サン・ジェルマンは深いため息をつきながら言葉を紡ぎます。「市街地の3割が焼け、議事堂に至っては完全に廃墟じゃないの。ユウスケも連れ去られたし。」
信長はそれを聞いてもどこか満足気で、「まあ議事堂に至っては油やら火薬やらで燃やしまくったしな。気持ちえがったー。」と口にします。
その無神経さにサン・ジェルマンは苛立ちを隠せません。「えがったじゃねぇよ!この放火魔!すんなり無血クーデターの筈が!」
信長もまた感情を込めて言い返します。「うっせえ!黒王軍が来るなんて予想外だよクソオカマ!」
一転してサン・ジェルマンは心配そうに尋ねます。「それより豊ちゃんは大丈夫なの?」
信長は軽く頷きます。「今与一に縫わせている。」
その隣では、糸を手に刀傷を縫い合わせている与一とエルフが忙しそうに動いています。
シャラはその光景を見て感心し、「麻酔ないのによく普通に寝てますね。」と驚きを隠せません。
与一はふと考え深げに呟きます。「何があったらこんなことになるのかね。」
サン・ジェルマンはユウスケの行方を心配します。「それよりユウスケちゃん。どうするの?豊ちゃんが起きたら暴れるかもよ。」
信長は厳しい現実を認識し、「まあ、敵に捕らわれたのだから絶望的ではあるな。」と苦々しく言います。
オルミーヌも辛い事実に口を重ねます。「残念ながらエンズと会って無事に生きていたドリフは聞いたことないです。殺すか殺されるかの関係ですから、、、」
与一は決して諦めずに言います。「自力で帰ってもらうしかないと。」
最後に、信長は戦備についての話に戻ります。「火薬製造は問題ないが、"にとろぐりせりん"は完全に作れん。今は火縄に集中するしかない。」信長の声には、次に向けた戦略への焦りと決意が込められています。
サン・ジェルマンは焦りを隠しきれずに問いかけます。「製造はそれでいいとして、他はこれからどうするの?」
信長は少し諦め混じりに答えます。「どうするも何も、無血クーデターは失敗。都が落ちて議事堂もパァになった。前線の軍は『ハイそうですか』と恭順はしないだろう。各地の軍は独立し、群雄割拠するだろう。」
サン・ジェルマンは不安を口にします。「それまずくない?」
信長は一瞬考え、しかし自信に満ちた表情で答えます。「だが安心しろサン・ジェルマン。この俺、以前天下布武かじってたことあるんだ。」
その言葉には、信長が持つ不屈の精神と経験がにじみ出ています。たとえ困難な状況に陥っても、信長は再び立ち上がり、新たな計略を練り始める準備ができていることを示唆しています。
ユウスケは目を覚ましたとき、自分が見知らぬ場所にいることを認識します。(知らない天井、それにベッドではない。膝枕されてる?)と戸惑いながら周囲を見渡します。
アナスタシアが彼に声をかけます。「起きた?」
ユウスケはその声に顔を向け、「その顔、見たことある。確かロシア皇帝ニコライ2世の、、」と断片的な記憶を呼び起こします。
アナスタシアは落ち着き払った態度で言います。「父どころか私も知ってるようね。娘のアナスタシアよ。」
記憶が確かなことを確認したユウスケは、「記憶に間違いがなければ、土方になぐられ気絶してた筈。」と呟きます。
アナスタシアはそのま説明を続けます。「間違ってないわ。ここは黒王様の拠点にしている所。城についた途端ラスプーチンが直ぐに殺しそうだったから私の部屋に置いているわ。」
ユウスケは自分の体を見下ろし、無傷で拘束されていないことに驚きを覚えます。「拘束しなくても?」
アナスタシアは淡々と答えます。「あなたくらいいつでも殺せるから問題ない。みんなを呼んでくるわ。そこに座ってなさい。」
彼女は部屋を出て行き、ユウスケは一人ベッドで待つことになります。
ユウスケは窓から外の様子を確認しながら考えます。(明かりはあるが、あれは、人ではないな。コボルトに巨人にドラゴン。本当に黒王の拠点だ。)
しばらくしてアナスタシアが部屋に戻ってきます。「黒王様が連れてこいって。行くわよ。」
