討伐軍はエルフの村へと進軍を続けていた。隊列の中で兵士たちは噂話に興じている。
「聞いたか?アラム巡察隊がドリフにやられて全滅だって。」兵士Aが囁く。
「マジかよ。兵士はともかくアラム様は騎士だろ?とてもやられるとは思えんが。」と兵士Bが疑問を呈する。
「ドリフってそんなに強いのか?せいぜい2、3人だろ?こっちは200人もいるぞ。」兵士Cも不安を隠せない。
彼らの会話を遮るように、隊長が注意を促す。「お前ら、無駄話はそこら辺にしとけ。」
そんな時、偵察兵が戻ってきた。「お、お疲れさん。村はどうだった?やはり一揆か?」隊長が尋ねる。
「それが、誰もいなかったです。一人も。」偵察兵の報告に、隊列がざわめく。
「おい、一人もいないなんてどういうことだ?」と兵士Aが驚く。
討伐軍は確認のためにエルフの村を捜索したが、やはり誰の姿もなかった。
「隊長、やはりいません。井戸に毒が投げ込まれて飲めない状況です。」兵士Bが報告する。
兵士Cも続けた。「それに何故か家の便所の土が掘られています。」
困惑する討伐軍を遠くから見下ろしながら、豊久は小さく呟いた。「今宵、奴らを全員首を取る。」
その夜、信長、豊久、そしてユウスケは集まり作戦会議を開いていた。
「殺したアラムの部隊の鎧兜が20だ。馬は2頭だが、エルフは馬に乗らないからこれは俺が使う。」信長が状況を整理する。
「問題は剣を使える奴がほとんどいない。ユウスケ、お前アラムの遺品やるから剣持て。」豊久がユウスケに言う。
「僕、一市民なのに…」ユウスケが渋る。
「うるせえ、歩兵が足りなすぎる。」と豊久が言い放つ。
「だが、エルフ達は弓を作りたがってな。今与一と作らせているんだが、あれは熟練職人並みの技量だ。」信長が続ける。
「剣はともかく槍を持たせるか…。槍の長さは敵兵への恐怖を忘れさせる。農民でも三間半槍持てば武者を殺す。」信長は考えを巡らせつ言葉を続ける。
豊久がふと話題を変える。「知らんだろうが、光秀は伏見にて農民に討たれたらしい。」
信長は笑いも隠さず驚いた。「マジか、金柑頭。偉いぞ伏見の農民。100万年無税にしてやるよ!」
「それにしても信長、お前やけに楽しそうにしてるな。」豊久が訊ねる。
「そりゃそうだ。ここでどれだけ考え抜くかが勝利を左右するからな。合戦とは、始まる前の準備が全てだ。本質を分かっていたのは猿だけだがな。」信長が誇らしげに答える。
ユウスケが感心したように言う。「天下を取るだけありますね。」
「えっ、織田家は?」信長が不安そうに見つめる。
ユウスケは少し気まずく言った。「えっ、秀吉に乗っ取られて今や一国の家臣ですよ。」
信長は驚いて声を張り上げる。「言えよそれ!重要!それ!織田家のその後全部話しやがれ!この野郎。」
そうしてユウスケは織田家や家臣のその後を知っている範囲で詳しく話し始めた。
与一が軽快に声をかけた。「さて、みんな。槍を持つ人は好きなのを取って、選ばれし者たちよ。」与一は昨夜兵士から奪った鎧兜を並べた。
エルフAは感嘆の声を漏らす。「死体が無くなっていると思ったら、集めていたのか。」
シャラも疑問を口にする。「鎧兜はあるが、死体はどこへ行った?ドリフたちが供養したのか?」
与一は一瞬微笑を浮かべ、「そうだね、供養したよ。(首は切り落としたけどね。身体については聞かない方がいい)」と秘密めかした。
会議を終えた後、信長、豊久、ユウスケ、そしてオルミーヌは山を登っていた。彼らは新たな戦略を練り、それに必要な資源を見つけるための探険だった。
