日本国召喚 国際協力機構 異世界を往く クワ・トイネ編   作:アニキ イン ザ スペース

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第八話 戦火の国境へ

中央歴1639年(西暦2015年) 4月12日 クワ・トイネ公国 ナエノデンエン村

 

比留川達JICAの職員は村から離れた集落にて耕起作業を行なうトラクターを移送すべく、自衛隊の大型トラックにトラクターを載せる作業を行っていた。

トラックの荷台に載せ終えたトラクターのタイヤを荷締めバンドで固定していると、陸鳥のヒナを連れた大屋が慌てた表情で彼の名を呼びながらやって来る。

 

「比留川さん、大変です! 村の広場に有る三角形の大きなラジオが急にキンキン言いながら黄色くピカピカって光り出したんです!!」

 

「?……ハァ!? すみません大屋さん、もうちょっと詳しく話してくれませんか?」

 

「え~っと! とにかく、あのラジオ見たいな装置が急に音を出しながら光り出したんで、村人達が集まって来ているんです!!」

 

大屋の説明を全く理解できない比留川は作業を止め、彼女と共に村の広場へと向かって行った……。

 

広場に設置されている魔信放送受信機と呼ばれる四角錐の物体の周りには多くの村人達が集まっており、その中に牧田とドワーフのダイスに獣人のザンタス、そして不安げな表情で光る装置を見つめる、領主の娘ジョレーンとメイドのリドルの姿も有った。

 

「おっ……比留川、お前も来たか!」

 

「牧田、ダイスさん! 一体、何が起きたんですか!?」

 

「さっきから装置が光りだしてのう……ワシはこの受信機が設置された時からずっと見ておるが、こんなのは初めてじゃ!!」

 

四角錐を(かたど)る魔信放送受信機がキーンキーンと言う音と合わせて受信機の底部が黄色く点滅しており、比留川達を含む集まった村人達が何事かと装置を見ているとジョレーンが装置の横に立ち、村人達へ話し始める。

 

「皆さん、聞いて下さい……受信機から出るこの音と黄色の点滅は緊急魔信速報の予告信号です! 我が国で緊急事態が起きた時に、この様に点滅すると父が言っていました。」

 

ジョレーンがそう説明すると、魔信放送受信機の底部が青白く輝きだし雑音と共に音声が聞こえて来る……。

 

「ザザッ……緊急魔信速……ザッ……急魔信速報……ワ・トイネ中央放送より……ザザーッ……クワ・トイネ公王庁発表……本日早朝、ロウリア王国軍の諸侯軍がギムの街へ侵攻を開始したとの報告が有りました……軍務局はギムの街は既にロウリア王国軍の占領下に有るものとし、クワ・トイネ評議会は我がクワ・トイネ公国がロウリア王国と戦争下に有る事を宣言、これにより全国に向け予備役の召集を決定しました……予備役のクワ・トイネ臣民は最寄りの……。」

 

「ロ……ロウリア王国が攻めて来ただと!」

 

「ギムの街が占領されたのか……大変な事になったぞ!!」

 

「ねぇ……もしロウリア軍がナエノデンエンに来たらどうしたらいいの!?」

 

「おい! 俺、予備役登録されているんだが、どうしたら……。」

 

突如、戦争が勃発した事を知らされナエノデンエンの村人達に動揺が広がる中、ジョレーンは力強い声で呼び掛ける。

 

「皆さん、落ち着いて下さい! ナエノデンエンからギムまで600km近い道のりが有る上に道中には城塞都市のエジェイが有る以上、ロウリア軍が直ぐにこの村へ攻めて来ることは有りません!! それと予備役の方はこの後、屋敷へ来る様お願いします……此方で武器と防具、応召員証(おうしょういんしょう)を支給いたします。」

 

ジョレーンの毅然(きぜん)とした言葉に村人達が驚き沈黙する中、何処からかすすり泣く声が聞こえてくる……。

 

比留川が泣き声のする方へ向くと、メイドのリドルが涙をポロポロと流しながらすすり泣く姿が有り、ジョレーンが慌てて彼女に駆け寄っていく。

 

「お嬢様……ごめんなさい……わたし、わたし…………。」

 

「リドル……いいのよ、解っているわ……。」

 

