魔王デルキラの息子   作:雨鬱

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第35話:家庭訪問

 

 

 

 

 

(あっんの!!クソあほ理事長ォ!!!)

 

 

 

 

 

 

 

燦々と晴れた終末日前の最後の休み

カルエゴはそんな天気に似合わない顰めっ面で空を飛んでいた

 

 

(なぁにが、「終末日前の最終生徒指導だ!!」絶対ただの思いつきだろうが!!)

 

 

しかし、悲しい哉、魔界は上下関係が厳しい

断れるはずもなく、貴重な休みを潰してカルエゴはアブノーマルクラスの生徒の実家に面談をしに行くしかなかったのだった

 

 

チラッと手元の地図を見る

効率よく回るには、家に近い順から回るしか無い

 

 

「はぁ………」

 

 

カルエゴは深いため息を吐きながら、この後の家庭訪問を憂鬱に思った

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

アスモデウス、ウァラクと時間はかかったものの順調に終わり、次はゴエモンとダキのガープ家への訪問だった

 

東方に位置するガープ家

大きな木製の道場は無駄のない造りが好感が持てる

 

 

「やーーカルエゴ様にうちの息子がお世話になるとは!光栄の至り!!」

 

 

出迎えてくれたのは、ゴエモンがそのままでかくなった様な巨漢の悪魔だった

白銀の毛が顔を覆い、その顔を隠しているが、それでも滲み出る温厚で暖かな笑みがこちらを歓迎しているのが見て取れる

 

 

 

「初めまして、ゴエモンくんと、ダキくんの担任のナベリウス・カルエゴです」

 

 

「さぁさぁ!外は暑かったでしょう!

冷たいお茶を用意しました!どうぞ上がって下さい」

 

 

そういってニコニコしながらゴエモンの父はカルエゴを招き入れた

道場の真ん中に用意されたちゃぶ台と、

冷たい緑茶、

素朴な生菓子を用意され、

さぁいよいよ面談を始める、となった

しかし、カルエゴは先ほどからひとつ、気になることがあった

 

 

「始める前に、一つ

ーーおい、ゴエモン」

 

 

 

カルエゴがゴエモンを呼び止めると「なんでござるか?」と首をこてんと傾ける

 

 

 

「貴様のSDはどこに行った」

 

 

 

普通なら、家庭訪問なのだからダキもこの場に居ないといけないのだ

SDなのだから、何か茶を用意して現れるかとも思いきやそういうこともなかった

ーーなら、ダキはどこへ行った

 

 

 

「家庭訪問だからでござる」

 

 

 

しかし、そんなカルエゴの問いになんてことない様にゴエモンは返事した

 

 

 

「は?どういう……」

 

 

 

困惑するカルエゴにゴエモンはごそごそと懐を探ると、そっと黒い手紙を差し出した

とりあえず、その手紙を受け取り、その手紙の蝋印を見て驚いた

 

 

 

「これは…!」

 

 

アムドゥスキアス家の蝋印

差出人は『アムドゥスキアス・ポロ』

 

 

「……なるほど、ダキは決めたのだな」

 

 

開ける前に、その意味を察したカルエゴが深くため息を吐いた

なんとなく、ロイヤルワンを開けた時から、こういう事になるのだろうとは思っていたのだ

 

 

「カルエゴ先生は、知っていたんでござるか」

 

 

ゴエモンはまっすぐにカルエゴを見た

その真摯な瞳に、カルエゴは偽りなく話を続けた

 

 

「まぁな……むしろ、今までよく話題に上がらなかったと感心する程だ」

 

 

 

顔を隠していた、ツノも無い

理屈だけを並べれば、別人だ

 

それでも、視線が合った

その一瞬で、分かってしまった

 

 

(……ああ)

 

 

喉の奥が、ひくりと鳴る

胸の深いところに、じわり、と毒を流し込まれたような感覚

 

忘れたはずの記憶が、無理やり掘り起こされる

かつて、魔界を震わせた“あの存在”を前にした時と、まったく同じだ

 

 

ひとつなら偶然で済んだ

ふたつでも、まだ目を逸らせた

 