「酷い匂いだ。」オルミーヌが顔をしかめながらつぶやく。
「首は供養してやったろ。体は使わせてもらう。」信長があっさりと応じる。
ユウスケは興味を抑えきれずに質問した。「これは何を?」
「硝石丘じゃ。」豊久が簡潔に答えた。
「糞尿使うのは知ってましたが、死体も使えるんですね。」ユウスケはその用途の広さに驚きを隠せなかった。
「まあ、取れるのは2年後だがな。一向一揆の連中が散々やってた手よ。流行病にかるかもしれんから、ここは立ち入り禁止じゃな。」信長が説明しながら、注意を促す。
「酷いですよ。敵の死体をこんな風に。」オルミーヌは眉をひそめた。
「何故だ?土に埋めても腐って虫に食われ土になる。早めているだけぞ。」信長は合理的に言い放つ。
「首は供養し、埋めて人として供養した。こっちは手を合わせればよか。」豊久が信長を支えつ続けた。
「して、オルミーおっぱい。」信長が彼女に振り向く。
「何故最後で間違える。もう怒る気力もない。」オルミーヌが呆れた声を漏らした。
「火山の近くで採れる黄色くて臭い硫黄つーやつ手に入るか?」信長が本題に入る。
「あるとは思いますけど、タダではないと思いますよ。お金は?」オルミーヌは当然の質問をする。
「そんなのオルテぶんどって返してやるからつけにしろ。いいから持って来い。」信長の返答には、未来を見据えた確信があった。
「ああ、硝石に木炭に硫黄。作る気ですか?」ユウスケが意図を察する。
「未来人、分かるか?一般人でも屈強な男を倒せるようになる画期的な武器、銃よ。」信長はその計画がもたらす可能性に胸を躍らせていた。歴史を変えるに等しい、新たな力を手に入れようとする大胆な発想が彼らを奮い立たせた。これからの戦局を有利に進めるため、彼らは再び希望を感じ始めたのだった。
与一がエルフたちを前にして弓の的あてを始めた。弓を持った彼らはその手つきに緊張感を漂わせていたが、与一の言葉に彼らは少し元気を取り戻した。
「凄いな君達。ずっと触ってなかったんだろ?」与一は驚きの声を上げた。
シャラは自信を持って言った。「俺たちは元々弓が得意なんですよ。戦争前はみんなやってました。」
「これは負けてられんな。」与一は自らの弓を構え、的をじっと見据えた。
その瞬間、彼は矢を放つ。矢は空を切り、そのま的の真ん中に吸い込まれるように命中した。周りにいたエルフたちは喜びの声を上げ、与一を称賛する。
「与一さん、すごい!」エルフたちはざわめき、彼を持ち上げた。だが、与一の挑戦は続いた。
「もう一回!」彼は再び矢を引き絞り、的に放つ。今度も矢は的の中心に当たり、先ほど刺さった矢を貫いた。繰り返される的中に、周囲の雰囲気は高まり、エルフたちからは称賛の歓声が上がった。
「すごく上手い、それに生まれ持った弓術だね!」エルフAが感心しきりで言う。
「はい、でもすごく的ばかり狙うな、そろそろ止めたほうが良いのでは?」エルフAがさらに言葉を続ける。「矢がもったいないですから。」
エルフBも同じように補足した。「なんか分かりませんが、本当にすみません!!」
与一はふっと笑みを浮かべ、「確かに弓は無駄になっちゃいけないな。しかし、これもお前たちの練習の一環だ。しっかりと弓を使えることが重要なんだぞ。」そう言いながら、軽やかに次の矢を某へと放った。
彼の姿は、エルフたちの心を鼓舞し、戦いの準備を整えるための自信を与えていた。彼らにとって、与一の指導は弓術だけでなく、希望の象徴でもあった。
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