【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】 作:財団先生
注意⚠️曇らせ?かもしれないので、苦手な人は気をつけてね。
今、私はアビドス高校に来ていた。最近、ホシノの様子がおかしいと、シロコ達に教えてもらったのだ。
私は屋上でホシノと話すことにした。
“ホシノ、ごめんね。わざわざ屋上まで来てもらって”
ホシノ「いいよ〜。先生の頼みだしね。それでなんの用事なのかな?」
“ホシノ、最近寝不足らしいね。あまり寝れないようだけどどうかしたの?”
ホシノ「うへぇ……先生にまで心配されちゃうなんて……」
久しぶりに会ったホシノは隈があり寝れていないことが容易に分かった。さらには、昼寝もできていないようで、眠りそうになっても、すぐに飛び起きるようだ。
いつもと違う様子に流石の皆も心配だったようだ。
“何かあったのかよかったら教えてくれない?”
ホシノ「……先生にならいいかな……」
ホシノは俯いた後、意を決したように私を見つめた。その瞳は少し辛そうにしていた。
ホシノ「……財団ヘイロー事件が起こる前日に悪夢を見たんだ。それっきり同じ夢を見るかもしれないと思ったら眠れなくて……」
弱々しい彼女の両手は恐怖で震えているようだ。
“……よかったら教えてくれない?”
ホシノ「分かった」
ホシノは恐る恐る、その悪夢について話し始めた。
・・・
ホシノ「ここは?」
ふわふわとした感覚のまま私は目を覚ました。そこは夜のように暗い場所だった。
自分がベッドの上でないこと、立ったまま目を覚ましたことから、この状況が夢だと気づいた。
ホシノ「へぇ〜、明晰夢だなんて初めてだよ」
初めての明晰夢を見れたことに若干の驚きがあったが、自分の状況を確認することにした。
ホシノ「アビドスの制服だけかぁ……」
今自分が着ている制服だけで、他に何も持っていなかった。
ホシノ「まぁ、夢だし仕方ないかな」
この状況を楽しもうと、目線を前に向ける。目には一丁の拳銃があった。
ホシノ「ありゃ?拳銃だけ?」
私は気になって拳銃を手にした。
その瞬間、『まっすぐ歩いた先に殺さなければならない存在がいる』ことを理解した。
ホシノ「そんな、殺すだなんて……」
そう思いながらも自分の中では確信があった。動揺しながらも、私は拳銃を片手に歩き始めた。
???「ふんふんふん〜♪」
目の前で踊っている存在を見つけた。おそらく、目的の人物。その人物に私は見覚えがあった。
ホシノ「ユメ先輩?」
そう。ユメ先輩だ。だけど、考えたらここは夢だ。なら死人がいてもおかしくない。だけど、分かってしまった。私が殺さなければならない存在はユメ先輩だ。
私は分からないままにユメ先輩に声をかけた。
ホシノ「ユメ先輩。どうして踊っているんですか?」
ユメ「あっ、ホシノちゃん!そのね、夜の次には朝が来るから、ずっと、朝が来るまで踊っていられるんだ!」
声も表情もユメ先輩だ。なんとなく分かる。例え、夢の中だとしても会いたかった人。
ホシノ「疲れないんですか?」
ユメ「えっとね、不思議なことに疲れないの。ずっと踊り続けられる。そんな気がするんだ!ホシノちゃんもそうあって欲しいよね?だから朝が来るまでは踊らないと」
ああ。ユメ先輩だ。どうしようもなくユメ先輩だ。だけど、私は殺さなくてはいけない。じゃないと、目を覚まさなくなる。そんな気がする。
ホシノ「……そうですね。だけど、ダメなんです。私は朝が来ないと、目を覚まさないといけないんです。このままずっと居たいけど、私にも後輩ができたんです」
ユメ「そうなんだ。分かってたよ。ずっと踊っていたいけど、ホシノちゃんは嫌なんだよね?夜の中にいるのが嫌なんだよね?」
