魔王デルキラの息子   作:雨鬱

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第21話:思想

バチバチ、と稲光がバビルスの校舎に光り輝く

 

 

 

 

 

ダキは自分の手に現れた武器を見る

 

 

 

 

(嫉妬の騎槍か…

ランダムにしては当たりを引けたな)

 

 

 

 

嫉妬の騎槍

穂先から緑色の炎が漏れ、灼熱の陽炎の如く揺らめく

その幻想的な美しさ

七つの大罪の中でも高火力の武器として知られる

 

投擲すれば、穂先から溢れ出る緑色の炎で障害物を燃やしつくし、鞘尻から白緑の雷が槍を加速させ、回避不能の、最速武器と化するという伝説の武器である

 

 

「っ、…」

 

 

しかし、やはり伝説なだけはある

かなりの魔力を持ってかれた

体内の魔力が薄まり、魔力を増やそうと心臓が早鳴り、必死に酸素を送る脈音が耳音で激しく鳴動する

 

 

(これは、短期決戦じゃなきゃやべぇな)

 

 

武器が出現して0.01秒

ダキはすぐ様槍を構えた

 

 

(目指すは、魔具研)

 

 

グッと騎槍を握り込み、左足の指先まで床に喰い込ませる

下腹に重心を落とし、背骨ごとしならせるようにして振りかぶる

まるで、自分自身が巨大な弓そのものになったかのように

 

 

「槍弓の翠炎《Arco de lanza, llama esmeralda》」

 

 

 

解き放たれた瞬間、

槍は稲光を裂く矢となって飛翔する。

と、同時にダキはその鞘尻に跳びついた

後部を掴んだ手に凄まじい推進力が食い込み、全身が引きちぎられるほどの加速で空を裂く

 

 

ーーーパリンッ! パリンッ! パリンッ!

 

 

先ほどまで鋼鉄の壁のようだったバリアが、閃光と共に、薄氷のように破片が砕け散っていく

緑炎を纏った騎槍と共に、ダキは矢弾のごとく天井を突き破り、烈火迅雷がごとく空へと飛び翔けた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーがガガガッ!!!

 

 

激しい破壊音と翠閃と共にダキは、最上階の魔具研の前に降り立つ

 

 

 

「ダ、ダキ君?!!」

 

 

「入間?!!」

 

 

 

目の前に入間がいることに驚き、目を見開く

 

 

 

「キリヲはどこだ!!!」

 

 

 

きょろきょろと見渡すがキリヲはいない

ダキの剣幕に、入間は慌てて指を指す

 

 

「せ、先輩なら、この先にいるはず」

 

 

そう言って指を指したのは、なんの変哲も無い壁だった

 

 

 

「あ"あ?壁じゃねぇ……か」

 

 

ーーーどくん、

心音が一際大きく跳ねて、夢で見た光景を思い出した

 

 

「ゥ、」

 

込み上がる気持ち悪さでダキは口元を抑えた

床に散る真っ赤な血、金髪の男

それを見下ろす、自分に良く似た男

男の薄暗い感情が、胸中に混ざり、吐き気となってダキを襲う

 

 

(あれは、夢だろう…?)

 

 

ダキは吸い寄せられる様に、壁の一部を押す

 

 

「ダキ君?」

 

 

夢で、見た通りに

 

ーーガコッーーゴゴゴ……

 

音を立てて、壁のブロックが1つだけ沈む

壁が上へスライドし、中からダチュラの花を模した紫色の鋼鉄の扉が現れた

 

 

「え、?ダキ君も知ってるの?!、」

 

 

入間の言葉に応えられいほどに余裕がない

 

 

 

(いてぇ……)

 

 

 

頭蓋を内側からキリキリと穴を開けられている様な、異様な痛みに額を抑える

指先から温度が無くなっていき、血管に氷の串を刺し込まれているような不快感

体に送り込まれる酸素の薄さに目の前の景色が揺れる

魔力欠乏症だ

 

限界を悟ったダキは終わらせようと、手を伸ばす

ーーが、その手はバリアに阻まれた

 

 

「邪魔だ、」

 

 

ーーーガァァアン!!!

