ベルベット特別学園高等学校へようこそ   作:珱瑠 耀

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ショータイムです、ショータイム



場面が暗転したら「Rivers In The Desert」を聴きながら読みましょう

何を言ってるのかって?
呼んでけばタイミング分かる筈さ


雨宮蓮:SHOW TIME

ブラックマーケット近郊のとあるビル、その地下に存在する大きなホールには機械人や獣人が席に着いてその時を今か今かと待っていた。

 

喧騒を生み出す彼らの顔は多種多様の仮面で顔が隠されており、下卑た目元とニヤケた口が彼らの心底の汚さを物語っていた。

 

やれ今日の商品の質はだの、やれ今日は全部買い占めてやるぞだの、その貪欲さはまともな生徒にとっては吐き気を催すものだろう。

 

「(本日の『商品』も上々……警備もたんまり雇った)」

 

その部屋の前方にあるステージの裏で、首謀者の獣人は腕時計を見ながら漏れそうになる笑いを堪えていた。

 

彼こそがこのオークションのホストであり、首謀者。

 

オークションで稼いだ金を溜め込みブラックマーケットで権威を誇示する『悪い大人』だ。

 

「さぁ、今宵も良い時間を過ごしましょう!」

 

小さな手を大きく広げて開会を宣言する彼に、観客は拍手で応える。

 

ガベルを叩く音と値段を釣り上げる声、欲が足りず飛ぶ暴言を諌める銃声。

 

会場の熱が上がってきたところで、ホストは次の『商品』を呼び出す。

 

「さぁさぁ続いて売るのは本日の目玉!美しい翼を持った『元』トリニティ生徒です!」

 

「っ———ひぅ」

 

雇われのオートマタに引っ張られてやってきた少女が、瞳を震わせて客席を見る。

 

その恐怖に満ちた顔と体躯の美しさに、観客は声を上げて目をぎらつかせた。

 

視線に晒され体を縮こませる少女を一瞥したホストが金槌を振り上げる。

 

「こちらの商品、2000万クレジットからスタ———」

 

その金槌が振り下ろされる前に。

 

 

 

 

 

バツン!!

 

 

 

 

 

観客も、ホストも、商品にされた少女も、全ての視界が黒く落ちる。

 

「———ぐあっ!?」

 

ざわめきと混乱でホールが満たされる中、後ろで崩れる音を聞いた少女だけは目の前で()()()を聞いた。

 

 

 

「———少しだけ待ってて。すぐ終わらせてくるから」

 

 

「……っ、はい」

 

 

 

穏やかな声に応えて数瞬、予備電源が点いて見えたのは———黒。

 

深く沈んでしまいそうな暗闇と、鈍く主張する赤色。

 

マスクに覆われた黒い瞳は、先程の声と同じように穏やかにこちらを見つめていた。

 

その姿は———怪盗、のよう。

 

突然現れた異客にどよめくホールをものともせず、彼女(怪盗)は観客の方を振り向く。

 

そうして、一言。

 

 

 

「———奪え(【マハブフ】)

 

 

 

フィンガースナップと共に青い炎がチラリと見えたと思えば、観客席にあった上下四つの入り口とステージ袖の通路が()()()()()()()()()

 

その足元に青と白の小さな人形らしきものが現れ、そしてすぐに煙のように消える。

 

「———はぁっ!?なんで氷がっ、いや、逃げられ———」

 

逃がさん!(【ラッキーパンチ】)

 

『ヒーホー!』

 

ぐぁあ!?(>>critical‼︎<<)

 

まただ。

 

また青い炎と一緒に青と白の人形*1が……今度はホストに攻撃する為だったのか、こっちの方を向いていたのでそのつぶらな(かわいい)顔がよく見えた。

 

何処からともなく現れたスプリング付きのボクシンググローブがホストの脚を強く打ったことで、ホストが痛みでその場から動けなくなる。

 

「(怪盗さんが……あの人形を、召喚してるの?)」

 

そんなオカルト……とは、目の前で見てしまった少女はどうしても切り捨てられない。

 

「———っ、くそ!侵入者を撃て!!」

 

漸く事態が飲み込めた観客がぎゃあぎゃあと騒ぎ始め、侵入者を止めようとオートマタが銃を目の前の人に向ける。

 

後ろに私がいるのを気にもせずにマズルフラッシュが私の視界を染めて、迫り来るであろう痛みにぎゅっと目を閉じた。

 

