ユウスケがこの世界に来てから数日が経過した。歴史上の人物、信長と与一との生活は続いていたが、その内容はひたすら狩りを行い、獲物の羽をむしり、肉を食らうという過酷な日々だった。
「米ェ、、、」とユウスケはつぶやく。
「米の話をするな、俺も悲しくなる。」信長は肩を落とした。
与一は冷静に続けた。「近隣の村と何度か接触を試みましたが、みんな育ているのは麦ばかりでした。」
ユウスケは突然何かを思い出した。「ん?アァー。信長さん、与一さん、僕が倒れていた時に、横にバック、いや、荷物がなかったですか?」
その言葉に、二人は一瞬彼を見つめた。ユウスケの眼差しは真剣で、何か大切なことに気づいたようだった。
信長が思い出す。「荷物か、、確かあったような。スマヌな、お前をおぶるのに精一杯で置いてきてしまった。何か入っていたのか?」
ユウスケは目を輝かせて言った。「キャンプ、いや、旅をしている際にこの世界に来たので、入っているんですよ!米が!」
与一は驚いて叫ぶ。「なんですと!」
信長はすぐに反応した。「どこだ!どこだ!探すぞ!全員で!」
その日は、食べかけの肉を置いたま、日本人三名が異世界で米の入った鞄を必死に探し回った。
与一が叫んだ。「ユウスケ殿、これではありませんか?」
与一が手にしたのは、比較的キレイなまの鞄だった。ユウスケはその鞄を受け取る。
「与一さん、流石です。」ユウスケは感謝の言葉を述べた。
信長が興奮した声を上げる。「おい!それで米は入っているのか?」
ユウスケは中を探り始め、数分後、ついに声をあげた。「ありました!」
パックにたっぷり入った米を片手に持ち、ユウスケは天高く掲げた。
「バンザーイ、バンザーイ、源氏バンザーイ!」信長と与一は声を上げて喜んだ。
「さっさと帰って米を食いましょう!」ユウスケは急かした。
その日、彼らは久々に祖国日本の米をたらふく食べ、喜びを分け合った。信長と与一を前にして、ユウスケはこの瞬間が永遠に続いてほしいと思った。彼の心には、異世界での友情と共に、祖国の味が深く刻まれることとなった。
米を皆で食べた次の日、ユウスケの荷物を信長と与一が漁りながら、未来の道具に驚きと興味を隠せずにいた。
「ノブさんの時代のものはまだ分かりますが、これらのカラクリはさっぱりですね。分かります?」と与一が尋ねる。
信長は首を振りながら答えた。「いや、サッパリだ。光る文字盤の板に液体が漏れない筒。火が付く小道具や、押せばすぐ光る燃料入らずの松明。未来は凄い事になってんのな。」
ユウスケは彼らの反応を見て、微笑む。「数百年で、いや、ここ150年程で国民生活や技術は類稀なる進化を起こしましたからね。」
信長は興味津々で言った。「因みにこれは進化しておるか?」そう言いながら、信長は自分の短筒を引き出す。
ユウスケは頷きながら説明する。「え、日本の短筒や火縄は徳川家康の外交政策により300年間進化することはなかったですが、その後南蛮との取引で、日本は新たな火縄、いや、銃を開発して威力、射程、装填共に優れた物を開発していくことになります。迷銃の方もたくさん作りますが…」
「弓の方の進化は何かありましたか?」と与一が質問を投げかけた。
ユウスケは思案し、「すいません、詳しくないので分からないが、日本における弓はあまり大きな変化はないかと。最近では非力でもそれなりの威力が出せる弓なんかが作られていましたね。」
与一は安堵した様子で言った。「まあ、始めから完成された武器として受け取っておきましょう。」
その時、三人が時代の進化について話している中で、周囲の静けさがふと不穏に変わった。信長と与一は、気配を感じ取る。
「誰かが近づいている気配を感じるぞ。」信長は警戒しながら呟いた。
与一も頷き、「我々の話を聞いている者がいるのかもしれません。準備を整えましょう。」と声を潜めた。
ユウスケは一瞬緊張感を抱いたが、二人の頼もしい存在に心強さを感じた。「ここが安全であればいいんですが…。」
信長は短筒をしっかりと握りしめ、「どんな者でも迎え撃てる準備はできている。」そう言うと、彼はそのま身構えた。与一も弓を引き絞る準備を整え、ユウスケも自然と身を引き締めた。
果たして、現れたのは一体誰なのか…この異世界で待ち受ける新たな試練は何なのか。三人の運命は、次の瞬間に動き出すのだった。
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