ベルベット特別学園高等学校へようこそ   作:珱瑠 耀

10 / 15
パヴァーヌです
浪漫は分かるが自爆機能は理解できない三人のエントリーです



以下CM 鳴上Ver.

「Yostar」

「どうも、鳴上です。先生、今ブルアカを始めたら最大180連が無料で引けるらしいですよ?」

「ブルーアーカイブ、イベント開催中」

「自分達異聞録学部を、コンゴトモ=ヨロシク……ってね」


雨宮蓮:CHANCE ENCOUNT

環状線をトラックが悠々と駆け抜ける。

 

チラリと見たナビには目的地までもう少しである事を示していた。

 

「そういえば、認知世界ってキヴォトスにはないんだね」

 

音楽に耳を傾けながら有里さんがふと呟く。

 

1日はちゃんも24時間だし、テレビの中には入れないし、イセカイナビもない。

 

「その代わり現実世界がカオスだし」

 

「ゲヘナ自治区じゃ肩がぶつかったから銃撃戦とか普通だもんね」

 

よく考えたら理不尽では?

 

苦笑いが聞こえた。

 

「……それならばヘイローが無い『先生』は、どうして死んでないのか」

 

「考えられそうなのは、装備とかで防御だよね」

 

「カバディしてそう」

 

「有里さんそれは流石に」

 

……ネットニュースで見た先生の写真を思い出す。

 

『"カバディ!カバディ!カバディ!"(銃弾回避)』

 

「流石に現実味が無いね、ごめん」

 

「うん、俺もそう思った」

 

変な動きをする先生の想像を振り払いながら、ナビに従い環状線を降りた。

 

そうしてすぐに近未来的な街並みに出迎えられる。

 

行き先はエンジニア部、という所らしい。

 

「自爆機能だけは外してもらえるように言っておかなきゃ」

 

「なんでそんなの付けるんだ……」

 

「ロマンだかららしいよ?」

 

「爆発するロマンなんてコピー機につけるんじゃあ無いよほんと」

 

隣と後ろから同意するような意志を感じる。

 

知らずに零れた深い溜息は、BGMの速いビートに掻き消されていた。

 

 

 

 

 

「……で、エンジニア部に来たわけだけど」

 

台車を引っ張って、半開きのドアからエンジニア部の部室へと入る。

 

そこには既に、お客さんが居た。

 

「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの龍の息吹が欲しいのだ」

 

「う、うーん……そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……———って、あ」

 

とても大きな武器の前でしゃがむ少女、その後ろで見守るそっくりな風貌の双子、恐らくエンジニア部であろう三人の生徒、そして———

 

"あれ、お客さん?"

 

ネットニュースで散々見た、タブレットを持った大人の男性。

 

彼こそがシャーレの先生である事を、俺たちはその場で察した。

 

「フラグ回収早いね」

 

「会長の"もし"は大体当たるからね……」

 

「預言者かな……?」

 

そんなことを話してる俺達の方に、エンジニア部の紫髪の生徒が駆け寄ってくる。

 

「そうだ、連絡してくれていたよね……取込み中なのは申し訳ない、エンジニア部部長の白石ウタハと言う、気軽にウタハと呼んでくれ。こちらは連邦捜査部「シャーレ」の先生」

 

「こちらこそ、用事中なのに押しかけてすまない。ベルベット特別学園高等学校の異聞録学部部長、鳴上悠です。こっちは有里湊、もう一人が雨宮蓮」

 

"宜しくね、三人とも"

 

「丁寧にありがとう。要件はコピー機の修理で間違いないね?」

 

鳴上さんと白石さん———ウタハが握手をして、俺達が押していた台車を見やる。

 

「あぁ。EMPを使われてしまって……」

 

「……それは、災難だったね。分かった、向こうの武器探しが落ち着いたらになるけど、すぐに取り掛か———」

 

 

「光よ!!」

 

 

チュドオォォォォン!!

 

 

「!?!?」

 

"ぅわあ!?"