———が、いつまで経っても痛みは来ない。

 

「———レイズアップ」

 

ぶわっと吹いた風で目を開けば、今度は赤と黒の回る盾を持つ黒い布の誰か*2が目の前で浮遊している。

 

『———我が聖盾(せいじゅん)は不滅也』

 

後ろにいる私と怪盗にダメージは何一つない。

 

「何だありゃ……銃が効かねぇ!?」

 

「バケモンが……なら手榴弾だ!!」

 

ピンが抜け飛んでくる手榴弾を見ながら、その人はさっきの誰かを消してハンドガンを構えた。

 

カチリ———ガガガガガガ!!

 

白い翼のような装飾をした白銀の銃(極・破壊神皇)が、前に構えられると共にハンドガンとは思えない重い音を響かせる。

 

遅れて届く爆風と光。

 

欠片は何一つこちらに届かない。

 

痛みで悶えているのは()()()()()()

 

 

 

もしかして……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

銃弾の当たり具合で手榴弾の角度を調節して、こちらに一切の被害を出さずに?

 

 

 

「———他愛もない」

 

 

 

何をしたらそんな技能を使えるようになるのか……そもそも、どのような体験をすればそこまでに巧く使えるのか。

 

そんな難しい事は少女にはよくわからないが、怪盗を見る目が何処か希望に縋るようなものになっていた事を、少女自身が知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃撃の雨と手榴弾を楽に凌いだ雨宮は、ぐるりと客席を一瞥しながら考える。

 

「(ここまではどうにでもなった……が、後ろに保護対象が居る中で長期戦は不味い)」

 

そろそろ制圧させるべきだろう。

 

見たところ護衛は全てオートマタであり、客席で慌てる参加者に揉まれていてまともに対応出来るはずもない。

 

だから———

 

 

終幕(フィナーレ)だ。目標補足———」

 

「クソっ、撃て撃て!奴を仕留めろおおおお!」

 

 

 

「吹雪け、ジャックフロスト(【マハブフ】)!」

 

 

『オマエラの負けだホー!』

 

 

 

ジャックフロストは猛烈な寒波を放出し、乱射される銃弾すらも凍らせて護衛のオートマタを纏めて氷像に変えた。

 

身体の節々どころか全体が凍りついている護衛達は、すぐにその活動を停止する。

 

急激な機体温度の低下で素材を脆くし、さらに無理に動こうとすれば排熱が氷を水にして電子回路を即ショートさせる。

 

何をどう足掻けどどうにもならない、詰みだ。

 

「———ラウール(【ファントムショー】)

 

了解(ラジャ)ー……罪人達よ、最後の夢を楽しみ賜え』

 

最後に保護対象以外の全員を眠らせて、一丁上がり……といったところだろうか?

 

耳元のインカムを繋ぐ。

 

『———はい、こちらコールサイン03』

 

「こちらジョーカー、ホール内の制圧、首謀者の確保を完了。要保護対象1」

 

『ッ!?もうですか!?』

 

『えっ、もう終わったのー!?』

 

ガサゴソと雑音が聞こえるという事は、絶賛捜索中なのだろう。

 

「ああ。出入り口は塞いでいるから、来たらもう一度通信してくれ。通す」

 

『……了解、しました。こちらももうすぐ———』

 

『あったよー!!』

 

『いえ、たった今完了しましたので合流します』

 

了解(ラジャ)

 

プツリと切れた通信から意識を外して、後ろを振り向く。

 

きゅっと縮んだ翼で身体を包んだ生徒。

 

恐らく一年生だろうかと思われる少女に近付き、その頭を優しく撫でる。

 

「———よく頑張った、偉いよ」

 

「ぁ———っ、ぅ、ゔぅぅ」

 

それで漸く自分が無事な事を理解した彼女の目から、ぼろぼろと大粒の涙が溢れていく。

 

「か、がえ゛れ゛る、の?」

 

「あぁ、きっと。もう怖くないから」

 

震える頭をそっと抱き寄せて、優しく背中を叩く。

 

「ふゔ、ゔぎゅ、ゔあ゛あ゛あ゛!!」

 

自分達以外が倒れ伏しているホール内に、鳴き声が木霊する。

 

赤子のようにしがみつく少女が泣き止んだのは、C&Cの二人が合流した後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅ……すぅ…………」

