【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】   作:財団先生

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ゲーム開発部編

モモイ「先生ってアリスに初めて会った時、“あの人みたいだ”って呟いたよね?それってどういうこと?」

 

 ミドリ「先生、少し嬉しそうでした。まるで憧れた人と同じ光景を目にしているみたいでした」

 

 ゲーム開発部部室。久しぶりにゲームがしたいとやってきた先生に姉妹二人は質問を投げかけた。

 そんな二人の言葉に私は少し驚いた。あの人と同じようなことをしたのがそんなに嬉しかったのか。私は少し恥ずかしくなった。

 

 アリス「先生達はアリスと出会ったことを話しているのですか?」

 

 モモイ「そうそう。アリスと出会ったあの日ね先生とミドリと三人でーーー」

 

 モモイがアリスに出会うまでのことを話している間に私は少し冷静さを取り戻した。

 私はあの人について知りたくて業務とは別に調べものをしていた。時には担当した博士に話を聞きに行ったりした。

 そしてSCP-147-jpに辿り着いた。

 

 モモイ「先生聞いてるー?」

 

 モモイの言葉で我に帰る。あの人のことになると深く考え込んでしまうみたいだ。

 

 モモイ「それでね先生。本題なんだけど、あの人って誰のこと?」

 

 ユウカにあの人のことを話してから私は皆にあの人を知ってほしいと思うようになった。だから彼女達にも話したいと思った。

 

 “あの人っていうのは私の母親の命の恩人のことだよ。あの人のおかげで母も私もこうして今存在しているんだ”

 

 モモイ「じゃあどうしてその命の恩人さんがアリスと出会った日のことと関係があるの?」

 

 モモイの言葉を聞いて私は話すことにした。SCP-147-jpと呼称されていたクラゲのような生物と母の恩人の出会いと別れのことをーーー

 

 “少し不思議なお話をしようか。これは一人の少年ととある精霊さんとのお話だ”

 

 “少年は一人山の中を歩いていた。

「今日はあの廃屋を探索しよう」

 なんだか今日はあの廃屋が気になって仕方がなかった少年は廃屋を冒険することにした”

 

 アリス「少年も冒険するのですね。仲間です」

 

 “少年は廃屋を冒険する中でふと地下室の扉を見つけるんだ”

 

 モモイ「地下室の扉!?お宝がありそうな雰囲気」

 

 アリス「はい!ゲームでは地下室の扉には秘密があるのは定番です」

 

 “少年は地下室に降りると緑に濁った大きな水槽があったんだ。恐る恐る覗くとそこにはクラゲのようなヒト型の生物が中にいたんだ”

 

 アリス「魔物ですか!?討伐しないと」

 

 “違うよアリス。この生物は友好モブのような存在だよ”

 

 アリス「魔物じゃないなら問題ないですね」

 

 “そう。じゃあ話を戻すよ。少年は最初は驚いた。そんな少年にその生物は話しかけてきた。

「ここから出してほしい」

 懇願するような声で頼んできたその生物のことが可哀想になった彼は

「大丈夫だよ」

 そう言うとその生物を妖精さんと呼び連れて帰ることにしました”

 

 モモイ「その少年すごいね」

 

 “そしてお風呂場で保護していたんだ。でも謎の生物を保護したのを誰からか聞いたのか研究者達がやってきて二人を保護したんだ”

 

 モモイ「二人は大丈夫なの?やばい組織とかじゃないよね?」

 

 “安心してほしい。残酷なことはしないよ。冷酷なことはするけど”

 

 モモイ「全然安心できない!」

 

 ミドリ「先生。今までのお話を聞いている限りその少年があの人っていうことだよね?」

 

 “そうだよ。あくまで報告書しか知らないから作り話に近いけどね”

 

 少し苦笑しながら答えた。報告書でしか知ることができなくなったこの物語をもう少し皆に話したい。

 

 “保護した研究者は妖精さんについて調べることにしたんだ。妖精さんは研究者と友好的かつ協力的だった。このまま何事もなく終わるはずだったんだ”

 

 モモイ「でもそうじゃないんでしょ?物語なら私はここでどんでん返しをするね」

 

