使い魔召喚に使われる大部屋には
すでに大勢の新入生で溢れかえっていた。
そこに、イルマとアスモデウスとダキとゴエモンという入学式に目立っていたメンバーで構成されたグループが入れば周りはモーセのように道を開けていく。
「使い魔かぁ、何が来てくれるかね…アスモデウス家は代々決まってんのか?」
「特に決まっては無いが、牛や羊や蛇や鳥あたりが呼ばれやすいな。私としては蛇か鳥あたりに来てほしい」
アスモデウスはその方が美しいし、機能的だと呟く。
それも一理ある。
俺もできることなら鳥や蛇がいいなとダキは考えた。
「ダキ君やゴエモン君は何か決まってるの?」
「拙者の家は魔神ハープナスを信仰してるでござるから鳥とか、羽を持った魔獣が召喚されやすいでござるな!」
どうせならカッコいい魔獣が来て欲しいでござる!とワクワクしながら答えるゴエモンにダキ達ひっそりと癒されていた。
「俺は家系がどうとかはよく知らねぇが、使い魔にするなら…」
ぐるり、と突如
脳ををかき混ぜられる様な不快感と
立つのが辛くなるほどの浮動感に襲われた。
やばい、いつものだ。
見覚えのあるその発作にダキはとっさに目を抑え黙りこんでしまった。
「ダキ?」
「ダキ君?」
「おい、大丈夫か」
当然の異変に、不安げに皆がダキの顔を覗き込む。
しかし、ダキはあまりの痛さに心配する周りの声に応えられず
全身が硬直したまま動けずにいた。
「…、っ」
ズキンッ、と脳から突き刺すような一際強い痛みに襲われて、
___ザザ、ノイズのような映像が一瞬ダキの脳裏を走る。
ハッキリとしない映像の中
炎に包まれた鳥が自分の腕らしき所に止まる光景を見た
色も、全貌も、鮮明に見えはしないのに
何故かダキはその羽の温かで柔い感触と
心から愛しい、と思う気持ちを感じていたことを体感した。
『ーーー………チェ』
俺が、目の前の鳥を撫でながら愛しげに名前を呼ぶ。
自分でないはずの自分が気持ち悪いほど愛おしい声で呼ぶ名は
まるで今の自分とは別人の様で更にダキの胃の腑を重くした。
幻影のような映像が目の前から消え失せた所で、
ようやく治ってきた痛みに額から脂汗が流れ落ちた。
「いつもの発作でござるか?」
ゴエモンは苦しそうにするダキへ心配げに声をかけた。
この発作は度々、ツノのあった側頭部から額にかけて氷柱で突き刺したような冷たくて熱い痛みに襲われる。
それだけでも忌々しいのに
時々、過去の記憶らしきものがフラッシュバックするのだ。
ゴエモンの坊ちゃんに拾われる前
ダキ自身、自分が何者であったかなんて知る由もないが
どうやら俺はたいそうな悪魔だったらしいことはわかる。
記憶の中で多くの老若男女が俺の前に現れる。
高位そうな年寄りの悪魔や
世界を悟って荒んだ若い悪魔に
色気ムンムンの女悪魔に、
見るからな貧しそうなガキの悪魔や
馬、蛇、鳥と様々な容姿の魔獣達
俺の前に現れる悪魔達の容姿は朧げだと言うのに
俺を見つめる熱量が、
心臓に残る与えられた感情が、
耳の奥に残る名前を呼ぶその声に
何も分からない筈なのに暴れ出してしまいたくなるほどに感情が揺らめく。
過去の自分が今の自分の姿を咎めるように
愛しかった記憶ばかりをチクチクと見せ続けるのが何よりも辛かった。
その度に、心臓は苦しくなるし、体全身を氷漬けされる様な寒さと痛みで体がすくむのだ。
「………なんでもねぇ、」
今もなお、返せ、と壊せ、と別の自分のが耳元で囁くのをグッと笑って堪えるしかないのだ。
「発作?何か病気なの?」
「保険医を呼ぶか?」
「……時々、起こる酷い頭痛だ。気にすんな」
心配げに見つめているゴエモンと入間。
その後ろでそわそわ腕を上げて何かしようとはして行き場を失っているアスモデウスに思わず笑った。
いつか、俺は過去の自分のことを全て思い出すんだろうか。
その時、俺は坊ちゃん達に親切にできる悪魔なんだろうか。
全てを思い出して、今とは全くの別人の残虐な悪魔になってしまっても、坊ちゃんは俺を失望せず居てくれるんだろうか。
「ほら、そろそろ始まるぜ担当官様のおでましだ。」
いつか来てしまうんだろう未来が怖くてダキは笑って誤魔化した。
好きなCPは?(市場調査)
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ダキ×ゴエモン
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ゴエモン×ダキ
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ダリ×ダキ
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ダキ×ダリ
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ダロキア×ダリ
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ダリ×ダロキア
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ダロキア×バール
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バール×ダロキア
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ダキ×アスモデウス
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ダキ×キリヲ
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その他(自由回答)