ベルベット特別学園高等学校へようこそ   作:珱瑠 耀

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スタンド・バイ……なんでしょ?
正解は後書きに


有里湊:スタンド・バイ……

———翌日。

 

ゲーム開発部はヴェリタスの下を訪れ、獲得した「G.Bible」の解凍を依頼した。

 

……が、解凍には10日掛かると言われてしまい、更にモモイのゲームデータは戻らない事が発覚。

 

ゲーム開発部、特にモモイはその結果に絶望の涙を流した*1

 

頼みの綱であるツール「鏡」も今はセミナーが回収してしまい、打つ手は無かったように思えた…………が。

 

 

「セミナーを襲うよ!!」

 

 

モモイはその程度じゃへこたれない。

 

エンジニア部、ヴェリタスの協力の元、ゲーム開発部と先生は回収された「鏡」の奪還を決意したのだった。

 

 

 

 

 

…………ところで。

 

「あれ、先生……湊先輩はどうしたの?

 

"それが、朝から連絡が付かなくて……"

 

「……まさか、なにかトラブルに……!?」

 

「そ、そんな……いや、湊先輩に限ってそんな事は無いでしょ!あの人強いもん!」

 

「はい!きっとミナトにはミナトの用事があります!」

 

彼女達が心配する生徒、有里湊は——————

 

 

 

 

 

「Zzz…………」

 

 

爆睡をキメていた。*2

 

 

こんな光景をゲーム開発部の皆が見たらそれはもう相当にキレるだろう。*3

 

決死の決断をしていた自分達を放ってすやすやと眠っているのだから。

 

現にスマートフォンがチカチカと鳴動しその存在を知らせているのに、彼女はただただ安らかに眠っている。

 

寝返りすら打たないその寝相は彫刻のようなのだが……

 

 

筆者としては原作ペルソナ3のエンディングを思い出して動悸がするので少しくらい寝返りを打って欲しいです(自我)

 

 

現在時刻は18:00。

 

セミナーの早瀬ユウカが頭を抱えながらC&Cの三人*4を起用し演習という形で対抗する事を決め、決戦の火蓋が切られる数分前であった。

 

 

 

 

 

「ちょっとォ!!!!湊先輩来ないんだけどォ!!!!」

 

 

「お姉ちゃん!!!!怒るのはわかるけどそのナイフどこから出したの!?!?」*5

 

「あ、危ないよぅ……しまおうよぅ……」

 

"モモイ"

 

「ゔ……ゴメンナサイ」

 

 

 

 

 

「…………———ぉあ」

 

ゲーム開発部のセミナー襲撃が始まって30分後の、18:30。

 

時間にして約23時間の深い眠りであった。

 

「…………????何日寝てた?」

 

腰まである長い髪をわしわしと掻いて、傍のスマホを開く。

 

昨日寝た時間よりも1時間前の時刻、しかし昨日より1日進んでる日付がバグりかけた脳の処理を正常に戻す。

 

そうして今が翌日の夜だと知って一言。

 

「一日か、ならいっか」*6

 

 

良くないのである。*7

 

 

きっと悠や蓮が居たら厳しく叱ってくれたろうに、今日の二人はそれぞれ自由行動で時間を消費している。

 

悲しきかな、咎める者は誰も居ない。

 

「ふぁ……寿司屋どこだろ」

 

呑気に欠伸をしながら着替えた湊が部屋の扉を開き、のそのそと大通りに出る。

 

ロック画面の通知の山に見えた先生からの連絡に返信しようと、もう一度スマホを起動———

 

「あ、電池が」

 

———したところで、電池切れでまたもや画面が暗転する。

 

うっかり充電器を忘れた挙句、夥しい量の通知によって画面のオンオフを繰り返し続けていたスマホはもううんともすんとも言わない。*8

 

この声が悠や蓮に聞こえていたら以下略。

 

故に悲しきかな、湊は山のように積み重なった喫緊の連絡に気付かず、湊はただただマイペースに大通りを進んでいく。

 

「えび……ぶり、いや〆サバかな」

 

眠ってる間に魚でも見たのか、彼女の腹は寿司の到来を待っていた。

 

そうしてミレニアムサイエンススクールへ着実と近付いている途中で、聞き覚えのある背中を見つける。

 

比較的低い体躯の頭にはメイド服のヘッドドレスがあり、龍の描かれたスカジャンと二丁のSMGを背負う生徒———美甘ネルだった。

 

蓮から聞いていた人とは恐らく別人ではあろうが、ミレニアムのメイド服の生徒と蓮は任務をこなした事のある関係。

 

