――埃及特区【ファラオ庁】
少女の朝は遅い。デュエルアカデミアが休みの日であることもあり、十二分に惰眠を貪る快楽に耽る。
のそのそとベッドから這い出てきて、ピンクの水玉柄のパジャマを着替える頃にはすっかり昼になっていた。
「おはよう。父さんは?」
「もう昼だぞ。絶徒ならホビー部の拠点に行った。全く、怠けてばかりいると牛になるぞ?」
母親である【女神 ハトホル】が、朝食をとる少女の後ろに回り櫛で髪を梳いていく。日課であるこの作業は毛量が凄いこともあり、ものぐさな少女にとっては非常に助かるもので。また何が楽しいのか後頭部から生えた角を撫でることで母親の機嫌が目に見えて良くなるのだ。
「毎日毎日、よく飽きないわね……」
「女神が我が子を愛でることに飽きるなどあり得るものか。至極の霊能を持つ黒札最上層と自らの子など、おおよそ全ての女神が欲して止まぬ宝だ。ましてや牛神系の神性を継いだ神子だぞ? たまらんな!!」
「牛というか、羽もそうだけど悪魔っぽいと思うのだけど」
二対の黒い角は、その捻じれ方や余剰MAG等に応じて紫色の光を放つなど個性的だ。そんな牛は少女は見たことが無かったが、父親に聞くと魔界では全然普通でもっと酷いのがうじゃうじゃいるんだとか。
だが基本的に父親の言う事はあまり信用は出来なかった。嘘をつかれた覚えは一度も無いのに不思議と信用できない。そんな嫌な雰囲気が父にはあった。
「父親が悪魔みたいな男というか、悪魔王だからな絶徒。娘であるヒナもばっちり悪魔の力は継いでいるとも」
高館ヒナ。とある安価によって起きた悲劇にて生まれた、高館絶徒の長子。
普通に妊娠していたマナ代表が出産するよりも早く卵が孵った為に長子となった彼女は、「これ彼女がファラオ継いでくれて私は一般墓守に戻れるのでは?」と期待され温かく大歓迎された。
そして父親から「1000年はマナちゃんとファラオするからそれまでは気にしなくていいよ!」と神話のような期間のモラトリアムが与えられ、のんびりデュエルアカデミアで学生生活を満喫する日々を過ごしている。
「……黒札の力って大体悪魔由来だって聞いてるし、そこは気にしても仕方ないか。じゃあ出かけてくる」
「ホビー部か? 何処に行くにしても気を付けて行けよ。核ミサイルくらいなら大丈夫だろうが……」
心配しているのかしていないのかよく分からなかった。
◆
――埃及特区【ホビー部エジプト支部】
ファラオ庁の隣、悪の本拠地のような隣の建物とは違い子供ウケしそうな近未来的デザインの高層ビル。入口には【レプリロイド】と呼ばれる人型ロボットが警備に就いており、近所の子供に集られて「いつ闘いが終わるんだよーっ!!」と泣き叫んでいた。
顔パスどころか確認する素振りすら見せない警備ロボの存在意義に疑問を感じつつも素通りし、エレベーターで上層へ。
「あっヒナちゃんだロボ。あの裏ボスなら試験異界室ロボよ~」
「サイカさんこんにちは。今日はこっちに来てるのね」
「こっちは機密とか適当で、自由度の高さがダンチロボ。試作品ばら撒いたりするのにピッタリロボ!」
「ほどほどにしてあげてね、うん……」
通路で出会ったのはサイカネキ。いつものようにパツパツの黒タイツのファスナーが全開になっており、胸からヘソまで露出がヤバイことになっている。
本人いわくズレない加工はしてあるので絶対大丈夫だそうだが、こんな格好で年少の子供たちに玩具を配ったりイタズラして回るので、彼らの性癖はとんでもないことになっていた。あと保護者の性癖も。質が悪い事にそれこそが彼女の目的だったりするのだが。
そのままサイカネキと別れ、教えてもらった試験異界室に向かう。
歩きながら窓から外を見ると、大きな噴水の広場で子供たちが遊んでいる。警備のレプリロイド達が監視しているので親を連れていない子さえいた。平和な一時だ。
