シン・ドラゴンボール~無能神とは言わせない!界王神になったオレの奮闘記~ 作:ヤーター・ヤッタター
ザマス回想録をしばらくよろしくお願いします。
あと、DAIMAで判明した設定諸々の扱いはアニオリ・ゲーム・Z映画と同じ「個人的主観により取捨選択」に決めました。小説タグも変更済です。
特にグリンド人周りは拙作オリジナルの独自解釈・捏造設定が多くなります。
今回はその辺の解説・説明回です。
ザマス回想録:偏見
ザマスは今でこそ第7宇宙・界王神であるシンの筆頭従者の立ち位置にいるが、実は従者の中では1番の新参者に当たる。主君であるシンがザマスの優秀さを評価してくれているので筆頭として従者たちを率いてはいるが、シンと接した時間は第7宇宙に数多いるシンの配下の中でも最も短い。
更に言えば、ザマスとシンが出会ってからの期間の方がパイクーハンと『シェン』が知り合ってからの期間よりも短い*1。
例え1000年にも満たない、数億数千万と存在し続ける神々にとっては瞬きの間だとしても、ザマスは自分こそが主君に寄り添える存在だと自負している。
主君への忠誠心は誰にも負けない。
けれど、実はザマスが初めてシンと出逢ったとき、ザマスにとってシンは『気に食わない存在』だった。
ザマスは今でもその浅慮を悔いている。
++++
「第7宇宙の界王神様、ですか?」
「ああ、そうだ」
ザマスが淹れた茶に舌鼓を打ちながら第10宇宙の界王神・ゴワスが答える。
当時のザマスは界王として北の銀河を治めていた功績が評価され、界王神の後継者として異例の大抜擢を受けて間もない頃だった。
「明日
各宇宙間の移動は界王神とガイド天使にだけ与えられた特権だ。界王神と同等の立場である破壊神ですらガイド天使の力無しでは各宇宙の枠組みを越えることはできない。
それでも『各担当宇宙以外への干渉は最低限』というのが暗黙の了解となっている。だから界王神同士の交流はあまり頻繁なものではないのが通常だ。
「承知いたしました。同伴者はいらっしゃいますか?」
「いや、シン殿単身でいらっしゃるようだ。好き嫌いはあまりないようだが、前に出した南銀河の果実は気に入っていたように思う。季節とはズレてしまうが、
「承知いたしました」
本当に珍しい、とザマスは思う。
もともとザマスの師であるゴワスは客人と茶を交わすことを好んでいるが、今回は相手が本来交流があまりないはずの別宇宙の界王神だ。それも好物の有無を理解しているほどに席を共にしているということは、それなりに長い付き合いになるのだろう。
ザマスは脳内のタスク管理に
さて、どのような神なのだろうか。
++++
「お久しぶりです、ゴワス殿。お時間をいただきありがとうございます」
最初の印象としては、小さいな、というのが本音だった。
ザマスより頭2つ分は低い小柄な身長に、細い手足。後ろ手に組んだ両手も決して大きいとは言えなかった。
(この方が、第7宇宙の界王神様であるシン様……グリンド人、か)
グリンド人である以上、幼い見た目をしていてもザマスの数万倍は生きている存在なのだろう。
──グリンド人。
かつて魔界にあったという『グリンドの樹』から生まれ、宇宙成立の際に界王神の一族となった種族。
そして、魔界にあった『グリンドの樹』が全て枯れ果てたために、滅びが確定している種族。
ザマスを含め、各銀河の界王たちはグリンド人と似た見た目・能力を持っているが、グリンド人ではない。
グリンド人は
だが、そうして根付いた『グリンドの樹』は『グリンドの樹』ではなくなってしまった。
それまでグリンド人を生み出すために実っていた『金色の実』は滅多に実ることはなく、代わりに変質した『鈍色の実』を実らせるようになってしまった。『鈍色の実』から生まれた者はグリンド人とは見た目が異なる者も多くおり、その能力もグリンド人には遠く及ばないほど劣化していた。
極々稀に実らせた『金色の実』から生まれた者はグリンド人と見た目も能力もさほど変わらないが、それでもその寿命はグリンド人より遥かに短かった。『鈍色の実』生まれに至っては更に寿命が短い。
故に、そうして変質してしまった『グリンドの樹』とそこから生まれる種族はその名を改められた。
変質してしまった樹を『界樹』、そこから生まれる種族を『芯人』と──。
宇宙成立当時は界王神はグリンド人のみだったという話だが、現在は世代交代が進み、グリンド人と『金色の実』生まれの芯人が混在しているのだという。
