転生中
「やぁ、おこんにちわ。」
声を掛けられて急に意識が覚醒した。今までは、どこか真っ赤な場所から綺麗な青い空間に移動したなぁ、という思考をまどろみながら辿っている感じだった。
「おやや、混乱してるみたいだね。OK、現状を説明するわ、君は殺された。んでもってこれから何処ぞの漫画かアニメかゲームの世界に転生してもらう。ドゥーユーアンダースタン?」
見上げてみれば蒼穹と表わせられるべき空に薄い雲がちらほらと、首を巡らせれば地平線は果てし無く風はない。
「ヘイ!アーユーOK?まぁ話しは勝手に進むしテンプレ乙って訳よ。じゃ、これらをアレしてアレしててくれる?」
怪しげな、真っ白な正六面体の箱。一面に丸い穴がある。
どうやらクジのようだ。
「さぁさサーサーハリィupハリィup!」
急かされるままに穴に手を入れて一掴み握れるだけの紙片を引っ張り出した。
「ふぁっきん!こぉのよくばりもんがっ!」
ペッチーンとビンタされた。口からアヒンと声が出たがおかげで正気を取り戻せた。
「はっ!こ、ここはドコッ?あなたの格好は何事っ!」
「だぁぁまらっシャイ!説明がめんどい!よって強制ダウンロードスタートッ!」
「だぁぁらばばはがばばばばばああああぁぁぁぁっっっっっっっ!!!」
身体に奔る痛みと衝撃の中、自分は死んでいることと、転生することを理解させられた。
「ヘイ!わかったかい?NOWの状況とこれからアレしてアレする未来に向かって行くアレなカンジがっ!」
「はひぃ、この上なくパーぺきにわかりましたぁ。」
筋骨隆々なビキニパンツ一丁な神様的存在にボロボロになりながらもDO☆GE☆ZAな姿勢で答える。
「んじゃ、早速あっちに送るからスタンドアァップ!」
「い、いえ、あの、できれば特典についての情報と説明を……」
説明をうながしつつ立ち上がると、しまったという表情をした
「あー、そこはあれしておくから…」
「いえっ!不安ですから!ちゃんと説明して下さいっ!」
「ええいっ、しゃらっぷ!」
ビシッと指を刺されると身体の言うことが効かなくなった。そして筋肉ビキニが何かを殴るような構えを取った。
「待てええい!あんたが話せば終わる話しだろうガッ」
筋肉ビキニから凄まじいプレッシャーがほとばしったかと思うと、
「ゴオォッ!」
腹に熱が奔った。多分、殴られた。
「トゥゥーッ!」
くの字に折れたところに目潰しアッパー。だったと思う。
「ヘェェーッルゥッ!」
胸に衝撃。背中に突き抜けるほどのそれを受けながら空を飛ぶ。ヘブンではないのかと心の中でツッコミながら、徐々に無くなっていく四肢の感覚。そして思い浮かんだ転生という言葉が妙に悲しかった。