ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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ドリフターズに迷い込むもの

 大学生のユウスケは、一人で四国の山へキャンプに出かけていた。しかし、突然の暴風雨に見舞われ、キャンプ場に長期滞在を余儀なくされることとなった。

 

ユウスケはテントの中で必死に暴風雨を凌ごうとしていたが、運悪く落石がテントに直撃し、命を失うはずだった。しかし、その瞬間、どこからともなく現れた扉に引きずり込まれる。

 

気がつくとユウスケはまったく知らない場所に立っていた。そこは白い空間がどこまでも広がり、無数の扉が並んでいた。空間の中央には、まるで事務作業をしているかのような男性が座っていた。

 

ユウスケは混乱したま、その男性に何が起こっているのかを尋ねようとしたが、男性は「次。」とだけ言い放ち、ユウスケは何が起きるのか分からないうちに、一つの扉に吸い込まれてしまった。

 

 

 ユウスケは目を覚ますと、周囲には松明の炎が揺らめいており、城砦のような壁に織田の木瓜紋が描かれているのを見つけた。彼はその光景に目を丸くした。

 

「ここは…?」と呟くと、信長が彼に近寄った。

 

「おっ、起きたか。織田の木瓜紋と言ったな?俺のことを知ってるとは、後の時代の人間だな。」

 

振り向くと、片目に眼帯をつけ、黒髪の長髪を揺らしながら短筒を持つ男がいた。それこそが織田信長であった。

 

「助けていただきありがとうございます。あなたは?」とユウスケは言った。

 

「よくぞ、聞いてくれた。俺こそは第六天魔王、織田信長である。さて、俺は名乗ったぞ。お前は誰だ?」

 

「え~と…大学生のユウスケです。」

 

信長は眉をひそめた。「全く分からん。大学生とはなんだ?というか、俺のことは分かるよな?」

 

ユウスケは考え、「信長のコスプレですよね?」と勇気を振り絞って言った。

 

「コスプレ?いや、俺本人だぞ。」信長は真剣な目で答えた。

 

「そんなわけない。信長は数百年前の人物です。だからあなたは…」

 

「かー、数百年経っても俺の名前は知られてんのか。有名人だな。」信長はそのことにほっとした表情を浮かべた。

 

「大学生、というのは分からないが、日ノ本の人間の言う事でいいかな?」と与一が尋ねた。

 

「はい。」

 

与一は言葉を続ける。「まあ、信長がいると言われても分からないよね。私もここに来た時、時代が違う人間がいて驚いたものだ。そうだな。試しに外を見るといい。日ノ本の景色ではないはずだ。」

 

ユウスケは与一に促され、外の景色を見ることにした。彼が目にしたのは、泉と生い茂る大木の木々、そして自分がいる廃城の景色だった。

 

「確かに日ノ本では見慣れない景色ですが、あなた達が違う時代の人間というのは…」

 

「ここに来る前、白い空間に無数の扉がある所に出なかったかい?」と与一が質問した。

 

「確かに、ありましたね。そして机に作業している男がいた。」ユウスケは思い出した。

 

「理由は分からないが、どうやら彼が我々をここに送っているらしい。」与一は告げる。「あと紹介が遅れたね。私は那須与一。君が、ノブさんの時代から数百年後、800年位前の人間になるけど、知ってるかな?」

 

ユウスケは即座に頷いた。「え、日本の歴史で一番と言ってもいい位の弓の名手、那須与一。ちょっと歴史を知ってたら名前は誰でも知ってます。」

 

与一は嬉しそうに笑った。「ノブさん、聞いた?日本史の中で一番の弓の使い手だって!」

 

信長は不機嫌そうに口を挟む。「おいおいおい!俺は?俺は?どうなってる?」

 

ユウスケはにやりと笑い、「日本人なら知らない人はいない一番の有名人ですね。」

 

「ヨッシャー!与一!知名度では俺の方が上みたいだな!」信長は嬉しそうに拳を握りしめた。

 

「いいんです!私には弓がありますから!」与一は微笑んで応じた。

 

ユウスケは笑いながら、信長と与一との新しい関係の始まりを感じた。彼らと共に冒険が始まることを期待しつ、再び異世界での生活を受け入れる決意を固めたのだった。

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