 

ーーだが、

人前に立ち、迷いなく言葉を紡ぎ、

流れを決定づけるように演説する、その姿

不可逆を打ち立て、不遜に笑う、その笑み

 

否応なく、思い出させられる

若き日の、ダロキア

あの熾烈な黄金の炎のような悪魔を

 

 

(ダキ……貴様は)

 

 

偶然で片付けるには、

あまりにも揃いすぎている

 

ダキは、あの魔王子に、よく似ている

ーーいや

似ている、で済ませていい存在ではない

何かしら繋がりのある存在だと、確信していた

 

 

 

(……危険だ、コイツは)

 

 

他の悪魔と一緒にしては駄目だ

そう判断したカルエゴは、ダキをアブノーマルクラスに入れたのだ、ダキの主人であるゴエモンも一緒に

 

 

 

「どんな、方だったんですか、あのひとは」

 

 

 

ゴエモンがぽつり、とつぶやく様に尋ねる

その言葉にカルエゴは過去を噛み締める様に思い出す

 

 

「……かの魔王子とは、直接の面識は無い

ーーだがな、歳の離れた兄がな、側近だった」

 

 

兄は、物静かな男だったが、ダロキアのことになると、熱狂的に語る

当時はその熱狂ぷりが怖くて、あまり話題をふらないようにしていた

 

 

『兄さん、兄さんはどうして、ダロキア様の側近になろうと思ったの?』

 

 

だが、幼い頃戯れに聞いたことがある

興味があったのだ

ルールに厳密な、まさに『ナベリウス家の番犬』と呼ぶに相応しい兄が、執着する相手のことを

 

 

『ダロキアは…特別だ』

 

 

そういって空に映る大きな月の方を見て目を細める

 

 

 

『ダロキアは、魔界そのもの…』

 

 

 

くるり、とカルエゴの方へ振り返り笑うナルニアの顔は月明かりに照らされて美しかった

 

 

 

『あの男が、あるべき魔界へと正してくれる』

 

 

 

ひとつ、ひとつ抽象的な言葉であったが、兄にとってそれだけダロキアという存在が大きいのだと知った

それからダロキアが失踪して、兄は熱をぶつける様に魔関の業務に励んだ

魔関にナベリウス・ナルニアあり、と言われるまでに

 

 

(兄が、ダキのことを知ったらどうなるか…)

 

 

増える心痛にカルエゴは重くため息を吐いた

 

 

 

「えっ?!カルエゴ先生末っ子なの?!

ーー絶対一人っ子だと思ってた!!」

 

 

 

そんな大人の心配事などよそにゴエモンの明るい声が響く

それがゴエモンの良いところではあるのだが、今日はカルエゴの腹の虫が悪い

 

 

 

「ほぉ……貴様が私にどんな印象を抱いているのかよく分かるな」

 

 

カルエゴは青筋を立てながら、

スッと手に持っていたノートを振り上げる

 

 

「まっ、ーー、」

 

「粛に」

 

 

ーーーゴッ!!!

 

 

「いったぁぁい!!」

 

 

無慈悲にもその角でゴエモンの後頭部に鉄拳制裁を下した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日

カルエゴは招待状の通り、魔王邸に来ていた

 

 

 

「よもや、魔王邸にお邪魔する事になる時が来ようとは…」

 

 

馬鹿でかい城を見上げながらカルエゴはため息を吐いた

呼び鈴を鳴らせば、出てきたのは赤毛の螺旋角の悪魔だった

確かに見覚えがある、だが思い出せない

 

 

「お待ちしておりました、カルエゴ様

ーー中にお入り下さい、ダキ様がお待ちです」

 

 

促されるがまま、門をくぐる

貴族であるカルエゴの実家もそれなりに立派な邸宅だが、魔王邸はそれ以上だった

 

巨大な扉を開けた瞬間、

視界いっぱいに夜が広がった

 

天井と壁は、

光を拒むほどの暗さの中に、

冬の夜空を切り取ったかように星々が灯り

静かな奥行きを湛えている

まるで、この大広間そのものが、

夜空の下に造られた空間であるかのようだった

 