そう言うとジョレーンは泣き止まないリドルを連れて屋敷へと戻っていく……それを見ていた比留川と牧田に対し、彼女が泣き出した理由をダイスが話し始める。

 

「あの子はなぁ……リドルは昔、家族をロウリアに殺されてただ一人クワ・トイネへと逃げて来た子なんじゃ……もう10年以上前の話になるかのぅ。」

 

ダイスの話では今から12年程前に、リーン・ノウの森からハイエルフ達が村へとやって来て『森の声に従い人間共に追われていたドワーフの子供を助けた……我らの森で暮らす事は出来ない以上、君達の村に受け入れて欲しい。』と言い、まだ幼いドワーフの少女、リドルを連れて来た……。

リドルはロウリア王国の中央に位置する岩山を城砦化し、長い間ロウリア王国の侵攻に耐えて来たドワーフの一族だったが、魔獣を率いたロウリア軍の襲撃により城砦は陥落、一緒に逃げ延びた両親達は彼女を逃がす為に道中で命を落とし、追手から逃げるべく逃げ込んだリーン・ノウの森でハイエルフ達に助けられたらしい。

 

その後、ナエノデンエン村でドワーフの老夫婦の元で育てられ、3年前に老夫婦が亡くってからノーグ家のメイドとして働く様になったが、今回の戦争の(ほう)を聞いて過去の事を思い出してしまったのだろうと……ダイスは話してくれた。

 

「戦争になれば、またあの子の様な悲しい思いをする子供達が増えると言うのに、ワシらじゃ戦争を止める事が出来ん……。」

 

ダイスはそう言いながら、悔しそうに肩を震わせる……比留川と牧田もそれを黙って見ているしか出来ない事に、自分達の無力さを感じるので有った。

 

 

開戦の報道を聞いた比留川達は事務所へと戻り、クワ・トイネ日本大使館の田中大使に今後どうするか連絡を取った所、まだ日本政府から具体的な指示は来ていない為、現状維持のままでいて欲しいとの回答が有った……。

 

「戦争状態となった国で現状維持とは……まぁ、この状況で全く何も考えていないなんて事は無いとは思うけど!?」

 

無線を聞いていた比留川は腕を組み難しい顔をしながら呟く……。

 

「諸星一佐、現時点でクワ・トイネは何処までロウリア軍と戦えますか!?」

 

比留川は横に居た諸星一佐に質問を投げると、彼は深くため息をついてから答え始める。

 

「ロウリア王国軍は直轄の部隊だけで24万、配下の諸侯軍には約40万の兵士がいるとの情報です、それに対してクワ・トイネの兵士は5万程……今から動員令を出しても同等の数を確保するのは難しいでしょう……最近の報告では敵大船団によるマイハークへの強襲が有るとの報告も有った為、防衛省の話では戦争が始まれば開戦から2~3ヶ月以内にクワ・トイネの主要な都市は全て陥落するだろうとの話です!」

 

比留川の質問に諸星一佐は以前、駐在防衛官の久光一佐から知り得た情報を簡潔に話し、それを聞いた牧田は頭を抱える……。

 

「コイツは話にならないな……しかしマイハークが占領されるとオレ達、日本に帰れなくなるぞ!」

 

「恐らくそうはならないと思いますよ!」

 

諸星一佐の言葉に2人は一瞬「えっ……。」となり、彼の話に耳を傾ける。

 

「ご存じの通り、我々は万が一ナエノデンエン事務所を放棄する事態になった場合『新世界技術流出防止法』に(のっと)って、施設と機材を爆破、焼却処分する事になっているんですが、実はこの事態になっても爆薬の準備どころか供給される気配すら有りません!」

 

確かに以前、ロウリア軍の国境集結時に大使館経由で「職員退去後に自衛隊により施設を爆破する為の資材を準備する」と言った話が有ったが、これまで本国から届く物資にそれらしい物は無かったどころか、そもそもナエノデンエン事務所に常駐する自衛隊員は爆発物はおろか武器すら所持していない……。

 

「施設の爆破に必要な機材を準備しないと言う事は、ここを放棄するつもりは無いと……。」

 

「つまり……日本政府はクワ・トイネを見捨て無いと言う事か!」

 

「希望的推測ですが、自分はそう思っています。」

 