その中でもザマスの師であるゴワスは宇宙成立当初から界王神を務めている最古参の界王神だ。*2
「よくいらっしゃった、シン殿。どうかおかけください」
ゴワスはいつもの和やかな顔でシンに座るように促す。シンも穏やかな顔をして頷いた。
ゴワスが居住する界王神界に存在する宮殿。その中央に存在する整えられた中庭にある東屋で、2人の界王神たちによるお茶会が始まろうとしていた。
「では、失礼して。あ、これはうちの界王*3が焼いたシフォンケーキです。前回お持ちした際に気に入っていらしたと話したら、今回も張り切って焼いてくれました。日持ちしますし今回はかなり数もありますので、後程他の方々にもお配りください」
「おお、これはこれは! シン殿のところの界王殿には感謝をお伝えください。いやぁ、前回本当に美味しかったので、とても嬉しいです! あ、こちらもお茶請けを用意していますよ。シン殿が気に入っていらした果実です。季節柄ドライフルーツとなってしまいますが、水分が飛んだ分旨味が凝縮されているので楽しみにしてください」
「おや。ゴワス殿、ありがとうございます。うちでも似たものがないのか探したのですが、何というか『何かが違う』ってなってしまいまして……」
「ほほ、そうでしたか」
シンが指を鳴らせば机の上に小さな箱が1つ、すぐ傍に浮かぶように大きな箱が1つ出現した。
ふわふわと浮かぶ箱を見ながらザマスは内心目を見開く。まったく術の気配がしなかった。転移か、どこかに隠し持っていたのか……。いや、宇宙を跨いだ転移はいくら界王神とはいえ不可能だろう。そうなると不可視の
(幼い見た目であっても界王神様か……)
大きな箱は
入れ替わるように、茶の準備を終えたザマスが東屋に入る。
「お待たせいたしました。北銀河にて冬に朝積みされた茶葉を使った紅茶と、南銀河にて名産となっている果実を干して作ったドライフルーツです」
「ありがとうございます」
「ありがとう、ザマス。シン殿、ザマスの茶は淹れたてが1番美味い。どうぞご賞味くださいませ」
「では、お言葉に甘えて。いただきますね」
シンはティーカップに手をかけてゆっくりと口を付ける。するとその目を輝かせ、皿に盛られたドライフルーツを手に取りそれも口の中に入れる。じっくりと時間をかけて咀嚼し終えたシンは、ほぅ……と感嘆の息をついた。
「柔らかで優しい香りと濃密な果実の味がマッチしててとても美味しいです」
「ふふ、そうでしょうそうでしょう」
したり顔でゴワスが頷く。
ザマスも内心「当たり前だ」と笑った。お茶請けに合わせて茶葉を選定したのも、実際に淹れたのも自分なのだから、不味いわけがない。
「そうだ、シン殿に紹介させてください」
茶を注ぎ終わり退出しようとしたザマスを呼び止め、ゴワスは隣に立つように示すとシンに向き直った。ザマスは黙ってゴワスの指示に従う。
真正面から見たシンの顔は、想像以上に幼い顔つきをしていた。
「最近弟子に取りましたザマスです。元は北銀河の界王を務めていたのですが、とても優秀だったこともあり、わたしの後継として引き立てました。ザマス、シン殿にご挨拶を」
「只今ご紹介を賜りました、ザマスと申します。お会いできて光栄です、シン様」
「わたしこそ、お会いできて光栄です。第7宇宙にて界王神を務めているシンと申します。よろしくお願いいたしますね、ザマスさん」
頭を上げてください、と促されザマスは顔を上げる。こちらを真っすぐと見つめる黒い瞳は人の良さそうな笑みを作った。
「それにしても、元・界王ですか」
「……、」
シンはザマスをまじまじと見つめながら言う。
その言葉に、ザマスは表情を必死に固めた。少しでも気を抜くと、不快の感情が表に出てしまいそうだったからだ。
その言葉の意図は簡単に想像できる。
(『鈍色』が次期界王神など身の程知らず、相応しくないと言いたいんだろう!?)
──後継者に『鈍色』を指名するなど、ゴワス様も耄碌してしまったのでは?
ザマスが後継者としてゴワスの弟子になってから耳にタコができるほど言われた言葉だった。
ゴワスの宮殿には昔から務めている従者が多くおり、その中には『金色の実』生まれの芯人だって存在する。それを飛び越えて『鈍色の実』生まれの芯人が指名されたことを、彼らはあまり面白く思っていなかった。
「ゴワス殿が見出した方だ。とても優秀なのでしょうね」
(なんという嫌味だ。皮肉にもほどがある)
「ええ、わたしもザマスには期待しているんです」
(ゴワス様、今は貴方の明朗さが憎くてたまらないっ!)