アナスタシアに手を引かれるまユウスケは黒王のいる場所へ案内されます。
そこにはジャンヌ、ラスプーチン、土方、アナスタシア、そして源義経らが並び、彼に注視しています。
ユウスケは彼らを見回し、(これがエンズ達、、黒王以外は知っている。)と心の中で驚嘆します。
黒王が威厳ある声で問いかけます。「さて、聞こう。お前は誰だ?」
ユウスケはその質問を受け、自分の置かれている状況と、自分自身の内に潜む決意をしっかりと再確認するように感じ、次の言葉を考えていました。
ユウスケは堂々と名乗ります。「ユウスケ、大学生です。」
黒王はその返答に興味を示し、「大学生、その名称を使うのは戦後日本か。何故だろうか、私の記憶を思い起こしてもお前の名前はない。」とつぶやきます。
ユウスケはその言葉に考え込む。(戦後日本を知っている、なら黒王は俺より先の人物になるのか。なら何故、エンズ達は黒王を知ってるような素振りをしているんだ。)
そのとき、ラスプーチンが口を挟みます。「黒王様、どうせドリフには違いありません。殺しては?」
ユウスケはラスプーチンの不死身の力を思い出します。(不死身の男ラスプーチン。不思議な力でニコライ2世の息子アレクセイを救い、気に入られるが、最後は暗殺されイチモツが博物館に保存されている。)
アナスタシアはラスプーチンに静止を促します。「せめて、ドリフの様子を聞いてからにしなさい。」
ユウスケはその彼女の言葉に思いを馳せます。(ニコライ2世の娘アナスタシア。ロシア革命によりソビエト政府により一家暗殺。)
一方、源義経が興味を持たない様子で言います。「なんもないなら帰っていい?僕暇なんだ。」
ユウスケは彼の名を思い出します。(源平合戦の英雄源義経。兄に妬まれ、奥州藤原にて自害と伝わる。)
明智光秀「未来の日本人か」
ユウスケ(明智光秀、信長の元で出世するも酷い扱いを受け本能寺にて信長を殺害、その後秀吉に敗れ落ち武者狩りに殺される。)
その後、ジャンヌ・ダルクも静かにその場に居ますが、何も言葉を発しません。(オルレアンの乙女。ジャンヌ・ダルクはフランスの英雄であるが、国王に見捨てられ最後は火刑。)
土方が突っ込んで言います。「それで、お前はエルフやドワーフを連れで何をしていたんだ?戦闘向きではない。」
ユウスケはその問いに応えます。(土方歳三、新選組の志士にして函館にて討死。死体は放置とも埋葬されたとも伝わる。)「向こうでは火薬を作っていた。だが、俺を殺した所で製造方法はもう伝えてあるし、量産している。」
土方がユウスケに問いかけます。「銃兵がいたのはお前が原因か。」
ラスプーチンはすぐに反応し、「やはり殺すべきだ。人間だしさっさと解体市場に売りましょう。」と冷酷に言います。
ユウスケはその言葉に挑発的に加えます。「それは死後にイチモツを博物館に保存された事に対する妬みか?」
その瞬間、ラスプーチンはユウスケに近づき、突然腹にナイフを刺します。「今すぐこの場で解体してやろう。」
ユウスケは痛みを訴え、「痛い、、」と声を上げます。
ラスプーチンは冷たい目で、「情報を吐けば殺してから解体してやる。吐かなければ生きたまま解体する。」と脅します。
ユウスケは耐えながら言います。「火縄は既に完成している。火薬も完成した。これ以上に言うことがあるのか?」
その言葉を受けて、ラスプーチンは再度ナイフを刺し始めます。何度か刺される度に痛みが増していきますが、その時、黒王が彼を止めます。
「止めろ、ラスプーチン。これの処遇は少し考える。」黒王は冷静に指示を出し、ユウスケの側に歩み寄ります。
黒王がユウスケに触れると、不思議な光が彼の体を包み込み、刺された箇所が瞬時に元通りになります。ユウスケは驚きながら、刺された箇所を触れ、「人を触っただけで回復させた、、、。」と呟きます。
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