緑炎を纏った槍を振り上げ、鋼鉄の扉をバリアごと粉砕した

 

 

土煙が晴れると、

そこにあったのは夢に見た通りの隠し部屋

円形の大窓に夕焼けの赤い陽が差し込み、部屋全体を赤く照らす

壁際に雑多に積み上げられた魔具達

中央には、皆で必死に作った花火玉が、今は虹色に瞬きながら謎めいた機械に飲み込まれている

 

その前にいつもと様子の違うキリヲがいた

 

道端で小さく咲く花の様な儚さは消え、メガネを捨て、髪を鋭く撫で上げた姿はまるで別人のようだった

 

 

「見つけたぜ、団長」

 

 

ダキは刃先をキリヲへ向ける

しかし、ダキのその殺意に怯まず、キリヲは笑った

 

 

「や、歓迎するで、ダキ君、入間君」

 

 

微笑みで細められたキリヲの瞳は、

どろり、とまるで泥濘のような暗い底なし沼の色をしていた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「なんや、ダキ君、その格好」

 

 

翠の炎を全身に纏い、鱗の様な鎧と巨大な騎槍を持った完全武装の姿だ

本で見たことのあるその形態に、ダキが何を使ったのか理解して、キリヲは目を見開いて驚く

 

 

「もしかして、七つの大罪やないか?それ?」

 

 

その言葉に否定もせず、ダキはまっすぐキリヲを見る

 

 

「うわー、興味ないって面してたくせにやっぱりこっそりもってたんや…、どうりで見つからんわけや」

 

 

長々と話す気のないダキは武器を振りかぶる

 

 

「おっと!やめとき!ここでこれを壊しても僕や君は無事かもしれんけど、入間君は死ぬで」

 

 

嫉妬の騎槍の影響で鎧をつけているダキと、断絶を家系能力にもつキリヲならこの至近距離でも大爆発を受け止められるが、入間にはソレがない

 

 

「…………………」

 

 

ーギギ、

槍を握る手に血が滲むほど力を込めた

 

 

(入間と、その他大勢の命…)

 

 

後のことを思えば、入間を見殺しにするのは不味い、けど、それで多くの命が助かるなら、それは、サリバンを敵に回したとしても釣り合うとダキは判断した

 

武器を振り下ろそうとした

 

けど、入間を亡くした時のゴエモンの顔がチラついて、それ以上力を込める事ができなかった

 

 

 

「……チッ」

 

 

 

一瞬の逡巡の後に

ダキは振りかぶった武器を下ろした

 

 

 

「ええ子や」

 

 

「っ、…!そんな、僕のことはいいから」

 

 

「同盟者を、見殺しにする訳ねぇだろうが」

 

 

 

入間はダキの選択に、歯を食いしばる

 

 

「テメェのせいじゃねぇ、入間」

 

 

ダキはそうフォローするが、完全に自分は足手纏いでしかない事に入間は愕然とする

 

 

 

(僕がいなかったら、ダキ君がなんとか出来たのかもしれないのに)

 

 

人質にとる様な卑怯な手段にキッ、と入間はキリヲ睨んだ

 

 

「ねぇ、先輩、花火をどうするつもりですか」

 

 

入間のその問いにまるで、明日の天気を軽く答えるかの様にキリヲは答えた

 

 

「爆破させるんよ、学校をぶっ壊す為に」

 

 

そのキリヲの回答が理解できず、入間の言葉が詰まる

 

 

「……なんで、なんでそんなことを!」

 

 

キリヲの行動に理解できなかった入間が叫ぶ

 

 

「せやね、君たちには話しておこうか、僕の生まれた時の話」

 

 

そう言ってキリヲは笑いながらに語り始めた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「僕の家系『アミィ』はなぁ、『鉄の防壁』とも恐れられる魔界でも有数の名家で、その魔力保有量も魔界でも指折り…そうだったんやけどな」

 

 

 

そう言ってキリヲは昔を懐かしむ様に目を伏せる

確かにアミィと言えばダキが好む魔界史の中にもよく出てくる名家だった

断絶、の家系能力はあらゆる大戦でその強さを見せつけてきた

 

 

 

「僕は魔力が少なかった」

 

 

しかし、強力であるからこそ、魔力量の無い者への叱責は想像に絶するだろう

ダキはその後の展開が見えて眉を顰める

 