「……………………」
昔、彼女も同じように遊んでいた頃。噴水から流れる水がどこにいくのか父絶徒に尋ねたことがあった。
彼は快く都市の下水機構について詳しく説明をし、更に汚れ除けの結界を張った上で地下の奥にある浄水施設の案内までしてくれたのだ。
しかし――その最奥にある【浄水施設】が問題であった。
そこにあったのは荘厳な十字架に吊るされた赤き大天使。下半身が魚に替えられたそれは、凄まじい苦悶の声を上げながら十字架が吸い上げた汚水を吸収し、その身で浄化した水を顔の穴という穴から凄まじい勢いで噴出していたのだ。
それを指差し「これは銭湯用マーミカエルを改造して創った【聖柱 レッドスプラッシュ号】って言ってね。魔界でマンセマットとの和解を記念に共同制作したんだよ。いやぁ、あの時は皆盛り上がったなぁ」とケタケタ笑う姿は、確かに知人から「根は悪いけどいい奴だよ」と評されるのが良く分かる感性だった。
「素直に尊敬出来ないのよね。生み出す光景は美しいのに、裏を覗くと必ず何か仕込みがあるから……」
人はそれを芸風と呼んだ。
◆
――試験用異界【いつもの】
「ダァークックックックック! 我は闇の吐息のベルゼバル。時空の七騎士にしてセブンエレメンタルナイツがひとぉーり!! 無個性バニラな白ボン風情が叶う相手では無いのだ~!!」
「馬鹿な……! レベルシンク*1有にもかかわらず、此処まで手も足も出ないなど!」
そこにいたのは全身白タイツ+スク水装備の血濡れの変態を足蹴にするメスガキだった。
「だが体は屈しようとも心までは屈さぬぞ! 貴様は所詮女装したおじさんなのだ!!」
そっとスカートの中ほどが摘ままれる。ふわりと布地が揺れ上がり、その下にある純白のレオタードが僅かに晒される。
【
「ダァク様はちゃんと女の子だけど?」
「ウッ……ちくしょおおおおお!!!! えちえち反対!えちえちはんたぁーいー!」
心が敗北を認め、屈した体が自らの尊厳を守る為自死を選択。全てのMAGを振り絞り、全身を火柱と化し盛大に爆散した。
「暗黒大勝利~!!」
「父さん……?」*2
「ヒナちゃん暗黒こんにちはー!」
「やめないの!?」
心の強い父親はTSメスガキ煽りを娘に見られたくらいでは動じなかった。伊達にあの世は見てねぇのだ。
「それで、昨日言ってた話があるってのはなに?」
「そうそう。アカデミアについて大事なお話があるのよ!」
近年になって新たに溜まり出したアカデミアの問題。それは黒札ではない【転生者】が増えてきたことだった。
悪魔が輪廻に流した分霊から人間として生まれてきた彼らは、一般人とはポテンシャルが違う。ロバからサラブレッドが揃う中、デイトナUMA*3が紛れ込んだようなものだ。
何かに導かれるように集まってきた、根がカスな強者の卵たち。成長し、頭カオスのまま強大な力を得てしまう前に一発かまして分からせるため、転生者を一纏めにした特別クラスを作ることになったのだ。
「デュエルアカデミア【ゲヘナクラス】を創設するから、頭パンデモニウム共の面倒を見て上げて欲しいのだ! 暗黒殺害もオッケーよ!」
「めんどくさそう。やらなきゃだめ?」
「ダメ。ちゃんとカオス脳の扱いに詳しい外部顧問呼んだから、手伝ってもらいながら暴力で解決しなさい。暗黒カモン!」
メスガキの呼び声に合わせて、異界に一人の男性が入ってくる。
金髪オールバックに白いスーツ、黒い丸サングラスを掛けた怪しげな風貌。悪い事を考えるのが大好きそうな、ちょっと子供に近づけたくないタイプの大人であった。
「紹介するわ! ゲヘナクラス担当の顧問教師【ルー
「私のネームはルーと言いま~す。アホ共の教育をトゥギャザーしようぜ!」
◇この男の目的は―――?
