日本国召喚 国際協力機構 異世界を往く   作:アニキ イン ザ スペース

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第三十八話 さらばナエノデンエン

中央歴1639年(西暦2015年) 9月18日 クワ・トイネ公国 ナエノデンエン村

 

 

初秋が過ぎ草木に秋の色が付き始めたクワ・トイネの草原を客車と貨車を牽引したディーゼル機関車が南へと向かって行く。

 

客車に乗っている乗客の殆どは『ロウリア事変』で村々から徴兵された若い男性達で、それぞれが村の近くで停車した列車から降りると待っていた家族と共に久しぶりの家路(いえじ)へと向かって行った。

 

「あぁ……こうゆう光景を見て、ようやく戦争が終わったなって、実感するよ!」

 

『そうだな、オレたちは今までラジオの情報でしか戦争の事を知らなかったからな……。』

 

比留川と牧田は客車の中から故郷へと戻る若者達の姿を見送るとその様に話し合う……やがて列車は現在の終点駅で在るナエノデンエンへと到着した。

 

比留川と牧田はナエノデンエン村の新たな玄関口となった駅のホームへ降りると到着を待ち侘びた多くの村人達が歓声を上げながら彼等を出迎えた。

 

「ヒルカワさん、マキタさん、おかえりなさい!」

 

「受章、おめでとうございます!」

 

比留川と牧田は出迎えに来た村人達の手を握りながら歓待に答える。

 

(……この村も最初に来た時と本当に大きく変わった……。)

 

新築された駅の周囲には無数の穀物用サイロが立ち並び、日本から導入された大型の収穫機が広場に整列する中、その向こうの丘の上では新たな大型風力発電機の建設が行なわれている……。

 

比留川は初めてこの美しい村に来た時の事を思い出し「これで良かったのか……!?」と村の変貌に疑問を感じていると、彼の名を呼ぶ声が聞こえて来た。

 

「ヒルカワ様、マキタ様、お帰りなさいませ、それと受賞おめでとうございます!」

 

ナエノデンエン領主の娘で在るジョレーンがメイドのリドルと大人のエルフの女性と共に比留川達の元へと歩み寄って来る。

 

「ジョレーンさん、ただ今戻りました……失礼ですが、そちらのお方は!?」

 

比留川はジョレーンの後ろに居る、何処か彼女に似ているエルフの女性について尋ねると、エルフの女性は自己紹介を始める。

 

「お初に御目に掛ります、ヒルカワ様……私はリーン・ノウ拝殿(はいでん)の神職で、レーキ・ゾラ・ノーグの妻、そしてジョレーンの母親で在る、シリカ・ゾラ・ノーグと申します、どうぞお見知り置きを……。」

 

その様に自己紹介を行うとシリカはスカートの裾を軽く持ち上げ深々と挨拶を行なった……彼女は南のリーン・ノウの森付近に在る拝殿で神職を勤めていた為、長い間家を留守にしていたらしく今回、『豊穣祭』に併せて村に戻って来たとの事だ。

 

「ヒルカワ様、正午前に御父様から魔信がございまして、今日中に村に戻ると言われていました。」

 

比留川はジョレーンの言伝(ことづて)に昨日、公都を発つ前に会ったノーグ卿の言葉を思い出す……「私はまだ諸用が立て込んでいますが、明後日の『豊穣祭』までには必ず戻ります……。」と話していた事を思い出す。

 

「あっ!? お嬢様、あれを……御館様が戻ってまいりました!」

 

そう叫んだリドルが指差した先にはワイバーンに騎乗した領主のレーキ・ゾラ・ノーグが村の上空を大きく旋回する姿が有った。

 

「ほぉ……少し留守にしていた合間に村も大きく変わったな!」

 

ノーグはニホン国によって建てられた鉄道駅やサイロ、そして建設中の風力発電所を上空から見渡すと満足気な表情を浮かべながら着陸の態勢(たいせい)へと入った……。

 

 

中央歴1639年(西暦2015年) 9月19日 クワ・トイネ公国 ナエノデンエン村

 

 

