茶柱を生徒指導室に連れて行き椅子に座らせる。

 

「一体何のようだ?」

 

「さっきCクラスの生徒からテスト範囲が違うと言われたがどういうことだ?」

 

「......そうか。中間テストの範囲は先週の金曜日に変わったんだったな。悪いな、お前たちに伝えるのを失念していたようだ」

 

「ふざけているのか?なんで伝え忘れた?」

 

「これ以上何か言ったところで、事態は変わらない。それぐらいは分かるだろ?」

 

茶柱先生は桐生を生徒指導室から追い出そうとする。が、そんなことで素直に従う桐生では無い。

 

「私はなんで伝え忘れたのか聞いているんだ。」

 

「私個人の判断だ...」

 

「そうか...」

 

一言間を置き茶柱の胸倉を掴み桐生のもとに無理矢理引き寄せる。突然の出来事で茶柱は反応することが出来ず桐生に睨まれる。振り解こうとするもの茶柱の力ではびくともしなかった。

 

“”話には聞いていたがここまでとは...””

 

前のめりにされながら茶柱は言葉を発する。

 

「なんのつもりだ...」

 

「職務を全うする気が無い教師(テメェ)に教えてやる。ここは赤点一つで退学する学校だ。退学を回避する為に不良品と呼ばれる私達も不良品なりに勉強していた。それをオマエは踏み躙った。仮にも教師オマエがだ、教師ってのは生徒に教え導くもんじゃねぇのか!?」

 

迫力ある追求に答えられない茶柱、更に桐生の言葉は続く

 

「テメェがクラスに興味無いのはこの際どうでもいい。だが与えられた情報はクラスに隠すことなく伝えるとここで約束しろ」

 

これは契約書も無いただの口約束。しかし、破れば茶柱はタダでは済まないことが目に見えていた。

 

「分かった....」

 

その言葉を聞き茶柱のワイシャツから手を放す。そして生徒指導室のドアノブに手を掛ける直前、

 

「茶柱、オマエは中間考査を乗り切る方法は確実にあると言っていたな。その言葉は本当だな?」

 

「ああ...」

 

短い言葉ながらも大切な情報を手に入れた今度こそ生徒指導室を後にした。昼休みと午後の授業が終わり帰りのホームルームに訂正されたテスト範囲がクラスに渡った。そのとき茶柱がいつもの冷たい雰囲気じゃないことにクラス中が不思議に思ったそうだ。一部の生徒は桐生に疑問の目を向けたらしい。次の日の朝、桐生は二人が来た所で赤点を回避する方法は確実にあるということを堀北と綾小路に伝えその対策を考えていた。考えた末に桐生が思い着く。

 

「分かったかもしれない」

 

「本当?そのやり方は?」

 

堀北が質問する

 

「それは...」

 

“赤点を回避する方法は...”

 

   •先生から解答をもらう

   •過去問を使う←

   •自力で頑張る

 

「過去問だ。」

 

『過去問?』

 

「昨日茶柱に詰めたときアイツは言っていた。回避出来る方法は確実にあると、学力で劣るDクラスで回避するためにはこれが必要だ。仮に同じ問題が出なくても解き方が同じなら対策も出来る」

 

二人は納得する素振りを見せ、桐生は携帯を取り出し電話をかける

 

「今から知ってる先輩に電話してみる」

 

桐生がよく知っている先輩は二人に絞られる。一人は昨日戦った堀北学しかし連絡先は交換していない。もう一人はご存じ真島の兄さんである。電話をかけるがなかなかでてこない。少し待つとようやく繋がるが声が聞こえない。

 

『もしもし?』

 

「私だ、兄さん。少し頼みがあるんだが聞いてくれるか?」

 

『お〜桐生ちゃん!そっちからかけてくるなんて珍しいな〜どないしたんや?』

 

「1年生の時の1学期の中間テストと小テスト、その問題を譲ってくれないか?」

 

返事が来なく、他に声が聞こえている。

 

“電話の向こうから怒声が聞こえるな、まさか...”

 

「兄さんもしかして喧嘩しながら電話しているのか?」

 

『よう分かったな、その通りやで』

 

“電話しながら喧嘩か...”

 

『話しがそれてもうたな、ええで、ただで譲ったるわ。その代わり夏休みに入る前に俺と喧嘩することが条件や』

 

「ああ、それなら問題ない。」

 

堀北達に交渉成立した事を伝えると堀北が確認用に3年のテストも欲しいと言ってきた。この事を伝えると、

 

『すまんな〜俺は3年の知り合いがいなんや、』

 

真島の兄さんに3年の知り合いはいないので協力してくれたことを感謝し電話を切ろうとしたとき、

 

『あっ!思い出したわ!3年Aクラスのタチバナっちゅうやつに話し聞いてみ、ソイツなら話し通じるはずや俺から話つけておくで』

 

「分かった、Aクラスのタチバナだな。協力感謝するぜ兄さん」

 

『気にすんな、なんてったって桐生ちゃんと喧嘩出来るんやからなぁ!!楽しみやわー!!』

 

“今、現在進行形で喧嘩してるんだがな”

 

そう言って電話を切り、話を伝える。

 

「話しは着いた。取り敢えず昼休みになったらAクラスに行ってくる。」

 

事を伝え先につきホームルームが始まった。午前の授業が終わり昼休みになり桐生は上級生の教室に足を運ぶ。教室につき扉を開ける直前、

 

「あなた、ウチのクラスに何かよう?」

 

「このクラスのタチバナって先輩に話しがあるんだ」

 

「タチバナさんウチのクラスに二人いるの。どっちのタチバナさんかな?」

 

“なに?二人いるのか、どっちのタチバナだ?”

