頑張って書き続けられるところまで頑張ってみるよ
「……おせぇ」
ーートントントントン
静かな自室にバールの指音が神経質に響く
バールはキリヲの定期報告を待っていた
計画開始のXデーまであと、3日もない
不測の事態に備える為にもいくつかの定期報告の時間を設けていた
なのに、だ
キリヲからは時間になっても連絡が来ない
「クソカスが」
バールはスマホを操作してキリヲの携帯へ電話をかける
この計画がどれほど大事か分かってるのか
例え失敗に終わったとしても
【キリヲをウラボラスへ送り込む】
コレを達成する為には、監獄送りにされるような事を起こした事を目撃されないといけないのだ
情状酌量の余地もなく、至極残虐な行為として
ーーppp、ppp、ppp
コール音が鳴り続ける毎にバールの苛立ちも増していく
机を叩く指音が激しさを増す
バールは約束を守らない奴が嫌いだった
《はい「てめぇ!!!かけたらワンコールで出ろつったろボケメガネェ!!!!」っ、》
キリヲが出たのを確認した瞬間、バールは瞬間湯沸かし器の如く怒声を浴びせる
《やぁ〜後輩達と楽しく作業をー、》
相変わらず、すっとろいメガネの舎弟にイライラする
定期報告ぐらい時間通りにかけられねぇのかコイツは
「うっせ知るか!!ちゃんと準備進んでるんだろうな!!!」
《ーー勿論ですよぉ》
今の所、計画通りに進んではいる
魔力増幅機を使い、バビルスでテロを起こす
そのためにバールはナルギスからリークされたサリバンの人間界への無断渡航のネタで強請って、魔関へ拘束することができた
あとは、学園側にいるキリヲ次第だった
《そうそう、聞いてくださいよ、兄さん》
「ああ"?」
《部員に新入生が、たくさん入ってきたって話したじゃないですか》
「4人も入ったんだっけか?サリバンの孫に、色頭の息子、トイトイの女…」
《魔神不死鳥を使い魔にした新入生》
キリヲの言葉にスマホを持つバールの手がピクリと反応する
《兄さんの、大好きな魔王子の使い魔や》
その言葉が耳に落ちた瞬間――
バールの脳裏に、鮮烈な青春の思い出が、炎が弾けるように蘇った
「……ふぅーーー、」
いやらしく指摘するキリヲに深いため息が漏れる
魔王子ダロキア
魔王デルキラの不在をまとめた悪魔
声ひとつで悪魔を跪かせ、
思想ひとつで群衆を狂わせる
溢れ出る魔力は世界を揺るがし、魔界の地形すら変えた
魔神を使い魔にする暴虐無人
しかし、双眸に映る黄金の熱も、
その滴る血すらも甘美で、抗えなかった
唯一無二の悪魔で、バールの先輩であり、人生を狂わされた男
(……だが、奴は俺たちを置き去りにして消えた)
ふと、その情景がフラッシュバックする
──黄金の炎が桜と共に舞う
ベアトリーチェの金炎を背負い、紫色の長い髪が風に揺れる
その髪の隙間から覗くのは、
破滅をも歓迎する狂気に濡れた瞳だった
(俺はあの目が一等好きだった)
目を閉じればダロキアの声が耳奥からリフレインする
【間違ってるさ、俺も、お前も】
嗤う声が脳内で響き、胸中を震わせる
【だから、この世界を有るべき姿へ変えるんだ、バール】
そう差し伸べられた手は一生涯忘れないだろう
(その一言に、俺がどれだけ、心揺さぶられたか)
世界を変える
俺とお前で
その熱に溺れ、抗えなかった
だが──
卒業の日、奴は姿を消した
約束を、誓いを、同志を、全て置き去りにして
『待てよッ!ダロキアを見捨てるのかよ!!』
『俺らは十分待った、なぁ?』
『うーん、アイツがいないならこのまま同じ船に乗る気は無いねぇ…』
『そーそー、お祭りには主役がいないとねぇ』
『僕もこのままサヨナラさせてもらうよ、せいぜいアイツの遺した遺産を活用させてもらうさ』
同志だった、仲間が、ひとり、ふたりと、去って行った
仲間が去る背中を見送るたび、バールは自分が滑稽な道化に思えた
それでも待った、狂ったように待った
ダロキアが戻ると信じて
(もう、待つ必要は無い、アイツの遺した野望は、俺が叶える)
黄金の炎が、未だ俺の眼窩の裏で燃え続け、
ダロキアがバールを呼ぶ声が、耳朶をねぶる様に離れない
(ああ…そうさ、俺は)
バールの携帯を持つ手に力が入る
いつまでも消えない過去の幻影に囚われた悲しき亡者だ
それでも、捨てきれないダロキアへの執念が、バールを今まで突き動かしてきた
「……そのあのクソ野郎と一緒の使い魔を手にしたとか言う不敬な野郎はどんな奴だ?」
《うーん、そうやなぁ…今年の新入生首席で、ランクは5、魔具作るのも上手いし、才能があるんやろうなぁ、独学にしては教え方が上手いんよ》
その言葉にかつてのダロキアの姿が重なる
その昔、バールも魔具研に入ることになった時、基礎や作り方やらをダロキアから教えてもらったのだ
