【宇宙から】ブルアカ✖️恩人三部作のクロスオーバー【キヴォトスへ】   作:財団先生

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シロコ*テラー編

 シャーレの部室。シロコ*テラーが業務を手伝いに来てくれていた。

 

 “ありがとうシロコ”

 

 クロコ「ん、問題ない」

 

 二人で協力して業務を片付けていく。私はふと視線を感じ、その方を向いた。シロコ*テラーは彼をじっと見ていた。

 

 “どうしたの?”

 

 クロコ「…少し先生のこと思い出してただけ」

 

 “……ああ、プレナパテス……消防士さんのことだね”

 

 あの日、私は消防士さんに会った。母の恩人にして私の理想の人物。

 

・・・

 プレ先“私の生徒をよろしくお願いします”

 

 “もちろんです。先生として、大人として必ず守ります”

 “最後に一つだけ。(母の名前)をお母さんを助けてくれてありがとうございました”

・・・

 

 シロコは理想の人から託された生徒。なら彼女は消防士さんについてよく知っている筈だ。

   

 “少し彼について話してくれないか?私も知りたいんだ彼のこと”

 

 クロコ「ん、分かった」

 

 そう言ったシロコ*テラー。深く深呼吸をした後に話し始めた。

 

 クロコ「今日みたいに業務を手伝ってたことがある。その時に先生がよく話してた。妖精さんのことと、一つの電話のこと」

 

 クロコ「あの日も今日みたいだったーーー」

 

・・・『プレナパテス時空』

 

 “手伝ってくれてありがとう皆”

 

 シロコ「ん、問題ない」

 

 ノノミ「シロコちゃんの言う通りです⭐︎」

 

 セリカ「しょうがないから手伝ってあげただけよ!」

 

 先生の業務を手伝いにアビドス高校の皆がやってきていた。いつもよりも多く、全員で業務をこなしていた。

 

 ホシノ「うへぇ…おじさん疲れちゃったよ」

 

 “そうか。なら、少し休憩しようか”

 

 アヤネ「それならコーヒーをお持ちします」

 

 アヤネは席を立つとコーヒーを淹れてくれた。

 

 “美味しい…”

 

 暖かいコーヒーでホッと一息ついた。

 

 シロコ「ん、先生、先生の世界について教えてほしい」

 

 “俺の世界のこと?普通だけど?なんで知りたいの?”

 

 シロコ「先生のことを知りたいから」

 

 “照れるなぁ。じゃあ、少し話すか…と言っても普通だよ?俺は普通の家の子供として生まれて、普通に消防士として働いてただけだよ?”

 

 ホシノ「先生は消防士だったんだ〜」

 

 ノノミ「カッコいいです⭐︎」

 

 “そう、消防士はカッコいいんだ。子供の頃からの夢なんだ”

 

 アヤネ「先生は消防士という職業に誇りを持っているんですね」

 

 “ああ。そのぐらいしか言うことはない……いや、二つほど不思議な体験をしたね”

 

 シロコ「不思議な体験?」

 

 ノノミ「うわぁ〜気になります!」

 

 “そうだなぁ、一つ目は俺が小学生の頃、クラゲのような妖精さんに会ったことがあるんだ”

 

 ホシノ「先生の世界には不思議な生物がいるんだねぇ。おじさん聞いたことないよ〜」

 

 “いわゆる未確認生物ってやつらしくて、専門家は興奮してたのを覚えているよ”

 

 “その妖精さんとは廃屋の地下で会ったんだ。妖精さんは緑色の水槽の中にいて、相当の期間放置されていたんだろうね。それで、俺はクラゲさんとお話をして仲良くなったんだ”

 

 ノノミ「不思議な出会いですね」

 

 セリカ「妖精さんを放置した奴、許せないわ!」

 

 “それでクラゲさんから俺ともっと話がしたいって言われて、俺も嬉しくなってクラゲさんを水槽ごと家に連れて帰ったんだ。そしたら研究者たちに見つかって妖精さんと一緒に研究所に連れて行かれたんだ”

 

 セリカ「誘拐じゃない!」

 

 ホシノ「先生、おじさんにその人達の居場所……教えてくれる?」

 

