【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】 作:財団先生
最近、先生の様子が変だ。
最近の先生がぼーっとしていることが多くなっている。
他の学校でも最近そんな調子らしい。何か悩みがあるのだろうか?
心配になった私はシャーレの当番である今日、先生に聞いてみることにした。
ユウカ「先生」
“どうしたの?”
ユウカ「最近、様子が変です。何か悩みがあるのでしたら私に相談してください」
“ありがとうユウカ。でも、この悩みは誰にも解決できないと思うよ”
ユウカ「先生、私心配なんです。この前なんてぼーっとしていたせいで少しの段差に躓いたじゃないですか。それに悩みなら打ち明けた方が何かいい解決策が思いつくかも知れませんし」
先生は少し沈黙した後、少し遠い目をしながら答えてくれた。
“…墓参りに行きたいんだ”
ユウカ「墓参りですか?」
その言葉を聞いてなんとなく理解した。
先生はキヴォトスの外からやってきた人だ。ならそのお墓もキヴォトスの外にある可能性が高い。確かに解決できそうにない悩みだ。
そこまで考えてユウカはふと疑問に思った。
誰のお墓なのだろう?と。
先生の親兄弟なのか?それとも…
ユウカは、疑問に思ったことを先生に質問することにした。
ユウカ「誰のお墓なんですか?先生の親兄弟ですか?」
“……母の命の恩人のお墓だよ。今日が命日なんだ”
先生の母親の恩人。ならお墓参りしたいのも当然ーーー
ユウカ「って今日が命日なんですか!?」
あまりにもさらっと口にしたので思わず突っ込んでしまった。
“クスッ”
先生は、ユウカの反応が面白かったのか笑った。
ユウカ「笑い事じゃありません!どうして今まで言わなかったんですか!?」
“言わなかったんじゃなくて言えなかったが正しいかな”
ユウカの言葉に先生が返す。続けて
“前職は秘密主義的でね。話すことができないことが多いいんだ。母親の命の恩人もその秘密に抵触する可能性がある以上話せなかったんだ”
ユウカ「…怪しい職場じゃないですよね?」
先生の前職があまりにも怪しすぎたせいでつい漏れ出てしまった。
“否定はしないよ。でも、やっていることは世界を守る仕事だ”
先生は少し誇らしそうに話す。そして
“そうだね。ユウカになら少しだけ話すよ”
先生はいたずらっ子のような表情を見せた。
少しの沈黙の後、ゆっくりと先生が話し始めた。
“私の母の恩人はね、消防士なんだ。キヴォトス人は炎に平気だけど僕らは違う。炎に触れるだけで火傷を負い、最悪死んでしまう。だから命懸けの仕事なんだ”
“私の母が幼い頃、大きな火事にあっしまってね。その時に建物の中に閉じ込められたみたいなんだ。その時に助けてくれたのが彼なんだ”
“でも母を助けた代わりに彼は全身に大火傷を負って亡くなってしまったんだ”
“母は彼に顔向けできるような生き方をしてきた。彼に命を救ってもらった以上、それに相応しい生き方をしないといけないって考えて、悩んで、焦って…大きな過ちを犯しかけた”
ユウカ「大きな過ちですか?」
大きく頷いた先生は少し悩んだ後、また口を開いた。
“ユウカ。もし過去を変えることができるとしたらどうする?”
突拍子のない質問に私は驚いてしまった。
ユウカ「過去を変えるって今は関係ないじゃないですか!」
“実はそうじゃないんだ。母の犯しかけた大きな過ちと関係がある。ユウカ。過去を変えたらどうなるか知ってる?”
どうしてこんな話題に変わったのか分からない。けど、過去を変えようとしたことそれが先生の母親の過ちなのだろう。だから真面目に答えることにした。
ユウカ「…バタフライエフェクトが起こると思います」
“そうだね。バタフライエフェクト。それが起こりかけたんだ。恩人に繋がる不思議な電話機があるんだ。母は研究者でねその電話機を調査していたんだ。その一環で亡くなった人に通じるのか?という実験をするために母に電話機を使わせたんだ”
“その結果見事に繋がったんだ。それも過去それも彼が死ぬ直前に。さっき言ったようにバタフライエフェクトが起きる可能性がある以上、実験は中止になった。だけど母は彼に伝えてしまったんだ。自分を助けた代わりに死んでしまうことを”
ユウカ「それじゃあ…」
分かってしまった。私も同じ立場なら同じことをするだろう。生きていて欲しくて。助けたくて。
“でも結局過去が変わることは無かったんだ”
先生のその言葉で少し拍子抜けしてしまった。…がすぐに本当の事に気づいてしまった。きっと彼は…
“母は助けられた時のことを何度も教えてくれたんだ。「大丈夫だよ。〇〇」彼はそう言って助けてくれたらしい。その時どうして自分の名前を知っているんだろうって思ったって”
気づけば私は泣いていた。バタフライエフェクトが起こらなかった原因は一つしかない。過酷な運命を知りながらそれでも助けに向かったのだ。それはどれほどの勇気がいるのだろう。
“ありがとうユウカ。彼のために泣いてくれて”
先生は背中を摩りながらユウカが落ち着くのを待った。