翌日、絶好の晴天日を迎えたナエノデンエン村では、村人達全員が集まり『豊穣祭』唯一の儀式で有る『収穫の儀』が小麦畑に面した広場で行われ、比留川を始めとするJICAの職員も麦畑で行なわれる儀式を見守っていた……。

 

「……これにより我らクワ・トイネの民は『緑の神』より賜りし豊穣の大地より得られし神の恵みを同胞と友に、そして飢えに苦しむ人々の為、これを分け与え共に喜びを得る事を『緑の神』の名に於いてここに果さん……。」

 

麦畑の前に建てられた簡素な祭壇の前で、クワ・トイネの民族衣装を身に纏った領主で在るノーグ卿が祝詞(のりと)(そう)し上げると、鎌を手にして実がなった小麦を大きく一束刈(ひとたばか)り取る……そして、その束を祭壇に捧げ再び祝詞を奏し上げると、妻のシリカと娘のジョレーンがそれぞれ麦を一束ずつ手に取る。

 

「これより、享受(きょうじゅ)の儀を行なう! 代表者、前へ……。」

 

ノーグ卿の言葉にクイラ王国からの出稼ぎ人のリーダーで有る獣人のザンタスと日本国の代表として比留川の2人が前へと歩み寄る……。

 

「クイラの友邦達よ、我が村の為に共に汗を流した証として我らは『緑の神』の恵みを共に分かち合う事を望み、豊穣と享受の喜び、そして共に繁栄と調和があらん事を……。」

 

「享受の喜びと共に繁栄と調和があらん事を……。」

 

ザンタスはそう答えるとシリカから両手で小麦の束を受け取り深く一礼をする……次に小麦の束を手にしたジョレーンが比留川の元へと歩み寄って来る……。

 

「新たなる友邦たるニホンの民よ……我らクワ・トイネの民に新たな未来の道を示すだけで無く、邪悪なる手より我らを救い出した事に対し、この上ない感謝の意を贈る……我らと共に『緑の神』からの恵みを享受し、共に繁栄と調和があらん事を……。」

 

ノーグ卿が祝詞を言い終えると、ジョレーンは比留川に小麦の束をそっと差し出した。

 

「ヒルカワ様、お待たせしました……これでご恩をお返しする事が出来ます!」

 

「有り難う御座います、ジョレーンさん! 享受の喜びと共に繁栄と調和があらん事を……。」

 

比留川は小麦の束を受け取り一礼すると、振り返りながら小麦の束を天高く掲げる……するとJICAの職員を始め、村人達から拍手と歓声が沸き上がった!

 

 

豊穣祭が終わると広場で待機していた収穫機のエンジンが咆哮(ほうこう)の様な(うな)りを上げながら次々と起動し、小麦の収穫を開始する。

 

巨大なリールを回転させながら次々と麦を刈り取る収穫機を見て村人を始め出稼ぎの獣人達もその姿に驚きながら目を見張る。

 

「スゲエなぁ、こりゃ……これじゃ俺達の出番、全くねぇじゃねぇか!?」

 

「まったくだな、ザンタスよう……でも、これで腰を痛めずに収穫出来て、それで麦や豆を貰えるんだから良いことづくめじゃねぇか!」

 

「ガハハ……そうだな!」

 

2人の獣人達はそう言うとお互い笑い始める、そんな2人の横では比留川と牧田の2人が万感(ばんかん)の思いで収穫作業を見つめていた。

 

「この半年は本当に長かった……しかし、色々と苦労した筈なのに、不思議とそうは感じ無い、むしろ楽しかった……。」

 

「あぁ……オレも村での生活が長くなっちまったせいで、ここを出て行くのが惜しくなってきたぜ!」

 

そう語る比留川と牧田の横を巨大な収穫機が土煙を上げながら横切って行く……広大なナエノデンエンの畑には小麦だけでは無く、大豆、落花生、そして甜菜など多くの作物が収穫の時を待っている。

 

収穫された作物の一部は既に専用貨車に積み込まれており、明日にはマイハークを経由して日本へと運ばれて行くだろう……そして遥か南のクイラ王国では油井から採掘された原油がタンカーへの積み込みが開始されたとの報道がラジオから流れてきた。