【ふーん、筋がいいんじゃねぇの】
【テメェは、根が真面目だからな、こういう物作りに向いてるぜ】
武器生成の家系に生まれながらも、その力を恵まれなかった、自分に欲しかった、その言葉
まさにダロキアは悪魔誑しだった
その一言一言がまるで心臓へ張り付く寄生虫のようで、
その心地良さに溺れる様にさえ愛しさを感じていた
《あとなぁ…その子、兄さんが探してた"七つの大罪"を部室の魔王の宝物庫から取り出してたよ》
キリヲから告げられた衝撃のニュースに
バールは思わずその場で立ち上がる
「っ?!!なんだと!!」
ダロキアが失踪してから部室を引っくり返すかと思うぐらい探し回ったのに、ついに見つかることなく卒業してしまった
ダロキアが作成した魔具の中でも最高傑作と言っても過言では無い最凶武器がある
それが『七つの大罪』
武器自体が心を持ち、魔力に合わせて、その姿を気まぐれに七変化すると言うあまりにもクセの強い武器だが、使いこなせばそれこそ魔界一とまでいえる強力な破壊力を持つ兵器だ
「何がなんでもそいつから奪って来い!!!」
《それが、その子、取り出しもせず魔王の宝物庫の中に閉まってしまったんよ…僕でも出せないからやってみたけど出せへんかったわ…》
魔王の宝物庫
見た目にそぐわない容量を収めることのできる魔具
使用者の魔力と、使用目的を読み取り、そこから中にしまってある物を取り出す
つまりは、もう一度その新入生とやらが再び取り出さない限りは俺もキリヲも取り出すことは無理だろう
「……クソがッッッ!!!!!」
ーーガンッ
悔しさに、バールは目の前にあったテーブルを蹴り倒した
勢いよく地面に叩きつけられたテーブルは壊れ、破片が散乱する
《魔王の宝物庫ごと、持って帰ります?》
「……いや、いい、悔しいがソイツは後にする、今大事なのは、計画だ」
バールは後ろ髪引かれる想いを切り捨て、深呼吸する
本当は何がなんでも手に入れたいが、今我欲で計画を頓挫させるわけにはいかなかった
なんせ、自分たちが数十年にも渡り緻密に積み上げてきた計画なのだから
「俺たちで、嵐を起こす」
誰もいない廊下でキリヲは黙って、電話口のバールの声に耳を傾けた
「理事長不在の今、師団披露に乗じて学校をぶっ潰す」
サリバンはバールの策略で魔関に捕まり、尋問を受けている
バビルスの守護者が居ない今、事を起こすなら今だった
「前夜祭で行われる本祭へのカウントダウン、中庭に大勢の生徒が集まって鐘の音を聴く」
お祭り騒ぎの大好きな奴らのとこだ、きっと全生徒が中庭に集まる
「そこを狙う」
祭りの幕が上がる
胸を膨らませ、笑みを浮かべるその顔
――それが血に濡れ、絶望に歪み、悲鳴へと変わる瞬間を
そう想像するだけで、腹の奥からどうしようもなく愉悦がこみ上げる。
「被害はデカい方がいい」
愉悦を押し殺す喉の震えが快感だった
「この、計画に必要なのは、お前の能力と、装置だ」
後3日で、全てがひっくり返る
虚構の平和が崩れ、阿鼻叫喚の戦争の世がやってくる
「血で彩れ、お前が来たのだと、魔界へ示せ」
悪魔達よ震えて眠れ、我ら先祖返りが、
世界をひっくり返す
好きなCPは?(市場調査)
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ダキ×ゴエモン
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ゴエモン×ダキ
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ダリ×ダキ
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ダキ×ダリ
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ダロキア×ダリ
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ダリ×ダロキア
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ダロキア×バール
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バール×ダロキア
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ダキ×アスモデウス
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ダキ×キリヲ
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その他(自由回答)