恐らく何も知らない、なんて事はないだろうと湊は声を掛けた。

 

「ね、そこのメイドさん」

 

「あ?ンだ、お前」

 

帰ってきたのは強気な言葉と、キリッとした三白眼の視線。

 

耐性がない人は蛇のように(【蛇ニラミ】)萎縮してしまうだろうが、湊はそれをものともせずに言う。

 

「以前、うちの部員が任務でお世話になってね。異聞録学部っていうんだけど」

 

「異聞録学部……?———あぁ、あの時か」

 

「そ。彼女、ここ(キヴォトス)じゃ初陣だったから」

 

部名を聞いて納得したネルが、続く初陣の言葉に固まった。

 

「……は?アカネとアスナが証拠を見つけるよりも早く制圧しといて、初陣だァ?」

 

「あ、そうなの?詳しくは聞いてなかったから分かってなかったけど、そこまでやってたんだ」

 

「……あー、お前さ。今から面貸してくれねぇか?詳しく聞きたい」

 

「良いけど、ご飯食べながらでも良い?お腹すいちゃってお寿司に行こうかなって思ってたんだ」

 

言い終わると同時に、湊のお腹がきゅるるると鳴く。

 

「アタシは構わないけど」

 

「よし、それなら早速行こうか」

 

任務終わりだったネルも空腹を自覚すると抗いにくく、割とすんなり話が進む。

 

そのまま二人は付近の回転寿司屋に足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「決めたよミドリ、私湊先輩が来たら一発ぶん殴る」

 

『……なんか、モモイの周囲に黒い靄が見える気がするんだが』

 

"うーん気にしなくて良いよウタハ!うん!モモイ今ちょっとバーサーカーになってるだけだから!"

 

それは大丈夫なのかい????

 

「コヒュー……オレサマ……オマエ……マルカジリ……コヒュー……」

 

『本当に大丈夫なのかい!?!?私にはそうは見えないけど!?!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぐ、もぐ」

 

サーモン、イクラ、たこ、エンガワ、サバ、中トロと順々に口へ運ばれては消えてゆく。

 

「…………良く食うなぁ、湊」

 

「もぐもぐ……ん、実は昨夜から丸一日寝てたっぽくて何も食べてなかった」

 

オイマジかよ寝過ぎだろ

 

その正面でエビアボカドを食べていたネルは湊の発言に流石に少し引いていた。*9

 

着実に、しかし決して汚さずに食べ進める湊の皿は、そろそろ30を超えようとしている。

 

対してネルの皿はまだ3皿、もうなんか競う気力すらも失う程だ。

 

「つーか、良いのかよ。アタシまで奢ってもらって」

 

「良いよ?大半は僕が食べてるし、これくらい痛くもない」

 

「そうかい」

 

お互いキリが良い所まで食べて、お茶で一服落ち着いてから湊が話し始める。*10

 

「僕達の秘密を全部話す気は無いから、ざっくりにはなっちゃうんだけどね。異聞録学部って、一応全員キヴォトスの外に一定期間滞在した事がある人達の集まりなんだ」

 

「?ってーと……アイツ()の変な力っつうのは、外で身に付けたっつー事か」

 

「そ、俗に言う『神秘』がそういう作用をしたんだ。トリニティのトップの一人が隕石を墜とせたり、ゲヘナの給食部の一人がパンケーキの怪物を生み出したりするのと似たようなもの」

 

「…………パンケーキの怪物????」

 

「……あー、脱線するからその話は無しで」

 

「お、おう……パンケーキ……?隕石……????」

 

困惑するのも当然である。*11

 

ぶつぶつと呟くネルを横目に、湊第二陣としては届いた寿司をさくさくと口の中に運ぶ。

 

つかまだ食うのかよ

 

「今からラーメンくるよ?」

 

はァ!?

 

しれっとおかしい事(ネル基準)を言い放った湊な絶句したのも束の間、回転レーンの上から大きめのお椀が流れて止まった。

 

そのお椀———ほかほかと湯気を上げる醤油ラーメンを受け取り流れるように麺を啜り始める湊。

 

美甘ネルはもはやドン引きしていた。*12

 

「ラーメン後二杯食べたらデザートにするけど」

 

デザートまでが長ぇだろソレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごちそうさまでした

 

テーブルの一角に(うずたか)く、しかしキッチリと積まれた皿と湊のお腹を交互に見やるネル。

 

ネルがデザート含め15皿程なのに対して、湊は90皿にラーメン三杯とデザートという美食研究会のあの人*13を想起させる食事量であった。

 

「えぇ……お前、マジで……えぇ……?食ったやつ何処に消えてんだよ……」

 

「一日寝てたからね」

 

なぁもうツッコむの辞めて良いか?良いよな?