 

異世界転移から239日……遂に日本国は建国以来最大の危機を脱し、この異世界で生存する(すべ)を見出したので有った。

 

 

中央歴1639年(西暦2015年) 9月23日 クワ・トイネ公国 ナエノデンエン村

 

 

作物の収穫作業が終盤を迎える中、ナエノデンエン村に常駐している国際協力機構のメンバーも交代の時期を迎え、新たに赴任して来た隊員達との引き継ぎを終えると帰国の途へと付いていた。

 

その様な中、初期のメンバーで畜産学を専門とする大屋 香澄は、日本へは帰国せず新たな土地を目指す事となった。

 

「大屋さん、本当に行かれるのですか……。」

 

「えぇ…引き継ぎも終わりましたし、許可も貰えましたので!」

 

比留川の言葉に彼女は屈託(くったく)の無い笑顔でそう答えながら、(まと)めた荷物を背負い込む……大屋は出稼ぎから戻る獣人達の一行に同行して、現地で飼育されている珍しい家畜の調査を行なう為にクイラ王国へ向かう事を決めたので有る。

 

「ヒルカワさん、貴方達は我々に色々と良くしてくれました! この御恩(ごおん)に報いる為、彼女の身の安全は我ら一族の名に賭けて必ずや果します……どうかご安心を!」

 

獣人達のリーダーで有るザンタスが力強い口調で伝えると、比留川は少したじろぎながら彼の言葉に答える。

 

「わ…解りました……是非、彼女の事をお願いします! それとザンタスさん、馬車の調子はどうです……?」

 

話題を替えた比留川の言葉にそれまで険しかったザンタスの表情がぱっと明るいモノに変わった。

 

「ええ、すごいの一言です! まさか鉄の馬車を作って頂ける何て夢にも思ってなかったですから!!」

 

ザンタス達は使用している馬車の整備を毎年、ナエノデンエン村を訪れる事にドワーフのダイスに頼んでいたが、今年は馬車に酷くガタが来ているとの報告を受けていた……そんな時、牧田より「事故で廃車になったトラックが有るから、ソイツの部品で作り直すってのはどうだい!」との提案が出された事で、新たに馬車が作られる事となった……。

 

馬車の車体は廃車になったトラックのフレームから作られ、これまで以上に頑強かつ多くの荷物が積める様になり、リーフサスペンションを流用した事で以前の馬車とは比べ物にならない程、揺れが穏やかになった……そして滑らかに回るタイヤのお陰で牽引するヤイクン達の負担が大幅に減ったとザンタスは喜びながら話していた。

 

だが比留川自身が最も驚いた事は、溶接機の使い方をドワーフのダイスに教えた所、2日もしない内に使い方を覚えるだけで無く、熟練工並の溶接が出来る様になっていた事だろう……ダイスいわく「鉄の筋目を感じながら溶接棒をなぞっている。」と言っており、太古の昔から金属の加工に秀でた種族の能力を垣間見た事に、比留川は驚きと共に感動を覚えるので有った……。

 

多くの作物が満載された馬車に、来た時よりも丸々と太った2頭のヤイクンが繋がれ、ザンタス達の故郷に帰る準備が整った……。

 

「皆さん……今年もお世話になりました、また来年も手伝いに来ますので!」

 

ザンタスと獣人達は見送りに来たノーグ卿とダイス、そして村人達に別れの挨拶をすると、ヤイクンの手綱を手に取り街道を進み始めた。

 

「では比留川さん、遅くとも来年の春には戻って来ますので!」

 

「分かりました……では、大屋さんもお元気で!」

 

大屋は比留川達に一礼すると、陸鳥の頬を撫でながら獣人達と一緒に歩き始める……大屋の手の中で生まれた陸鳥は何時しか人の背丈を超えて重い荷物も運べる様になったが、相変わらず大屋の前では甘えた声で鳴きながらその後ろをトコトコと付いて行くので有った……。

 

「さて……俺達も帰る準備をするか。」

 

比留川は大屋達の姿が稜線(りょうせん)の向こう側に消えて行くのを見ながら寂しげにそう呟いた。

 

 

