ドリフターズに迷い込むもの   作:四国の探索人

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黒王 非人間世界のための遠征

場面は変わり、犬族を率いる菅野とスキピオのもとに、キッドとブッチが報告に訪れていた。

 

菅野は険悪な表情で、「テメーら誰だこの野郎?米英仏ならぶっ殺すぞバカヤロ!」と警戒心をあらわにする。

 

ブッチは困惑した様子で、「こいつヤベー奴だな。」と呟く。

 

スキピオは冗談めかして、「分かる?この空の神様めちゃくちゃなんだよ。殴ってくるのよ。俺、ローマの英雄よ?」と楽しんでいる。

 

キッドは驚きながら、「ブッチよりヤバイ奴なんて久しぶりだ。」と反応する。

 

菅野は再度問いただす。「さっさと答えろバカヤロ!」

 

ブッチは少し間を置き、静かに答える。「、、、ボリビア。」

 

菅野はその答えに驚き、「ボリビア?米英仏じゃないのかこの野郎!」と叫ぶ。

 

キッドは続けて、「ボリビア!ボリビーア!!」と繰り返し、安堵した様子を見せる。

 

菅野は少し落ち着いて考え込み、「ボリビア、、、知らない国、、敵じゃない、、、。イエスだボリビア野郎!」と納得し、ブッチと一緒に踊り始める。

 

その中で、キッドはスキピオに向き直り報告を開始する。「多分あんたに話すのが早い。黒王がもうじき動き出す。」

 

スキピオは顔を曇らせ、「そんな、今はあんな移動厄災に勝てる訳が無い。」と憂慮を示す。

 

キッドは続ける。「今オルテにドリフが集まりつある。事が起きたらそっちに向かえ。」と伝え、今後の行動を示唆する。

 

報告の傍らで、ブッチは思い出したように菅野に手紙を手渡す。「そういや、アンタに手紙だ。」

 

菅野は不思議そうに尋ねる。「手紙?この世界に知り合いはいない筈だが。」彼は手紙を確認し、そこに山口多聞の名が書かれているのを見つける。勢いよく中を開き、内容を確認する。

 

手紙にはこう書かれていた:

 

---

 

北方にいる日本人航空兵へ

私に接触してきた十月機関と称すものから、日本語を話す飛行機乗りがいると聞き此書をしたためる。

 

私は大日本帝国海軍少将山口多聞である。今は南方の商業国家グ=ビンネンの岩礁にいる。

 

当方擱座した、航空母艦飛龍と共にいる。もしも信を返したい意思あらばこの文通を運んだ者に渡されたし。

 

---

 

手紙を読み終えた菅野は大声で笑い出し、「生きとったんかワレ!人殺しの多聞丸め!」と叫んで、懐かしさと喜びを隠せなかった。

 

 約一ヶ月後、黒王の拠点では、ついに南征開始の瞬間が迫っていた。集まった部下たちの士気を高めんと、鳥が力強く声を上げた。「南征!南征!長征の時来たれリ!人類根絶の旅に参陣せよ!世界廃棄の時、人類廃棄の時。黒王の名の下に集え!」

 

その声を受けて、黒王は冷静に命令を下す。「門を開けよ。人間界を非人間界に。」

 

門が開かれると、目の前には黒王の軍勢が地平線まで埋め尽くして迫力を放っていた。

 

黒王は続けて命じた。「軍の指揮は任せるぞ、光秀。」

 

光秀は即座に応え、「仰せのまに。」と語り、指揮を執る態度を示す。

 

義経はその場を去る間際に、「ケンタウロスは俺が貰うぞ。」と宣言し、自由に駆け出して行く。

 

光秀はその姿を見送ると、「御手腕、疑いもしませぬ。源平合戦のま蹂躙下され。」と心からの信頼を込める。

 

さらに光秀は指示を広げ、「先陣は土方殿に。本軍を待たなくとも自由になされよ。ただし、無理攻めはなさるな。」と伝える。

 

土方は静かに頷き、「分かった。」と承諾する。

 

彼が歩みを進めると、ラスプーチンが近づき声をかけた。「土方、黒王様はどんな負傷兵でも平等に力を使い直してしまわれる。負傷兵は出すな。いっそ死なせろ。」

 

