魔王デルキラの息子   作:雨鬱

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第5話:特待生入間

 

 

 

 

「はーー笑った」

 

 

 

あんな見事に技が決まった瞬間を間近で見れるなんて中々ない。

ましてや決闘なんて基本魔術の応酬が一般的なのに、ジャーマンスープレックスとか…!

いまだに収まりそうにない笑いに震え始める腹筋をさすった。

 

 

良いもの見れたわーと言いながら皆んなが帰る中、

渦中の入間だけは気絶して動かないアスモデウスを見てオロオロしていた。

 

 

 

「え、え、どうしよう、ほっ保健室!」

 

 

 

そう言いながらアスモデウスの脇に手を入れ何とか運び出そうとズルズルと引きずっている。

身長差があり過ぎて背負っていくことも難しいのだろう。

あーあ、白いズボンが茶色く汚れちゃてまぁ

自業自得ではあるのだから放っておけば良いものを

 

 

 

「拙者も手伝うでござるよ!」

 

 

「あっ、ちょ、坊ちゃん??!」

 

 

入間に関わると碌なことがなさそうだと感じたダキは、

大変そうな入間を助けることなく完全に傍観に徹していたのだが

そんなダキの思惑を知らずにゴエモンは入間の元へと飛び出した。

 

 

 

「あ、ありがとう」

 

 

 

「拙者はガープ=ゴエモン、ゴエモンでいいでござるよ!」

 

 

「よ、よろしく!僕は入間って言います」

 

 

 

「知ってるでござる、特待生でござるよね?ほら、ダキも手伝うでござるよ!!!」

 

 

「坊ちゃん、そんな奴地面にでも転がしておけばいいだろ!!」

 

 

「いいから!!!手伝って!!どうしても嫌なら拙者と入間殿で運ぶから良いでござる!」

 

 

そう言って2人で高身長のアスモデウスを運ぼうとするが、

いかんせんふたりより大きい悪魔だから若干引きずってる

あれでは運ぶ途中で入間も坊ちゃんも転んでしまうかもしれない

居ても立っても居られずダキも飛び出した。

 

 

「あ〜もう、わかった!俺も手伝う!坊ちゃん、入間と一緒に足持っててくれ」

 

 

「ありがとうでござる!」

 

 

頭の方が重いので俺が持つなら頭のほうが良いだろう。

入間達にはアスモデウスの馬鹿長い足を持ってもらい

仲良く保健室へと歩き出した。

感謝しろよ、馬鹿野郎

 

 

 

「そういえば、さっきのアスモデウス殿への決め技!最高だったでござるよ!」

 

 

3人がかりで伸びたアスモデウスを運んでいると坊ちゃんが唐突に入間を褒め出した。

キラキラとした羨望の眼差しで見られて、入間は若干気まずそうである。

 

 

 

「いや、あれは何というか、たまたまというか…」

 

 

 

 

「咄嗟に出たならそれも実力のうちでござるよ!うちのSDもそんな事いう時があるでござる!」

 

 

 

「ごめん……SDって?」

 

 

入間の発言に横目で聞いていたダキもギョッと目を見開いた。

 

 

「え?!!!サリバン殿の孫なんでござるよね?!!家に1人や2人はいるはずでござるよ!?」

 

 

「孫って言っても、昨日養子になったばかりで……」

 

 

「「はぁ?!!!!」」

 

 

驚きのあまりアスモデウスを落としそうになった。

サリバンほどの悪魔の養子に何も知らない子供を連れてきたのか?