中央歴1639年(西暦2015年) 9月25日 クワ・トイネ公国 ナエノデンエン村 ナエノデンエン駅

 

 

そして遂にナエノデンエン村を離れる日がやって来た、まだ朝霧が地面を漂う早朝にも関わらず、多くの村人達が駅のホームへと集まり日本へと帰国する比留川と牧田の見送りを行なった。

 

「比留川さん、牧田さん、今まで有り難う御座いました……御二人にこれからも『緑の神』の加護があらん事を!」

 

客車越しにノーグ卿が2人に別れの言葉を述べると、娘のジョレーンが手にしていた袋をそれぞれ2人に手渡すと笑顔で答えた。

 

「ヒルカワ様、マキタ様! その袋にはシュリッペと言うパンのお料理が入っています、これから鉄道が東へと延びて行って……この村にも色々な人が来ると思うんです! そんな人達に食べて貰おうって思いながら試しに焼いてみたんです。」

 

渡された袋からはとてもいい匂いがしてきて比留川と牧田の2人は思わず顔を(ほころ)ばせる……。

 

「ジョレーンさん有り難う御座います、帰りの旅の楽しみにします。」

 

比留川がそうジョレーンに礼を言うと、駅長のホイッスルが場内に響き渡り列車の出発時刻が迫って来た。

 

「ノーグさん、ジョレーンさん……皆さんお元気で!!」

 

窓を開けた客車の向こうから比留川がそう言うとディーゼル機関車の汽笛が大きく鳴り響き列車は動き出す、村人達が手を振って見送る中、列車は金属がぶつかり合う音を(かな)でながら徐々に速度を上げて行く……。

 

「これでこの村も見納めか……今度は観光で来て見たいな。」

 

「あぁ……そうだな!」

 

走り行く列車からナエノデンエン村の姿を見ながら、2人はそう寂しげに語り合う……1両だけ客車を連結した混合列車は汽笛を鳴らしながら終点マイハークを目指し一路、北へと進んで行った……。

 

斯くて、7か月近くに及ぶ『国際協力機構 クワ・トイネ公国現地技術協力プロジェクト 第一次派遣隊』は団長で在る比留川 克義と副団長の牧田 祥吾の帰還により無事にその目的を達成する事となった。

 

 

同日 クワ・トイネ公国 新マイハーク港 飛行艇桟橋

 

 

臨時埠頭の建設でクワ・トイネ最大の食料積み出し港となった新設港は『新マイハーク港』と呼ばれる様になり、穀物の積み出しが行なわれる中、港を拡張すべく日本からやって来た浚渫船(しゅんせつせん)やコンクリート工事船による工事が続いていた。

 

臨時埠頭の端に建てられた桟橋には旅客用に改装されたUSー1A救難飛行艇が停泊しており、まだ飛行場の無いマイハークと公都クワ・トイネ、そして日本本国を繋ぐ数少ない拠点として機能していた。

 

「おい、比留川……結構滑るから気を付けろ!」

 

比留川達の到着前にマイハークに降り注いだ通り雨が飛行艇桟橋の塗装しただけの鉄板を濡らし、歩き難くなっていた。

 

「わかっている……っとっとっ、うあっ!!」

 

牧田に言われたにも関わらず、比留川は足を滑らせてしまい手にしていた荷物を桟橋から落とさない様に手放してしまった為、逆にバランスを崩し海へ落ちてしまった!

 

「うあああぁぁぁっ……あれっ!?」

 

転落した比留川の目の前に海が迫って来るが海に落ちる寸前で動きが止まり、左足を凄い力で(つか)まれてるのを感じるとそのまま桟橋へと引き上げられた……。

 

(おい、嘘だろ……片手で人を持ち上げているぞっ!?)