比留川は自衛官で在る諸星一佐がここまで自分の意見を述べている事に少し驚く。

 

「う~ん! 国がクワ・トイネを本気で救う気でいても色々と問題が有るからな~! 憲法の問題だけでは無く、連立している与党の政党と野党の中には未だに異世界に転移して来たと言う現実を理解していない連中もいるわで……まったく現場の苦労を知らずに、対面ばかり気にしすぎる奴が多すぎるんだよ!!」

 

「牧田……そう愚痴っても、って言いたいが……実際そうなんだし、ココにいる俺達じゃ今は何も出来ないんだよな……。」

 

「何も出来ねぇだったら、出来る奴に任せてオレは酒飲んで寝る事にするよ……。」

 

「ははっ、それは良い案ですが自分は自衛官なので遠慮しておきます!」

 

2人の言葉に比留川は笑いながらも、未だに動かない政府に対し少なからず不満を抱いていた……あぁ、もし牧田の言う通りこの事態を打開する事が出来る奴がいるならそいつはどんな奴で、どうやって打開するのだろうか……。

 

比留川はそう思いつつも、窓から見える2つの月を見つめながら、ため息をついた……。

 

 

同日 クワ・トイネ公国 城塞都市エジェイ

 

比留川がナエノデンエン村から2つの月を見ている時、ここエジェイの街でも同じ様に2つの月を見上げる男がいた。

 

「この異世界で色々と奇妙な物を見てきたが、やっぱりこの2つの月が一番インパクトがあるなぁ……。」

 

空を見上げ、そう呟いた後にフードを深く被り直す男……情報部別班の山内 哲也は同行員である特殊作戦群の田崎と共に、高い城壁に囲われた城塞都市エジェイにその姿が有った。

 

山内達は昨日、オコシ団長率いる銀山羊騎士団と共にエジェイの街に到着したが、ロウリア軍のギム侵攻の報を受けた銀山羊騎士団はギムへの出発を取り止め、現在はここエジェイの街で待機状態となっている。

 

ギムの陥落を知った山内は外交官権限(がいこうかんけんげん)で現地の長距離魔導通信機を借り受け、クワ・トイネ外務局へ連絡を行う……ロウリアの侵攻を受け公都の外務局は慌ただしい雰囲気で有ったが、外務局の日本担当で在るヤゴウと連絡が取れ、彼に頼んでいた案件についての報告が有った。

 

「その件ならば、私の知る中で一番信頼できる人物に依頼をしています、彼女とはエジェイの冒険者ギルドで落ち合って下さい!」

 

(彼女……!?)

 

どうやらその彼女とはヤゴウの古い知り合いらしい……魔法通信を終えてエジェイの市街地へと出た山内は、田崎と共に冒険者ギルドへと向かい歩き始めた。

 

「どうやら、ここの様だな……。」

 

山内は冒険者ギルドの看板に書かれた文字と手に持っていた日本語とまだ翻訳が進んでいない大陸共通語が書かれた比較表の紙を見比べながら、そう呟く……。

 

「しかし、冒険者ギルドなんてゲームの世界だけの物かと思っていましたが、実在するとは……。」

 

「ところ変われば、虚構(きょこう)も現実となる……か? 全くこの異世界は退屈するヒマがねぇなぁ!!」

 

そう言いながら山内はギルドの扉を開け中へと入る……ギルドの中は広いが準備されている机や椅子には誰も座っておらず、閑散(かんさん)としていた……。

山内はカウンターにいた受付の女性に要件を伝えると、彼女は「お待ちください!」と言いながら慌てて奥へと入って行く、どうやら何処かと魔法通信で連絡を取り合っている様だ。

 

「山内三佐、見て下さいよ……依頼書らしい紙が壁一面に貼り付けられています、ゲームの世界そのまんまですよ!」

 

受付の返事を待っている間に田崎が壁に貼られている依頼書らしきモノを見つけ、ゲームで見た光景がそのまま有る事に喜んでいる様だ、山内はその中の一枚を取ってみて読んでみる……。

 

「何て書いてあるかは解らんが、こんなに依頼書が有るって事は誰も依頼を受けていないのか!?」

 