 

   •女子のタチバナ←

   •男子のタチバナ

 

「女子の方だ。」

 

「分かった。読んでくるね」

 

呼ばれたタチバナがこちらにやって来た。髪は紫でお団子ヘアーな小柄な女の子だ。

 

「あの、話しがあると聞きましたがどんなご用件ですか?」

 

桐生は疑問を抱く

 

“真島の兄さんが話をつけたんじゃないのか?”

 

「真島の兄さんから話しを聞いてないか?」

 

真島という単語に反応したのか顔色が一瞬で変わる。

 

「あなた!真島君と知り合いですか!」

 

桐生が肯定すると、橘はあんな破天荒な人とは関わらない方がいいと言った。確かに真島の兄さんの行動は桐生ですら予想出来ない事は何度かあった。しかし嘘が嫌いで正直者が好きだと言ってたり、女子供を気遣う一面もあったりなど、狂気的ではあっても下種ではない、そういう所が気に入っており、いきなりそんな事を言われて引き下がる訳なく反論しようとしたそのとき、もう一人のタチバナが待ったをかけた。

 

「すみません茜さん。この人は私に用があるそうなので少し話しをしてきます。」

 

そう言って男子のタチバナは桐生を食堂に連れて行き席に座る。

 

「改めて自己紹介を、私は3年Aクラスの立華鉄といいます。どうぞ宜しくお願いします」

 

「1年Dクラス 桐生一葉だ。」

 

「話しは真島さんから聞いています。過去問の件ですよね?」

 

「話しが早くて助かる、でどうすれば譲ってくれる?」

 

「桐生さん、私はあなたがある条件を呑んでくれれば過去問をタダでお譲りします。」

 

“条件か...”

 

食堂は賑やかな声と笑い声で満ちており人々が楽しそうに食事をし、談笑する中、周囲の喧騒をよそに、桐生の声は低く、「要求は?」と、静かに問いかる。

 

「私と友達になってくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......え?」

 

 

まさかの友達になって欲しい発言に頭に疑問符を浮かべる桐生。いきなり言われても困惑するだけだろう。そんな桐生をよそに立華が口を開く。

 

「実は私、他学年の友人が余りいないんです。」

 

“急にそんな事言われてもな...”

 

   •受け入れる←

   •拒否する

 

「分かった。でまず何をすればいいんだ?」

 

「そうですね。まずは、一緒に昼ご飯を食べませんか?」

 

立華の言うことに従いランチを食べることにした。今回桐生が選んだのは

チャーシューとんこつラーメンで立華はハンバーグ定食である。トレーを受け取って席に座り、食事を始める。

 

“気まずいな、何か話題はないか...”

 

   •将来のこと←

   •この学校について

   •立華自身について

 

「立華は将来何かやりたい仕事とかあるのか?」

 

立華は箸を置いて話し始めた。

 

「私、将来不動産会社に勤めてたいと思っています。ゆくゆくは独立し自分で不動産会社を作るという夢があります。そして、どんな土地でも用意する闇の不動産王になるのが目標ですかね」

 

なかなか物騒な単語を口にする立華

 

“最後の一言で一気に怪しくなったぞ”

 

「冗談ですよ...」

 

「冗談に聞こえないな...」

 

「でも不動産会社を立てたいのは本当です。桐生さんがもし就活や転職に困ってたら私が雇いますよ。なんでしたら白いサラリーマンスーツに派手なシャツで来ても歓迎します。」

 

「流石にリーマンで派手な服は仕事に支障がでないか?」

 

「今はそうですがバブル期の頃はそんな派手な服で仕事している人もいたそうですよ」

 

“バブルってそんな感じだったのか...”

 

意外と楽しく会話が続き、今度は立華から話を振った。

 

「桐生さん、あのとき茜さんに話しかけていたら、ちょっと大変だったかもしれませんでした」

 

「どういうことだ?」

 

立華曰くAクラスのリーダーであり生徒会長でもある堀北学が顔に傷を負っていたらしい。眼鏡も壊れてしまったそうだ。当然クラスのみんなが心配していたが一番怒っていたのが橘だったそうだ。彼女は学と同じで生徒会に所属しており、本人は言ってないが学に好意を寄せており彼に怪我を負わせた人物を探していたそうだ。桐生のことも当然候補に上がったが顔を知らなかった為一旦保留にしたそうだ。この出来事を起こした張本人(桐生一葉)は、

 

“昨日ことがまさかこんな風に繋がるとはな...”

