ベルベット特別学園高等学校へようこそ   作:珱瑠 耀

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前エピソードの修行部は「法王」コミュの担当です
ぶっちゃけ法王と修行部にはシナジーとかそういうのはありません
埋めてたらこうなりました(白目)


鳴上悠:片棒

一時間ほどの長い手荷物検査を受けて、ようやく窮屈な時間から解放される。

 

「やっ……と、入れた…………」

 

「いやぁ、早く入れると思ったけどそんなことは無かったね」

 

背筋を伸ばせば、ポキポキと背中の凝りが取れる感覚。

 

高い壁の内側、その中を歩く生徒達の制服は一種類。

 

自分達は今、ワイルドハント芸術学院に居た。

 

キヴォトスにおける「芸術の故郷」と言われるこの学院は、絵画や音楽、服飾など「芸術」を基本の学科としており、その作品のクオリティや評価などからワイルドハントの学生というだけで一定の信頼が確定しているとも言われている。

 

「……しかし、街並みも綺麗だなぁ。芸術の故郷って言われるのも納得」

 

「やっぱり(怪盗)にはわかるんだ?」

 

「うん。統一された色合いとか造りとか、主張が激しい訳ではないけど美しさがちゃんとある」

 

ぐるぐると周りを見渡して感心したように言う蓮。

 

「トリニティやゲヘナと同じくらいの歴史があるって位だからね」

 

周囲から見ればすっかりお上りさんな蓮の背中を押して、近くの喫茶店へ。

 

三人分のモーニングを注文して、依頼主に一報入れるとテラス席で一息。

 

「……よし、取り敢えずゆっくりしながら合流を待とうか」

 

「見た所店多いけど、迷わなかったね」

 

「元々ここを予定場所にしてたからね。依頼主が以前学院の外に出た際に迷子になって、それを自分達が助けたからお礼がしたい……っていう()()()

 

最後の方だけを少し小さな声で溢すと、湊は納得して、蓮は苦笑いを浮かべる。

 

と、ここで店員さんが持ってきたモーニングを受け取り、一杯。

 

「あ、グアテマラと……マンデリンかな」

 

「よく分かるね……というか、そっか。居候先が喫茶店だったんだっけ」

 

「うん、コーヒーとカレーライスが一番美味しい」

 

「その二つが美味しい喫茶店は至高。まだトリニティで一個しか見付けてないけど」

 

「えっ気になる、有里さん後で場所教えて」

 

「良いよ。人気(ひとけ)も多過ぎなくてとても雰囲気良い」

 

「自分も前に行ったけど、本当に良かったよ。正義実現委員会の詰所が近くにあるのもあって治安も良いし」

 

三人で喫茶店の話をして盛り上がること10分弱。

 

「ぁ、あのぅ……」

 

灰色の髪に白いリボンを付けたワイルドハントの生徒が、遠慮がちに話し掛けてきた。

 

湊がそこに()()()を重ねる。

 

「1日が24時間じゃないって、君は信じる?」

 

一瞬だけ目を見開いた彼女は、すぐに言葉の意味を理解して答えを返す。

 

「———それはきっと、古い自分が死ぬ時間」

 

その返答に頷いた湊が席を促して、彼女が座った。

 

「……さて、依頼をしてくれてありがとう、依頼主さん」

 

「は、はい。えっと……ワイルドハント芸術学院2年生、桜井ミヨと言います。特殊交易部の部長……です」

 

「桜井さんだね。自分達はベルベット特別学園高等学校の異聞録学部。自分が部長の鳴上悠」

 

「有里湊、コンゴトモ=ヨロシク」

 

「雨宮蓮です。よろしく」

 

「宜しくお願いします」

 

お互いの名前を伝え合い、一息。

 

「あ、何か飲み物頼む?荷物凄かったしきっと喉とか乾いてるよね」*1

 

「えっ!?あ、いや、お気になさらず……」

 

「良いよ良いよこれくらい、そもそも自分達この学校に来るの初めてで案内も兼ねて貰いたいなって思ってたし」*2

 

「えと、じ、じゃあ……これを……」

 

「……鳴上さんっていつもこうなの?」

 

「悠はオカンだから……」

 

あれよあれよという間に桜井さんもモーニングを頼み、落ち着いたところで。

 

「ワイルドハントって外観だけでも凄く綺麗なんだね」

 

「雨宮、さん……そう思いますか?」

 

「俺的にはね。単純に仕事(怪盗)の影響もあるけど、高さがほぼ一律であったり、袖看板が大き過ぎないようにされていたり、一目見たらどの店だ?ってなるけど、その看板が分かりやすく描かれてるからそういう意味でも」

 

「よく見ていらっしゃるんですね」

 

「まぁね。だから、()()()()()()()時に美術館があるって聞いて、俺は個人的に凄く楽しみなんだ」

 

トントン、と静かに人差し指で鼻の辺りを叩く。

 

その仕草を見逃さなかった彼女が、ふっと微笑んだ。

 

「……では、芸術の街を通ってからは美術館に寄りましょうか?とは言っても、こちらも検問が必要ですが」

 

「美術館か……申し訳ないけど、自分達じゃ暇な時間を過ごしそうだ」

 

「大丈夫ですよ。入口にはお土産屋さんもありますし、この付近であればお店も色々あります。この先にあるエピファニー広場を目印として自由に回りましょう」

 

「蓮、桜井さんを引き摺り回さないように」

 

「有里さん酷くない?」

 

コーヒーを飲み干した湊さんの言葉に笑いが生まれる。

 

それが落ち着くと同時に、僕達はゆるりと席を立った。

 

「さて……それじゃあ、行こうか、湊」

 

「ん。じゃ、宜しくね、桜井さん」

 

「はい、また後程」

 

「楽しんでくるよ」

 

自分と湊、蓮と桜井さんの二手に別れて歩き始める。

 

その途中で湊が欠伸を噛み殺しながら呟いた。

 

「……にしても、びっくりだよ」

 

「まぁ、それは同感」

 

 

 

 

——————()()してくれ、なんて。

 

 

 

 

 

▽ここまでの物語を記録しますか?

 

>はい

いいえ

*1
寛容さ:オカン級

*2
聖母の如き微笑み




ということでワイルドハントです。
地理はよく分かってません。
ゲーム内のスケジュールポイントがマップのどこに該当するか分かってないので、本館と寮と鐘塔と広場くらいしかパッと見では理解できてないです。
なのでなんか違くっても悪しからず。

ミヨちゃんのじっとり具合良いですよね……
情報館の隅っこの方で隠れてイチャイチャしてそう(偏見)



なんか主人公ズにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=332370&uid=276197

刈り取るさんの方の話(完結済)↓
https://syosetu.org/novel/349213

現地オリ生徒(覚醒者)とのストーリーが浮かんでしまいました。このストーリーについて意見をお聞きしたいです。

  • 見たい(本編同時空で)
  • 見たい(本編別時空、Ifストーリーで)
  • 見たい(全く別の作品として)
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