 

続いて先生とも握手を、と目を伸ばした所で、部室が腹の奥が揺れる程の重い音で満たされる。

 

音の方向を向けば、先程の少女が身長ほどもある武器を持ち上げていた。

 

その天井は大きくくり抜かれており、昼近い陽の光が優しく降り注いでいる。

 

その様子を見てしまうと、その天井をぶち抜いた人物なんてのはそれはもう明らかで。

 

「———まさか、アレを撃てたのかい……!?」

 

「そんなにヤバいの?」

 

ふと呟かれた有里さんの言葉に、ウタハの目の奥に火が灯ったような気がした。

 

「何を言う有里さん!アレは我々エンジニア部の予算の70%を注ぎ込んで制作した宇宙戦艦用レールガン!!」

 

70%????

 

「総重量140kg、射撃時反動は最大で200kgにもなる我々のロマンを詰めに詰めた最高の武装!!」

 

200kgゥ!?!?

 

「アレを持ち上げて、尚且つ射撃までこなすなんて……!!」

 

ウルトラざっくりしたウタハの説明でも、あの銃(果たして銃と呼べるのかは分からないが)とそれを扱えた少女———天童アリスと呼ぶらしい少女のヤバさがよく分かる。

 

名を「光の剣:スーパーノヴァ」と呼ぶソレをまるで勇者のように掲げて喜ぶ姿は普通のキヴォトス人そのものなのだが。

 

「200kgって、武器の重さもソレを持つあの子もヤバいね?」

 

「オカピとほぼ同じ*1……()だ?あの生徒は」

 

神妙な顔をした鳴上さんがそう呟く傍らで、エンジニア部の三人と少女達の会話は進んでゆく。

 

「そ、その……予算や色々の問題が……」

 

「……いや、いいさコトリ。この武器も部室で肥やしになるよりは、使える人に使ってもらう方が良いだろう。ヒビキ、軽く調整してくれるかい?」

 

「わかった、持ち手と携帯用のストラップを付けよっか」

 

ヒビキ、と呼ばれた生徒が天童さんと一緒に少し離れた所へ行くのを見届けて、先生に向き直る。

 

「と、そうでした先生。うちの生徒会長から手紙と書類を預かっていまして」

 

"あっ、そうなの?わざわざありがとうね。ベルベット特別学園高等学校、だよね"

 

「はい、特に自分達『異聞録学部』は少々特殊ながら荒事対処の心得もあるので、そこら辺で役立てて頂ければ」

 

"ありがとう、手紙は後でゆっくり読ませて貰うね。それでこれは……シャーレの入部届!郵送でも良いのに、わざわざありがとう"

 

先生がシャーレのエンブレムのついた上着から判子を取り出して承認の印を押す傍ら、付近でワイワイしていた少女達がこちらへやってくる。

 

そっくりな金髪の、差し色がそれぞれ桃色と緑色の猫のような少女。

 

「せんせー!やったよー…………あれ?お客さん?」

 

「ちょ、お姉ちゃん!待ってって……あ、えっと」

 

俺達を視界に入れて、緑色の妹さんが桃色のお姉さんの後ろに若干隠れる。

 

「初めまして、ベルベット特別学園高等学校2年の鳴上悠です。宜しくね、二人共」

 

「あ、えっと、ミレニアムサイエンススクール一年、ゲーム開発部の才羽モモイです!」

 

「お、同じく一年の、才羽ミドリ……です」

 

「俺は雨宮蓮、鳴上さんと同じ二年だよ。あっちの台車で座ってる人も同じ二年で、有里湊さん」

 

「よろしく〜〜〜〜」

 

ふよふよ〜〜〜〜〜とだらけたまま手を振る有里さんに合わせて小さく手を振る才羽姉妹。

 

その姿がそっくりで、双子の看守だったあの二人*2を思い出した。

 

そうしてシャーレに入部したこと、コピー機を直して貰いに来た事を話してるうちに、光の剣を背負った天童さんと猫塚さんが帰ってきた。

 

「パンパカパーン!アリスは光の剣を手に入れました!」

 

「やったねアリス!これで立派なゲーム開発部の一員だよ!」

 

「一時はどうなることかと……」

 

万歳の体勢で満面の笑顔を見せる天童さんにモモイとミドリ*3が喜ぶ中、何かを思い付いたように顔を上げたウタハが口元を押さえて低く笑う。

 

「———ふふふ、本当にそうかな?」

 

「な、えっ、違うの!?」

 

「アリス、君は確かにあの剣を持ち上げ、そしてその光を放った。しかしそれが戦闘で通じるかは別の問題!」

 

「……っ!アリス、知ってます!『この武器を使いたければ、俺にその力を示すがいい!』……これは戦闘イベントです!」

 

