ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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落ちゆく砦と微かな希望

ドリフたちが脱出を図る中、逃げ場のない砦の兵士たちは必死の防衛を続けていた。無数のコボルト兵士が壁にハシゴをかけ、次々と登ろうとしてくる。砦の兵士たちはその波を押し留めるために、大量の弓兵を集め、集中砲火を浴びせた。

 

密集しているコボルト兵には、どこに矢を放っても当たるため、兵士たちには射撃の希望が少しずつ湧いてきた。しかし、そんな彼らの努力を無に帰すかのように、空には飛竜が姿を現した。弓兵たちは必死に矢を放つが、その効果はまるで無意味だった。

 

指揮官は奥の手を使うよう命じ、急ぎバリスタを用意させたが、飛竜の巧妙な機動力には及ばず、次々と弾くように避けられた。バリスタを避けた飛竜は反撃に出て、今度は壁の上にいる兵士たちに向けて大量の火炎を浴びせかけた。

 

火炎の前に壁上の弓兵は焼死し、火傷が相次ぐ。必死に壁を維持しようとする兵士たちが壁を駆け上がっていくも、時既に遅く、コボルトたちが壁に登りきってしまった。槍を互いに刺し違え合い、闘争が始まった。

 

指揮官はまだ間に合うと信じ、壁を守っていた兵士たちを再び壁に送るが、北門の方で動きがあったことを察知する。暗がりから浮かび上がったその男は、土方歳三だった。彼は一人で来たかと思うと、不敵な眼差しで刀を構え始める。

 

上から見ていた兵士たちは、「男一人で何ができるか」と侮蔑の視線を向けたが、次の瞬間、土方の刀が振るわれた。門はまるで藁のように簡単に切り裂かれ、開門される。その瞬間、門を守っていた兵士たちは、その男が一人で攻め入る姿を見て嘲笑しながら、全員で一斉に攻めかる。しかし、その瞬間、土方の周囲に突如現れた幽霊たちが、次々と砦の兵士たちを斬り裂いていく。北門はあっという間に制圧された。

 

そして、西門の兵士たちは北門陥落の知らせを受け、援軍を送ろうとした瞬間、劇的な変化が訪れる。西門は何者かによって燃え落ち、外から鎧を着た女騎士ジャンヌ・ダルクが舞い降りた。彼女は炎をまとい、「燃えてしまえ、救国の英雄をつまらん理由で見捨て火あぶりにした人間達を許さない。みんなみんな燃えてしまえ、空に水面に浮いて漂え!」と叫びながら、次々に門の守備兵を燃やし尽くしていく。

 

東門では、誰かが勝手に門を開けたと思えば、男女二人、ラスプーチンとアナスタシアが静かに入ってくる。兵士たちはその不可思議な光景に戸惑いながらも、何故か吹雪が振り始め、手足が凍りついていく。

 

「皆、眠りなさい。さすれば辛い思いわしないわ。」アナスタシアの声は冷たく響き、兵士たちは意識を失っていく。

 

こうして、砦の至る所から黒王軍が侵入してきて、状況は最悪へと進行していった。人々は混乱し、敵がいない方向へと逃げ惑い、周囲から聞こえる絶叫から敵軍の猛攻を予測しようとした。老若男女、誰もが平等に対異邦者の殺戮の波に巻き込まれていく中、空には新たな扉が開いた。異なる次元からの影響を受け、戦場の緊張感がさらに高まっていった。

 

 

 その出てきたのは、鉄の飛竜とも呼ぶべき、新たな存在であった。黒王、土方、アナスタシア、ジャンヌ、ラスプーチンと安倍晴明は、一斉に鉄の飛竜に視線を向け、その正体を見極めようと警戒する。

 

飛竜に乗っていた男、菅野直人は、高度を徐々に下げながら意識を取り戻していった。「あっ?気絶してたのか、コノヤロー。なんだバカヤロウ?ここはどこだよ、バカヤロウ。」

 

鉄の飛竜、いや彼の愛機「紫電改」を操る菅野は、周囲の異様な光景に驚愕していた。それよりも彼の最初の反応は、飛竜のエンジンが止まっていることに気付くことだった。「誰が止まれつったコラァ!動きやがれ、コノヤロウ。」

 

彼は愛機の機体を拳で叩きつけ、再起動を試みる。潤滑油の音が反響し、エンジンが始動し始めると、彼は心の中でガッツポーズした。「よっしゃあ!!」

 

すぐに上昇した菅野は、周囲の様子を見渡した。彼のいた時代ではあり得ないはずの城での激しい攻城戦が繰り広げられている。「おいおい、なんだコリャ。ここは太巻ですかコノヤロウ。ココはどこだ!」

 

周囲を見渡していると、隣に黒王軍の飛竜が併走してくる。「テメーなんだコラァ。竜なんか乗ってんじゃねえぞ、コノヤロウ!!」菅野は隣の飛竜に向かって食ってかるが、向こうはただこちらを見つめるだけで何もしない。

 

仕方なく視線を元に戻すと、恐らく同じ軍の飛竜が、砦の人々に向けて無差別に火炎を浴びせているのが見えた。老若男女の区別なく襲うその姿を見て、菅野の心に過去の記憶が蘇る。東京大空襲を思い起こさせる光景が、彼の胸に怒りを燃え上がらせた。

 

「テメェ、この野郎。この野郎手前ェ!」菅野は怒りを覚え、紫電改を一気にくるりと宙返りさせる。彼はそのま横転しながら、飛竜を撃ち落とす構えをとった。

 

「飛竜一騎撃墜!我、菅野一番。」彼の声が高らかに響くと、伝説の撃墜王、菅野直人は本人は選んだつもりはないだろうが異世界にてドリフの道を選ぶ決意を固めた。その瞬間、菅野の心には新たな使命感が宿り、彼はこの戦場での戦いに身を投じる覚悟ができていた。

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