第0話:プロローグ
ーー今はむかしの、お話です
まだ魔界に、絶対の王がおりました頃
その名を、デルキラ
気まぐれで、豪胆で、
けれど誰よりも民を愛し、
笑っては世界を揺らすような魔王でございました
さて、その魔王には、
長く傍らに仕えていた一柱の悪魔がおりました
アムドゥスキアス家の、名をポロ
音を操る音魔にして、
十三冠が一柱
麗しく、気高く、
そして何より、デルキラ様を深く深く愛していた悪魔でございます
けれど困ったことに、
魔界の理からすれば、
男と男との間に子は生まれぬもの
その血を継ぐ子など、
誰も夢物語としか思っておりませんでした
ーーですが、愛とは時に、
理すら捻じ曲げるものでございます
ポロは、古き書庫を巡りました
忘れ去られた地下文庫を暴きました
禁じられた羊皮紙を読み解きました
そうしてついに、見つけ出したのです
同性同士であろうとも、子を成すことを可能とする"古代高等魔術の秘法を"
それは遥か昔、
過酷なる魔界を生き延びるため、
「より強く、より優れた血を残したい」
と願った悪魔たちが生み出した、
禁断にして奇跡の術でございました
その術より生まれた子らは皆、
類稀なる才を持ち、
王となり、
英雄となり、
学者となり、
ある者は大陸を治め、
ある者は千年続く名門を築いたと申します
されど、その術を行うには、
あまりにも多くの条件がございました
なかでも難しきは、
“ニンゲンの魂”
ニンゲンという存在そのものが、
魔界では幻獣同然に秘匿された存在
まして、定められた条件を満たす魂となれば、
それはもはや星を拾うに等しき難事でございました
故に、
その術を知ることを許されたのは、
ごく限られた高位悪魔のみ
数百年に一度、
奇跡のように、同性より子が生まれる
その程度の、
まこと稀なる秘術でございました
ーーですが、
デルキラ様とポロは、
ついに成し遂げたのでございます
幾千の困難を超え、
ひとりの子を、この世へ迎え入れたのでした
けれど、その赤子は、
生まれながらにして異様でございました
額には、
三つに分かれた角
そしてその小さな手には、
黄金の指輪が、しかと握られていたのでございます
赤子が何かを握って生まれることは、稀にございます
ですが、黄金の指輪を携えて生まれたなど、
古今東西、聞いたこともございません
ーーしかも、
それだけではございませんでした
かつてデルキラ様が残した"次代の魔王”の予言
その特徴に、その赤子は、
恐ろしいほど一致していたのでございます
ゆえに誰もが申しました
「ああ、この子こそ」
「次代の魔王である」と
両親は申すまでもなく、十三冠たちもまた、
目に入れても痛くないほどその子を可愛がりました
とりわけ三傑などは、「自分が師となる」と大喧嘩を始め、山を二つ更地にしたとも申します
……全く、良い迷惑でございます
結局、三人揃って師となりましたが、
次に揉めたのは入学先
揉めに揉めて、最終的には
くじ引きにて運を委ねた
……結果は、サリバン勤めるバビルス
魔界随一の入学者数を誇る名門バビルスへ入学し、のちにその他三傑のいる他校へ留学するという形で決着したのでございました
そのように、賑やかで、騒がしく、
けれど幸せな日々が続いておりました
ーーあのお方が消えるまでは
『ちょっと出てくる』
そう軽く言い残し、
魔王デルキラ様は、
ふらりと姿を消したのでございます。
一ヶ月
……三ヶ月
ーーー半年、と
誰もが、「また辺境へ遊びに行ったのだろう」と笑っておりました
ですが、一年経っても王は戻らなかった
愛する伴侶の降魔の儀にも
溺愛する息子の晴れの日にも
王は、帰ってこなかったのでございます
そこでようやく、皆、気づいたのでした
――デルキラ様が、消えたのだと
魔界は大混乱に陥りました
謀反を起こす諸侯、荒れる辺境、揺らぐ秩序
それでも十三冠たちは必死に魔界を支え、
なんとか国は保たれました
……ですが、
王のいない世界は、
どこか空虚でございました
そんな不穏な時代に、かの子は成長してゆきました
使い魔召喚では、
伝説の不死鳥を従え
位階六を賜れば、その才は瞬く間に魔界中へ知れ渡り
問題児クラスへ放り込まれれば、
不良悪魔どもを片端から叩き伏せ
収穫祭では、
ついにその声が覚醒したのでございます
【支配の声】
それは魔界の全てを支配する音魔の中でも最上級の魔術
彼がひとたび声を発せば、誰も逆らえなかった
ーーー否、喜んで、従ったのです
彼のお方こそ、魔界そのものであり、この世界を統べる王だと、本能が、彼を"王"と認めたのです
やがて彼の周りには、
多くの若き悪魔たちが集いました
魔界の番犬、
英雄の末裔、
公爵家の天才、
三傑の子息達、
雷帝の親類……
皆、彼に魅せられ、
彼を慕い、彼の隣へ並んだのでございます
ひとびとは彼らを、"若き十三冠"と呼びました
さらに彼らは、
決して裏切らぬ証として、
血を混ぜた杯を交わし、
古き契約を結んだとも申します
ーー黄金の指輪
ーー血の契約
ーー不死鳥の癒し
誰もが信じておりました
「ああ、この方こそ、次代の魔王である」と
そして日々は過ぎ、
卒業と同時に位階十となり、
そのまま戴冠式へ、と
…………そうなるはずでございました
卒業式の日、かの悪魔は現れませんでした
父と同じように
まるで最初から存在しなかったかのように、
忽然と、
魔界から姿を消してしまったのでございます
……多くの、彼を愛した悪魔たちを残して
好きなCPは?(市場調査)
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ダキ×ゴエモン
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ゴエモン×ダキ
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ダリ×ダロキア
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ダキ×アスモデウス
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ダキ×キリヲ
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その他(自由回答)