【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】   作:財団先生

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アビドス、便利屋68編 下

 対策委員会室でゆったりしていた先生達。今日は一日は予定はない。うとうと眠気が襲ってきていた。

 ドタドタドタ!と廊下を走る足音が鳴り響き、眠気が覚めてしまう。扉に注目すると、扉から勢いよくセリカが入ってきた。急いでやってきたのか、息切れを起こしているようだ。表情は焦り切っている。

 

 “どうしたの?セリカ”

 

 セリカ「ぜぇ、ぜぇ、し、柴大将が、柴大将が…」

 

 ノノミ「セリカちゃん落ち着いてください!」

 

 セリカ「柴大将が攫われた!」

 

 セリカの大声が部屋中に響き渡る。

 

 ノノミ「柴大将がですか!?」

 

 セリカ「そう、つい先程のことなんだけどーーー」

 

 セリカの話では、柴大将のお使いの帰り、屋台のまで帰っていたのだが、その目の前で柴大将が攫っていったのだという。柴大将を攫った男二人組を追ったものの、いつの間にか見失ったらしい。

 

 セリカ「そ、それでみんなで一緒に柴大将を探して欲しくて」

 

 息切れを起こしながら頼み込むセリカ。

 

 シロコ「ん、当然。柴大将には世話になってる」

 

 ノノミ「はい!柴大将に恩返しをする番です!」

 

 アヤネ「私も皆さんと同じです。必ず見つけ出します」

 

 ホシノ「準備万端だよー」(臨戦状態)

 

 “この世界で数少ないまともな大人…逃すわけにはいかない!”

 

 セリカの言葉に皆返す。そんな中、D-0442は嫌な予感がしていた。

 

 D-0442「まさか…監獄の奴らか?」

 

 不安を残しつつ、柴大将が見失った場所へ向かうのだった。

 

 現場に到着すると、そこは見晴らしの良い道路出会った。廃墟と、数台の車しかなく、足跡も残されていない。

 

 “手がかりがまるでない…”

 

 この状況に皆が困惑する中、シロコはあるものを発見する。

 

 シロコ「この車…新品みたい…」

 

 シロコが発見したのは連結駐車された3台の車の真ん中にある青い車だった。

 

 ホシノ「こんな所に新品の車を止めるなんて所用者は何をしてるのかな?」

 

 ノノミ「見たことのない車ですね⭐︎」

 

 セリカ「……それでこの車、柴大将の誘拐に何か関係があるの?」

 

 “D-0442。どうした?”

 

 対策委員会の皆は青い車を調査するために手に触れようとしている時、先生は、D-0442の様子が変なことに気づいた。

 D-0442「やめろ!」

 

 彼が突然大きな声で静止した。

 

 D-0442「先生。ペン貸してくれ」

 

 先生は無言で頷くと、自分が持っていたペンをD-0442に渡す。彼はペンをトランクに入れ、閉めた。束の間に開くとそこには…

 

 シロコ「ペンがない……」

 

 セリカ「はあ?どうしてよ?ありえないでしょ?」

 

 D-0442「やはり……間違いなかったな」

 

 “SCP-213-jpだと!?”

 

 対策委員会の皆が驚く中、D-0442と先生はこの車の正体に気づいてしまった。この車がクライスラーであり、SCiPであるということを。

 

 

 

 先生はD-0442の助言で、D-14134を呼ぶことにした。

 

 アル「柴大将が誘拐されたと聞いて手伝いに来たわよ?」

 

 カヨコ「柴大将にはお世話になってるから」

 

 ホシノ「応援、ありがとね」

 

 D-14134「見つけたのか?」

 

 D-0442「ああ。あの青のクライスラーだ」

 

 二人の男はクライスラーを見つめる。その横では先生がクライスラーのSCiPについて説明していた。トランクから異界に行けることや、その中にいるバケモノ達のこと、そして柴大将を攫った可能性が高いことを。

 

 セリカ「助けに行くわよ!」

 

 “いや、皆で行動するのは危険だ。ここは少数チームで行こう”

 

 ノノミ「少数チームですか?」

 

 “そう。あの異界は危険すぎる。だから全員を連れて行く訳にはいかない。そこでだここはホシノ、アル、来てくれるかい?”

 

 先生は、機動力の高く強いホシノと、狙撃能力が高いアルを選んだ。

 

 セリカ「ホシノ先輩なら大丈夫そうね」

 

 ホシノ「おじさんに任せてよ」

 

 ハルカ「アル様、頑張って下さい!」

 アル「も、勿論よ!」

 

 “D-14134、D-0442。案内を頼む”

 

 D-14134「ああ。当然だ」

 

 D-0442「了解」

 

 アヤネ「待ってください!お二人もですか?」

 

 “あの二人は異界をよく知っているからね。事情は後で話す。さあ、行くよ?”

