ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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グ=ビンネンとの和平 サン・ジェルマンとの再会

また一週間ほどが経過し、和平当日がやってきました。サン・ジェルマンはお供を連れて講和の席に向かいます。

 

「グ=ビンネンもブリガンテを寄越してくるとはね。」とサン・ジェルマンが呟きます。

 

隣にいるフラメルが続けます。「始めから序列第二位を寄越してくるとは、連中も和平したいのかしら。」

 

サン・ジェルマンは深いため息をつき、「とにかくこれを纏めないと、黒王どころではないわ。」と決意を新たにします。

 

そして、サン・ジェルマンは扉を開け、講和のために用意された部屋に入ります。そこにはすでにシャイロック八世が待っていました。

 

サン・ジェルマンは講和相手を見て驚き、「え、ブリガンテじゃない?『放蕩、なれど出来息子』、序列筆頭のシャイロック八世!」と叫びます。

 

シャイロックはニヤリと笑い、「物事は単純に素早く、そして単純に。それが我が商会の家訓でね。分かりやすくていいだろ?」と自信たっぷりに言います。

 

サン・ジェルマンは冷静さを失わず、「まだ私たちは戦争中よ。命知らずというか、馬鹿というか。」と返します。

 

シャイロックは余裕を見せて、「私に傷一つけただけでオルテ国民全員、餓死するまでやる。」と警告します。

 

最後にサン・ジェルマンが皮肉を込めて言います。「相変わらず顔以外可愛くないわね。顔以外大っきらい。」

 

二人の間には微妙な緊張感が漂いますが、その背後には各々の思惑が交差していました。

 

 シャイロックはクスクスと笑いながら言います。「まあ、そう言うな。今日は降参したいんだろ?」

 

サン・ジェルマンは毅然とした態度で、「和平よ和平!」と強調します。

 

しかし、シャイロックはや皮肉っぽく続けます。「そうは言ってもね。戦はそっちが始めた上に、我々がずっと勝っているんだから。」

 

するとシャイロックの小間使いが口を挟みます。「オルテ内陸に攻め込めとの話もある。」

 

サン・ジェルマンは冷静に反論します。「嘘ね。経験のないあんたらが、そんな面倒なことをするわけがない。」

 

小間使いBが続けて発言します。「我々は続けても問題ない。」

 

サン・ジェルマンはさらに反論します。「それも嘘ね。商人根性の権化であるあんたらが、そんなことをするわけがないでしょう。」

 

そして、彼は鋭い視線をシャイロックに向け、「軍船に回している船を商用に回したらどれだけ稼げたはずか、船に乗せていた海兵を浮かせたらどれだけのコストが浮いたか。5枚の金貨を得ても、本当は10枚手にしたはずよ。5枚の得ではなく、5枚の損。それがあんた達、商人ってものでしょう。」と続けます。

 

サン・ジェルマンの言葉は、シャイロックや小間使いたちにとって事実を突きつけるものでした。

 

 シャイロックは冷やかな表情で言った。「煮ても焼いても食えない。どっちがというと、サン・ジェルマンの方じゃないのか?」

 

サン・ジェルマンは反論する。「要求賠償一切なしの白紙和平よ!それでいいわね?」

 

シャイロックは嘲笑するように見つめ、「よくまあそんな顔でいられるな、全く。」と言った。

 

サン・ジェルマンは冷静に続ける。「どうせウチの海軍は全滅している。海はあんたらのものだ。好きに飲んでよ。」

 

シャイロックは一瞬考え込み、「まあ良いかな。他にも何かあるんだろう?」

 

サン・ジェルマンは少し前傾し、「それと諸々の食料物資とお金を貸しなさい。」と提案します。

 

小間使いは驚き、「正気か? それは戦争していた相手に対して言うことか!」と叫ぶ。

 

サン・ジェルマンは平然と、「どうせ調べているんでしょ? 北から黒王がやってくる。矢面に立つのはオルテだ。」と返します。

 

シャイロックは力強く言う。「世界が破滅すれば商業などなくなる。それだからこそ、強くなれと。」

 

サン・ジェルマンは真剣な顔で言う。「これは先行投資だと思ってほしいわ。今のオルテにはドリフがいる。資金なんて、世界を救った後に返してあげるから。」

 

さらにサン・ジェルマンは続ける。「それに、質に入れるネタならあるわ。」

 

彼女はフラメルが持っていた銃を見せる。

 

シャイロックは目を細め、「火縄か。」と確認する。

 

サン・ジェルマンは驚き、「なっ、何で知ってるの?」

 

シャイロックは平静を保って、「まあ、私のところにもドリフがいてね。教えてもらったんだ。」

 

サン・ジェルマンは思いつき、興奮した様子で言う。「知ってるなら早いわ。これを貴方たちに特別に卸してあげる。それを販売して儲けなさい。」

 

シャイロックは冷静で、首を振る。「交渉にならないな、サン・ジェルマン。」

 

サン・ジェルマンは反発する。「何よ、作れるつもり?」

 

シャイロックは自信満々に言う。「勿論、知ってるよ。最近、黒王の拠点から逃げてきたドリフがいてね。彼が作り方を教えてくれたんだ。」

 

サン・ジェルマンは驚いて訊ねる。「えっ、もしかしてそのドリフって…。」

 

シャイロックはゆっくりと頷き、「これ以上は隠さなくてもいいか。出ておいで、ユウスケ。」

 

その瞬間、ユウスケは小間使いの服装を取り外して姿を現した。

 

サン・ジェルマンは目を輝かせ、「ユウスケ、あなた生きてたのね!」と声を上げる。

 

ユウスケは少し恥ずかしそうに言った。「すいません、黒王が来るなら早めに銃を広めないと、と考えて話しました。」

 

サン・ジェルマンは安堵しつも、冗談めかして言った。「生きてただけでも良かったわ。墓石を壊した方がよさそうね。」

 

ユウスケは困惑した表情で、「僕、死んだことになってるのか…?」とつぶやく。

 

 シャイロックは冷静に言った。「二人とも、再会を喜ぶのは結構だが、サン・ジェルマン、お前の交渉カードはなくなったぞ。」

 

サン・ジェルマンは少し肩をすくめ、「仕方ないわね。使いたくなかったけど、銃の代わりにこれをあなたに捌いてあげるわ。好きに売りなさい。」と言いながら、米の袋を差し出した。

 

シャイロックは目を見開き、「これは!!何故お前が持っている?」と疑念を示す。

 

サン・ジェルマンはおもむろに説明する。「そこのユウスケがこの世界に来る時に持ち込んだのよ。私の領地である程度育てさせているの。」

 

シャイロックは一瞬黙り込んだ後、ニッコリとほ笑み、「商談成立だ。飲もうその話。こちらも大金を儲けられるから、利子は低めにしといてあげよう。」と提案する。

 

サン・ジェルマンは、驚いたように彼を見つめ、「あら、そんな顔もするのね。」と返す。

 

シャイロックは真剣な表情に戻り、「黒王がやってくる前に、オルテをまともにせねばならない。良いかな、サン・ジェルマン。」

 

サン・ジェルマンは考え込みながら、「言質取ったわよ、、、」と呟く。

 

その瞬間、サン・ジェルマンは疲れ果てたように椅子に腰が抜けたように座り込む。彼女の表情には、圧力と重責が表れ、未来に向かう不安が色濃く映し出されていた。

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