【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】   作:財団先生

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スレで書き直した奴です。


ゲーム開発部編 その2

 モモイ「先生!助けて!」

 

 シャーレの部室の扉を突き破る勢いでゲーム開発部一同が入ってきた。

 

 アリス「アリスは先生にクエストを依頼しにきました!先生はクエストを受けますか?」

 

 “はい一択だね。それでどうしたの?”

 

 ユズ「えっと、実は今をゲーム作ろうと思っているのですが、全くアイデアが出なくて困ってたんです」

 

 モモイ「それで先生に妖精さんの話に似た話をしてほしいの!」

 

 どうやら彼女達はゲームのネタを求めてやって来たらしい。特にモモイは私の机に体を乗り出している。

 そんな彼女をミドリは静止しようとしていた。

 

 ミドリ「お姉ちゃん!先生にそこまでしてもらうのも…」

 

 モモイ「いいじゃん減るもんじゃ無いし。ね、いいでしょ?先生」

 

 “いや、今仕事で忙しくて……”

 

 モモイ「いいじゃん!いいじゃん!」

 

 突然、モモイが私の胸ぐらを掴むと、私の体を左右に揺さぶってきた。私の体はゆっさゆっさと揺れ、酔いそうになる。

 

 “分かった分かった。語るから!”

 

 モモイのお願いに負けた私はゲームのネタになりそうなものを考えるが……何も思いつかなかった。

 

 “どうしよう。何を話せばいいんだ?”

 

 仕事詰めで疲れ切った脳では何も思いつかなかったので、彼女達にリクエストをすることにした。

 

 “皆は何かリクエストとかあるかな?”

 

 アリス「はい!アリスは先人の勇者の話を聞きたいです!」

 

 私の問いに答えたのはアリスであった。アリスのリクエストである勇者のお話しなど、私には思い当たるものはなかった。だが、勇気ある英雄の話ならば一つ持っている。

 小さな子供を助けるために死んでしまった男であり、今も尚、地獄で足掻き続けている男のお話を。

 

 “そうだね、勇者のお話はないけれど、その代わりに英雄のお話はどうかな?”

 

 アリス「!アリスはその話を聞きたいです!先生!お願いします!」

 

 どうやら、アリスは満足してくれたようである。

 

 モモイ「やった!これでネタには困らないね」

 

 “そうだな…この話に名前をつけるなら『終わりのない英雄譚』かな”

 

 そう。これは私の同僚にして親友の英雄譚だ。

  

 “もし、黒い本を見つけても触ってはいけない。救ってくれた恩人を終わらない地獄に落としてしまうからだ”

 

 モモイ「終わらない地獄?」

 

 “そう。特定の人間にのみ現れる特別な本なんだ”

 

 アリス「特定の人間ということは選ばれた人ということ……つまり勇者ですね!」

 

 “うーん惜しいかな。正確には、『危険を伴う救命活動を行ったことで死亡した人物によって、命を救われた過去を持つ人物』、つまり勇者によって救われた人達の方だね”

 

 ミドリ「あれ?さっき死亡したって……」

 

 “そう。『勇者が姫を守るために命をかけた。勇者は死んだけど姫は救われた』と思ってくれればいいよ”

 

 モモイ「つまり、選ばれたのは姫の方なんだ。でも、どうして姫の方を?」

 

 “この本は、姫を介して勇者の物語を綴り始めるんだ。姫が危機的状況に晒された状態で始まり、それを前にした勇者が命懸けの救命を行うかの選択を迫られる』というものだ。表紙には『姫を救った勇者の英雄譚』のようなタイトルになるだろうね”

 

 モモイ「その本があったらネタに困らないじゃん!」

 

 アリス「はい!アリスはこの本を探してみたいと思います!」

 

 “ダメだよ。最初に言ったでしょ?触れてはいけないって。確かにこの本は『姫を救った勇者の英雄譚』を綴る。だが、それは『姫』を犠牲にしているんだ”

 

 モモイ「どういうこと?先生」

 

 “この本に触れると『姫』は現実から消滅して本の世界に囚われ、危機的状況に晒された『姫』の役をやらされる。そんな『姫』を『姫を守って死んだ勇者』が命懸けの救命を行うかの選択を迫られるんだ”

 

 アリス「もう一度姫を救うために蘇るなんて流石勇者です!」

 

 “アリス。そんな単純なものじゃないんだよ、この本は。『勇者』が助けることを選択した場合、状況に関わらず救命は成功し『姫』は救われるけど、『勇者』は例外なく死んでしまう。そして話は『勇者』とその行為に対する賞賛で締めくくられ終わる……訳がなく、次章が始まり、前章と異なる危機的状況が展開され、『勇者』は再び『姫』を救う選択を迫られる。このサイクルが何度も繰り返されるんだ”

