ベルベット特別学園高等学校へようこそ   作:珱瑠 耀

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続いた。

この作品での三人の一人称は
雨宮→俺、私
鳴上→自分、私
有里→僕
でやってます


雨宮蓮:ワイルド

転校初日という事で軽いBD受講とその他やることを聞いた放課後*1

 

「雨宮さん」

 

休み時間の間に質問攻めにされ心なしかSPが減ったような感覚の中、自分に掛かる声。

 

朝も聞いた、鳴上さんだ。

 

「この後、もう一つ紹介する所があるんだ。申し訳ないんだけど、着いてきてくれる?」

 

灰色のセミロングをふわりとボブにした、しかし雰囲気はしっかりと委員長のような彼女からそう提案され、迷わず首肯。

 

「あ、銃は持ってきてね」

 

その言葉でやはり常識の違い、と内心ため息を吐きながら、鳴上さんの後ろを着いていく。

 

 

 

 

 

タン、タン、タンとリズム良く銃が鳴り、少し遅れて空薬莢の落ちる音。

 

「ハンドガン、凄く上手だね……自分の立つ瀬が無いな、これじゃあ」

 

「昔から運動神経は良い方なんだ」

 

「自分はそういう精密操作はあまり上手くないからね……ショットガンばかり選んでるよ」

 

向こうの的は円の中心を寸分の狂いもなく撃ち抜いている。

 

隣の的は鳴上さんのまたショットガンの広い散弾に受け止められていた。

 

最後に連れられたのはこの学園にある射撃場であり、ここで銃種の変更や試し撃ちをしているのだとか。

 

鳴上さんはショットガンを持っているが、銃の扱いが苦手でそんなに使わないんだそうだ。

 

へぇ、と聞き流して、新しく現れた的を撃ち抜きながらもふと問う。

 

「鳴上さんはどうしてそんなに俺……私を気に掛けるの?」

 

ズパン、ズパンと的の広範囲を撃ち抜いた鳴上さんが銃を置いてリラックスしながら笑う。

 

「あはは、無理しなくていいよ。自分の言いやすい喋り方で」

 

そう言われて自然と苦笑いが浮かんでしまう。

 

「それで、気に掛けるか……だったね。それは、()()()()()()()()()()

 

「っ!」

 

どくりと心臓が跳ねる。

 

今この場でお互いに気付いていることなど一つしかあり得ない。

 

()()()()()()()、それは———

 

 

 

「ペルソナ———それも、()()()()()()()()

 

 

 

鳴上さんの笑みが深くなる。

 

「あぁ、そうだね……ペルソナという存在を認知し、こことは異なる世界を識る人。自分達は、そういう人だ」

 

「鳴上さん、貴方も……だったんだ」

 

ラヴェンツァの言葉を思い出す。

 

「運命の囚われ」……まさかこんな、この場所で思い出すことになろ———

 

「うん。所で()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なんて????」

 

それまでのシリアスな雰囲気が一気に無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テレビの中に……入る……????」

 

「こっちこそ認知世界の怪盗団だったなんて……凄いね、そっちは」

 

「そっくりそのまま返すよ」

 

同じワイルドの持ち主である鳴上さんと休憩がてら話す。

 

それは異界のことだったり、どんな事をしただったり、ベルベットルームの違いだったり。

 

「リムジンの中って、なんかロマンだね」

 

「そっちこそ監獄って……うちより狭くない?」

 

「それは思ったけど」

 

しかし、そうか……渋谷駅の久慈川りせの広告は、鳴上さんの仲間だったのか。

 

()()()()ともまた違う話は新鮮だよ」

 

「へぇ、有里……まってもう一人いるの?」

 

「あれ?言ってなかったっけ……言ってなかったね、ごめん」

 

……自分は気付かなかったが、同じワイルドの持ち主はもう一人居るんだそうだ。

 

なんだか今日は驚かされるような出来事が多すぎる。

 

取り敢えず家に帰って寝たい。*2

 

モナの幻聴が聞こえる気がする……

 

遠い目となった私の隣でうーんと考えていた鳴上さんが、小さく頷く。

 

