危険走行、キヴォトスに限り合法   作:ブルパップこそアサルトライフルの究極形

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どうも、趣味はハンドドリップです。


目標よし

 交通ルールを守るというのは、外の世界においては当たり前だという話を聞く。

 キヴォトスにおいてもそれが当たり前だとは思わないのは、我々らにヘイローがついているから仕方ないのかもしれない。速度制限をブッちぎって走る快感というのは正直言って何にも代え難いもので、ドラッグのように依存性のあるものかもしれない。一応郊外に行けばストリートレースというものがあるのだが、あれに頻繁に出るようなやつは本当のジャンキーだと言えよう。

 ハンドルを握り締めながらため息を吐いた。

 私は本当に半端な人だ。ゲヘナに染まり切れず、なんならキヴォトスにすら染まりきる事が出来ていない。本当に私がキヴォトスの者なのかすら疑ったこともある。けれど、頭上で輝くこのヘイローの輝きを直視しない事は出来ない。

 

「……連絡、来た」

 

 点滅するスマホ画面。ハンドルからまだ手を離せないが、私の友達リストは2名しかいないのだから誰からは察しがついている。

 次の信号待ちで確認するとして……空の調子が悪い。さっきまでは雲を消し去らんばかりの日差しだったっていうのに、今度は暗雲が空を占めていた。

 

チッカ、チッカ、チッカ……

 

 聞き馴染みのないウィンカーの音を聞きつつ、果たして今日はツキが巡ってくるかと思いながらハンドルを切った。

 

 


 

 

『なんだか電話で話すのは新鮮ですね〜♡ 十中八九、不安になって掛けてきたというところでしょうか?』

 

「……迅速な情報共有の為だから」

 

 法定速度ギリギリでしばらく走り続けた甲斐あって、予定より早くミレニアムへと辿り着けた。

 実を言えば、初めてきたわけじゃない。けれども日の出てる時間帯に来たのは初めてだ。同好会の先輩に連れられて、バイクで夜間帯に一度訪れて、屋台飯を食べてすぐ帰った。確か場所はミョン……なんだっけ、名前はすぐは出てこないけれど、かなり美味しかったことは覚えている。

 

『フフ……情報共有ならみんなとしないと意味がありませんよ?』

 

みんな知ってる情報(手掛かり7)の押しつけ合いになるから、いい」

 

『てがか……なんて言ったんですか……?』

 

「なんでもない」

 

 この前20枚届けられてて驚いたんだよね。

 

「あ、強いて言えば……今記事送る」

 

 電話を繋げたままクロノス報道部の最新記事を共有する。

 まだそんなに時間が経ってないように感じていたが、既に記事として出回っているとは流石ブンヤといえばいいか。ゲヘナの最新ニュースの一つ程度の感じで、面白いことが起こった程度で表されているのは如何にもキヴォトスらしい。

 

「私さっき事故起こしちゃって……その、一部ルートが多分使えない。一部区域は警戒強まってて通れないかも」

 

『まぁ、あのミメイちゃんがそんなことをしでかすだなんて……平気、みたいで良かったです』

 

 少し安堵したみたいな声音。きっと、平気かと問おうとしたのか詰まっていたが、こうして話せているということは無用な心配だと分かってくれた、みたいな。

 彼女にとって、私という人は穏健な人間だと思われてるらしい。

 

『なら、こちらからも一つ……あの手この手で懸賞金を掛けた人やその懸賞金の捻出先を調べてみましたよ』

 

「っ!?」

 

『あの日、定食屋さんの前で再会できたのも何かの縁かと思ったので♡』

 

 心の底から驚いた。顔を突き合わせて話し合ってなくて良かった。今の私、絶対に鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔してる。

 ただ、正直気になってる。5500万という途方もない金額を私の首に掛けたのはヴァルキューレではなく、風紀委員会ですらない。それであればもっと公言されていたはずだ。

 

「確かに気になってた。ブラックマーケットの緊張度が上がってみんなピリついて、ずっとブラックマーケット内の懸賞金だと思い込んでたけど……厳密には、どこの誰が懸賞金を掛けたのか分からない。ただ、貼り出されたというだけだから」

 

 ブラックマーケットに賞金首が貼り出された――この一報だけで、まさかそこまで私の認識にバイアスが掛かるとは予期していなかった。

 "あくまで賞金首の情報が貼り出されただけ"だったというんだから、状況を理解しきれていなかった私の落ち度だ。

 そもそも、ブラックマーケットというのはあくまでもプラットフォームでしかない。私にとって存在、そして動く金の桁というのが巨大というイメージが先行したせいでそもそもの認識がズレてしまっていた。