 

「だから、『悪童の園』っていう矯正施設に入れられてんねん」

 

 

『悪童の園』

それは魔界にある幼児専用の矯正施設だ

悪魔として不出来なものが集められ、悪魔らしく生きる為に矯正させる為に非人道的な行為が横行していた

 

 

「そこで、ある女の子と会ってな、落ちこぼれの自分にもよう優しくしてくれたんよ

ーーけどな、ある日、いじめっ子がな、彼女の大切なおばあちゃんの形見を、投げ捨てたんよ」

 

 

思い出を語るキリヲの優しい微笑みに勘違いしそうになる

 

 

「僕は、自分の家系能力でなんとか形見を守ろうとしたんやけど、長く持たんくてない、バリアは割れて、谷底へ落ちて行ってしもうたわ」

 

 

「…えっ、そんな…」

 

 

キリヲの過去に、入間の声が詰まる

 

 

「彼女は園を辞め、僕は残って通わされ続けた。

ーーけどな僕な、この弱肉強食の世界で、理不尽なら力に屈する彼女見て、僕は実感したんや」

 

 

「あの顔が、頭から離れんのや」

 

 

「彼女の、絶望した顔が、何度も、何度も、頭に浮かぶたび思うねん」

 

 

狂ったように思い出を騙るキリヲの姿が痛々しくて、入間は胸を押さた

「大丈夫だよ」って抱きしめたくなるほどに入間はキリヲを心配した

しかし、それは杞憂でしかなかった

 

 

両腕をギュッと抱きしめ、こちらをみて夢見心で笑うキリヲ

 

 

 

 

「ああ、もっかい見たいなぁ、って」

 

 

 

 

キリヲの声は低く震え、目が爛々と輝く

 

 

「単純な話やったんや、彼女のおかげで、僕はこの感情に気が付けたんや

…僕は、彼女が絶望する顔を見て、

ーーーーーーめちゃくちゃ興奮したんや」

 

 

興奮で赤らんだ頬、濡れる瞳と、狂気の笑み、心なしか半勃ちしてる下腹部

その狂気じみた善人には理解できないアブノーマルさに入間は後退る

 

 

「心臓が煮え立つように動き出した、その瞬間新しい僕が生まれたんや!わかる?誰かの絶望が、僕にとっての生きがいなんよ」

 

 

そんな入間の心境もお構いなく、キリヲは怒涛の語りを続ける

そのワンマンライブさにダキは白けた目で見ていた

 

 

 

「そんな思想を持った僕に兄さんは『おかしいことじゃない』って言ってくれた」

 

 

 

ダキはその言葉にぴくり、と反応した

キリヲが呼ぶ『兄さん』という存在が、今回の黒幕だろう

廊下で聞いたあの声がリフレインする

低く、烈火のような、心臓を揺さぶる声

黄金の獅子のような髪が幻覚の様にダキの視界の端で揺れる

 

 

「なぁ、わかるやろ?絶望は、何より甘美や。僕はそれを広げたい。この世界を、元祖返りに優しい、昔みたいな混沌へ戻すんや!!!その為に僕達はな、ランクを無くしたいんや」

 

 

 

 

興奮し切った様子で話すキリヲを、ダキは静かに見つめた

 

 

 

 

 

「ふーん…

ランクを無くして、まずは混乱を世間にってところか?発想は悪くねぇ」

 

 

 

 

ダキのその一言に、入間は思わず「えっ」と声を漏らす

まるで、ダキがキリヲの思想を肯定するかの様な反応に身が強張る

 

 

「そうや!ランクという階段ではなく、崖として上下関係なく、落としあいをするんや」

 

 

キリヲは逆に、待ち望んでいた答えを得たかのように目を輝かせた

しかし、ダキはそんなキリヲを冷静に見つめ腕を組む

 

 

 

 

「ふーん……なるほどな」

 

 

 

 

ダキはキリヲの言葉に頷くが、腑に落ちない顔でキリヲに尋ね返した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でもよ、それってランク無くす必要あるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その衝撃の一言に、キリヲの笑みが一瞬固まる

 

 

「……は?」

 

 

ダキは腕を組んで語り続ける

 

 

「強ぇ奴は強ぇ。ランクがあろうがなかろうが、一目見りゃわかるもんだろ。

見抜けねぇ阿呆は精々初手で死ぬだけだ」

 

 

ダキは鼻で笑い、肩をすくめた

 

 

 

「ま、俺が言いたいのはランクという枠組みはそのまま、中身をポイント制にしちまえば?ってことが言いてぇのよ」

 

 

「ポイント…?」

 

 

「オマエらが欲しいのは“危機感”だろ?