アリスの口から出てくるゲームを模したような言葉に、後ろの方で見守っていた鳴上さんが先生に耳打ちする。

 

 

「怪力といい特徴的な喋り方といい、色々ありそうですね?先生」

"あ、あはは……ちょっと色々あってね"

「大丈夫です。先程言った通り、自分達は割と()()なので。解決は出来なくとも、なんとかする為の活路を見出せる可能性があるかもしれませんから」

"……ありがとう。その時は頼りにさせて貰うね"

 

 

その会話は俺も、そして有里さんにも聞こえていただろう。

 

ゲームのような言葉遣いに()()()()()()()()()事、そして140kgの重量を持ち上げ200kgの反動に耐える体躯。

 

厄ネタかどうかは分からないが、何も無いなんて事はまず無いだろう。

 

「あぁ、そうさ!という訳でコトリ、ヒビキ。廃棄予定のロボが多数あっただろう?この際だ、放出してしまおう」

 

「いいね、丁度どうしようか迷ってた所だし」

 

「私も異論ありません!ちなみに、そちらの御三方は見学なされますか?」

 

と、そこで全員の視線が俺達に向く。

 

先生の話を聞きながらだが、確かエンジニア部の在庫処分戦闘イベントの参加の可否だったか。

 

"三人共、どうする?君達が決めると良いよ"

 

先生はタブレットを構えながらそう告げる。

 

「———じゃあ、参加しましょうか。自分達はこれからシャーレの部員としても動くだろうし、先生の為にも、自分達の為にも経験は積んでた方が良いと思う」

 

「俺も同感です。有里さんは出ます?」

 

「同じく。僕は後方*4だし、武器のタイプもアリスと似てるから軽く教えながらやるよ」

 

傍に立て掛けていたスナイパーライフルを持って、台車から立ち上がった有里さんがアリスにそう言った。

 

それを聞いてアリスは「師匠ですね!よろしくお願いします、ミナト!」と敬礼しながら答えている。

 

いや敬称付けないんだ……いやそれが悪いって事じゃないんだけど、先生曰くアリスは一年との事で一応歳上になる訳なんだけど。

 

「よろしく、まぁ緩くいこうよ」

 

「はい!」

 

あ気にしないんだね有里さん

 

そんな様子を横目に、俺は極・破壊神皇を取り出してくるりと軽く回してその時を待った。

 

 

 

 

 

「…………所で、レールガン(RG)スナイパーライフル(SR)ってそんなに似てます?」

 

"多分遠距離武器としての話じゃないかなぁ"

 

「あぁ、そういう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ここまでの物語を記録しますか?

 

>はい

いいえ

*1
200kgというと成人男性(丁度男性版主人公ズくらい)三人分弱、またはやや小型のインドライオンと同程度とされている。並の人間、更に殆どのキヴォトス人だとまず動かすことすらできない

*2
ベルベットルームの案内人兼監獄の看守であったジュスティーヌ、カロリーヌのこと。元々ラヴェンツァという一人の案内人だったが、悪神ヤルダバオトによって記憶を封じられ二人に分たれた。なおラヴェンツァは「マイ・トリックスター」と告げたり「だいす……」と言い掛けたりと、ジョーカーガチ恋勢のきらいがある

*3
二人から名前で良いと言われてしまったのでそうしている

*4
ここでは原作ゲーム「ブルーアーカイブ」における役割の事を指すものとする。STRIKERかSPECIALに分けられ、有里は後者になる




三人の武器種と役割、ポジションは
有里湊→SR(+西洋剣)、SPECIAL、BACK
鳴上悠→SG+バリスティックシールド(+日本刀)、STRIKER、FRONT
雨宮蓮→HG(+ナイフ)、STRIKER、FRONT
です。なんか刀付きのホシノ居るし三人の位置が前後で極端だな?()

悠の武装がそうなった理由は多分次のエピソードでやります
コミュの解放も今回はお預けで



なんか主人公ズにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=332370&uid=276197

刈り取るさんの方の話(完結済)↓
https://syosetu.org/novel/349213

現地オリ生徒(覚醒者)とのストーリーが浮かんでしまいました。このストーリーについて意見をお聞きしたいです。

  • 見たい(本編同時空で)
  • 見たい(本編別時空、Ifストーリーで)
  • 見たい(全く別の作品として)
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。