「……そうだね、丁度良いし、そっちにも行こうか」

 

「そっちって?」

 

ショットガンを肩に担いで立ち上がった鳴上さんがこちらをチラリと見て、ウインクをする。

 

「自分達が所属する部活、だね」

 

……冴さんみたいだな、と言っても多分誰それって言われるんだろうなぁ。*3

 

 

 

 

 

「元々、この学園でワイルド待ちの人間は自分だけだったんだ。でもその少し後に有里さんが転入してきて、その時にお互いが()()である事に気付いた」

 

「ワイルドの気配って、分かるものなんだ……いや、自分も気付いたけど」

 

「同じ気配———それは己が『愚者』から始まり、絆を深めて(いず)れ『世界(宇宙)』へと至り、世界を救ったという証さ」

 

「『世界(宇宙)』……」

 

「さて、唐突だけどこの世界……学園都市キヴォトスには、一つだけ元の世界と決定的に違う所があるんだ。分かる?」

 

「違う所……?」

 

背中を追いながら、深く考える。

 

恐らく朝から今までの経験の中に、その「決定的に違う所」が存在するのだが。

 

おかしい所といっても、ロボや動物が当たり前のように通勤して、いて———

 

 

「———()()()()()()

 

「そう、そこだよ」

 

 

そうか、と気付けばこの世界の異質さに合点がいった。

 

「この世界を統治しているのは『連邦生徒会』という。おかしくないかな?何故世界の統治を()()()()()()()()?」

 

「……そもそも大人が居ない、か……それとも、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「あぁ、自分もそう思う。実際、連邦生徒会長は尊称として『超人』と言われているらしい。有里さんが予想するには、あのスペックだと並行世界への干渉をしててもおかしくないとも」

 

「並行世界……!?」

 

なんだそれ、それではまるで……

 

「……、じゃないか」

 

「神……最初は自分もそう思った。けどその予想はすぐに払拭されてしまった」

 

「———はぇ?」

 

「さ、到着したよ。今日は有里さんも居るし、ここでしっかり顔を合わせておこう」

 

いつの間にか人通りの少ない廊下で立ち止まり、鳴上さんが振り返った。

 

上のプレートには「歴史準備室」と書いてあり、遠くで銃撃音や人の声が聞こえてくる。

 

「えっ、ちょ、心の準備が」

 

「お疲れ様ー」

 

「ちょわーーー!?」

 

深呼吸する間もなく、鳴上さんはがらりと扉を開けてしまった。

 

「ん、おつかれ」

 

鮮やかな青髪をお団子にした長身の少女……この人が有里さん。

 

「有里さん、()()()だよ」

 

「ま、そうだよね…ここに来る人なんて、それくらいだろうし」

 

眠そうな目を擦りながらこちらを見た有里さんと目が合う。

 

「えっと……雨宮、蓮です」

 

「有里湊、コンゴトモヨロシク」

 

頬杖のまますいっと出される手を流れで握り、反射的につい。

 

「コンゴトモヨロシク、だホー」*4

 

「うん、合格」*5

 

「ジャックフロストか、ハイカラだな」*6

 

「ハイカラ……??」*7

 

え、これ正解だったの??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「????????」

 

「意味が分からないよね、わかるよその気持ち」

 

「いやむしろなんで有里さんは平常心で居られるんですか」

 

「慣れ」

 

「慣れかぁ……」

 

落ち着いて先程の話をまとめると。

 

①キヴォトスには「神秘」という謎エネルギーが存在する

②一部の生徒はその神秘を操作したり銃弾に込めたりする

③その神秘の種類は生徒によって千差万別であり、稀に自分達の知るペルソナと同種の神秘があったりする(最近だとベリアル*8と同じ神秘を感知したらしい)

④恐らく自分達はその多少似通ったペルソナと神秘を一緒くたにされて此方に呼ばれた可能性が高い

 

「そして神秘は僕達のよく使うSPやHPの代わりとして使うことができる」

 

「……待って、それってまさか現実世界でペルソナを呼び出せるのか……?」

 

「うん。おいで、ピクシー」

 