 

「……寝てしまいましたね」

 

「それ程怖かったんだろうね」

 

「無事で良かったねー」

 

少女が眠って少し。

 

室笠アカネと一之瀬アスナはその子を一撫でしてから、周囲を見渡した。

 

「しかし……話には聞いていましたが、これ程とは」

 

「護衛っぽいオートマタは全員氷漬けだし、他の観客とホストは夢の中だし……魔法みたいだよね!」

 

近くの氷を触ってつめたー、と楽しそうに遊ぶ一之瀬さんの言葉に同意する。

 

「まぁ、魔法だからね」

 

「へぇー、やっぱりすごーい!この氷はジョーカーちゃんがやったの?多分違うと思うけど」

 

「ん、こいつがね。ジャックフロスト」

 

『ヒホー!オイラのチカラだホー!』

 

ぴょんこりん、と現れて早々に飛び跳ねたジャックフロストを見て、一之瀬さんの目がさらにキラキラと輝いた。

 

「かっ、わいーっ!!この子が全部やったの!?すごーい!!」

 

『ヒホー!褒めてもカキ氷くらいしか出ないホー!』

 

「まぁ、愛らしいですね」

 

「ペルソナの姿は千差万別さ。ジャックフロスト程に可愛いのも居れば、かっこいいのも醜悪なのも居る」

 

人によって呼び出せないペルソナも居る。

 

有里さんはヨシツネを呼び出せないし、鳴上さんはイヌガミを呼び出せないし、俺は俺でアルラウネを呼び出せない。

 

俺は二人が出会った事のあるペルソナを呼び出せはするけど、賊神という色違いのような姿になってしまう。

 

まぁ、何はともあれ。

 

 

 

「Mission Complete……で、良いんだよね?」

 

「はい。何一つ不足のない、最高の結果ですね」

 

 

 

お互いに拳を優しくぶつけ合い、肩の力を抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我は汝…汝は我…

汝、ここに新たなる絆を見出したり…

 

其は即ち、

未来を切り拓く為の数多の選択肢なり…

 

我、「女帝」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり

物語を綴る、新たな一節とならん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ここまでの物語を記録しますか?

 

>はい

いいえ

*1
『魔術師』ジャックフロスト。序盤で手に入るキャラの中で分かりやすく氷結特化のペルソナ。今回のビルドは弱威力だがラッキーパンチのクリティカル率と凍結率を上げた「手加減制圧ビルド」

*2
『戦車』アテナ・賊神。ジョーカーとの共鳴により悪賊(ピカロ)の魂をその間に宿したペルソナ。ジョーカーが別ナンバリングのDLCペルソナを使う際は基本的に賊神として登場します




ペルソナの声は全て捏造です こいつらならこんな事言うやろ多分きっと恐らくメイビー


番長のDLC事情はrevivalが出てからになります
のでそれまでキタローのDLCは封印とさせていただきます


えてかペルソナ4ってイヌガミリストラまじ??



ジャックフロスト Lv.99
ステータス 魔、運カンスト
特性:コキュートス

火炎弱点 氷結無効
ラッキーパンチ ブフ
マハブフ 状態異常成功率UP
凍結率UP クリティカル率UP
クリティカル率大UP アドバイス



アテナ・賊神 Lv.99
ステータス ドーピング無し
特性:オリーブの加護

物理耐性 銃撃無効 電撃弱点
アカシャアーツ メガトンレイド
チャージ ヒートライザ
ディアラハン サマリカーム
マハタルカオート アドバイス



ラウール Lv.99
ステータス 速、運カンスト
特性:淀みきったオーラ

祝福弱点 呪怨無効
ファントムショー ヒートライザ
アリ・ダンス 状態異常成功率UP
睡眠率UP 魔術の素養
勝利の雄叫び 祝福吸収



リクエスト用の活動報告を作成しました。
やって欲しい事があればこちらにどうぞ。

なんか主人公ズにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=332370&uid=276197

刈り取るさんの方の話(完結済)↓
https://syosetu.org/novel/349213

現地オリ生徒(覚醒者)とのストーリーが浮かんでしまいました。このストーリーについて意見をお聞きしたいです。

  • 見たい(本編同時空で)
  • 見たい(本編別時空、Ifストーリーで)
  • 見たい(全く別の作品として)
  • 見たくない
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