ますます分からない。

坊ちゃんは真剣な顔をして入間を見た

 

 

 

「入間殿は、サリバン殿から何も教えられてないでござるか?」

 

 

 

「へ、辺境から連れてこられたから一般的な魔界の常識とか何もかも知らなくて……」

 

 

乾いた笑いをする入間を見てダキは心底同情した。

ダキもゴエモンに拾われた当初は

魔界のことも何もかもわからなかったから、

何も知らない場所に放り込まれる怖さも、

それが常識だと学ばなければならない大変さも分かっているつもりだ。

 

 

 

 

「……SDってのは、セキュリティデビルって言って悪魔に仕える悪魔のことだ。言わば使用人ではあるが、そこら辺の使用人とは違い、主人の命を守るのはもちろん、風評、格式、身だしなみに至るまでその一切を守り支えるのがSDだから、格が高い。サリバン様の家に1人くらいはそういう身の回りのかとしてくれる人がいるだろう?」

 

 

「う、うん…(オペラさんのことなのかな)」

 

 

「悪魔から命を賭けても支えたいと思える主人はとても魅力的な悪魔と言われている。だから名門のサリバン様の所には必ずそう言った覚悟の決まった悪魔がいるはずだってことだ。」

 

 

 

「そうなんだ…ありがとう教えてくれて」

 

 

ダキは内心深いため息を吐いた。

サリバンの孫だというのに世間では全然知られていなかったことも、

サリバンの孫なら不遜で傲慢な態度だっておかしくないのに

自信なさげでいつも謝ってばかりなのもこれで納得がいったのだ。

 

 

「……何も分からねぇ、所に来たっていうのはすげぇ大変だってことはわかる。常識なことでもわからないと思ったら頼ればいい。少なくともこのゴエモンの坊ちゃんは優しいからな」

 

 

「そうでござるよ〜!これも何かの縁でござる!いくらでも頼ってくれれば良いでござるよ!」

 

 

 

その言葉にパッと明るくなった入間に

何だか昔の自分を思い出して微笑ましくなった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーー

 

入学式だからなのか保健室には先生も生徒もいなかった。

用意されている大きめのベットにアスモデウスを放り投げた。

 

 

 

 

 

「あ、あの運んでくれてありがとう」

 

 

 

無事アスモデウスを保健室に運び終えると

入間が申し訳なさそうに声をかけた。

 

 

 

「別に、坊ちゃんがお前を手伝うって決めたから手伝っただけだ。」

 

 

「ちょ、ダキ」

 

 

 

少しツンケンした様子で返事をすると、

それをゴエモンに諌められる。

そんなダキに「ひっ」と怯えながらもこちらをまっすぐと見ながら入間はなお声をかけてくる。

 

 

「ご、ごめんね、さっきアスモデウス君が言ってたみたいにダキ君も首席だから晴れ舞台だったんでしょ?台無しにしちゃって本当にごめんなさい!!」

 

 

 

入間が90°に体を折り曲げて謝罪する姿にびっくりした。

俺は入間と仲良くする理由はないし

サリバン様と敵対しなければ良い話だから距離感的に少し遠いかな?ぐらいが丁度いい。

だからわざと素っ気ない態度をしたのだが…こんなに丁寧に謝られるのは予想外である

 

 

 

「別に、アンタが謝る必要ないだろう」

 

 

 

 

はぁーと深いため息を吐きながらボサボサの頭を掻いた。

何の思惑があるかは知らねぇが、

どう考えてもいたいげな孫をヘイトを買う様に矢面に立たせたあのジジイが悪い。

やめだやめ、八つ当たりみたいで大人気ねぇ

 

 

 

「アンタのせいでもないのに態度がキツかったな、悪いな。」

 

 

 

そう言って手を差し伸べると、嬉しそうに入間もその手を握り返した。

関わるつもりなんざ無かったのになと思いながら、少し情が湧き始めてる自分のチョロさ加減に苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

好きなCPは?(市場調査)

  • ダキ×ゴエモン
  • ゴエモン×ダキ
  • ダリ×ダキ
  • ダキ×ダリ
  • ダロキア×ダリ
  • ダリ×ダロキア
  • ダロキア×バール
  • バール×ダロキア
  • ダキ×アスモデウス
  • ダキ×キリヲ
  • その他(自由回答)
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