ザマスの師であるゴワスは他人の悪意を流しがちなのが欠点だった。今だってにこにこと暢気にシフォンケーキを食べている。
ザマスは顔を合わさないように黙って目線を下げる。早くこの場から立ち去りたかった。
「そう言えば、シン殿は何か話があるとか」
「はい。実は、ゴワス殿の知恵をお借りしたいことがございまして……」
「でしたら、このザマスも同席させても宜しいでしょうか? シン殿の話はいい糧になると思いますので」
「っ!」
だが、ザマスの師がそれを許してくれなかった。
ザマスは思わずゴワスを見るが、ゴワスはいつものように朗らかに笑うだけだった。
「ええ、構いませんよ。わたしの話が糧になるのかはわかりませんが」
「…………それでは、わたしも同席させていただきます」
シンは変わらず人の良さそうに見える笑みを浮かべている。
ゴワスが従者に声をかけてザマスの分の椅子とお茶一式を用意させる。ここで逃げたら負けだと自分に言い聞かせ、ザマスは大人しく用意された席に腰を下ろした。
++++
当時のザマスは己の生まれに
ザマスは自分の優秀さを知っており、北銀河の界王を完璧に勤め上げたと自負している。そして、それを評価され界王神の後継者として指名されたことを誇りに思っていた。
己の実力が正当に評価をされたのだと胸を張っていた。己こそが第10宇宙を統べる次代の神に相応しいと自惚れていた。
だが、生まれだけはどうしようもならない。どう足掻いても、ザマスが『鈍色の実』から生まれたのは変えられようのない事実だ。
ザマス自身がどんなに自分が『金色』よりも有能だと自負していても、その事実はいつまでもザマスを蝕んでいた。
先祖返りなのかはわからないが、ザマスの見た目や能力が『金色』に劣らずグリンド人に近かったことも、逆にザマスを惨めにさせた。
だから、目の前に現れた自分より幼い見た目をしているグリンド人を見て、どうしても劣等感を刺激されずにいられなかった。
『鈍色の実』生まれの芯人は『金色の実』生まれの芯人より劣り、『金色の実』生まれの芯人は本家本元であるグリンド人より劣る。それは常識のように周知されていたし、ザマス自身も心のどこかでそう思い込んでいた。
……そんなわけ、なかったというのに。
『鈍色』だとか『金色』だとか、芯人だとかグリンド人だとか、神と人間ですら、関係などなかったというのに。
当時のザマスはあまりにも考えなしだった。あまりにも視野が狭すぎた。
主君の真っすぐなお言葉を受け留めることができなかった。
あのお方は、ただ心の中から純粋に、ザマスを褒めていただけだったというのに。
ザマスは今でも、当時の浅慮を悔いている。
今回の話を執筆するまでパントリーとカントリーを間違えてたアホが自分です。
・各宇宙間の移動
界王神とガイド天使にのみ与えられた特権であり、破壊神には与えられることはない
超未来編でザマスが宇宙間を移動できたのは、界王神の引継ぎ中だったため例外的にその特権が与えられていたから
拙作ザマスさんはあくまでも筆頭従者のため、現時点ではその特権を与えられていない
・グリンド人関連のDAIMAとの変更点
DAIMAでは『グリンドの樹は全て枯れ果てた』となっていますが、拙作では『各宇宙への挿し木に成功し、根付いた樹は界樹と名を改め存続している』としています
それでも純粋なグリンド人が滅びに往く種族であることは変わりないですが……
・界王神たちの種族
グリンド人:アナト①、オグマ⑤、フワ⑥、
『金色の実』生まれの芯人:ペル②、エア③、クル④、ロウ⑨、大界王神、西南北の界王神*1
『鈍色の実』生まれの芯人:ザマス(先祖返り)、キビト*2、東西南北の界王、大界王
※名前の後の数字は現役界王神が管理する各宇宙の番号
※DAIMA第10話の説明シーンで登場したキャラ=グリンド人と解釈
※
・他、拙作でのグリンド人の捏造裏設定
グリンド人の中でも同じ肌色*3は同じ樹出身の兄弟
順番は勝手なイメージによる生まれ順です
紫がかった薄桃色:老界王神、アナト①、クロノア、アリンス、オグマ⑤、
薄紫色:カイ⑪、イル⑧
黄緑色:アグ⑫、フワ⑥
黄色:ゴワス⑩
白っぽい水色:アイオス
※芯人は肌色が完全ランダムのため関連なし
・主人公の本名問題
第7宇宙の界王神こと主人公の本名は拙作では「シン」となります
DAIMAで判明した「ナハレ」はなかったことになりました
(ただ、響きは好きなので老界王神か大界王神の本名として再利用するかも?)
転生オリブーをオリキャラとして出してもいい? また、出すとしたらどのくらいのポジションがいい? ちなみに転生オリブーは前世の面影が全くないTS娘になります。 ※今のところはただの思いつきなのでアンケ結果の確約はできません。
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いや、要らん
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モブキャラでならいいよ
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出番の少ない端役ならいいよ
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次世代にガッツリ絡ませてもいいよ
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TS地雷です!!