 

そうして食休みも程々に、支払いを済ませた湊とネルはミレニアムへの道を歩く。

 

「んで、お前はこれから何しに行くんだ?アタシは押収品の警備があるんだが」

 

「シャーレの『先生』がミレニアムに居る…………かも、だから会いに行く」

 

「かもって何だよかもって」

 

「スマホの電源切れちゃった……」

 

「んだよ、アタシも充電器なんて持ってねぇから諦めろ」

 

軽いやりとりを挟みながら、土地勘のあるネルを前に夜のミレニアム自治区を進んでいく。

 

機械の駆動音の他に夜らしい静かな喧騒が通り抜ける大通りを抜けて、ミレニアムタワーに到着した。

 

「同行するのは機密上でここまでだが、良いな?」

 

「良いよ、ありがとう。異聞録学部をコンゴトモ=ヨロシク」

 

「おう……………………———なんっか、聞いた事がある気がすんだよなぁ……」*14

 

エレベーターに乗る直前にそう零したネルの姿が、モーター音と共に消える。

 

見送った湊は、そのまま付近のベンチに座り込んだ。

 

そこで食後の睡眠と称して欠伸をし、召喚器に手を伸ばして———だらんと垂らす。

 

「……やめとこ」

 

懐からジャックフロスト人形*15を出して膝に抱え、のんびりと待つ事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ここまでの物語を記録しますか?

 

>はい

いいえ

*1
涙を流しているのはモモイだし、泣いてる理由はゲームデータの紛失である

*2
ここで最近YouTube shortでよく流れてくる2chっぽいshort動画で出てくる「狂い鳥」の「??????????(読み:「ハァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"?⤴︎」)」を想像してみましょう。もし仮にモモイがこの光景を見た時はcv.徳井青空の喉からその声が出てきます

*3
ゲーム開発部じゃなくてもキレる

*4
コールサイン01(ゼロワン)一之瀬アスナ、02(ゼロツー)角楯カリン、03(ゼロスリー)室笠アカネの三人。00(ダブルオー)である美甘ネルは単独任務中の為不在

*5
「デスモモイ」が元。二次創作で2023年8月頃から観測され始めた謎の生命体。本物は「FATALITY……」と喋るのでこのモモイはデスモモイではありません(確固たる意志)

*6
良くない

*7
大事な事なので二回言いました

*8
こらそこ、うんともすんとも言わないって書かれたからって「うん」とか「すん」とか言わないの

*9
残(念ながら引かれるのは)当(然のこと)

*10
ちなみに45皿食べてなお湊の腹はまだ4分目である。食い過ぎだ

*11
前者は聖園ミカ、後者は牛牧ジュリのこと。なお主人公ズなら前者はアグネヤストラでいくらでも相殺できるし後者はブフダインで凍結付与からの刹那五月雨撃ちで即撃破する

*12
だから残当なのである

*13
鰐渕アカリのこと。半端ないレベルでの大食漢であり、湊と引き合わせちゃいけない生徒No.1

*14
美甘ネルの声優である小清水亜美さんは、ペルソナ4における天城雪子の声も担当されている。コンゴトモ=ヨロシクにほんの少しの違和感を感じるのはそこの繋がりのせい

*15
自作。左手を押すと音が出るしふわふわなのに関節がちゃんとあるので自立する




正解は「スタンド・バイ・ザ・ベッド」=「ベッドの横に立つ」……つまり、起床でした(ヲイ)



湊は慣れない布団で寝ると深く寝過ぎてしまい、今回のように丸一日寝ていることがあります
これを防ぐためにいつもは誰かが一緒に居るんですけどねぇ おかしいなぁ
残念ながら悠も蓮も「先生ならちゃんと起こしてくれるだろう、大人だし」と呑気に考えていたせいで気付かないままこうなってしまいました

隕石とパンちゃんのインパクトでしれっと湊自身も覚醒者であることをスルーさせる高等技術、私じゃなきゃ見逃しちゃうね

なお最後の方で召喚器を使ってしまうとその時点でリオに捕捉されて最大火力の湊すらも演算に組み込まれてしまいリオ陣営を打倒できずにバッドエンドまっしぐらなのでジャックフロスト人形に切り替えたのはファインプレーです
そこは褒めてあげましょう でもやらかしが多いので結果的にお叱りです
大人しくパンチ受けといてください



なんか主人公ズにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=332370&uid=276197

刈り取るさんの方の話(完結済)↓
https://syosetu.org/novel/349213





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