 “大丈夫。別に変なことは…いや、記憶消されたな。じゃなくて、あの人たちは妖精さんのような存在を一般人に知りれないようにしているらしいんだ。妖精さんは危険じゃなかったけど、中には恐ろしい存在もいるからって”

 

 アヤネ「確かに妖精さんのような存在がいたとして悪い大人がどのように利用するか想像つきますね」

 

 “俺が連れ去られた理由は、妖精さんが言う事を聞くのが俺しかいなかったから、らしいから。それでしばらく研究所で過ごしたんだ。でもある日、妖精さん水槽から出て戻らなかった。研究者達にも反抗して俺の言うことも聞いてくれなかった”

 

 セリカ「ど、どうしてよ!それじゃあ……」

 

 “うん。妖精さんは死んでしまった”

 

 シロコ「どうしてそんなことを?」

 

 “理由はなんとなく分かる。多分、俺のためだって。妖精さんは自分がいる限り俺が研究所から出ることはできないって分かってたのかもしれない。だから……”

 

 ホシノ「妖精さんは、先生を自由にしたかったんだね。閉じ込められる苦しみを知っているから」

 

 “俺は…俺は、いつかお別れが来るんじゃないかってどこかで分かってたんだ。俺は結局、お別れの言葉すら言えなかった。せめて彼女のことを覚えておこうと思ったけど、俺は記憶を消されて、日常に戻ることになったんだ”

 

 

 ホシノ「研究者たちは鬼か何かなの?」

 

 “いや、組織の方針だったらしいし、仕方ないんじゃない?それに研究者達は皆優しかったよ?まあ、二度と関わりたくはないかな”

 

 ノノミ「組織はアレでしたけど、素敵な出会いでしたね!」

 

 アヤネ「はい、泣いてしまいました」

 

 “それで二つ目は消防士になってから何年かだったあの日、消防署の緊急電話がかかってきたから出たんだ。電話の主は女性で、彼女は自分の名前を名乗ると、俺の名前と日付を尋ねてきたんだ。悪戯電話かと思ったけど、名前と日付を正直に告げたよ。そしたら、電話の向こうが急に騒がしくなったんだ”

 

 セリカ「?ただの悪戯電話じゃないの?」

 

 “私は不安に不安になって「どうしました?」って聞いたんだ。すると彼女は早口で答えたんだ。

 「今日、貴方は私を助けて死ぬから、私を助けないで!」

 って。「どういうことですか?」と聞き返そうとしたところで、電話は切れたんだ。

 これが悪戯だったとしたら、随分とたちの悪いものだろうけど、彼女の声色は必死だったから本当の話なんじゃないかと思ってしまったんだ”

 

 アヤネ「未来からの電話ってことですか?」

 

 セリカ「そんなこと本当にあり得るの?」

 

 “その数分後に家が火事になったと連絡があってね、急いで現場に向かったよ。家の中にまだ幼い子供がいると聞かされて、俺は迷わず火の中に飛び込んだんだ。火の中を掻い潜って進んだ先に女の子を見つけたんだ。その子を見た時、確信したよ。電話の女性だって”

 

 アヤネ「それじゃあ……」

 

 “女の子を救ったことは覚えているけど、そこからの記憶が無くてね。気づくとキヴォトスにいたんだ。たぶん、女の子を助けた後、俺は死んだんだろう”

 

 ホシノ「……先生はどうして逃げなかったの?死ぬと分かって怖くなかったの?」

 

 “怖くなかったと言ったら嘘になる。だけど、自分が生きることよりも俺が生きることを願ったたった一人の心優しい女の子の為なら命を賭けてもいいと思ったんだ”

 

・・・『元の時空』

 

 “消防士さん……”

 

 クロコ「先生、泣いてるの?」

 

 “いや、目から汗が噴き出ているだけだ。シロコ、教えてくれてありがとう”

 

 クロコ「ん、どういたしまして」

 

 先生。あなたは賭けに勝利した。この〇〇先生は、先生が助けた女の子の、女性の子供。確かに貴方の意志がこの人にも受け継がれてる。だから、見守ってて。




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