夜を支えるように立ち並ぶ柱と、

足元に広がる床は、艶を抑えた黒の大理石

冷たく、硬質で、無言のまま重みを伝えてくる

 

そして、天井の中央に

ひときわ眩く煌めくシャンデリアが吊るされていた

 

(ーー満月だ)

 

無数の光を宿したそれは、

夜を照らすための灯りでありながら、

本物の月よりも冷たく、神秘的な輝きを放っている

この大広間に昼は存在せず、

常に、完成された夜だけが支配しているのだと、無言で告げられているようだった

 

大広間を抜け、その奥へ

長い廊下に永遠と続く、赤い血の滴るようなカーペットの上を歩く

 

並ぶ絵画はどれも一級品で

魔法によって時たまそれらが動いたり、音楽を奏でたり、挨拶をしてきたりする

 

 

「こちらです、カルエゴ様」

 

 

SDは4回ノックを鳴らすと、扉の奥で返ってきた声に準じて扉を開けた

 

 

 

「カルエゴちゃぁぁん!やっだぁ、相変わらずおキャわ〜ーーー!!」

 

 

「ぶへっ!!」

 

 

瞬間、中にいたポロに思いっきり抱きしめられた

あまりにも速い動きにランク8のカルエゴでも身動きが取れずなされるがままになってしまった

 

 

「困ります、アムドゥスーー「ポロちゃん」……ポロちゃん様、家庭訪問にこのような…」

 

 

しかし、位階社会

カルエゴよりもランクの高いポロに逆らえるはずもなく、ひたすら下手に出るしか無い

そんなやりとりを、今日の主役であるダキは引いた目で見ていた

 

 

「うわ…」

 

 

「やめろ!そんな目で見るんじゃ無い貴様ァ!」

 

 

教師の面目丸潰れである

カルエゴは必死になって抜け出そうとする

まるで人形のように弄ばれている姿をダキに見られて屈辱でしかなかった

 

 

 

「あらあら、しょうがないわね」

 

 

 

ポロはクスクスと真っ赤になって怒るカルエゴを面白がりつつ、ようやく下ろした

 

 

「悪いな、うちの祖母がアンタをお気に入りみたいで」

 

 

 

その言葉にカルエゴの眉がピクリと動く

 

 

 

 

「祖母……というと、やはりーー、」

 

 

 

カルエゴの反応に肩を竦めて、笑った

 

 

「ま、長い話になる。

ーーー座ろうぜ、カルエゴ卿」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

赤毛のSDが手早くお茶の準備を済ませていく

その間、カルエゴは目の前のダキをジッと見つめた

 

 

普段覆い隠していた前髪はオールバックにされ、その端正な顔立ちが顕になり、額の中央にあったであろうツノの跡がくっきりと見えた

 

 

(ああ、やはり、似ている)

 

 

一度見たことがあるダキの素顔

こうして間近でまじまじと見ると、

より一層魔王子の面影を色濃く残しているのが分かる

 

カルエゴが用意された茶を一口飲む、

それを確認してダキがお茶を飲み始める

 

その一連の動作をジッと見る

ダキは元々貴族だったのかと疑うほど優美にカップをソーサーへ戻し、こちらの視線に気がついて目線を戻す

その仕草さえ、毒を一滴、心臓に落とされたような気分だった

 

 

 

 

「……カルエゴ卿?」

 

 

 

先に視線を逸らしたのは、こちらだった

 

こちらを見るふたつの黄金

まるで心の内までも見透かす月のようで、落ち着かない

 

目の前にいるのは、本当に教え子なのか

そう感じるほどに別人に思えた

 

 

「ーー、すまない、それでは面談始める

と、言いたい所だが、まずその前に」

 

 

カルエゴは手元の資料をソファーに置き、険しい面持ちでダキをジッと見た

 

 

「念のため、確認させてもらうが、

今のお前は誰だ」

 

 

その言葉にダキはニッ、と牙が見えるほど笑った

 

 