 

 モモイ「何それ…ループものじゃん怖っ」

 

 “それだけじゃない。『勇者』だけが以前の章の記憶をすべて持ち越している状況に置かれている。つまり自分が死んだ記憶を保持しているんだ”

 

 モモイ「うそっ、そんなのつらすぎるよ!」

 

 “さらに、助けない選択をすれば『姫』は死亡し、『勇者』は消滅、タイトルは勇者を侮蔑する内容に変わる。つまり救っても死、救わぬも死、しかも尊厳を破壊するオマケ付きだ”

 

 ユズ「そんな…ひどい……」

 

 アリス「アリスは…アリスは認めません!こんな、こんなことがあっていい筈がありません!」

 

 “同感だ。救わない選択をしたら最後、『姫』からは見捨てられたと思われながら消滅するんだからな”

 

 ミドリ「地獄にも程があるよ……」

 

 モモイ「こんなことあっていい筈がない!」

 

 “私もそう思うよ。ある人は妹のために96回も足掻いた。けど心が折れ、『病魔に苦しむ妹を救った、心優しき兄の英雄譚』から『たった一人の肉親を見殺しにした屑野郎の物語』と侮蔑するようなタイトルに変更された。ある人は愛する息子を助けようと127回死んだ。だけど最終的には『まだ見ぬ我が子の命を救った、愛深き母親』の英雄譚から『無情なアバズレの息子として生まれたがために泣き叫びながら燃え尽きた少年の悲劇』という侮蔑のタイトル変えられた。本当にクソッタレな本さ”

 

 ユズ「こんなのって……こんなのって無いよ……」

 

 ミドリ「こんなの誰だって心が折れちゃうよ……」

 

 “そんな中、4668章を超えても尚、タイトルが変わらない本が一冊あるんだ。その『勇者』の役割を背負わされた男は圧死、溺死、中毒死……時には食われ、時には焼かれ…それでも諦めず、8歳の子供を救い続けている”

 

 モモイ「すごい!心が折れない人もいるなんて!」

 

 ユズ「本当にすごい……」

 

 アリス「アリスもその人を見習って立派な勇者になりたいです!」

 

 ミドリ「その人はどんな人なんだろう…?」

 

 “その人はね、誰よりも強く、優しく、仲間思いで、苦楽を共にした私の最高の親友だよ”

 

 私は皆に最高の笑顔で答えた。

 

 アリス「つまり、先生の友達は英雄なんですね!」

 

 “あいつはそうは思っていないだろう。だって……

 

『俺達は神でも英雄でもなんでもない。どうしようとない状況で奇跡を起こせる訳がない。俺達はただの財団のエージェントだ。ただ自分に出来ることで足掻き続けるしかなんだ』

 

 あいつが生前、俺に言った言葉さ”

 

 アリス「アリスは立派な英雄だと思います!」

 

 モモイ「私もアリスと同じだよ!」

 

 “私もそう思うよ”

 

 

【後日談】

『友を偲ぶ』

 “アイツの英雄譚を私は読んだことがある”

 

 モモイ「英雄譚って終わらない地獄のやつ?」

 

 “ああ。アイツは死んでも何も変わっちゃいなかった。諦めの悪くて最後まで足掻こうとしてた”

 

 モモイ「カッコいい人だね」

 

 “アイツの言葉のおかげで財団ヘイロー事件でも立ち上がることができた。やっぱりアイツは最高の親友だ”

 

 

『ブライトとの会話』

 ブライト「アリスという少女は、アンドロイドの類いであったね?」

 

 “そうですね”

 

 ブライト「ならば、SCP-079が宿ったのも納得だ」

 

 “そういえばアリスに宿ったSCiPはSCP-079でしたね”

 

 ブライト「ゲーム開発部に関わってから、SCP-079にやらせたいことが出来たんだ」

 

 “やらせたいこと?”

 

 ブライト「『TSC』をやらせる事だ。あれでSCP-079を無力化できるのではないかと考えた!」

 

 “確かにAI特攻ありそうなんだよなぁ……『TSC』”




SCP-268-JP - 終わらない英雄譚
作者: home-watch
http://scp-jp.wikidot.com/scp-268-jp

タイトル: SCP-079 - オールドAI
原語版タイトル: SCP-079 - Old AI
訳者: 訳者不明
原語版作者: Unknown Author
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-079
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-079
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