光秀は作戦の確定に向けて、「アナスタシア様は後詰を適宜投入します。」と計画を再確認する。

 

アナスタシアはつぶやくように言った。「戦は嫌い、、暑いし。」

 

光秀はラスプーチンに確認を取る。「ラスプーチン殿は敵の懐柔だな?」

 

アナスタシアはすかさず反応する。「全員殺されるのに応じる人なんているの?」

 

ラスプーチンは含み笑いを浮かべて言った。「人は処刑の前まで自分だけは助かろうとするものです。そして、処刑の列の後ろに行くためなら他者を差し出す。」

 

その流れに乗るように、ジャンヌが声を上げる。「光秀!私は?」

 

光秀は冷静に返した。「傷を治されよ、、」

 

ラスプーチンも皮肉を込め、「傷が痛みドリフを逃がしたんだろ?せいぜい療養することだな。」と彼女に注意する。

 

最後に、黒王は全軍に向け厳かに命じた。「さて、一人残らず人間を消し去る。進軍を開始せよ。」

 

その言葉に従い、黒王の軍勢は一斉に動き出し、南征が幕を開けた。すべては黒王の意のまに、歴史的な一戦へと飛び込んでいった。

 

 黒王軍の侵攻が続く中、戦場は凄まじい光景と化していた。城の周囲では、黒王軍の巨人が槍を高く振りかざし、人間の防御ラインを簡単に打ち崩していた。巨人の向こうで、コボルトたちは整然と配置されたクロスボウを手にし、敵に向かって雨あられと矢を撃ち込んでいる。その光景はまるで一つの部隊のように息を合わせて動く、非常に効果的な攻撃だった。

 

一方、ドラゴンたちは空高く舞い上がり、時折炎のブレスを吐き出して、城の防壁やその上にいる兵士たちを一掃した。炎の中でくすぶる瓦礫やショックで倒れた兵士たちの姿は、ついてきた者たちに恐怖を与え、その意志をさらに折っていった。

 

「押せ!押せ!後退するな!」と叫ぶ黒王の部下たちの声が響く。士気が高まる中、黒王軍は次々に城門を突き破り、内部に侵入を果たしていく。敵の抵抗にあたる者たちを捉えるため、義経率いるケンタウロス部隊は各所を駆け巡り、逃げる民を果敢に追い詰めた。ケンタウロスたちは俊敏な動きで戦場を縦横無尽に駆け回り、敵軍に恐怖を刻み込んでいく。

 

民衆の悲鳴が響く中で、逃げる者たちは互いにすれ違い、混乱が広がっていく。「早く!逃げろ!」と叫びながら、彼らは何かを求めて後ろを振り返る。しかし、義経の率いるケンタウロスの迅速な襲撃により、無抵抗な者たちはあっという間に捕らえられた。

 

「こいつら、何もわからないま殺されるのか?」と土方が心中で思いながら、彼自身も戦況を熟視している。攻撃の手を緩めることなく、彼は指揮官としての責任を果たすべく、揺るがない決意を持って戦場を見守っていた。

 

一方、黒王は静かに戦闘の様子を見つめ、「人間たちよ、お前たちの時代は終わった。進み続けろ。」とその声を響かせる。彼の冷たい視線が敵へと向けられ、さらなる恐怖をその場に生み出していた。

 

そして、ついに城内部に黒王軍が侵入する。武器を持たない無辜の民が、恐れをなして逃げ惑い、兵士たちの抵抗はほとんど意味をなさず、次々と捕らえられていく。混乱の中、黒王軍の圧倒的な強さが、まさに戦場を支配し、彼らの冷酷な目的に向かって進んでいく。戦闘は終息を迎え、ただ破壊と悲劇だけが広がる、残酷な現実が展開されていった。

 

 光秀「黒王様はデサントと言ってた。それだけでなくドラゴンによる支援など何故ここまでの戦法を知っている?彼は本当にあれなのか?」

 

 

 いつからか諸部族の長達は抵抗を諦めオルテ帝国へと歩みを進めていた。

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