「改めて、自己紹介に預かろう

魔王デルキラ、元13冠ポロを祖父母に持ち、次期魔王と謳われた魔王子ダロキアが血胤

ーーアムドゥスキアス・ウル・ダキだ」

 

 

その答えにカルエゴは膝の上で、拳を握り締める

爪が手袋の内側に食い込んだ感触で、ようやく現実を掴んだ

 

 

 

「そうか…、貴様は選んだのだな」

 

 

(ゴエモンのSDを辞めるという道を)

 

 

選ばねばなるまいとは、思っていたが、どこかでその選択をしてしまったダキに寂しく思った

落胆にも似たその表情に「おいおい」とダキから制止の声が聞こえた

 

 

 

「何か勘違いしてるかもしれねぇが…

俺はガープ・ゴエモンのSDを辞める気は無いぜ」

 

 

 

その爆弾発言に、カルエゴは目の前の男が一体何を言っているのか理解できずに固まった

 

 

 

「……………は?」

 

 

カルエゴは一体この目の前の男が何を考えているのかわからず、本気で狼狽えた

 

 

 

 

「な、え、……は?!!」

 

 

「ふはっ!カルエゴ卿がそんなにも慌てふためくなんぞ…くくくくっ、!良いモン見れたな」

 

 

 

面白そうに笑うダキに、カッと血が上る

机越しにそのダキの胸ぐらを掴み上げた

 

 

 

 

「説明しろ!!!」

 

 

「仰せのままに」

 

 

 

カルエゴの手を掴んで下ろすと、

ダキは笑いながら話を続けた

 

 

「アンタが言いてぇのは

ポロの孫になったからには"魔王子ダキ"として生きるのか、ってことだろ?」

 

 

魔界は世襲制ではない

だが、魔王の血を引く者が名を明かした瞬間、

周囲は遅かれ早かれ『次代の魔王候補』として扱う

それだけ、"魔王子"の称号は重いのだ

 

 

「ーーだが、そんなの御免だ」

 

 

ダキはそんな事知らないと一刀両断する

 

 

「そんな事ッーー、!」

 

「通用しないってか?」

 

 

カルエゴが何を言いたいのかも織り込み済みでダキは笑う

 

 

 

「アイツらが何と言おうと

俺はダロキアの息子で、ポロの孫だ

だがな、俺は魔王を目指す気もないし、13冠として活躍する気もない」

 

 

「ーーだが、「周りが放っておかないっていうんだろ?」んな事は分かりきってる」

 

 

いいや、分かっていない

不死鳥を従えたことが問題なのではない

魔具を使いこなしたことでもない

 

 

 

"それらを、当然のように扱っていたことだ"

 

 

 

力を示した自覚すらない

その姿を見た者は皆"あの男"を思い出すだろう

それが、何より恐ろしかった

 

 

 

「俺は"俺"だということを嫌でも認めてもらうしかねぇだろ」

 

 

 

――放っておかれるはずがない

 

カルエゴはそう理解していた

血筋も、力も、立場も、どれもが過ぎている

 

名を明かした瞬間、

寄ってくるのは称賛だけではない

利用しようとする者も、引きずり下ろそうとする者も、必ず現れる

 

それでもなお、

この男は、主人の隣を選んだのだ

 

 

 

 

「ダキ……貴様はもう少し頭のいい悪魔だと思っていたぞ」

 

 

 

 

カルエゴは額に手を当てて呻いた

あまりにも夢物語な話だった

その未来を実現するには、

ゴエモンがあまりにもダキに釣り合わなさすぎる

それこそ、ゴエモンが13冠になるか、

魔王になるかぐらいでないと

 

 

 

「頭のいい奴だって

馬鹿になりたい時もあるんだよ」

 

 

 

 

そんなカルエゴの苦悩など分かった上でダキはそう笑い飛ばした

どんな荊な道だと分かっていても、進むと決めたのだ、この男は

呆れる気持ちもありながらも、それでも主人についていく気概にカルエゴはグッと声が詰まった

 

 

 

「昔の話だ

俺は、汚ねぇ泥川に呑まれて、もがくことしかできなかった。その時、何も考えずに飛び込んできた奴がいた」

 

 