 

 D-14134、ホシノ、アル、先生、D-0442の順番で入って行く。残された生徒達は彼らが無事であることを祈るしかなかった。

 

 “ここが監獄……報告書で知ってはいたが……”

 

 監獄に潜入した5人は周りを警戒しつつ、柴大将を探していた。

 

 D-0442「ここの突き当たりに心当たりがある」

 

 “何があるんだ?”

 

 D-0442「一言で言えば新入りを調べる場所だな。俺もそこに行った」

 

 “了解。ホシノは前衛を。アルは中央でいつでも狙撃できるように。D-14134、D-0442は後ろを警戒してくれ”

 静寂な雰囲気に呑まれそうになりながらも警戒を怠らない5人。

 

 柴大将「やめろ!離すんだ!」

 

 5人に聞こえる形で柴大将の声が聞こえてきた。

 

 アル「柴大将の声!行きましょう?」

 “ああ。警戒を怠らず行くぞ!”

 

 声の方へ進むに連れて柴大将の声も大きくなる。

 

 柴大将「離してくれ!今から開店する時間なんだ!」

 

 アル「柴大将!」

 

 柴大将「どうしてここに!?」

 

 5人が見たのは、イソギンチャクみたいなバケモノが柴大将を脇に抱えた姿だった。

 

 アル「助けに来たのよ!これでもくらいなさい!」

 

 アルによる狙撃は、バケモノの頭にクリーンヒットした。が、効いていないようで、何事も無かったようにこちらを見ている。

 

 アル「えっ!?嘘!?」

 

 D-14134「言い忘れていたが、あいつらに攻撃は通用しないぞ?」

 

 D-0442「本来は逃げるしか無いんだがな」

 

 “柴大将を助けて逃げればいい!ホシノ、いつでも助けれるように準備しておいて!”

 

 ホシノ「了解」

 

 バケモノは柴大将を、抱えていない方の腕で攻撃をしてくる。ホシノはそれを避け、顔にショットガンをぶっ放す。

 

 ホシノ「うへぇ。攻撃が効かない相手なんて初めてだよ」

 

 “ホシノ!無理に攻撃しないで!守りに転じてくれ!アル!一定の距離を保って牽制して!D-14134とD-0442はバケモノの周りを回り警戒させて”

 

 アル「任せなさい!銃弾が効かないだけなら問題ないわ!」

 

 D-14134「Fa◯k!まさかバケモノと正面でやり合わなきゃいけねぇとか最悪だ!」

 

 D-0442「こちとらバールしか武器がねぇんだけど!」

 

 “D-14134、カウント3で、渡した閃光弾を投げて!皆は目を瞑って!……3!2!1!”

 

 カッ!!と爆発した閃光弾から強い光が溢れ、一面を白色に染め上げる。バケモノは悲鳴のような唸り声を上げ、両手で目を覆った。

 

 “ホシノ!!”

 

 ホシノは尽かさずバケモノの手から離れた柴大将を捕まえると、先生の側に戻ってきた。

 

 “撤退!!”

 

 すかさず撤退しようと走り始めた。

 

 D-14134「ブラザー。先生達を送ってやれ。俺は殿を務める」

 

 だが、一人の男はバケモノを見つめ動かない。

 

 アル「そんなの認めないわ!帰るわよ!ネームレス!これは社長命令よ!」

 

 D-14134「悪りぃな。俺はこいつらを見張っておく。先に帰ってなアル。いや、ボス!」

 

 アル「…帰ってきなさいよ?」

 

 D-14134「そいつは無理な相談だ。……ボス!Morituri te salutant」

 

 アル「何よそれ!?そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

 

 “アル、撤退するよ!走れ!!……D-14134!Morituri te salutant」

 

 アル「ちょっと!先生!引っ張らないで!」

 

 先生達は青い扉を通り、青い棺桶を開けてアルを押し込める。

 

 アル「ちょっと!せんせ……」

 棺桶の扉を鍵を使って閉める。するとアルの声が聞こえなくなる。

 

 D-0442「ホシノ。入りな」

 

 ホシノ「あなたは来ないの?」

 

 D-0442「ああ。俺は閉め続けなきゃならねぇ。すまんな」

 

 ホシノ「……分かった。無名さん。Morituri te salutant」

 

 D-0442「ああ。Morituri te salutant」

 