 

『ええ、私もそこに気が付いて少し探ったんです。もちろんミメイちゃんが不安がるような事はしてませんから』

 

「そこのところは……その、信頼してるから」

 

 するりと信頼なんて言葉が自分の口から抜け出してきて、少し自分に驚いた。そうか、私は彼女のことを信じていたのか。納得と疑問の狭間でぐるぐると頭が巡りそうになって、脳内でのろのろと思考が蛇行し始める。

 まずい、どこにも帰結できない。そう感じて咄嗟に"腐れ縁だから"という雑な帰結をさせる。これでいい、これでいいんだから。

 

『それで、恐らくミメイちゃんにとって……あ……そろそろ出発しちゃうんですか? えっと……すみません、あとでちゃんとお話ししますね、フフッ』

 

 気になるところで切り上げられてしまったが、仕方あるまい。なにせ今日は作戦決行日……日も十二分に上がりきって、けれど雲は立ち込めている。

 

「くぁあ……はぁ……眠いな」

 

 早起きの代償でほんのり眠気が再び巡ってきていてよろしくない。

 鍵を抜いて一旦降りると、ゲヘナとは全然違う空気感に驚く。比較的新しい学校だからなのか、なんだかかなり新鮮な空気感というか、砂埃がないみたいで不思議だ。

 けれど、逆になんだか無機質さというか、そういう感じがしてそわそわしてくる。

 

「サクッとコンビニで眠気覚ましになるもの買おうかな」

 

 たしかミレニアムはゲヘナよりもキャッシュレス対応店舗が多いんだっけ。一応主要なコンビニで買い物がてらポイントを貯めるため、キャッシュレス決済サービスは使ってるので問題はない。口座紐付けもしてるし。

 マップを開いてコンビニを探し――ゲヘナより密度高いんだけど……!?

 量が多い。味蕾かと思った。というかこの駐車スペースの真横にあった。

 別に、決してゲヘナにコンビニがないわけでもなく、少ないわけでも無い。私の住んでる場所が悪いだけだ。規定速度で40分掛かる。

 

 コンビニに入店すればいつもの風景だ。

 けれども雑誌コーナーにはミレニアム内だけの雑誌、広告も見覚えがないものがあったり、人気商品のポップも意外なものに貼られていたり、意外と知らない世界になっていた。

 ……これは、トリニティのコンビニやヴァルキューレのコンビニも気になってくるかも。

 

「あ、コーヒーめっちゃ仕入れられてるんだ」

 

 ミレニアムは研究とかが盛んだと聞いたけど、やはり缶コーヒーは他飲料よりも少し多い。エナジードリンクも似た具合で、この2種だけでもバリエーションがゲヘナの倍ぐらい豊富だ。

 しかしゲヘナには売られていた、赤い缶のカフェイン多めのチョコレートは売られていなかった。解せぬ。

 

「無いなら仕方ないし、ロング缶のコーヒー2本ぐらい買って、あとは栄養バーと……地方紙気になるかも」

 

 なんやかんやで会計が少し膨らんでしまったが、あまり気にし過ぎるのは良くない。さっさと会計を済ませて出て、プルタブを起こした。

 ぷしゅ、という音はどの缶も共通の合図。

 中身を口に流し込んで、雑味もコクも深みをかき消さんばかりのあまったるい液体に眉を顰める。これコーヒーなのか?*1

 

「血糖値上がって眠く……なっても、まぁ、事故っても死にはしないか」

 

 ここ(キヴォトス)って危険速度でも割と合法だし。

*1
マ〇クスコーヒーはコーヒーじゃねえです




普段は課題、趣味、稀に依頼などでほぼずっとイラストを描いているのですが、こうやって小説書いてるとかなり心が安らぎますね。
普段は爆乳匂いフェチの変態露出狂(全裸スカイダイビングスキンが昨夜に発表された)のファンアートを描いているのですが、周囲からは騎士絵描きだと認識されていて、挙句の果てにはSkebでロボを描くなどしていました。私は美少女絵描きだよ……!!
というわけで、そろそろミメイちゃんの立ち絵も描こうかなぁと思ったり。ちなみに更新速度は最初からかたつむりさんレベルなので気にしないことにしています。評価でも指摘されてたプロローグ四話分け隔日投稿者ですからね(開き直り)
あとモチベのためにもここすきなどを良いのでくれると大変うれしいです……(乞食)

閑話ネタ

  • メイド
  • 水着
  • 浴衣
  • 幼体化
  • これは作者の秘めたる性癖解放ボタン
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