徐にハンドガンを頭に当てて引き金を引いた有里さんに絶句しながら、溢れ出る青い光とそこから出現する見慣れた青い妖精に再び驚く。

 

鴨志田のパレスで最初に仮面を頂き、その後も暫くお世話になったピクシーそのものだった。

 

『〜〜♪』

 

「うん、そう。新しいお友達」

 

『〜〜?〜〜♪』

 

「これ挨拶だよ」

 

すりすりと人差し指にすり寄るピクシーに困惑が隠せない。

 

「あ、ども……」

 

「スキル構成は召喚した人によって変わるから、安心して」

 

ふわっと青い光を残して消えたピクシーもそうだが、それより。

 

「なにその召喚」

 

「?うちの召喚方法はこれだよ」

 

「あはは……ざっくり言うと、有里さん達の召喚は『死を乗り越える』ことなんだ。そのイメージがこれ(ヘッドショット)って事」

 

「……俺の『理不尽から叛逆する意思』とは違うのか…」

 

「それを言ったら自分は『背けていた自分の側面と向き合うこと』だし、綺麗に三人とも違う方向性なんだよね」

 

自身の内面に関するものであれど、その種類が微妙に変わっている自分達。

 

気になることが増えて……って、そうじゃなくって。

 

ゴホンと咳払いをして仕切り直す。

 

「結局のところ、この集まりはなんなの?」

 

「あ、そういえば途中だったね……じゃあ、続きを。結論から言うと、連邦生徒会長は神ではなく、『()()()()()()()()()()』、と自分達は考えた」

 

「神に限りなく近い人間……」

 

「うん。むしろ神と呼ぶべきは、さっき言ったようにこのキヴォトスに存在する一部の生徒だ」

 

「まぁ、神といっても色々だし……悪魔や精霊って場合もあるから一概にそうとはいえないけど。というか生徒達も神と言うよりは『神の卵』と言った方が正しそうな感じもしてる」

 

「そして自分達はその神秘の差異から、様々な神話を記録する部活———

 

 

 

 

 

———『異聞録学部』」

 

 

 

 

 

▽ここまでの物語を記録しますか?

 

>はい

いいえ

*1
一ブロック五十分の午前四時間、午後一時間で四時間と休み時間で学校の授業は終わりらしい。秀尽よりも楽だった。 知識+2

*2
モナ「おいおい、今日はもう寝ようぜ?」

*3
新島冴、コープ「審判」。検事として一連の怪盗団関連事件を追っていた女性。言ってしまえばアレだが、今の鳴上は目元が少し柔らかくなった新島冴みたいな感じだ

*4
女になったので声真似が格段に上手くなった雨宮

*5
真顔の有里

*6
キャラ選と声真似のクオリティに感心する鳴上

*7
今日日聞かない言葉に困惑する雨宮

*8
皆様ご存知陸八魔アルちゃんです




はい、出ましたオリジナル部活『異聞録学部』。
基本的に毎月最低一個の異聞録(ペルソナについてのレポート)を提出するという部活内容ですが、それ以外にも自警団活動とかをしたりとかなり緩めの部活です。

なお三人の戦闘力はうちの刈り取るさんとソロでそれぞれトントンな模様()





ピクシー Lv.99(共通)
ステータス カンスト(共通)

有里湊ver.
氷結弱点 電撃耐性
スキル
メギドラオン メシアライザー
コンセントレイト マハタルカオート
マハラクカオート マハスクカオート
リベリオンオート 氷結耐性


鳴上悠ver.
火炎弱点 疾風耐性
チャージ コンセントレイト
ヒートライザ ランダマイザ
マハタルカオート マハラクカオート
マハスクカオート 火炎耐性


雨宮蓮ver.
銃撃、氷結、呪怨弱点 電撃、祝福耐性
ヒートライザ ランダマイザ
マハタルカオート マハラクカオート
マハスクカオート 銃撃耐性
氷結耐性 呪怨耐性

現地オリ生徒(覚醒者)とのストーリーが浮かんでしまいました。このストーリーについて意見をお聞きしたいです。

  • 見たい(本編同時空で)
  • 見たい(本編別時空、Ifストーリーで)
  • 見たい(全く別の作品として)
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