「それは国境付近の村々を巡る、行商人の護衛依頼だね! ここに有る依頼書は全部、戦争が始まってから冒険者達が逃げだしてキャンセルになった分だよ!!」

 

後ろから若い女性の声が聞こえた為、山内が振り返るとそこには赤毛のショートヘアーのエルフの女性と、栗色の髪の毛から猫の様な耳が出ている獣人の少女の姿が有った。

 

「……あんたが『赤毛のヘラ』か!?」

 

「そうだよ、アンタ達がヤゴウが言ってた二ホン国の軍人だね! まったく……あの坊やは何か有るとすぐアタシに面倒事を押し付けてくれる!!」

 

山内はヤゴウから聞いていた彼女の二つ名を口にすると、エルフの女性はぶっきらぼうに答える。

 

「昔はアタシのスカートを引っぱって放さなかったヤゴウの坊やが、今じゃ外務局のお偉いさんだ……ところでアンタ達、今からギムの街まで案内しろって正気かぃ!」

 

「ロウリア兵に見つからずにギムの街の近くまで案内してくれれば良い、出来るなら敵に見つからずに街を見渡せる場所を案内して貰いたい。」

 

山内の言葉を聞いたヘラは腕を組みながら少し考える。

 

「ふ~ん! だったら、何とか出来そうだね……この依頼はギルドが国から受けた指名依頼だから断れなくてね! それならばギムの近くまでの案内はこのアタシが、周囲の偵察はこの魔獣使いのチチ―ナがやってくれるよ!」

 

「チチ―ナですにゃん、よろしくですにゃ!」

 

ヘラは彼女の横にいる獣人族の少女を紹介すると小柄な彼女が天真爛漫(てんしんらんまん)そうな声で挨拶を行い、その背丈(せたけ)とは不釣り合いな大きな胸が揺れ動く。

 

(チ・チチ―ナ……!?)

 

山内と田崎は彼女に意識されない様に注意しながらも、その胸につい視線を向けてしまう……。

 

「さ・さて……出発は明日の早朝で馬での移動になるが問題無いか?」

 

「前金は(すで)(もら)っているし、今から準備をするよ!」

 

「なら問題は無い様だな……では、明日の早朝に西門で合流しよう!」

 

ヘラとの約束を取り付けた山内達がギルドを出て行くのを見送ると、チチ―ナは少し不満げな表情でヘラに話しかける。

 

「ねぇヘラ姉、大丈夫なのかにゃ……あの二ホン人って、なんか変な所が有るにゃ!」

 

「どうしたチチ―ナ? 胸をガン見されたのがそんなに気になったか……!?」

 

「そうじゃなくて、あの二ホン人から魔力をまったく感じなかったから、死人じゃないかと思ったにゃ!」

 

魔獣使いで有る彼女は、近くにいる人や魔物等の魔力の強さを感覚で測る事が出来るが、日本人の二人からは何の魔力も感知出来なかった事に驚いていた。

 

「それはアタシも思ったよ……何でも、ヤゴウの話では二ホン人は魔法を全く使えないが、それを補う優れた技術を持っているって話だ……。」

 

「にゃ? 優れた技術……!?」

 

「ヤゴウの奴は二ホンから戻ってきた時にアタシに色々と嘘みたいな二ホンの事を語ってくれてね、なんかアイツが子供だった頃を思い出したよ……とにかく、これは国からの指名依頼なんだ! 他の連中の依頼と違ってもうキャンセルは出来ないし、ここはヤゴウの厄介事を引き受けるしかないね……。」

 

「にゃ~! 前金の金額に目がくらんでホイホイ受けた事、すこし後悔してるにゃ~!!」

 

ヘラとチチ―ナはそう言いながらギルドを出ると、明日の出発に備えるべく市場に向かう道へと歩いて行った。

 

 

中央歴1639年(西暦2015年) 4月13日 クワ・トイネ公国 城塞都市エジェイ 西の門

 

日の入りと共に重い音を立てながらエジェイの西門が開門し、馬に騎乗した4人が朝靄の残るギムの街へと続く街道へと向かっていく……。

それは門の警備を行う衛兵達を経由し、エジェイの街に駐留を始めた銀山羊騎士団の騎士達の知る所となった。

 

「伯父上! 二ホン国の武官が2名の冒険者達を連れ、ギムの街方面へと向かったとの事です!」

 