 ミドリ「お姉ちゃん…」

 

 アリス「何が起こるんでしょうか?魔王がやってきて妖精さんを連れ去るんでしょうか?」

 

 “ある日突然、妖精さんは水の交換から水槽に帰らず戻ろうとしなくなった。研究者の仲間達が妖精さんを水槽に戻そうとするが抵抗され、少年がどれだけ呼びかけても水槽に戻る様子を見せなかった。そして…妖精さんは倒れ、二度と目覚めることはなかった”

 

 ミドリ「そんな…どうして…」

 

 アリス「アリスは分かりません。どうして妖精さんは戻らなかったのでしょう…」

 

 “彼女が永遠の眠りにつき、どうしてそのようなことをしたのか分からなくなってしまった。だから妖精さんとよく関わっていた研究者に話を聞くことにしました”

 

 “ 妖精さんは私に少年を解放してくれないかと頼んできた。

 研究者はその時のことを思い出しながら仲間へ話し始めた。

 

・・・

 研究者「少年を解放してほしい?無理だ」

 

 妖精さん「どうして?あの子は今、檻の中に居るのと変わらないじゃない」

 

 研究者「それでもだ」

 

 妖精さん「…あの子にはこれから色々な未来が待っていて、無限の可能性がある。あの子はいつか消防士になりたいと言っていた。けど、そうはならないかもしれないし、その通りになるのかもしれない。誰かをひどく傷つけてしまうかもしれないし、その逆に誰かの命を救うことになるかもしれない。どちらにしても、今のこの状況ではそうした可能性を持つ事さえあの子は出来なくなってしまっている」

 

 妖精さん「私自身がそれを奪っているのかもしれない。そんなの耐えられない。檻の中に閉じ込められ、自由を奪われる辛さを私は何よりもよく知っている。からこそ何とかしてやりたいの」

 

 少しの沈黙が流れる。

 

 妖精さん「…ほんの一瞬だけれども、あの子のおかげで自由を得る事が出来た、私はそれでもう充分なの」

・・・

 

 研究者「ーーーといった会話をした。」

 

 仲間「他には何か言っていましたか?」

 

 研究者「少年を解放してくれないなら自分があの子にしてあげられることは1つなんだ、と言っていたよ」

 

 仲間「それが何なのか、心当たりはありますか?」

 

 研究者「心当たり?私たちはそれを見たじゃないか」

 

 少年は妖精さんの狙い通りに三日後に解放され自由になったとさ。

 おしまい”

 

 賑やかだった部室は面影もなく皆、涙を流して泣いていた。

 

 ミドリ「…こんなのってないよ…」

 

 アリス「アリスは理解できません。どうして妖精さんが死ななければならないのですか?」

 

 優しい彼女達には辛いお話だったかもしれない。そんなことを考えていると、後ろのロッカーが開いて、中から泣いているユズが姿を現した。

 

 ユズ「ねぇ、先生。このお話をゲームにしてもいい?」

 

 “もちろん”

 

 私はその言葉を聞いて無性に嬉しくなった。そしてすぐに言葉を返していた。

 

 モモイ「ぐすっ…よーし、じゃあ、ゲーム開発開始だ〜!」

 

 泣いていたモモイが、突然大きな声を上げ、それに答えるように皆も慌ただしく動き始めた。

 その姿を見ながら私は青空を見た。

 妖精さん。貴方の話を聞いて彼女達が前に向き始めました。貴方のおかげです。

 ーーー貴方の意思は願いは今、少女達の夢に向かうための原動力になっています。

 慌ただしく動き始めたゲーム開発部に私は一言。

 

 “最高に面白いゲームを楽しみにしてるね”

 

「「「「はーい!」」」」

 

 後に発売されたノベルゲームは皆に絶賛されることになる。そのゲームタイトルはーーー

 

ーーー『この檻の外へ』




SCP-147-JP - この檻の外へ
by grejum
http://ja.scp-wiki.net/scp-147-jp

お別れの教科書
by toki_amo
http://ja.scp-wiki.net/147-jp-tale
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