ならよ、勝ったら魔力(ポイント)を奪う。負けたら骨までしゃぶられて、這い上がるチャンスもねぇ。

そんくらいわかりやすい方が、よっぽど混沌じゃねぇか」

 

 

ダキは人差し指をピンっと立てて笑った

 

 

 

「ま、魔力を奪うやて……?」

 

 

思っても見ない発想に、キリヲの声が裏返り、引き攣った笑みのまま目を見開く

 

 

 

「そうだ、そもそも魔界は魔力さえあればなんだってできる。だったら、魔力の多い奴が好き放題できる世界にすりゃあいい。そっちの方がよっぽど“元祖返り”らしいぜ」

 

 

それは、ランクを潰すより、遥かに効率的で非現実的であった

 

 

「そんな真似、どうやって…」

 

 

キリヲは困惑した様子で尋ねた

そもそも魔力を奪い半永久的に相手へ譲渡するなんてことが可能なのか

封印や、吸収とも違う高度な魔法の技術がいる

 

 

 

「ああ"?そんなの魔具を作ればいいだろうが」

 

 

至極当たり前のことを話すかのようにダキは吐き捨てた

 

 

 

「力をつける為に、なりたい何かになる為に魔具研はできたんだろ」

 

 

そのダキのまっすぐな眼差しにすっかり毒気を抜かれて、キリヲは腹の底から笑った

 

 

「ふ、ふははははっ!!!ほんまおもろい悪魔やな!君は!!!!」

 

 

キリヲの爆笑が、魔具研の隠し部屋に響き渡る

目尻に涙が溜まるほど笑い転げると、キリヲは手を差し伸べた

 

 

「なぁ、一緒に行こうやダキ君、君ならきっと兄さんも気にいる!一緒に世界を作り替えようやないか!」

 

 

キリヲが語った未来は、確かに思想としては共感できる部分もある

けど、

 

 

 

ダキは静かに武器を構えた

 

 

 

「わりぃな、俺には守りたいもんがあるんだよ」

 

 

 

 

しかし、その答えが分かっていたかの様にキリヲは晴々とした顔でダキに向き合った

覚悟を決めたキリヲを前にダキはさらに魔力を指輪に吸わせる

 

 

 

「入間、俺の後ろにいろ、俺が守ってやるから」

 

 

 

入間が自分の身を守れないなら、俺で守ればいい、ダキは入間を庇う様に前に立つ

守るものを背に、こちらを殺意のこもった目で睨むダキは、破壊を好む先祖返りでは無く、理知のある守護者だった

その様子にキリヲは目を細めた

 

 

「交渉決裂、か。しょうがないね

ーー君の絶望に歪む顔、見てみたかったんやけどな…」

 

 

 

ダキの手元の武器がバチバチと光る

その高威力の武器に貫かれたらひとたまりもないだろう

キリヲは自分の計画がここで失敗に終わる事を悟った

 

 

「後輩に負けてられへんからね」

 

 

自分の最大出力の魔力を持って今までで一番厚いバリアを張る

 

 

「燃えろ、嫉妬の業火(Fuego de la envidia)」

 

 

ダキは大きく振りかぶると、躊躇なくキリヲに向かって槍を投げた

 

ーーーバリアに槍が食い込む

 

しかし、雷鳴を纏った翠炎は、まるで天を裂く竜の如く暴れ狂い、壁を融かし破壊していく

 

 

(ああ…まったく)

 

 

キリヲは両手を広げて、槍の前に立つ

装置を背に立つ彼の姿は、己の命を贄と差し出す祭壇の供物のようだった

 

 

 

「僕の負けや」

 

 

装置を守る肉壁となり、せめて、君のトラウマになる様にと願って散ろうと、キリヲは笑う

その笑みは諦めではなく、最後に残した悪意の贈り物のようだった

 

 

 

(ごめんな、兄さん)

 

 

ーーーパリンッ!!!!