TSタグ「ソロモンよ、私は帰ってきた!」
・高館ヒナ
虹色に輝くSSR卵から生まれた神人。魔神バアルの力をばっちり受け継いでいる才能限界lv100overの才女
角もあるし羽もあるしヘイローもある。卵から生まれたがヘソもちゃんとある。つまりブルアカのまんま
神みたいな奴が女神との子を神話みたいな方法で産んだ為、生まれた時から一線を画すポテンシャルを持つ
生まれに若干のコンプレックスを持つが、末世の中にはティッシュやオナホから生まれた子もいるし、神なんてもっとフリーダムな誕生をしているのが山ほどいるので時間が解決してくれるだろう
特にストレスは溜まってないし疲れてもいないのでシナシナにはならない。家事もシキガミがやってくれる
父親に作って貰った愛銃【終幕:デストロイヤー】にはなんとニャル製クローンチョビヒゲのフォルマが使用されている。【ギロチン○○】や【カオスエレメント】を連射できる強力な機関銃だが、カオル君に見つかると2度見される
・身軽になりたいマナちゃん
忘れがちだが別に王家の生き残りではない。王家の生まれ変わりの墓守一族の人である
でも王家を滅ぼした(270年ぶり33回目)のは君の前世だから生まれの不幸を呪うがいい……
弟っぽい人と共同統治?うっ頭が……!と隣のクレオパトラと一緒に頭を抱えることになる
非黒札の転生者なので才能は十分な物を持っている。Lv30は普通に超えるので寿命無い勢の一人
・レプリロイドのみなさん(ロックマンシリーズ)
素体はデビチルの【オニ ゴーレム】Lv15。外見とスキルが違うだけで鑑定すると大体ゴーレム
一応警備員っぽく活動しているが、社屋のセキュリティとは独立しており別に働く必要はないので思い思いに過ごしている
作りたくて作って、放置するのもなんだから警備員っぽく配置ているだけである。モチベの高い有志は治安維持活動を行っている
やはりというかイレギュラーが発生し、子供に痛い教訓を与えてくる奴らも。一体誰の仕業なんだロボ!
人間が不完全である限り、人間に造られた俺達も不完全なのは当然だね……
・聖柱 レッドスプラッシュ号
マンセマットと共同制作した尊厳破壊シリーズの一つ。きちんと餃子コスに着替えさせられている
大天使の長だけあって、浄化の力は最上位のもの。海を汚さない、地球の為になるシステムクリーチャー
マンセマット渾身のDeepStrangeJokeであり、ゼットくんも評価せざるを得なかった
でもお前DSJ知識あるって転生者捕まえて記憶ぶっこ抜いた訳だよね?とマンセマットはミナミィに売り飛ばされ、マンセマット(1)が新たに仲魔になった
なお下半身は鮭。赤身だが鮭は白身魚だったりする
・パンツじゃないから恥ずかしくないゼットくん
何って……TSしてスカートをたくし上げレオタードの食い込みを見せただけだが?
自分の体の事はネトゲのアバターくらいにしか思っていない。脳缶してたせいで肉体に愛着が無いのだ
難民の受け入れもするし、子供が出歩ける治安も維持するし、結界拡大にも意欲的
ソロモン魔神の力もあり、国一つ分の衣食住全てを自力で賄える。余裕があるから要らん事するね……
・([∩∩])<死にたい
死んだ。女装と見せかけてTSは卑怯だぞ!
今日はお前の娘ちゃんにスク水をプレゼントしに来たんだ!
バクダン特化の戦闘スタイルは流石に厳しく、Lv60くらいでモチベが尽きた
属性ボムの開発を目論む。基本的には遊んで暮らしている自由の戦士。だが服装のせいで自由が制限されている
【バイツァ・ダスト】【マイトバーニング】とバクダン異常の最強スキルを持ち、対策してないと勝てないタイプ
・ルー大シファ先生
一体何者なんだ……!
色々制限された人間ボディだが、性根のカオスっぷりは唯一神でもどうにもならない
ここを混沌の軍勢の橋頭保とする!だめ?でもスカウトなら……いいの!?
君、いい体してるね。パンデモニウムチームにはいらないか?