 ホシノは自ら棺桶に入ってゆく。D-0442は棺桶の鍵を閉めた。

 

 “まだ救い続けているのだな”

 

 D-0442「先生は俺たちのことを知ってたんだったな。ああ。どちらにしろ閉めて壊す人間が必要だろう。それに青春に俺たちのような罪人は要らないだろ?」

 

 “……私はそうは思わないけど。それを決めたのなら何も言わない。君たちは大人だから」

 

 D-0442「先生。妹が最後まで楽しむことが出来なかったあの子達の青春を…守ってあげてください」

 

 “当たり前だ。私は大人だからね”

 

 D-0442「さよならです。先生。Morit…いえ、ここは日本語で。幸運を死にゆく俺より敬礼を」

 

 “ああ。幸運を。死にゆく貴方に敬礼を”

 

 先生が棺桶に入った後、鍵を閉め、棺桶を破壊した。これであの世界への道は閉ざされた。

 

 

 

 しばらく混乱するであろう監獄。隠れるためにダクトに逃げ込む。

 

 D-14134「よう。逃げ切れたか?」

 

 ダクトにはすでに先客がいた。

 

 D-0442「ああ。皆帰ったよ。だが、夢の国に迷い込んだみたいだったな」

 

 D-14134「ああ。不思議な世界だった。……夢だったりしねぇよな?」

 

 D-0442「いや、それは無さそうだぞ?」

 

 そう言言うとD-0442は、胸ポケットから一本のペンを取り出す。先生がクライスラーの確認のために入れたペンだ。そしてそのペンにはシャーレの文字と紋章が刻まれていた。

 

 D-0442「見ろ。先生のペンだ」

 

 D-14134「夢じゃ……無かったんだな」

 

 しばらくの沈黙が流れる。

 

 D-14134「この状況……懐かしいな。初めて会った時を思い出す」

 

 D-0442 「ああ、懐かしい。あの時は30年前の人間と知って驚いたよ」

 

 再びの長い沈黙の後、D-14134は口を開いた。

 

 D-14134「…なぁ」

 

 D-0442「どうした?」

 

 D-14134「…死にゆく俺から敬礼を、ブラザー」

 

 D-0442「ああ。死にゆく俺より敬礼を相棒」

 

 

 

 “もう異常性は無いみたいだね”

 

 クライスラーに変化がないことを確認した先生は皆に伝えた。

 

 柴大将「皆、ありがとうな。……先生、あの兄ちゃん達はどうなるんだ?」

 

 “……これからも救い続けるんだろう。死にゆき忘れられるまで”

 

 セリカ「先生はあの人達のことを知ってるのよね?」

 

 “ああ。又聞きだが、確かに知っている”

 

 シロコ「ん。あの人達、自分のこと罪人だって言ってた。でも、そんな風には見えなかった」

 

 “いや、罪人だったよ。私的にはもう罪を償っていると思っているけどね”

 

 カヨコ「……ねぇ、先生。あの人達は一体どんな罪を犯したの?」

 

 “D-14134は国の為に……ここで言う学園のために命をかけて戦ったのに十分な補償もされないままずるずると下へ落ちていき、犯罪、アルコール、薬物…最後には警察官を殺害した。D-0442は自身の妹の暴行殺人に関与した6名の人物の殺害と、過去4度にわたる刑務所及び拘置所からの脱獄・逃走だな”

 

 セリカ「うわぁ…なんか同情しちゃうわ」

 

 “今度話すよ。二人の英雄t…”

 

 アル「なっなっ…」

 

 先生の言葉を聞いてから急に狼狽え始めたアル。疑問に思った先生は声をかけた。

 

 “どうしたのアル”

 

 アル「何ですってーーー!!!」

 ↑彼らのアウトローぶりに目を奪われてまともに話を聞いておらず、罪人であることを今知った。

 

【後日談】

 アル「これで止めよ!Morituri te salutant」

 

 バァン!!

 

 アル「あれ?まだ倒れてない!えっとMorituri te salutant」

 

 バァン!!

 

 アル「ふぅ…やっと倒れたわ…」

 

 

 

 カヨコ「ってな感じで最近よく二人の真似をしてる」

 

 “カッコよく決まっていないところはアルらしいね”




タイトル: SCP-1983 - 先の無い扉
原語版タイトル: SCP-1983 - Doorway to Nowhere
訳者: Porsche466
原語版作者: DrEverettMann
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-1983
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-1983

タイトル: SCP-213-JP - 監獄行きのクライスラー
作者: grejum
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-213-jp

タイトル: Silver Bullet
作者: kyougoku08
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/silver-bullet
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