黒曜石は曇らない   作:文才の無い本の虫

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プロットと袂(略
諦めてリメイクするかな・・・・・


第二部「青春讃歌」
第一話「その男、透明につき」


 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

 

彼は駅――トリニティ救護騎士団詰め所前駅――のベンチに座り込んで居ました。

 

 

「どうするべきか・・・・・」

 

 

キヴォトスでは物珍しい人型の男性。彼が口にした言葉を聞くに何かを憂いている筈なのですが、その表情は薄く、感情が乏しい様に見受けられました。

 

 

「まあ、()()とでも思えば良いか」

 

 

その時の私は彼が透明で・・・・・空っぽに感じたのだと思います。だから。

 

 

「救護が必要ですか?」

 

 

「??」

 

 

そう、私は彼に声をかけたのです。

 

まあ、彼と長い付き合いなるとは思ってもいませんでしたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「ヒノトさん、此方にはガーゼを!!」

 

 

()()()()くん、包帯取ってきて頂戴!!」

 

 

「了解した」

 

 

俺の名前は霧島ヒノト。トリニティ総合学園の救護騎士団に籍を置かせてもらっている一般生徒だ。

 

俺は()()()()を駆使して必要としている物資を配る為に駆け回る。何時も通り、此処――救護騎士団は忙しい。

 

 

「セリナ、そろそろ君は休憩時間だった筈だ。包帯を巻く処置程度なら代わろう」

 

 

「ありがとうございます、ヒノトさん!!()()()経過観察に伺いますね!!」

 

 

そうして時間は過ぎて行き、夜になった。今日は夜勤では無いので救護騎士団のメンバーに挨拶をして詰め所から出る。

 

綺麗な夜空だ。

 

 

「ふぅ・・・・・早いものだな」

 

 

「ええ、貴方が来てからもう一年です」

 

 

背後から声がして振り返る。其処には水色の髪の少女が立っていた。

 

 

「ミネ、巡回の帰りか?」

 

 

「はい。ヒノト、帰りましょうか」

 

 

そう言って彼女――ミネは微笑む。そんな彼女に俺は「ああ」と頷き、並んで帰路に就いた。

 

彼女の名前は蒼森ミネ。トリニティ救護騎士団の団長であり、ヨハネ分派のリーダーでもある。そして記憶喪失である俺の恩人だ。

 

 

「それで、エデン条約の方は?」

 

 

「貴方の“副業”のお陰で順調ですよ」

 

 

「そうか。それなら良かった」

 

 

「・・・・・あまり無茶をしないで下さい。幾ら能力があるとしても、貴方の身体は脆いのですから」

 

 

「俺は手伝い以外にそれしか能が無い。それにこれでも医療従事者のはしくれだ。引き際ぐらいは弁えてる」

 

 

それに無理をしようとするとセリナが背後に現れて止められるから無理は出来ない。

 

 

「むっ」

 

 

隣を歩くミネが顔を顰めた。きっとミネが欲しいのは違う言葉なのだろう。

 

 

「大丈夫だ、お前を残して死んだりしない」

 

 

するとミネは顔を赤くして言った。怒らせてしまったのだろうか?

 

 

「っ・・・・・救護が必要ですね」

 

 

「何故??」

 

 

その後、俺はミネに担がれて帰宅した。その後、女心を

理解せよとやんわり指摘された。

 

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

朝。慣れないベッドから体を起こし、支度をする。

 

この部屋に俺の私物は少ない。代わりにミネやセリナ、救護騎士団のメンバー達と撮った写真が数多く飾られている。

 

入団式の時の写真、ミネに呼ばれたお茶会の写真、晄輪大祭の集合写真、セリナと出かけた時の写真。どれもこれも大切なものだ。

 

だが、それより前の俺はどんな生活をしていたのだろうかと、ふと考えてしまう事がある。セリナはああ言ってくれたが、何時も無性に怖くなる。その理由はコイツなんだろう。

 

 

「・・・・・『出ろ』」

 

 

不定形な靄の姿をしているコイツは『スタンド』という。黒服曰く、側に立つ「stand by me」から取ってスタンドと呼んでいるらしい。

 

コイツは俺の思う様に動かす事ができるパワー像、らしい。コイツの手を使えば――俺は『第三の手』『第四の手』と呼んでいる――一度にこなせる作業(主に運搬量)が増えるので医療従事者のはしくれとしてはかなり重宝しているが、記憶を失う前の俺はどう使っていたのだろうか?

 

きっとこの力は、スタンドは、簡単に人を殺せる。コイツを使う度にそう実感する。手が震えないのは本能的にソレを自身が肯定しているんじゃ無いかとさえ思う。

 

 

「大丈夫です。ヒノトさん、大丈夫ですよ」

 

 

背中から誰かに抱き締められる。彼女はこういう時、俺の背後に現れてこうする。

 

 

「・・・・・すまん、セリナ」

 

 

「いいえ、私が好きでやっている事ですから」

 

 

俺は彼女――セリナやミネに何時も助けられている。記憶喪失で右も左もわからなかった時にはミネに、何も無い不安に苛まれた時はセリナに救われている。

 

 

・・・・・情けないな、俺は。

 

部屋のドアがノックされる。ドアが開き、私服姿のミネが言う。

 

 

「おはようございます。ヒノト、朝食の時間ですよ」

 

 

「ああ、今行く」

 

 

「余分はありますのでセリナもどうですか?」

 

 

「あ、いただきます!!」

 

 

そうして三人で朝食を摂る。ミネ曰く、救護――救護騎士団の精神とかではなく『救護(救護(物理))』――は健康な身体に宿る。ミネが鎮圧(救護)してきた生徒達を手当する側としては救護とはなんだったのか考えさせられる一言だ。

 

 

「相変わらずミネ団長は料理が上手ですね」

 

 

「そうですか?セリナやヒノトの方が料理に関しては私よりも上手だと思いますよ」

 

 

「・・・・・男の手料理をフルコースと比べられてもな」

 

 

そんな何時もの朝だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ミネ」

 

 

連邦生徒会の行政がストップしてから数日。治安の悪化により、正義実現委員会も機能していない。治安維持に救護騎士団まで駆り出される始末だ。

 

セリナ達が居るから此処は大丈夫だろう。なら、(救護騎士団団長補佐)が守るべきは。

 

 

「俺も出る」

 

 

「わかりました。ヒノト、背中は任せます」

 

 

「ああ」

 

 

俺は右手にミネに貰ったショットガン、左手と『スタンド』(第三、第四の手)で合わせて三つのライオットシールドを持つ。周りからはライオットシールドが二つ、宙に浮いている様に見える筈だ。

 

コイツの力。俺は仲間の為に使う。

 

 

「行きましょう。救護の時間です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







『スタンド(『第三の手』『第四の手』)』
破壊力:A
スピード:B
射程距離 :C
持続力:--
精密動作性:B
成長性:?



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