第一話「出会いもしくは再会」
「ヒノトくん、貴方はゲヘナ学園所属だったと記憶していますが何故トリニティ総合学園で救護騎士団団長補佐になっていたり、
一体どういう事なんですか?!」
眼の前の白い少女は俺に詰め寄りながらほぼ一息でそう言った。記憶に出て来た白い少女が、目の前に居た。
「けほっ・・・・・とにかく、本当に心配したんですからね」
いつの間にか涙目になっていた彼女の――記憶にある彼女よりも更に痩せた様に見える――様子に罪悪感を抱く。
「・・・・・・・・・・済まない。俺は君の事を断片的にしか憶えていないんだ」
「!!」
彼女は目を見開き、少し思案してから言う。
「私への反応を総合するに・・・・・嘘では、無いんですね」
「ああ。記憶喪失だと診断された」
「そう、ですか・・・・・」
少しの気まずい沈黙。その時間は、数秒にも、数十分にも感じられた。
なぜこういった事になっているのか。ことの発端は今日の朝まで遡る。
◆◆◆◆
『ヒノトくん~~!!助けてぇーー!!』
「はぁ・・・・・」
半泣きの声が聞こえてくる携帯を耳から遠ざけてため息をつく。
エデン条約調印式から一ヶ月と少し。ナギサのお陰で俺は今もトリニティの自治区で暮らしている。何故かお茶会の回数は増えたが、まあ騒動があったにしては平和だと言って差し支えないだろう。
一方で俺の記憶は断片的に戻ったまま・・・・・一部の記憶を除いて軽く小説を読んだような認識ですらある。その一部の記憶は俺が記憶喪失になった時の事だ。
アビドス砂漠で水色の様な鶯色の長髪の少女――当時の先生――を助けた事、そして『グルーミィ・サンディ』の使い方を思い出した。
そうして俺は先生に助けを求められる様になっていた。何故だ。解せぬ。というか助ける度にナギサから小言を貰うのだが・・・・・悪い事はしていない筈なのだが。
「で、要件は?」
『それがね、アリスちゃんが捕まっちゃってね』
「??」
『ユメ先生・・・・・いくらなんでも省き過ぎです。ああ、お電話代わりました、ホシノです』
それからホシノから詳細を聞いた。曰く、アリスというミレニアム生がミレニアムの生徒会長に攫われたらしい。曰く、アリスは世界を滅ぼす魔王なのだと。ゲームか何かか?
・・・・・まあ取り敢えず向こう側に正当性があるらしい。その生徒会長はアリスが魔王として完全に目覚める前に殺してしまおうとしていると。そしてその生徒自身が自身を切り捨て様としていると。
「・・・・・成程。お前はその生徒を切り捨てたく無いし、切り捨てさせたく無いんだな?」
『うん!!だからヒノト君に力を貸して欲しいんだ!!』
「わかった」
『もちろんお金は・・・・・って返答早くない?!』
命が掛かっているならば、救護騎士団団長補佐として力を貸さない訳には行かない。
まあ、そういった経緯で俺はユメの敢行した救出作戦――救出対象が救出を望んでいなかったので誘拐とも言えるが――に力を貸した。そうしてユメは紆余曲折――俺の方はせいぜい身体に穴が何個か空いてレールガンで消し飛びかけたぐらいだ――あり、アリスという生徒を真の意味で助け出す事に成功した。本人曰く、アリスは勇者になる、そうだ。意味がわからん。
騒動が解決し、ミレニアムからトリニティに帰ろうとした時にその電話は掛かってきた。
「・・・・・もしもし」
『お久しぶりです、ヒノトくん。少しお話しましょうか?』
そうして俺は記憶の中で見た白い少女――明星ヒマリと出会った。
◆◆◆◆
そして現在。
長くも短くも感じられる沈黙の後、彼女――ヒマリは口を開いた。
「・・・・・デートをしましょう」
「デート?」
「ええ、はい。そうすれば何か思い出すかもしれません」
そういう事になった。
ほむ・・・・・何か可笑しくないか?
さて、チキチキヒロイン(?)レース開催でーす
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ギザ歯の警察官。ヒロ・・・・・イン?
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天才美少女(中略)ハッカー。ヒロイン力は高いが出遅れ気味。
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救護騎士団団長。ヒロインというより師匠的な立ち位置。
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救護騎士団所属。場所の制約が無く、アドバンテージが大きい。
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ティーパーティー所属。吹っ切れお嬢様。ただいまトップ独走。
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ぶっちゃけ最初期から考えていたメインヒロイン。当分出て来ない。