「どうされます、斥候(せっこう)の騎馬隊に追跡させますか!?」

 

衛兵からの話を聞いた女騎士のトウミは他の騎士達と共に司令部に在席している伯父のオコシ団長に報告する……朝食中だったオコシ団長は気の利かない姪達に対し不機嫌な表情で答える。

 

「トウミ……貴重な騎馬隊をそんな事に使う必要は無かろう、ほおっておくが良い!」

 

「しかし、敵と内通している可能性も……。」

 

「エルフや獣人を連れて、あのアデムの居るロウリアの陣地に行く訳なぞなかろう……それに連れている冒険者の一人は、ロデニウスで一番の野伏と呼ばれている『赤毛のヘラ』であるぞ! 斥候の追跡なぞ直ぐに気付かれて振り切られるのがオチであろう。」

 

『赤毛のヘラ』の名を聞くとトウミと騎士達は互いに顔を見合わせ黙り込んでしまう……そんな彼らを横目にオコシ団長は食後の紅茶を口にする。

 

「しかし、あの二ホンの武人達……戦端(せんたん)が開かれた国境へ(みずか)ら向かうとは、その勇敢さに我らも(あやか)りたいものだ!」

 

紅茶の入ったカップを置き、自慢の口髭をさすりながらオコシ団長はトウミと騎士達に聞こえる様に呟く……ギムの陥落で部下の騎士達に動揺が広がっている以上、こうでも言って彼らを焚きつけ、これから先に起こる戦に備えて士気を鼓舞せねばならない、そんなオコシの言葉にさすがのトウミも反論できず黙るしかなかった。

 

オコシ団長はヤマウチと名乗る二ホンの駐在武官と話し合った時の事を思い返す……彼らは魔力を持たないが、強い意志を持ってこの任務に参加しているのは確かだ、しかし何が彼らをここまで駆り立てるのか、ヤマウチ本人に問い合わせると彼はこう答えた……。

 

「亡くった祖父の遺言ってのが有りますが……まぁ、好きなんですよ! ()(まま)でお人好しばかり住んでいる日本って言う国が……。」

 

そんな彼の言葉に笑いつつも好意を抱いていたオコシ団長は執務室の窓越しに見える空を見つめながら、勇敢な二ホンの武人達に緑の神の加護が有らん事を願っていた。

 

続く




ロウリアとの戦争が始まり人々が動揺する中、山内達は『野伏のヘラ』の案内の元、ロウリア軍支配下の国境へ向かいます。
次回、遂にロウリア軍との戦闘が発生します!


用語

緊急魔信速報

クワ・トイネ公国にて放送休止時間帯で有っても、全国に臨時放送を送信するシステム、放送開始10分前に予告信号として受信機に黄色い信号と甲高い予告音を発信する。 放送開始以来、今回使われたのが初めてで有り、魔信放送受信機が地方に普及していない事と、最近の魔石不足により、十分機能していない事が問題視された。


魔獣使い

魔獣を独自の魔法で支配下に置き使役する事が出来る『従魔術』に長けた職種の名称。
南方世界から伝わったとされる魔術で有り、従魔にした魔獣を意のままに操り、視覚等の感覚も共有して遠くからでも魔獣が見ている物を見る事が出来る。
魔獣を従魔にする際にはその魔獣が持つ魔素(強くて大きい魔獣は大量の魔素を持っている)に適応した魔力が術者側に必要であり、これは家畜化された大型の魔獣(ワイバーンやリンドウム等)であっても、従魔として使役させる場合にはかなりの魔力と技量を要する事になる。
今回、雇われた魔獣使いのチチーナは『二つ名』こそは無いが、姿を消す事が出来る『ルリイロオオタカ』を使役し、相手に感付かれる事無く探索を行う事が出来る為、『赤毛のヘラ』の推薦で山内達と共に行動する事になった。


野伏

冒険者達の中でも、野外での探索に特化した職種の名称、相手に悟られずに移動や潜伏を行う術に長けており、野外環境や動植物に関する知識も豊富な為、未開地の探索では重宝される。
今回、山内が雇った『赤毛のヘラ』はハイエルフから「野伏の術」を学んだと言われており、その実力によりロデニウス大陸一の野伏と呼ばれている。
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