 

1人の男が比留川の片足を掴んでそのまま持ち上げる姿を見て、牧田は茫然となる……男は比留川をゆっくりと桟橋に下ろすと心配そうに声を掛けてきた。

 

「大丈夫ですか……少し無理に引き上げたので、何処かを痛めていませんか!?」

 

自衛官の制服を着た男は大柄でコワモテな容姿にも関わらず、優しい口調で比留川に話し掛けながら手を差し出す。

 

「大丈夫です……それより、ありがとうございます! 帰国だと言うのに滑って海に落ちたなんて笑い話にもならなくなる所でした……。」

 

男の差し出した手を取り立ち上がりながら比留川はバツが悪そうに笑うと男も笑みを浮かべた……。

 

立ち上がった比留川が男の制服の右胸に付けられた名札を見ると、そこには「陸上自衛隊 山内」と表記されていた。

 

 

比留川と牧田、そして山内 三佐の3人はUSー1A救難飛行艇へと乗り込み離水の時を待つ……やがて機内にブザーが鳴ると飛行艇はターボプロップエンジンの音を鳴り響かせ桟橋を離れ離水を開始する。

 

USー1A救難飛行艇は水鳥の様にふわりと海面から離れると高度を上げながら北の空へと飛び去って行く……マイハークの海岸には子供達が離水する姿を見ながら一緒に走って行く姿も有り、空の彼方へ飛び去って行く飛行艇を海と砂浜の間で見えなくなるまで見つめていた……。

 

離水を終えたUSー1A救難飛行艇は雲へと入り日本本土へと飛行する中、席を立った比留川は後部座席に座る山内 三佐の席へと行き彼に声を掛けた。

 

「先程は有り難う御座います……御礼と言っては何ですが、現地の村で頂きましたパンを宜しければどうぞ!」

 

比留川はそう言いながら袋の中からシュリッペを取り出し山内 三佐に差し出す。

 

「おっ! これはいい匂いがしますね、宜しいのですか!?」

 

これまでクワ・トイネで現地の料理を食べて来て、その美味しさを知る山内は比留川が差し出したシュリッペを喜びながら受け取る。

 

「そうそう、検疫(けんえき)の問題で持ち帰りは出来無いのでここで食べないといけませんよ!」

 

「えっ? そうなんですか……では、遠慮なく頂きますか!」

 

比留川と山内、そして牧田も加わりジョレーンが作ったシュリッペを食べ始める。

 

「おおっ! コレは美味いなぁ!!」

 

カリッと焼き上がったパンの中に味付けされた根菜と鶏肉がパンと混じって入っており、中の柔らかいパンの食感とマッチして絶妙な味わいが口の中に広がる、

 

3人がシュリッペの味覚を味わっていると飛行艇は雲を抜け機内の窓に光が差し込む、その眼下の先には広大な緑の大地……ロデニウス大陸の姿が有った。

 

「あれが俺達が半年間居た異世界の地か……。」

 

「あぁ……今、思い起こせば色々有ったな……。」

 

「まったく、色々な事があり過ぎてカミさんにどう伝えれば良いのかホント迷うな……!」

 

比留川と牧田、そして山内の3人はそれぞれの思いの中、遠ざかるロデニウス大陸を見つめるので有った……。

 

続く




戦争が終わり日本への食料安定供給が始まった事で、役目を終えた比留川と山内の2人も無事に日本に帰還する事となり、物語も終演を迎える事になりました……2年近く掛かりましたこのお話も次回で最終回とはならず、物語は神話の時代まで戻って伏線を回収する話となります。

悲報……次回こそ最終回かと思ったら、伏線を回収する前に5000字を超えたので、泣く泣く別話として収録となりました。 次回、伏線回収話こと「マイハークの車輪」
 

用語

リーン・ノウ拝殿

ナエノデンエン村の遥か南、リーン・ノウの森の前に建てられた拝殿で、『緑の神』を祀るアルース・ラーサ神殿の外宮として、リーン・ノウの森に入る事が出来無い一般の信仰者の参拝先となっている。
拝殿は周辺の領主達により合同で運営されており、輪番で神職となる人物がアルース・ラーサ神殿から派遣される神官の補佐を行なっており、物語ではジョレーンの母で在るシリカが神職として派遣されていた。
リーン・ノウ拝殿は人里遠くに建てられており、全ての神職は長い間、拝殿での生活を余儀無くされるが、ハイエルフの神官に接する事が出来ると言う事で、クワ・トイネの人々から名誉有る職とされている。
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