ダキは硬く目を閉じた

何かを祈るようなその姿は、どこか静かで、覚悟めいていた

 

 

 

(ーー弱肉強食のこの世界で、

あの善性が、踏み躙られることだけは許されない)

 

 

ダキは胸の内でそう決意すると、手を胸元に当てて、強い意志のある瞳でカルエゴを見た

 

 

 

「ガープ・ゴエモンは、

俺の生涯を、捧げるに値するお方だ」

 

 

ふたりは視線を外さない

その間にあるのは、正しさではなく、譲れない選択だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーパンッ

 

しかし、そんな緊張を壊すかのように、

手のなる音が部屋に響く

音に反応してふたりが音の発生源

ーーポロをバッと見た

 

 

 

 

 

 

「ーーさて、前座はこれぐらいにして

面談、しましょう」

 

 

「んん……っ」

 

「ああ……」

 

 

 

有無を言わせないポロの笑顔に、ダキもカルエゴも熱が萎んだようにソファーに静かに座った

 

 

 

「で!うちの子、学校ではどうなんです?」

 

 

 

ポロは楽しそうにダキの腕に抱きつきカルエゴの返答を待った

 

 

 

「はぁ…………」

 

 

 

こんな濃い前座があってたまるかと、肺に溜まった重い感情を吐き出しながらカルエゴは手元の資料を開く

 

 

 

「ーーそうですね、お宅のお子さんは、

まず入学時から首席であったこともあり、今に至るまで学年のトップ層と言っても良いぐらいの好成績を収めてます」

 

 

その言葉に「流石ダキちゃん!」とポロが抱きつく

対してダキは微動だにしないまま「続けろよ」とカルエゴに目で訴えかけていた

 

 

「……師団では副師団長を務めたり、学年、教師問わず色々と交流を深めている社交性もあります」

 

「あらやだ、意外と社交的なのね、アナタ」

 

 

「コネ作りだ」

 

 

「そういう所、ダロちゃんにそっくり♡」

 

 

ポロにもみくちゃにされているダキは死んだ目をしていた

見たこともない父親の話が気まずいのだろうか

複雑そうな顔をしていた

 

 

 

「ーーただ、本人は何でもできるからこそ背負い過ぎな面が見受けられます」

 

 

その言葉にダキのほっぺを揉んでいたポロの手が止まる

 

 

「何かあった時、真っ先に自分を犠牲にする癖があります……本人は、それを欠点だと思っていないでしょう。だからこそ、余計に危うい」

 

 

その言葉にダキはバツが悪そうに顔を顰める

ポロはそんなダキに寄り添うようにギュッと抱きしめた

 

 

「また、時たま起こる発作も気になります。

あれは本人の意思とは無関係に、

心身の均衡を崩してしまうもの

ーー精神を鍛える、もしくは、そのトラウマを解消して発作を無くしていくしかないでしょう」

 

 

ーーパタン、

カルエゴは手元の資料を閉じると茶をもう一口飲んだ

 

 

「ーーダキ」

 

 

「……ああ」

 

 

「貴様が、血胤を認めた今、否応無し巻き込まれるだろう

ーーその上で、お前が今後もゴエモンのそばに立ちたいのなら、その欠点をなくせ」

 

 

 

それは痛烈なまでに真摯なアドバイスだった

 

 

 

 

「でないと、いずれ失うことになるぞ」

 

 

 

 

事実だからこそ、ダキは苦虫を潰した顔をしながらも、何も反論はしなかった

 

 

 

 

「御忠告、痛み入る」

 

 

 

 

カルエゴの真剣な眼差しに、茶化すでもなくダキは静かに目を閉じ、頭を下げた

 

 

 




次回、ウォルターパーク編

好きなCPは?(市場調査)

  • ダキ×ゴエモン
  • ゴエモン×ダキ
  • ダリ×ダキ
  • ダキ×ダリ
  • ダロキア×ダリ
  • ダリ×ダロキア
  • ダロキア×バール
  • バール×ダロキア
  • ダキ×アスモデウス
  • ダキ×キリヲ
  • その他(自由回答)
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