【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】 作:財団先生
サクラコ「先生。お時間、宜しいでしょうか?」
“どうしたの?”
シャーレの部室。仕事を終え、ひと段落した私にシャーレ当番であるサクラコが話しかけてくれた。
サクラコ「先生にご相談がありまして」
“どんな相談かな?”
サクラコ「トリニティでは、そろそろ謝肉祭の時期になります。この日にシスターフットのイメージを変えるような催しをしたいのです」
“シスターフッドのイメージ?どんなのだっけ?”
サクラコ「聞くところによると、『怖い』『拷問している』『何を企んでいるのか分からない』などと思われているようで……」
彼女達と関わっていると、そんな事はなく、むしろ優しい子達だと感じている。
“全然そんな事ないのにね?”
サクラコ「はい。ですので、謝肉祭でイメージを変える方法を考えて欲しいのです」
イメージを変える方法。私には一つだけある。財団公認キャラクターの裏話を思い出していた。
“そうだね。イメージを変えるなら『アイドル』なんてどうだい?”
サクラコ「アイドルですか?」
“そう。前職で『プロトコル・アイドル-835』という方法を利用した事でイメージを払拭できた事例があるんだ”
そう、知る人ぞ知る財団公認キャラクターの裏話。
サクラコ「それは素晴らしいですね。そのお話を聞かせていただけないでしょうか?」
“分かった。『プロトコル・アイドル-835』がどうして生まれたのか話していこう”
“始まりは前職の職場でのことだ。勤務している研究員や、機動部隊の隊員が謎の存在によって惨殺されてしまう怪奇現象が発生した。1ヶ月から3ヶ月の周期で発生し、それに遭遇した財団職員は10秒以内に致死量とみられる血痕を残して消滅し、二度と発見されることはなかった”
サクラコ「いきなり恐ろしい事件を話さないで下さい」
“ごめんね。だけど大切なお話なんだこの怪奇現象の。共通点があるんだ。
一つ目は発生した場所が夜間の路地裏や寝室など暗闇の中に沈む場所であることだ。
二つ目は被害者となった全員が前職に勤務する職員であること。
この二つが共通点として挙げられているんだ。だけどそれ以外には何も分かっていない。対処法も無い。その頃の職場は皆が恐怖に怯えながら業務をこなしていたんだそうだ”
サクラコ「いつ襲われるかも分からないのは恐怖でしかないのでしょうね」
“ああ。キヴォトス人では無い私達は少しのことで死に至る。恐ろしい事この上なかっただろうね”
サクラコ「しかし、この恐ろしい事件の原因はなんでしょうか?」
“この怪奇現象の正体はおそらく、暗闇に己を脅かす何かが潜んでいるのではないかという本能的な恐怖の具現なのだろうとされている。つまり恐怖という存在自体なんだ”
サクラコ「恐怖そのものですか。それは対処のしようがありませんね。この怪奇現象をどのように対処したのですか?」
“ああ。この絶望的な状況を一変するような事が起こった。
始まりはとある研究助手のデスクにて"怪奇現象の想像図"と題された漫画調の少女が手書きで描画された冊子が同研究助手の同僚職員らによって発見されたことだ。
その場で中身の確認を行ったところ、そのキャラクターには名前や性格、出自、能力などといった設定付けが成されていて、冊子はその日のうちに担当の研究者に提出されたんだ。
つまり、物好きな研究員が、この怪奇現象を萌え擬人化してしまったんだ”
サクラコ「えっと……萌え擬人化ですか?」
“そう。その物好きか考えた設定は以下の通りだ。
名前は消照闇子(けてる やみこ)。 主に黒の学生服を着用した黒の長髪を持つ10代後半の少女。外見年齢が10歳ほど上下する場合や学生服以外の衣服を着用している場合もあるが、非常に優れた容姿を持つとされる点はほぼ共通している。
無口で感情の起伏も少ないためその性格は陰気と評されることが多く、他者に自身の姿が見られることを強く嫌う。
"消照闇子"は暗所から暗所へ距離や遮蔽物を無視してテレポートを行うことができ、標的を殺害する際はその能力で接近し所持する大型の包丁を用い素早く攻撃を行う。
闇を意のままに操り物体を包み込んで消滅させられる能力を持っていると考えられるがその原理は不明。
その能力ゆえに誘拐され暗殺者として育て上げられたという過去を持っていて、現在の人格はこうした経緯から形成されたもの。
いつ死ぬか分からない状況で作り上げるようなものでは無いし、素人とは思えないクオリティだ。物好きな研究員は相当の凝り性みたいだ。業務中に何やってんだとは思ったけど”
サクラコ「ええ、ここまで肉付けできるとは驚きですね」
“その日以降、怪奇現象が発生しなくなったんだ。このことをきっかけに『プロトコル・アイドル-835』が始動することになった”
サクラコ「怪奇現象の正体は暗闇に潜む恐怖そのもの。その恐怖を別のイメージで塗り変えたのですね」
“そう。『プロトコル・アイドル-835』の内容は『物好きな研究員が作り上げた設定を全職員に広めることで怪奇現象の存在を『消照闇子』という美少女キャラクターとして財団職員の間に定着させる』こと。
そのために消照闇子をモデルとしたキャラクターグッズを作成し、彼女を主人公とした小説やアニメ映画とともに財団職員の間に普及させ、同時に彼女を主人公とした二次創作の作成を全面的に推奨したらしいよ。その結果、目論見は見事に成功し、怪奇現象の無力化に成功した。
サクラコ「可愛らしいキャラクターにすることでイメージを払拭させる。この方法ならばシスターフッドのイメージを変えることも可能ですね」
“そうかもね。実際、この一件以降、私の周りにもファンが一定数いたよ。私自身、キーホルダーを持っているしね。因みに彼女、福利厚生の一環として開催された夏祭りのあるライブで、舞台上にアイドルとして出現したことがあったんだ。
財団公認キャラとしての地位を築いている彼女の存在を多くの職員たちは、認知していたよ。そして、彼女の登場に恐れおののくどころかそのライブは大盛況で終わったんだ。
その日以降、時々、ライブがあってね。私もライブによく行っていたよ”
サクラコ「これはいけるかもしれません!先生、謝肉祭ではアイドルをする事で、シスターフッドのイメージを一変させて見せます!応援してください!」
“そうか。なら私は君を前面支援させてもらうよ”
これは謝肉祭が行われる前の出来事である。
【後日談】
『先生のしていること』
ブライト「……何をしているのかね」
“アイドルを応援するにはこれが一番なんですよ”
ブライト「そのペンライトを振り回す踊りがかね?」
“ええ、オタ芸という日本文化ですよ。アイドルと一緒に楽しむのです”
ブライト「わざわざ衣装まで変えてすることかね?」
“生徒を応援するのは当然です!”
尚、先生はサクラコ達だけでは無く他の生徒のうちわも作っていたうえに、オタ芸に至ってはキレッキレだった模様。
『日本人に見つかった結果?』
ブライト「SCP-835-jpの報告書を読んだ時、私はこう思った。『何やってんだ日本人!!』」
“まあ、日本人はなんでもサブカルチャーにしますし。私自身、そんなもんかなって思いましたよ”
ブライト「そういうところだぞ?」
“萌え擬人化でSCiPを無力化できるし、推しができる。一石二鳥とは正にこの事ですね”
ブライト「何言ってんだ!?本当にそういうところだぞ!!日本人!!」
タイトル: SCP-835-JP - ゼノフォビア(取り消し線)消照闇子
作者: home-watch
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-835-jp
タイトル: Summer Live!!!
作者: kyougoku08
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/am-i-idol