しかし、騎槍がキリヲに突き刺さることはなく、その頭上を勢いよく通過する

 

 

「っ、?!」

 

 

ダキに殺される覚悟だったキリヲは驚愕する

騎槍の先端に花火玉が刺さり、大窓を割り、天高くへと突き進む

翠の放物線を描き、キリヲが張った学園全体を包むバリアさえも薄紙の様に破り、さらに宙へと突き進む

 

 

 

 

 

ーーードパァァァアンン!!!!!

 

 

 

 

 

バビルスを包み込む大きな虹色の花火が咲く

 

 

 

 

「「「おっ、おおおおおおおお?!!!!」」」

 

 

 

下の中庭に集まっていた生徒達から一斉に歓声が上がる

それは、キリヲが求めた恐怖に満ちた悲鳴の声では無く、美しいものを見た感嘆の声だ

 

 

キリヲは、自分がこれまで積み上げてきたものが壊れる苦しさに顔が歪む

 

悔しげに外を見つめていると、割れ落ちたガラス片がキラキラと宙を舞う

 

 

「……ああ、綺麗や」

 

 

その欠片に映った自分の絶望の顔は、今まで見たどの絶望よりも美しかった

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー]

 

 

 

 

全てを出し切った途端

ダキの纏う緑色の炎は揺らぎ、キラキラと翠の光の粒となり、風に乗って霧散した

 

 

(おわった…)

 

 

ぶるぶると、ダキの腕が震える

とっくに限界だった

 

 

(俺が思うに、魔王子は、ずっと誰かとギリギリの戦いをしたかったんじゃねぇか?)

 

 

ダキは手元の指輪をみて呆然と考え込む

 

 

(七つの大罪ってやつは、恐ろしく魔力を喰う。しかも武器の変化は完全ランダムで、正直こんなの戦いづらいだけだ。……けど、魔王子はそんな武器を作り、愛用していた)

 

 

ギュっと拳を固め、目を伏せる

 

 

(もしかして――そうでもしなきゃ、周りとの埋められない差に、奴自身が耐えられなかったんじゃないか)

 

 

それは、なんという孤独だろうか

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「無事か!!貴様ら!!!!」

 

 

 

魔具研の扉が荒々しく開かれ、カルエゴ達踏まえ教師達が踏み込んできた

鋭い眼光が室内を走り、最初に視線を射抜いたのはキリヲだった

 

 

「アミィ・キリヲ、貴様を拘束する」

 

 

キリヲは静かに笑みを浮かべたまま、抵抗することなく拘束される

その不気味な様子に入間は呆然と見ていることしかできなかった

 

 

 

「ダキ君、僕をここで殺さないなんて、君も案外甘ちゃんやな」

 

 

「ハッ、…罪償ったら、俺の所にこいよ、まだアンタに魔具の作り方を教えてもらってねぇからよ」

 

 

「…ふふ、いややね」

 

 

キリヲはそのまま教師達によって、連行されて行った

ホッと安心したのが悪かった

身体中から力が抜けて、ダキは地面に倒れた

 

ーーードタンッ!!

 

 

「ダキ君?!!」

 

「おい貴様!!しっかりせんか!!」

 

 

カルエゴがダキの肩を揺さぶるが、身体はだらりと力無く地面に落ちていた

意識はすでに限界に達していたのだろう

確かな寝息がダキが生きている事を実感させてくれた

 

 

「……チッ、無茶をしおって」

 

 

カルエゴは歯噛みしながらも、静かに寝息を立てるダキの頭に触れる

 

 

「よくやった、ダキ」

 

 

それは、普段生徒を褒めることなどしないカルエゴの精一杯の労いだった

 

 

 

好きなCPは?(市場調査)

  • ダキ×ゴエモン
  • ゴエモン×ダキ
  • ダリ×ダキ
  • ダキ×ダリ
  • ダロキア×ダリ
  • ダリ×ダロキア
  • ダロキア×バール
  • バール×ダロキア
  • ダキ×アスモデウス
  • ダキ×キリヲ
  • その他(自由回答)
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