ブルーアーカイブ 【TTSM編】   作:アビドス文芸部のモブ

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第5話 「狂い始めた青い世界」

 

「今回の件、ただ事ではないようですね。」

 

リンはメガネを直しつつ、あの時……空が赤く染まったときのような雰囲気を纏い、シロコ達に振り返った。

 

「学園全体に緊急事態宣言を発令します……間違いなく、私たちの想像を超えた何かが―――」

 

リンがそこまで言葉を紡いだ時、リンがピタリと止まる。その様子に、シロコ達は驚き、リンと同じ方向を見てみる。そこには、見慣れないヘルメット団の団員やスケバンが―――

 

「うyq3;f:mkくぃ:¥」

「え7qqr:wぢqh、5」

 

シロコは気付いた瞬間に、愛銃『WHITE FANG 465』を向けてフルオート射撃で銃撃する。突然のことに、寝ていたコハルたちが飛び起きて、何事かと慌てている間も、シロコは射撃を辞めずに銃弾を浴びせ続ける。

 

「g73うyw4zq」

「えくぇえくぇ」

 

効いている様子はある、けれど……本当にダメージがあるようには見えなかった。

ホシノもその二人の様子に感づいたのか『Eye of Horus』を構えて撃った。ホシノが撃ったことで、アビドス対策委員会の面々、ヒナ、アズサが続けて撃ち始める。

 

「ー。rkb4:gふ7ふぃ」

「66b0えb0えい:¥い:¥」

 

きちんと狙って、射撃もしていて、着弾も必ずしてる。だというのに、そいつらは、ダメージを受けている様子はなかった。銃に撃たれながら、何事もないように、そそくさと退散して行く。

ホシノがすぐに追撃しようと、ドアを飛び出し、『Eye of Horus』を構えたが―――

 

「うわっ、な、なんだなんだ!?」

「ほ、ホシノさん!?ど、どうしたんですか!?」

 

……そこに居たのは、()()()()()()()ヘルメット団の団員とスケバンが両手をあげて降伏した。

ホシノはそれでも警戒を解かなかったが……やがて、構えを解いて警戒を辞める。この二人は、さっきの気配が違う生徒たちとは違う。

 

「うへっ、ごめんね~……今怪しい生徒が来たもんだからさ~」

「ホシノさんが真剣になるぐらいヤバい奴だったのか?」

「やべえよやべえよ……」

 

ガタガタとお互いに抱き着いて震えだした不良生徒たち。

ホシノは直感的に、あの不気味な奴が演じているわけじゃないと気づき、戦意を完全にしまい込んだ。

そして、ホシノは考える……だとすれば、奴らはどうやって逃げたのか。

この二人の口ぶりと様子を見るに、二人の目の前を通って外に逃げた訳じゃない。けれど、あの不気味な生徒はこの二人の方向に消えていった。窓から逃げたせよ窓が割れてガラスが散乱しているだろうし、非常口に向かったとしても、曲がり角から来た二人が人影の一つぐらい見るだろう……しかし、見た様子ではない。

 

「これは~……本当にちょっとヤバいかなぁ?」

 

昼寝なんてしてる場合じゃないね。ホシノはそう考え、再び目つきを鋭いものに変えたのだった。

 

~~~~~

シャーレ 執務室

 

「今回の件、連邦生徒会の名前において、非常事態宣言を発令したいと思います。」

 

後片付けも済んだシャーレの執務室。そこでそう宣言したリンに対して―――

 

「やめといたほうがいいよ~?」

「やめておいた方がいいわ。」

 

最強の二人であるホシノとヒナが止めた。

 

「と、言うと……?」

「まず、先生が居なくなったと知れば協力する生徒は多くなるでしょう。それこそ、先生の人脈のおかげで、ほぼすべての学園の生徒たちが協力して……その分、先生は見つけやすくなるのは、私たちとしても願ったりかなったりだけど……」

「うん~、ヒナちゃんの言う通りだよ~。けれど、問題はさっきも見た通りの不気味な生徒……シロコちゃんが咄嗟に()()()()()()おかげで、私たちも気づけたけれど……シロコちゃんが()()()()()()()()()()()()()()()()からね。」

「……ん、アレは違う。」

 

ヒナとホシノの言葉にシロコが続けた。見れば、耳をペタンと倒して、少し腕が震えている。

 

「ち、違うって……どういうこと?」

 

シロコの様子に誰もが声をかけづらそうにしている中、コハルが恐る恐る聞いてみた。

シロコは聞かれて眉を顰めて口にもしたくなさそうだったが……しかし、シロコは深呼吸をした後、ゆっくりと話し出した。

 

「……アレは、()()()()()()()()。言葉にするのは、難しいけれど……ヘイローが、()()()()。」

「へ、ヘイローが、汚い?」

「ん……なんか濃い緑色のドロドロしたヘイローだった。」

 

うわぁ……と、全員の思考が一致したが、少なくともそこで違和感に気付いた生徒は多かった。

 

「し、シロコさん?」

「……ん、なに、ハナコ。」

「シロコさんは、その不気味な生徒のヘイローを見分ける事ができるんですか?」

「…………ん!」

 

ハナコの言葉にシロコも驚く。そう言えばそうだ、今現在、シロコはなぜかヘイローの形や色を見る事ができている。じっと、ハナコのヘイローを見てみると……色も、形も、()()。薄いピンク色の、四葉のクローバーの様なヘイロー。

続いて、アリスのヘイローを見てみればゲームのウィンドウの様なヘイローが。ヒナを見てみれば、冠のような厚みのあるヘイローが、そして、ホシノを見てみれば目のようなヘイローが……

 

「……ん、」

「……ん?」

「…………んー、ヘイローに色や形があって、だいぶ気分が悪くなる……うっぷっ。」

「あぁ、シロコ先輩の顔が真っ白に!」

「ちょっ、大丈夫シロコ先輩!?」

「わ、私はエチケット袋を持ってきます~!」

「し、シロコちゃーん!?そ、それっておじさんのヘイローがダメだったってこと!?」

「うわーん!アリスのヘイローのせいでシロコさんがバットステータスを手に入れてしまいました!」

「えっ、私のヘイロー、厚みがあるの……?」

 

シロコはあまりに見慣れない光景に、眩暈を起こし倒れてしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[パスワードを入力してくださ――――――]

 

 

……我々は望む、七つの嘆きを。

……我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

 

[パスワードを確認しました、ようこそ。”砂狼シロコ”臨時先生。]

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