ミルズとユウスケが食事を楽しんでいると、見回りのエルフ少年が慌てた様子で入ってきます。
「大変だ。ドーテー達。変な馬車が来てる。」
ユウスケとミルズはすぐに反応します。「ドーテー言うな!」
ミルズは窓から外を確認し、「噂をすればなんとやらだな。セントジェルミ伯だ。エルフの男の子は隠れなさい!女の子はいいから。」と指示します。
エルフ少年は首をかしげながら言います。「逆じゃないの?」
ミルズは焦りながら言います。「ユウスケ、行ってくる。ここで寝ておけよ。」そう言って馬車の方に急ぎます。
すでに到着していた馬車から、サン・ジェルマン伯爵を始め数人が降り立ちます。
フラメルが呟きます。「何よここ。しけた所ね。」
アレスタが続けます。「全裸のエルフの少年が泉のある所でキャッキャウフフは幻想なのね。」
サン・ジェルマンは厳しい口調で言います。「お黙り。」
ミルズは伯爵のところへ急ぎ駆けつけます。「セントジェルミ伯、何故貴方がここに。」
サン・ジェルマンが答えます。「何?あなたドリフ?」
ミルズは丁寧に自己紹介します。「いえ、旧オルテ代官屋敷付事務のミルズです。今は同僚全員殺されてエルフにこき使われています。」
サン・ジェルマンは興味深そうに聞きます。「ふーん。私はドリフに会いに来たの。いるんでしょここに?」
ミルズが答えます。「いるにはいますが、大半はドワーフの所にいるため今は1人だけです。」
サン・ジェルマンは不満そうに言います。「何よ。入れ違い?まあいいわ。そのドリフに合わせてちょうだい。」
ミルズは少し戸惑いつつも、サン・ジェルマンたちをユウスケの元へ案内します。
ユウスケは心配そうに呟きます。「ミルズさん大丈夫かな。窓からは馬車しか見えないな。ミルズさん達はどこかに移動したようだけど」
その瞬間、サン・ジェルマン伯爵の声が後ろから囁きます。「あら、お尻こっちに向けて掘ってほしいの?」
ユウスケは驚き、振り向きます。「ホモだ〜!掘られる!」
サン・ジェルマンは言い返します。「ホモじゃないわよ!オカマよ!失礼ね!さっさと座りなさい!話が出来ないでしょう。」
ユウスケは戸惑いながらゆっくりと座ります。
サン・ジェルマンが自己紹介を始めます。「さて自己紹介からしましょうか。私はサン・ジェルマン伯爵。あなたは?」
ユウスケは小さく答えます。「ユウスケ。大学生です。」
サン・ジェルマンは興味を持ちます。「知らない名前ね。いつの時代から来たの?」
ユウスケは真面目な表情で答えます。「2020年頃です。」
サン・ジェルマンは頷きます。「アイツとほぼ同じ時期?聞いたことない名前ね。まあいいわ。あなた、その時代なら私の事知ってる?」
ユウスケは自信を持って応えます。「ええ、数百年生きてたり、近世ヨーロッパで既に電気や色んな知識がある人物とは。」
サン・ジェルマンは嬉しそうに言います。「あら、一応知ってるようね。私マイナーな部類と思っていたけど知識ある方のようね。」
ユウスケは疑念を抱きつ尋ねます。「疑うようで悪いが、ジャンヌやジルドレのようにエンズじゃないのか?数百年生きてるなんて普通ではない。ヒトラーとも関わりがある。」
サン・ジェルマンは微笑みながら返します。「失礼ね。私もヒトラーもドリフよ。まあ、ネットでは色んな噂が流れているからね。」
ユウスケは興味を持ちながら聞きます。「ネットまで知っているとはあなたはいつこっちに来た??」
サン・ジェルマンは楽しげに答えます。「あら、私に興味持ってくれるの?嬉しいわ。そうねぇ、あなた以外に私のこと知ってるドリフいる?」
ユウスケは首を振ります。「いいえ、僕だけです。」
サン・ジェルマンはニヤリと笑いながら言います。「後でドリフ達がいる時に突っ込まれても嫌だから、貴方にだけ教えてあげるわ。」
フラメルとアレスタは驚きながら言います。「お姉様教えてしまうの?早くない?」
サン・ジェルマンは彼女たちを一瞥し、「だまらっしゃい。多分これが一番いい選択よ。」と言い放ちます。
その後、サン・ジェルマンはユウスケの方に向き直り、「私が生き延びている理由を知りたい?」と問いかけます。
ユウスケは頷きます。「はい、知りたいです。」
サン・ジェルマンは過去の出来事についてしみじみと語り始めます。「じつわね。私、ドリフターズ2回目なの。」
ユウスケは驚いて訊ねます。「えっ?」
サン・ジェルマンは少し微笑みながら続けます。「初めの時は驚いたわ。多分あなたと同じように飛ばされてこの世界の六百年前くらいかしら、その頃に飛ばされたわ。」
ユウスケはその歴史の深さに呆然としながら言います。「そんな過去から争っていたのか。」
サン・ジェルマンは頷きます。「まあ、その頃私はあんまり活躍してないけど、活躍したのは主に他のドリフね。家久に信秀、スティーブ・ジョブズたち、あと悪の男ラスプーチンみんないい男たちだったわ。1人を除いてね。」
ユウスケは興味津々で尋ねます。「スティーブ・ジョブズが来てたのか。」
サン・ジェルマンは軽く笑いながら言います。「まあ、その時はなんとか厄災を鎮めた訳。だけどみんな死んじゃってね。厄災はなんとかなったから私だけあのこの世界に呼ぶ時に通る通路の事務姿の男、紫に元の世界に戻してもらったの。」
ユウスケは驚きを隠せません。「戻ることもあるのか。」
サン・ジェルマンは続けます。「そこからはネットに載ってるような事をしてたわね。多くの貴族や王族と関係を持ち、知識を蓄えていったわ。旅の途中でフラメーに会ったの。」
ユウスケがそれを受けて言います。「フラメーというと、最も成功した錬金術師ニコラス・フラメル?」
サン・ジェルマンは嬉しそうに頷きます。「よくご存知で。フラメルの賢者の石で人間より多くの寿命を得たというわけね。」
ユウスケは少し考え込んで言います。「本当にあったのか賢者の石。その代償がオカマ化と、、」
サン・ジェルマンは少し苛立ちながらも笑います。「そう、オカ、、違うわよ!まあその後ものらりくらりと生き続けていたらアレスタと出会って、一緒に過ごしていたの。そして1970年代くらいかしら?私はその時にアレスタ、フラメルと共に再度この世界に呼ばれたというわけそれがこっちの世界の100年前くらいかしらね。」
ユウスケは真剣な表情で言います。「この世界は何度も災厄のようなものが起き、その都度ドリフが世界のために呼ばれる……にわかには信じがたいですが、ネットのサン・ジェルマン伯爵との辻褄は合う。」
サン・ジェルマンは嬉しそうに頷きます。「電気やネットの知識はジョブズのお陰よ。これがここまでの物語わかった?」
ユウスケは頷き、「ええ、丁寧にどうも。」
サン・ジェルマンは満足げに微笑みながら続けます。「なら次はあなた達について教えて頂戴。」
作者の解釈
原作にて紫の名をしるドリフは、安倍晴明、サン・ジェルマン伯爵のみ。アレスタやフラメルは「紫って誰?」と言っている描写があるため知らない様子。
晴明とサン・ジェルマンは過去に名前を知る機会があったと推測。今作ではサン・ジェルマンを2回目のドリフターズとして書いています。
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