ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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再開の兆し

ユウスケが寝床につくと、シャイロックとナイゼルは静かに話し始めました。

 

ナイゼルが疑問を口にします。「あの、ユウスケなる男。こちらで管理しなくてよかったのでしょうか?」

 

シャイロックは考えを巡らせ、「確かに役に立ったが、彼は凡人だ。多聞どのへの手土産にしておいた方が得だろう。幸い、彼は金銭欲があるようだし、扱いやすい。」と答えます。

 

後日、ユウスケは多聞のもとへ案内されます。

 

「昨日ぶりだな、少年。」と多聞がにこやかに出迎えます。

 

ユウスケはおじぎをしながら答えます。「今日からお世話になります。ちなみに、これは空母ですか?」

 

多聞は頷き、「そうだ、私と共に流れてきてね。他の乗組員は誰もいないのに私だけ来てしまった。」と説明します。

 

ユウスケは周りを見渡し、「航空機もほぼ全滅しているようで。」と観察結果を話します。

 

多聞は少し哀愁漂う表情で、「数機だけ動かせるようにしているが、他はダメだ。銃は少しならある。」と現状を説明します。

 

ユウスケは興味を示し、「お、本物の三八式歩兵銃。」と感心します。

 

多聞は再び真剣な表情に戻り、「それでユウスケ君だったか。黒王について教えてもらっていいかい?私は大まかなことしか伝え聞いていないんだ。エンズについても知りたい。」と尋ねます。

 

ユウスケは深い呼吸をしてから、黒王の現状と、エンズについて誰が関与しているのかを詳しく説明します。その話を聞いた多聞は重々しく頷き、情報の重みをしっかりと受け止めるのでした。

 

 多聞は考え深げに話しを続けます。「そうか、ジャンヌ・ダルクにラスプーチン、アナスタシアに明智光秀と源義経、土方歳三。君、歴史を知ってるなら気づいたか?」

 

ユウスケが少し困惑しながら答えます。「何にですか?」

 

多聞は先を促します。「エンズの共通点だ。全員、死体を弄ばれている。源義経だけは自害だからグレーゾーンだが。」

 

ユウスケはっとしたように考えます。「言われてみれば、ジャンヌ・ダルクは火刑、ラスプーチンは遺体が晒され、アナスタシアは一家処刑。明智光秀は農民狩りの果てに、土方歳三は函館の戦いで戦死して賊軍だからと遺体は放置命令、源義経は藤原の地で自害して、首は兄の元へ送られている。」

 

多聞は注意深く指摘します。「逆に君の言ったドリフの信長や豊久、与一、そして私もそうだが、死にはしたが死体は見つかっていないか、与一君は病死だが埋葬されている気はするが。」

 

ユウスケは驚きながら、「気づかなかったですね。」と呟きます。

 

多聞は思索を深め、「黒王もまた、死体を弄ばれた人物なのだろうか。顔は見てないのか?」と問いかけます。

 

ユウスケは記憶を手繰り寄せ、「ローブを深く被っていたものですから、顔は見ていません。でも、黒王は生物であれば全て治せます。それに、物を増やすこともできる。このような話、イエス・キリストくらいしか思い当たりませんが。」

 

多聞は驚きを隠せず言います。「確かに彼の最後はエンズになりえるが、現時点では確定とは言い難いな。」

 

二人はしばし考え込むが、お互いに理解を深め、今後の行動についてじっくりと話し合うのでした。

 

 数週間、多聞と過ごす中で、ユウスケは海軍式の訓練を受け、疲労が蓄積していました。しかし、ある日シャイロックが訪れ、ユウスケに知らせます。

 

シャイロックは微笑みながら、「おめでとう。まだ確定ではないが、オルテ帝国から和平の使者が来るとのことだ。交渉がまとまれば君も帰ることができるよ。」と告げます。

 

ユウスケはこの知らせに喜び、オルテへの帰還という望みが現実味を帯びたことに感謝します。

 

 

 

 

 

 時は少し戻り、オルテの首都で目を覚ました豊久は、激しく暴れています。

 

「放せ与一!ユウスケを助けに行くんじゃ!」と叫ぶ豊久。

 

与一は心配そうに応えます。「豊さん、無理ですって。相手の本拠地ですよ!それに、まだ傷が治ってないじゃないですか。」

 

信長も口を挟みます。「そうだぞ、豊。敵に捕まった奴がどうなるか、君も知っているだろう。ここはアイツに助けられた命を大切に扱うんだ。」

 

豊久は一瞬戸惑いますが、次第に冷静さを取り戻し、「せめて、墓だけでも立てやるかの。」と呟きます。

 

彼はユウスケのために小さな墓石を立てることを決意し、静かに作業を始めます。その様子を見守る信長と与一の表情にも、仲間への思いがうかがわれます。

 

その時、サン・ジェルマンが現れ、「落ち着いたかしら?」と声をかけます。

 

信長は軽く頷き、「おっ、オカマ。あの手紙は届けさせたか?」と尋ねます。

 

サン・ジェルマンは微笑みながら、「届けたわよ。まさか、『先に着いた方に長年空白であった国父の地位を与える』なんて書くとは思わなかったわ。」と答えます。

 

信長は満足げに言います。「これで各地のオルテ軍団は潰し合いをするだろう。各地のオルテ軍はこれでいい。敗残兵はオカマ、お前が吸収して管理しとけよ。」

 

「分かったわ。」とサン・ジェルマンは応じます。

 

信長は続けて、「あとサン・ジェルマン!やって欲しいことがあるんだが。」と、真剣な表情で頼みます。

 

サン・ジェルマンは少し驚き、「何よ!名前で呼ぶなんて気持ち悪いわね。」と返します。

 

信長はそれを無視して、「グ=ビンネンとの和平を成立させてくれ。物資も金も何もかもが足りん。」と訴えます。

 

サン・ジェルマンは首を振りながら、「正気?かなり厳しいわよ。」と懸念を示します。

 

信長は毅然とした表情で、「分かっておる。だが、俺はものを頼む時はその能力がある奴にしか頼まん。」と返します。

 

サン・ジェルマンはため息をつきつ、「もう、仕方ないわね。やってやるわよ!」と了解し、使命を引き受けるのでした。

 

その後、豊久は墓石を立て終え、仲間たちと共に今後の行動を見据えながら、彼らは再び動き出すのでした。

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