 

話している内に二人は昼食を食べ終えトレーを戻す。

 

「今日はありがとうございました。約束通り過去問をお渡しします。」

 

「こちらこそ」

 

連絡先を交換し確認すると小テストと中間試験の問題用紙と回答用紙の写真が送られてきた。確認していると真島の兄さんからも送られてきた。食堂を堀北にデータを渡す。堀北はすぐに渡したら意味がないと言っていたので2日前に配るらしい。そして遂に試験当日となり茶柱が現れる。

 

「欠席者はなし。ちゃんと全員揃っているみたいだな。お前らを落ちこぼれにとって最初の関門がやってきたわけだが、何か質問は?」

 

「僕たちはこの数週間、真剣に勉強に取り組んできました。このクラスで赤点をとる人はいないと思いますよ?」

 

「随分な自信だな平田」

 

「それは大した自信だな……喜べお前達、今回と7月の期末テストを赤点無しで乗り越えたらご褒美が有る」

 

ご褒美という単語に反応する池達。

 

「ご褒美!?」

 

「夏休みに無人島でバカンスだ。」

 

「「「うおおおおおお!!!!!」」」

 

“元気だなアイツらは、とはいえ、バカンスが楽しくないかと聞かれたら嘘になるな”

 

「それでは、始め」

 

配られた問題用紙を見る。一通り確認すると、過去問と一言一句同じの問題が並んでいた。桐生も問題なくペンを進める。順調に試験が終わり次の英語に向けて最後の追い込みをかけていたとき

 

机に座って過去問を凝視する須藤に声をかける堀北

 

「須藤くん?」

 

「......あ?わり、ちょい忙しい」

 

額に汗を浮かべながら答える。

 

「お前もしかして......過去問の勉強しなかったのか?」

 

「英語以外はやった....寝落ちしちまったんだよ」

 

「なんですって?」

 

“須藤は残された短い時間のみで初めて見る過去問を覚えなければいけないのか”

 

「須藤くん、点数の振り分けが高い問題と答えの極力短いものを覚えましょう」

 

堀北が須藤の隣に立ち、取れる部分を教えているが時間は刻一刻と迫り英語のテストが始まる。もう桐生たちに出来ることはない。後は須藤を信じるしかない。

 

 

 

最後のテストが終わり須藤の元に堀北がやって来る。過去問をやならかった事に対する説教かと思ったが堀北がバスケットボール選手になる事を馬鹿にした事に対する謝罪だった。謝罪を受けた須藤は、

 

「やべえ...俺...堀北に惚れちまったかも...」

 

新たな青春が始まる気がすると感じた桐生達だった。

 

 

 

 

 

中間テストの結果発表の日。生徒たちは固唾を呑んでそのときを待つ。結果が張り出されると数学と国語、それに社会は満点を取った生徒が10人以上もおり高い得点を取る事ができたようだ。須藤も英語は39点とギリギリだが回避できた。喜んでいたそのとき茶柱の一言が皆を青ざめた。

 

「ああ、認めている。お前たちが頑張ったことは。だが、お前は赤点だ、須藤」

 

たった一言、その一言が須藤を、みんなの喜びを一瞬で冷ました。赤点の出し方は平均点の二分の一で今回の平均点は81点、つまり須藤はあと2点足りなかったのだ。堀北や平田が抗議するも変わりようのない結果にはどうしようも出来ず須藤の退学が決まった。策がないか考えていると綾小路が教室から出た、それに続いて堀北が綾小路に着いていくように外に出た。

 

“何か策があるのか?取り敢えず追ってみよう”

 

綾小路に着いてくる堀北を追っている桐生というよくわからない構図ができたのはおいといて、着いたのは屋上、そこには茶柱がおり煙草をふかしていた。

 

“校地内、煙草禁止じゃないのか?”

 

疑問に思いながら話を聞くと綾小路が足りない2点をポイントで買うと言った。茶柱が提示した額は20万ポイント。2人では足りないと思ったときだった。

 

「私も払うぜ」

 

いきなり現れた桐生に驚く堀北、

 

「桐生か...いいだろう、足りないポイントは桐生が払う形でいいんだな?」

 

桐生は頷いて携帯を取り出し茶柱に不足分のポイントを支払う。

 

「須藤の退学は取り消された。須藤にもこの事を報告してやれ」

 

全て解決し教室に戻ろうとしたとき桐生は足をとめ茶柱に質問する

 

「茶柱、煙草は校地内禁止じゃないのか?」

 

「大人の特権というやつだ」

 

“汚い大人だな”

 

やはりこの担任は好きなれないと感じた桐生だった。

 

 

 

 




という事で立華鉄さんに出てもらいました。名前の読みが同じだった事と個人的に好きなキャラだったので。これで第二章が終わり、次回はサブストーリーを投稿したいと思っています。サブストーリーで今までと同じ分量は無理なので、今までの半分ぐらいになると思います。ご了承ください。
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