ホシノ「そんなわけ、そんな訳ありません!私は!先輩の踊りをずっと見ていたいです!ずっとずっと言いたいことがあるんです!できればあなたと踊りたい!……だけど、ダメなんです。後輩が待っているんです」
私の目から涙が溢れてくる。
ホシノ「分かってます。分かっているんです。これは夢で、本物じゃないってことも分かっているんです、死ぬほどに。だから、だからこそ……」
ユメ「ホシノちゃんにも後輩ができたんだね。ちゃんと先輩しているかな?」
ホシノ「私はダメダメです。後輩の皆にたくさん迷惑をかけて……」
ユメ「私は嬉しいな。ホシノちゃんにも後輩がいるだなんて。なら、アビドスは大丈夫だね」
ホシノ「はい。皆、いい子です。だから……」
ユメ「分かったよホシノちゃん。私との時間は楽しかった?」
ホシノ「はい、とてもとても楽しかったです。嬉しくて嬉しくて、だからとても苦しくて。そしてとても悲しくて」
ユメ「泣かないで。私は悲しくないし、苦しくないから。だから、夜明けまで踊っていられるの」
私は意を決して銃口をユメ先輩に向ける。震える手を無理矢理止めて標準を定める。
ホシノ「ユメ先輩、ごめんなさい。私はあなたを見つけることができなかった。私はあなたを」
ユメ「救えなかった」
銃声が鳴り響く。目の前でユメ先輩が倒れる。自分の意識がなくなっていく感覚がある。
ホシノ「ユメ先輩……」
その声の後、私は目を覚ました。
・・・
ホシノ「その夢の後からかな?怖くて眠れなくなったんだ。同じ夢を見るんじゃないかって……」
気持ちは理解できる。尊敬する先輩を夢とはいえ殺したのだ。どれほど辛く、苦しいか。どれだけ悲しいか。
トラウマになりかねない状況だった。そして、その悪夢について私は心当たりがあった。
“SCP-1917-jpか”
ホシノ「先生?」
“多分、大丈夫。もう同じ夢は見ないだろうね”
ホシノ「どうして?」
“それはSCiPの一つだから。今、全てのSCiPは幻想となっている。だから大丈夫。不安ならみんなで寝るかい?”
私は屋上にある扉を親指で指差す。そこにはアビドス高校のメンバーが心配そうな顔で覗き込んでいた。
ホシノ「みんな……」
“ホシノ。皆の元に行って安心させてやって。心配していたから”
シロコ「ん。ホシノ先輩は抱え込み過ぎ。私達にも相談するべき」
セリカ「そうよ!シロコ先輩の言う通りよ!」
アヤネ「はい。私達じゃ頼りないかもしれないですけど、それでも先輩の力になりたいんです」
ノノミ「私たちは仲間なんですから〜ね⭐︎」
ホシノ「みんな……ありがと」
ホシノは彼女達の方へ歩み始める。そんな彼女の背中を眺める。
ホシノの二つ名は『暁のホルス』。暁とは夜明け、明け方を意味する。もしかしたら、SCP-1917-jpはホシノだからこそ夢として現れたのかもしれない。
どうして現象であるこのSCiPが夢だったのか。真相は分からない。だけど、もしかしたらこれは必然だったのかもしれない。
ホシノ「先生もこっちにおいでよ」
“ああ、すぐにいくよ”
ただ、彼女が過去を背負い、乗り越え、前に進むというのなら、先生として世界の果てまで共にいるつもりである。
「ホシノちゃん。頑張ってね」
どこかで声が聞こえた気がして振り向く。だが、そこには誰もいなかった。
“気のせいか……”
ホシノ「先生〜先に行ってるよ〜」
“!すぐ行く!”
私は屋上の扉を閉め、ホシノ達の後を追う。
屋上で緑がかった薄い水色の髪が揺れ、透明になり、やがて消えていった。
タイトル: SCP-1917-JP - 夜が明けるまで踊らせて、それがダメなら貫いて
作者: kyougoku08
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-1917-jp